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特集 仕事や職業キャリアに関する女性の学び直し・暮らしを充実させる男性の学び直し~学び直しの現状と分析~

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第3節 多様な豊かさを実現できる社会の形成に向けた学び直しの促進

「第6次男女共同参画基本計画」においては、女性も男性も暮らしやすい多様な幸せ(well-being)の実現に向けて、男女共同参画・女性活躍推進に係る取組を進めるという視点が示されている。第1節でみてきたように、長寿化や社会構造の変化、デジタル技術の進歩などの社会状況の変化を踏まえると、一人一人が生き方・暮らし方を様々な選択肢の中から選び、幸せを実現していくためには、職業上の知識・技術を獲得するための学びだけでなく、日常生活や地域活動、社会活動に関することを含めた「人生を豊かにする学び」は、今後の男女共同参画社会の形成において重要性を増している。

第2節では、このような学びの中でも、社会変化への対応や自己実現を図るための社会人の学び直しに焦点を当て、「人生を豊かにする学び直し」に対する関心や意識の傾向について、意識調査結果を基に分析を行った。人生をより良くするために「新しいことを身につけたい」・「いまの自分の能力やスキルを更に磨きたい」という学び直しへの意欲のある者は、性別を問わず、様々な年齢層において相当な割合でいるということが確認された。また、実際に学び直しを行った者においては、「日々の暮らしに役に立った」、「興味・関心の幅が広がった」等の効果を実感していた。さらには、学び直しの経験がある層は、経験がない層に比べ、普段の暮らしの中での役割や居場所があると感じている者の割合が高く、また男女差もあまりない。

一方で、学び直しの意欲がある者の中で、実際に学び直しに踏み出した層がむしろ少数派となっている傾向にあり、学び直しに対して様々な「障壁」が存在していることも確認された。学び直しを行っていない理由として、女性では男性に比べて経済的な理由や、家事・育児・介護等が忙しいという点を挙げる割合が高く、男性は女性に比べ仕事が忙しい、学んでも職場などで評価されないという点を挙げる割合が高かった。また、男女を問わず、学び直しに当たって配偶者など家庭における理解や支援の重要性も示唆された。

本節では、改めて、男女共同参画社会の形成における様々な目的に応じた学び直しの意義や効果について考えるとともに、学び直しの障壁の除去に向けた政策等の対応の在り方について考察していく。

1.様々な学び直しの意義と効果

(人生100年時代における暮らし方の変化)

人生100年時代においては、女性も男性も働き方や学ぶ機会、地域活動の形態が多様化・重層化していく。こうした状況の下では、従来の単線型の人生設計にとどまらず、個人の状況や希望に応じて、多様な形態の就労や社会参加を通じ、多様な豊かさや生活を実現していくことが可能になる。長い人生を豊かに暮らしていくためには、仕事や職業キャリアに関する分野での学びとともに、暮らしを充実させる分野での学びも生涯にわたって続けていくことが重要となる。

第1節でみたとおり、長寿化の進展と並行して、近年は男女を問わず就業率が上昇傾向にあり、特に60代の就業が増加している(特-7図再掲)。また、女性の就業も拡大しており、令和7(2025)年時点において、共働き世帯数は専業主婦世帯数の3.5倍となっている(特-5図再掲)。

他方、我が国においては、L字カーブの存在、女性の非正規雇用比率の高さ、男女間賃金格差、家事・育児・介護等の女性への偏りなど、男女の格差に関連する課題が依然として存在し、男女双方に様々な影響を及ぼしていると考えられる。これらの課題の是正に当たっても、男女ともに個性や能力に応じて力を発揮するために学ぶことの意義は大きい。

なお、多様な学びの価値が広がる中で、体系的・専門的な知識やスキルの習得を目指す人にとって、大学や大学院が提供する学び直しは、個々のキャリア形成や人生の選択肢を更に広げる重要な機会となる。大学等において、社会人を対象とする学位取得に向けた授業のほかに、コラム1コラム2の例にみられるとおり、各種のリカレント教育が推進されるなど、学び直しを支援・促進する取組が進められている。

(技術の進展と産業構造等の変化)

