本編 > 1 > 特集 > 第2節 人生を豊かにする学び直しへの意欲と障壁
第2節 人生を豊かにする学び直しへの意欲と障壁
第1節でみてきたような、急速に変化する社会に対応するためには、性別、年齢にかかわらず、継続的に学び続けることが必要となっている。
多様な学びの積み重ねは、日々の暮らしの充実につながり、多様な幸せ(well-being)の向上にも資するものと考えられる。更なる女性活躍の推進とともに、女性も男性も、仕事以外の場面においても個人として多様な活動に参加し、様々な役割を担うことで、生涯にわたり、より豊かな人生を送ることが可能になることが期待される。
本節では、「学び直し」を「社会人による、職業に直結した学びに限られない人生を豊かにする学びや他者との学びあい」20と捉え、内閣府の意識調査21等を基に、学び直しに対する意識や、学び直しを促進・継続するために必要なこと等について考察を深める。
20 第4期「教育振興基本計画」(令和5年6月16日閣議決定)では、「人生100年時代は、同一年齢での単線的な学びや進路選択を前提とした人生のモデルから、一人一人の学ぶ時期や進路が複線化する人生のマルチステージモデルへと転換することが予測されている。こうした社会の構造的な変化に対応するため、学校教育における学びの多様化とともに、社会人の学び直し(リカレント教育)をはじめとする生涯学習の必要性が高まっている。職業に直結した学びのほかにも、ライフステージの変化(例えば結婚、出産、育児、介護、病気、退職など)に応じて生じる様々な悩みの中で、「人生を豊かにするための学び」や「他者との学びあい」を身近なものとすることが重要である。また、高齢者を年齢によって画一的に捉えることなく、第二の人生を生きる個人の意欲や能力を生かすエイジフリーな社会に対応した学習機会の確保も重要であり、国や地方公共団体等は個人が生涯にわたって学習する機会を得られるよう条件を整備する必要がある。」とされている。
21 内閣府「人生を豊かにするための学びに関する調査」(令和7年度内閣府委託調査)。回答者は、国内在住の20~69歳のインターネット・モニター男女2万人(調査の概要はこちらを参照。)。なお、社会人経験のない学生は調査の対象外としている。以下、本文中に具体的な調査名がなく、「調査」と記載してあるものは、全て同調査の結果を引用している。
1.学び直しに対する意識(学び直しへの意欲)
人生をより良くするために「新しいことを身につけたい」・「いまの自分の能力やスキルを更に磨きたい」という学び直しへの意欲について、男女別にみると、「意欲がある(7~10点)」とする者の割合は、女性が26.9%で、男性(30.5%)に比べやや低くなっている。
また、「中間(4~6点)」も含めると、女性は69.0%、男性は71.8%となっており、男女ともに約7割が学び直しへの意欲を有している。
年代別にみると、「意欲がある(7~10点)」とする者の割合は、女性では20代が31.6%と最も高く、次いで、40代(28.1%)、30代(26.9%)の順となっている。男性では20代が35.7%と最も高く、次いで、30代(34.4%)、40代(32.1%)となっており、男女ともに若い年代ほど高く、年代が上がるほど低い傾向がみられる(特-22図)。
特-22図 人生をより良くするための学び直しへの意欲(男女、年代別)![]()

(就業状態・雇用形態別の学び直しへの意欲)
人生をより良くするために「新しいことを身につけたい」・「いまの自分の能力やスキルを更に磨きたい」という学び直しへの意欲について、就業状態・雇用形態別にみると、男女ともに、正規雇用及びその他有業では「意欲がある(7~10点)」とする者の割合が30%を超えている。一方、非正規雇用及び無業では30%を下回っており、特に無業の男性では19.7%と相対的に低い水準となっている。
また、「中間(4~6点)」も含めると、女性は正規雇用、非正規雇用、その他有業で70%を超える一方で、無業では60.2%となっている。男性では正規雇用で77.2%、その他有業で70.3%、非正規雇用で62.5%、無業で51.8%となっている。
他方、「意欲がない(0~3点)」とする者の割合をみると、無業の男性が48.2%と最も高く、次いで無業の女性(39.8%)となっている。非正規雇用の方が正規雇用より、女性では4.5%ポイント高く、男性では14.7%ポイント高くなっている。
これらの結果から、学び直しへの意欲は、男女ともに無業者より有業者の方が高く、また、非正規雇用者に比べ正規雇用者の方が高いことが読み取れる。なお、この傾向は女性よりも男性の方が顕著である(特-23図)。
特-23図 人生をより良くするための学び直しへの意欲(男女、就業状態・雇用形態別)![]()

(学びに関連する意識)
学びに関連する意識についてみると、「何歳になっても、能力を伸ばし続けることができる」という考え方について、「そう思う(計)」(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の計)とする者の割合は、女性が47.5%、男性が37.9%と、女性の方が9.6%ポイント高くなっている。
年代別にみると、女性は上の年代ほど「そう思う(計)」の割合が高い傾向がみられ、50代及び60代では50%を超えている。一方、男性は年代による大きな差はみられず、いずれの年代も40%を下回っている。
この結果、年代が上がるほど男女差が大きくなっており、60代では16.8%ポイント、50代では13.2%ポイント、40代では9.8%ポイント、女性の方が男性よりも「そう思う(計)」の割合が高くなっている。
また、「社会の変化に対応するために、学び続けることが必要だ」という考え方について、「そう思う(計)」とする者の割合は、女性が44.7%、男性が40.3%と、女性の方が4.4%ポイント高くなっている。
年代別にみると、女性は上の年代ほど「そう思う(計)」の割合が高い傾向がみられ、60代では49.5%と最も高くなっている。一方、男性は20代が42.4%と最も高い一方、40代から60代まででは40%を下回っており、男女で異なる傾向がみられる。
その結果、20代では男性の方が女性に比べて「そう思う(計)」の割合が4.1%ポイント高い一方、40代以上では女性の方が高く、特に60代では9.8%ポイント高くなっている(特-24図)。
2.学び直しへの意欲と経験のギャップ
前述のとおり、本節では「学び直し」を「人生を豊かにする学び」と広く捉え考察を行っている。
以下では、学びを大きく二つに区分し、一つは仕事や職業キャリアに関する学び(以下「仕事や職業キャリアに関する学び直し」という。)とし、もう一つは家庭や日常生活、文化・教養、地域活動や社会貢献活動、健康に関することなど、日常生活や個人の興味・関心に基づく幅広い学び(以下「暮らしを充実させる学び直し」という。)と整理し、それぞれについて分析を行う。
(仕事や職業キャリアに関する学び直しへの意欲と経験)
仕事や職業キャリアに関する学び直しへの意欲と経験についてみると、「学ぶ意欲がある」とする者の割合は、女性で33.7%、男性で39.7%となっている。このうち、「学ぶ意欲があり、過去1年以内に学んだ」とする者の割合は、女性が9.6%、男性が15.0%と、女性の方が5.4%ポイント低くなっている一方で、「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」とする者の割合は、女性が24.1%、男性が24.7%と、男女間に大きな差はみられない。
年代別にみると、「学ぶ意欲があり、過去1年以内に学んだ」とする者の割合は、男女ともに若い年代ほど高い傾向がみられるが、若い年代において男女差が大きく、30代で9.8%ポイント、20代で8.5%ポイント、女性の方が男性よりも低くなっている。他方、「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」とする者の割合は、女性、男性ともに20代から50代までおおむね25%から30%弱で、年代別・性別での差は比較的小さい。
就業状態・雇用形態別にみると、「学ぶ意欲がある」とする者の割合は、男女ともに正規雇用及びその他有業で高く、無業で低くなっている。このうち、「学ぶ意欲があり、過去1年以内に学んだ」とする者の割合は、正規雇用、非正規雇用のいずれも男性より女性の方が低くなっている一方、「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」とする者の割合は、正規雇用では男性と女性の間で大きな差はみられないものの、非正規雇用では女性の方が5.7%ポイント高くなっている(特-25図)。
特-25図 仕事や職業キャリアに関する学び直しへの意欲と経験のギャップ(男女、年代、就業状態・雇用形態別)![]()