総務省の調査23によると、令和6(2024)年時点で、我が国において何らかの生成AIサービスを使ったことがある個人の割合は26.7%にとどまり、中国(81.2%)、米国(68.8%)、ドイツ(59.2%)と比べて低い状況にあることが示されている。これは、日本のデジタル技術の活用が国際的に相対的に低い水準にあり、個人のデジタルスキルや活用意欲の向上が今後の社会的課題であることを示唆していると考えられる。

今後デジタルスキルを主体的に習得することは、快適で便利な生活の実現に寄与するだけでなく、組織内での価値の向上や職務の拡張、就職や転職等の機会を通じて、キャリアの充実を支える重要な要素となる。コラム3コラム4に示すとおり、官民の様々な主体によって、デジタルスキルに関する女性の学び直しを支援・促進する活動が進められているところである。

また、成長分野を始めとした投資促進や、地域における産業クラスターの形成に向けた取組が進められる中、人口減少への対応や産業構造の転換に伴い、第1節でもみたとおり、様々な産業においてデジタル人材が求められるとともに、専門職や理系人材の需要が高まると想定されており、このような将来の就業環境に対応したリ・スキリング等の学び直しの促進をしたりすることは、我が国の経済成長に資するような強い地域経済の構築を支える人材育成の観点から重要であるとともに、個人が地域において専門性を生かしながら豊かに暮らすことにもつながる。

特に、様々な状況に置かれた女性がデジタルスキルを始めとする仕事や職業キャリアに関する学び直しを進めることは、所得向上、育児・介護等と両立した経済的自立、企業におけるキャリアアップ、起業の促進といった経済的メリットをもたらすのみならず、地域における女性活躍が進むことを通じた豊かで活力ある地域づくりという点においても重要といえる。

(人と地域とのつながりの構築)

本特集が対象とする学び直しは、仕事や職業キャリアに関するものだけでなく、家庭や日常生活に関すること、文化・教養、地域活動や社会貢献活動、健康に関することなど、日常生活や興味・関心に基づく暮らしを充実させる学び直しも含む。これらの学び直しを通じて育まれる人と人、人と地域とのつながりを大切にしつつ、学び直しによる生活の充実や心の豊かさなど多様な豊かさの実現が期待される。

第1節でみたとおり、困ったときに頼れる人がいない割合も、不安や悩みの相談相手がいない割合も、男性は女性の2倍に達している。また、特に50代男性では、頼れる人や相談相手がいないと回答する割合が相対的に高い(特-13図再掲)。こうした背景を踏まえると、孤独・孤立は人生のあらゆる場面において誰にでも起こり得るものであり、社会全体で居場所づくりや相談支援を含む包括的な対策が推進されている30。仲間と互いに学び合い、支え合うコミュニティは、新たな役割や居場所を形成し、つながりを広げる可能性を有している。また、地域におけるつながりの創出が地域の活性化に結びつくことも期待される。特に男性においては、地域におけるつながりや役割・居場所の形成が重要であり、それにより地域課題の解決に資する人材の育成が更に進む可能性がある。

さらに、長い人生を豊かに過ごすことができるよう、高齢期を見据えて、早い段階から地域とのつながりや居場所を持つ機会を増やす取組が求められる。地域社会の観点から見ても、地域を支える人材の高齢化や人手不足が進む中で、高齢世代から若年世代への役割の継承も課題となっている。将来にわたり持続可能な地域社会を形成するには、地域の社会課題に関する学びの機会を確保するとともに、担い手の育成を図ることが必要である。「学び」を通じて地域のつながりの創出や活性化をもたらしている具体例として、コラム5コラム6に示すような取組がある。

23 総務省「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」(令和7(2025)年3月)

30 内閣府孤独・孤立対策推進室「最近の孤独・孤立対策の取組について」(令和8(2026)年1月16日 第5回孤独・孤立対策の在り方に関する有識者会議 資料2)

コラム1 京都女子大学のリカレント教育事業

コラム2 学び直しから起業・社会貢献へ ~ 一般社団法人ルータス・代表理事/株式会社ルータスワークス・代表取締役 大原康子氏

コラム3 栃木県日光市「Smart Work Women Project」~地域におけるデジタル人材の育成

コラム4 特定非営利活動法人Waffleによる女性IT人材育成の取組

コラム5 地域づくり応援団キラッとO~RA☆DA(山形県)