(仕事や職業キャリアに関する学び直しへの障壁)
仕事や職業キャリアに関する学び直しの課題や困りごとについてみると、女性では「金銭的余裕がない」が32.7%と最も高く、次いで、「学んでも収入アップにつながらない」(19.3%)、「何を学んでいいか分からない」(19.1%)の順となっている。
一方、男性でも「金銭的余裕がない」が25.4%と最も高く、次いで、「仕事が忙しくて時間がない」(20.5%)、「学んでも収入アップにつながらない」(18.1%)の順となっている。
課題や困りごと別に男女差をみると、「家事・育児・介護等が忙しくて時間がない」において最も差が大きく、女性の方が男性より7.4%ポイント高くなっている。次いで、「金銭的余裕がない」(7.3%ポイント)、「何を学んでいいか分からない」(5.2%ポイント)等についても、女性の方が高くなっている。
一方、「仕事が忙しくて時間がない」(3.3%ポイント)や「学んでも会社から評価されない」(2.0%ポイント)等については、男性の方が高くなっている。
また、何らかの課題や困りごとを挙げた者の割合は、女性が71.9%、男性が66.0%となっており、女性の方が、仕事や職業キャリアに関する学び直しに際して、課題や困りごとを感じている割合が高くなっている。
課題や困りごとのうち男女差が大きい項目について年代別にみると、「金銭的余裕がない」は20代から40代にかけて差が拡大し、40代で最大となり、その後は50代、60代にかけて縮小し、全ての年代で女性が上回っている。「何を学んでいいか分からない」は30代から50代までで差が大きく、全ての年代で女性が上回っている。「仕事が忙しくて時間がない」は30代で差が最大となり、40代で縮小した後、50代で再び拡大し、全ての年代で男性が上回っている。「家事・育児・介護等が忙しくて時間がない」は40代で差が最大となり、その後は50代、60代でも同程度の差が続き、全ての年代で女性が上回っている(特-26図)。
特-26図 仕事や職業キャリアに関する学び直しへの障壁(男女、年代別・有業者又は就業意向のある無業者)![]()

(暮らしを充実させる学び直しへの意欲と経験)
暮らしを充実させる学び直しについて、「学ぶ意欲がある」とする者の割合は、男性より女性の方がやや高いが、「学ぶ意欲があり、過去1年以内に学んだ」とする者の割合は、男女それぞれ全体の3割弱と、大きな差はみられない。
年代別にみると、性別・年代を問わず「学ぶ意欲がある」とする者の割合は、65%を超えており、前述の仕事や職業キャリアに関する学び直しに比べて高くなっている。このうち、20代男性を除き、実際に過去1年以内に学んだ者よりも、学ぶ意欲はあるが学んでいない者の方が多い。また、男女とも、20代から50代にかけて、年代が上がるほど「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」と回答した者の割合が高くなっていく傾向にある。
「学ぶ意欲はなく、過去1年以内に学んでいない」とする者の割合をみると、女性は、30代の29.6%をピークに年代が上がるほど低下し、60代では20.0%である。男性は、20代では25.8%、60代では27.7%といずれの年代においても、ほぼ横ばいとなっている(特-27図)。
特-27図 暮らしを充実させる学び直しへの意欲と経験のギャップ(男女、年代別)![]()