コラム6 株式会社LIFULLによる地域における女性の支援事業(LIFULL FaM)

2.学び直しへの障壁の解消に資する環境整備

内閣府の調査では、学び直しに対する意欲は相当程度確認される一方で、実際に直近で学んだ経験を持つ者は限定的であり、意欲と行動の間にギャップがみられた。学び直しは、各人の意思や関心に基づき取り組むことが基本であり、意欲と行動のギャップの背景にある学び直しへの障壁も各人それぞれの事情によるところが大きい。一方で、学び直しへの障壁の全てが個人の責に帰すべきものということはなく、むしろ、社会の側からの環境整備によって、解消や改善が図られるものもあると考えられる。

ここからは、男女共同参画社会の形成に資する多様な学び直しについて、意欲のある者がより積極的に取り組むことができるようにするための学び直しへの障壁の解消に資する環境の整備という観点から、取り組むべき政策課題について整理する。

(1)経済的事情

「学ぶための費用がかかる」、「金銭的な余裕がない」といった経済的事情は、「仕事や職業キャリアに関する学び直し」、「暮らしを充実させる学び直し」のいずれにおいても学び直しへの障壁として多く挙げられていた。特に女性においては、学び直しへの障壁として経済的事情を挙げる者が最も多く、また、男性に比べて経済的事情を挙げる割合が高かった。

この点、公的機関において、無料又は低額で利用できる学習プログラムや学習資源の提供・周知の取組が進められている。また、仕事や職業キャリアに関する学び直しに関しては、厚生労働省において「教育訓練給付金」32や「ハロートレーニング」33等の制度を用意している。地方公共団体においては、男女共同参画センター等を拠点として、女性のための起業家育成プログラムにおける相談支援や起業セミナー等を始めとして、様々な学び直しの機会を提供している。

経済的事情により学び直しをためらう者が一定程度いるという状況を踏まえると、経済的格差が学び直し機会の格差に影響する可能性も考えられ、特に、女性の経済的自立につながる学び直しを推進する際には、経済的事情が学び直しへの障壁となり得ることに留意した取組が求められる。

(2)時間的制約

「仕事が忙しくて時間がない」、「家事・育児・介護が忙しくて時間がない」等、仕事や家庭の事情を理由にした時間的制約についても、「仕事や職業キャリアに関する学び直し」、「暮らしを充実させる学び直し」のいずれにおいても学び直しへの障壁として比較的多く挙げられていた。特に、女性よりも男性の方が「仕事が忙しくて時間がない」を学び直しへの障壁として挙げる割合が高く、男性よりも女性の方が「家事・育児・介護が忙しくて時間がない」を学び直しへの障壁として挙げる割合が高くなっていた。また、自身の学びに対する配偶者の姿勢を女性と男性で比較すると、女性20代及び30代において、男性20代及び30代より「配偶者が学ぶことに前向きである」と感じる割合が低かった。

これらの調査結果は、「第6次男女共同参画基本計画」においても指摘されている「残業をしながらフルタイムで働く男性の割合が高く、依然として家事・育児が女性に偏っている現状」とも符合している。女性においては、育児や介護を始めとしたライフイベントに際して両立のしづらさや着実なキャリア形成が困難となる状況の背景に、長時間労働や固定的な性別役割分担意識による家事・育児・介護等の偏りが生じ、それが学び直しへの障壁にもつながっている可能性がある。また、男性においては、長時間労働をめぐり、超過勤務の多さなどから心身の健康悪化や生活の質の低下をもたらしている側面があるとも指摘されており、学び直しへの障壁という形でも、生活の質に影響を与えている可能性がある。

現状においても、働きながら、あるいは育児等をしながら学び直しに取り組みやすい環境の整備として、オンデマンド形式でのオンライン講座の提供や、対面での講座の開催に当たり無料託児サービスの提供などによって学び直しを支援する取組が行われている。このような個別の受講者への具体的サポートの充実を図ることも重要であるが、より構造的な問題への対応も必要である。

働き方改革により長時間労働の是正や生産性の向上を進めることは、男女を問わず全ての人の就業環境の改善につながる。また、男性の家事・育児・介護への参画が進むことは、配偶者が働くことを希望する・しないにかかわらず、家庭生活における役割分担の偏りの解消に資することになる。

政府において取組を進めている、働き方改革の更なる推進と多様で柔軟な働き方の実現や、仕事と育児・介護の両立支援、男女双方の意識改革・理解促進といった、ライフステージに応じて全ての人が希望する働き方を選択できる社会の実現に向けた様々な施策は、男女ともに生活を充実させるために使える時間を増やすことを通じて、学び直しへの障壁の解消につながるものと考えられる。

(3)学び直しに関する情報の不足や不安

経済的事情や時間的制約といった理由と並んで、学び直しへの障壁として「何を学んでいいか分からない」、「特に理由はない」と回答する者が多かったという点にも注意を払うべきである。学ぶ意欲はあっても、具体的に何をどう学べばいいのか分からない、あるいは具体的な行動につながるきっかけがないといった、学び直しの意欲を行動に移すための具体的なイメージが伴っていない状況が、学び直しへの障壁と感じられているものと推測される。また、学び直しに対して、費用や時間的な負担を含めて特別な準備や環境が必要と考えている可能性もある。

このような、学び直しに対する漠然とした意欲や印象を持つ層に対しては、具体的なイメージを形成するための情報や機会を提供することにより、実際の学び直しの行動に結びつけていくことが可能と考えられる。例えば、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営するデジタル人材育成プラットフォーム「マナビDX」では、デジタルスキルを学ぶ機会がなかった初心者から、より実践的なデジタル知識・スキルを身につけたい人まで、誰でもデジタルスキルを学ぶことができる講座が紹介されており、デジタルスキルを学ぶことのイメージを具体化しやすくする工夫がなされている。また、文部科学省が運営する、社会人の大学等での学びを応援するためのポータルサイト「マナパス」では、大学等の講座、教育訓練給付金の指定講座、夜間・週末の講座や支援制度等を案内している。

また、地域の男女共同参画センターにおいては、女性防災リーダーの育成や、職場における女性特有の健康課題への理解促進等、地域課題の解決に即した様々な講座や研修などを企画・実施することが期待されている。地域の側から、具体的な学び直しに対するイメージが固まっていない層を意識して、地域社会の課題解決に資する具体的な学び直しのテーマや機会を積極的に提示することは、学び直しの意欲を持つ者にとっての具体的行動への導線となるだけでなく、地域課題の解決のための人材の掘り起こしや、地域における様々な取組の連携・協働の促進にもつながり、学び直しの意欲を持つ者と地域の双方にとってメリットが大きいと考えられる。さらに、「仕事や職業キャリアに関する学び直し」の観点からは、起業やキャリアアップに向けて専門的な職業訓練機関や教育機関に通うことに抵抗感や不安を覚える女性に対して、学び直しに向けた相談対応や、基礎的な知識の習得を中心とした講座等の提供を通じて、間口広く学び直しのファーストステップを提供し、専門的機関との橋渡しの機能を担うことが可能である。男女共同参画センターの提供する講座や研修は、このような観点から、学び直しに対する漠然とした印象や不安の解消にもつながり得るものと考えられる。

(4)キャリアへの影響・職場からの評価

「仕事や職業キャリアに関する学び直し」においては、「学んでも収入アップやキャリアアップにつながらない」、「学んでも会社から評価されない」という点を学び直しへの障壁として挙げる者が、男女ともに一定程度存在している。特に女性においては、職場での役職員への昇進や登用や自ら起業することに対するロールモデルがいまだに十分でないことや、職場における固定的な性別役割分担意識などが、キャリア形成の障壁となっており、学び直しによってスキルを習得することの意義を見いだすことができない、といったケースも想定される。

このような観点を踏まえると、「仕事や職業キャリアに関する学び直し」においては、具体的なロールモデルの提示や、習得したスキルを具体的に職業においてどのように生かしていくのかといった展望を含めて機会を提示することが望ましいと考えられる。特に、デジタル人材を始めとする、地域において成長分野の産業で活躍できる人材の育成や、起業家の育成などの取組においては、学び直しの機会を単なる講座等の実施のみで終わらせず、その後の就労につなげる相談、ネットワーク構築づくり等のマッチング支援を含めた伴走型の支援とセットで行うことが効果的と考えられる。

(まとめ)

長寿化の進展やテクノロジーの急激な進歩がみられる今日の社会において、職業生活のみならず長い人生を豊かに暮らしていくために、女性も男性も多様な学び直しに取り組むことは、男女共同参画社会の形成の観点からも今後ますます重要となる。社会人の主体的な学び直しを促進するため、大学等による社会人向け教育プログラムの開発・強化の支援や、産業界と地域の高校・高専・大学や地方自治体が協働し、産業イノベーション人材を育成する取組の推進、人材開発支援助成金の活用など、企業が従業員の学び直しを促進しやすい環境整備の取組も進められている。

一方で、学び直しの意欲があっても、経済的事情や、仕事や家庭の事情を理由とした時間的制約、学び直しに対する情報の不足や不安などの様々な障壁が存在することも調査を通して明らかになった。また、学び直しの障壁における男女の傾向の差も踏まえ、地域の実情に応じた課題の解決に資する多様な学び直しの機会を提供することが重要である。学び直しは、各人の意思や関心に基づき、主体的に取り組むことが基本であるが、今回の調査結果を踏まえれば、学び直しに意欲を持つ個人が直面する学び直しへの障壁の解消に当たっては、社会の側の環境整備が果たすことができる役割が少なくないということが考えられる。経済的事情にも配慮した教材やプログラムの提供、就業環境の改善を通じた学び直しに充てられる時間の確保、学び直しのイメージの具体化及び地域社会の課題解決に資するような、具体的な学び直しのテーマや機会の積極的な提示、単なる講座等の実施にとどまらない伴走型の支援を含めたプログラムの提供など、個々人が自身の抱える学び直しに向けた課題を解決できる支援を充実していくことが重要と考えられる。

特に、男女共同参画社会の形成という観点においては、地域における男女共同参画施策の推進に当たっての連携・協働の拠点34である男女共同参画センターが、学び直しの障壁における男女の傾向の差も踏まえ、地域の実情に応じた課題を解決できる支援を充実していくことが重要と考えられ、地方公共団体においては、令和8(2026)年1月に内閣府が策定した「男女共同参画センターにおける業務及び運営についてのガイドライン」及び「男女共同参画センターの取組事例集」も活用しつつ、地域社会の課題解決に資する学び直しの機会を積極的に提供することが期待される。また、このような取組を積極的に進める地方公共団体に対し、地域女性活躍推進交付金による財政的な援助のほか、独立行政法人男女共同参画機構による、多様な学び直しの取組についての好事例の収集・横展開や、男女共同参画センターの実施する研修等の講師のマッチング・派遣、取組の実施に必要な人材の育成などを通じた支援を進めていく必要があると考えられる。

学び直しへの障壁を乗り越えるためのきめ細やかな環境整備を含め、「人生を豊かにする学び直し」を促進することにより、個人の成長のみならず、地域・社会課題の解決が図られ、ひいては我が国の経済成長などにつながることを通じ、女性も男性も暮らしやすい多様な幸せ(well-being)の実現する社会の形成が促進されることが望まれる。

特-37図 多様な豊かさを実現できる社会の形成に向けた学び直しの促進別ウインドウで開きます
特-37図 多様な豊かさを実現できる社会の形成に向けた学び直しの促進

32 教育訓練給付金とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されるもの(厚生労働省ホームページより引用。)。

33 ハロートレーニングは、希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識などを習得することができる公的制度(厚生労働省ホームページより引用。)。

34 男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)第18条において、男女共同参画センターは、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策に関する活動を行う民間の団体その他の関係者相互間の連携と協働を促進するために必要な施策を推進するための拠点として法的に位置づけられているとともに、地方公共団体に対し、男女共同参画センターの機能を担う体制の確保について努力義務を課している。

参考 「令和7年度人生を豊かにするための学びに関する調査」(内閣府委託調査)