仕事や職業キャリアに関する学び直しと暮らしを充実させる学び直しのいずれにおいても、「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」とする者が性別や年代を問わず一定程度存在しており、学び直しへの意欲はあるが、実際の行動に至ることを妨げる何らかの障壁の存在が示唆される。
(暮らしを充実させる学び直しへの障壁)
暮らしを充実させる学び直しについて、学ぶ意欲はあるものの、過去1年以内に学んでいない者の、学んでいない理由をみると、女性では「学ぶための費用がかかるから」を挙げる割合が24.1%と最も高く、次いで、「何を学んでいいか分からないから」(21.8%)、「身近なところに学ぶ機会・場がないから」(19.1%)の順となっている。
一方、男性では「仕事が忙しくて時間がないから」が23.1%と最も高く、次いで、「何を学んでいいか分からないから」(20.0%)、「学ぶための費用がかかるから」(19.0%)の順となっている。
男女ともに、「何を学んでいいか分からないから」とする者の割合が約2割となっている。
理由別に男女差をみると、「家事・育児・介護等が忙しくて時間がないから」において最も差が大きく、女性の方が男性よりも6.9%ポイント高くなっている。次いで、「学ぶための費用がかかるから」で差が大きく、女性の方が5.1%ポイント高くなっている。
一方、「仕事が忙しくて時間がないから」では男性の方が女性よりも4.4%ポイント高く、「学んでも職場などから評価されないから」についても、男性の方が3.5%ポイント高くなっている。
なお、「学びに必要な情報(内容・時間・場所・費用など)が入手できないから」及び「学ぶことより優先したいことがあるから」について、男女差が小さくなっている。
学んでいない理由のうち男女差が大きい項目について年代別にみると、「学ぶための費用がかかるから」は20代から40代にかけて差が拡大し、40代で最大となり、その後は50代、60代にかけて縮小し、全ての年代で女性が上回っている。「仕事が忙しくて時間がないから」は、20代では女性がわずかに上回っており、30代から男性が上回るとともに、30代で差が最大となり、40代で縮小した後、50代で再び拡大する。「家事・育児・介護等が忙しくて時間がないから」は20代では男性が上回っており、30代から女性が上回るとともに、50代にかけて差が拡大し、50代で最大となり、60代でも同程度の差となる。「学んでも職場などから評価されないから」は20代及び40代で差が大きくなっており、全ての年代で男性が上回っている(特-28図)。
特-28図 暮らしを充実させる学び直しへの障壁(男女、年代別)![]()

(自身の学びに対する配偶者の姿勢)
男女ともに、学びの障壁として、費用や時間を挙げる割合が高い(特-26図、特-28図再掲)ことを踏まえると、学び直しに当たっては、個人の意欲や能力に加えて、家庭内における理解や支援等も影響していると考えられる。
自身の学びに対する配偶者の姿勢についてみると、「前向きである(計)」(「学ぶことを積極的に支援してくれる」と「学ぶことに対して理解がある」の計)とする者の割合は、女性が45.1%、男性が47.8%と、男性の方がやや高くなっている。
女性についてみると、配偶者の姿勢が「前向きである(計)」とする者の割合は、20代で50.8%と最も高い一方、30代で最も低く41.5%、次いで、40代で43.0%となっている。30代及び40代の女性では、他の年代と比べ、配偶者からの支援や理解が得られていると感じている割合が低い傾向がみられる。
男性についても、20代で61.7%と最も高い一方、40代で45.2%と最も低く、次いで、50代で45.7%となっており、年代による差は女性よりも大きくなっている。
年代別に男女を比較すると、20代及び30代では、男性の方が配偶者の姿勢が「前向きである(計)」とする者の割合が10%ポイント以上高い一方、40代以上では配偶者の姿勢にあまり男女差はみられなくなっている(特-29図)。
特-29図 自身の学びに対する配偶者の姿勢(男女、年代別・有配偶者)![]()

(自身の学びに対する配偶者の姿勢と自身の学びの経験)
自身の学びに対する配偶者の姿勢別に、自身に学びの経験があるかどうかをみると、男女ともに、配偶者が「学ぶことを積極的に支援してくれる」とする場合に、過去1年以内に学んだとする者の割合が最も高く、女性は55.9%、男性は68.9%となっている。
一方、配偶者が「学ぶことに否定的な姿勢である」とする場合には、過去1年以内に学んだとする者の割合は、女性が24.1%、男性が21.9%と最も低くなっている。配偶者が「学ぶことを積極的に支援してくれる」とする場合と比較すると、その差は、女性で31.8%ポイント、男性で47.0%ポイントとなっている。
男女で比較すると、配偶者が「学ぶことを積極的に支援してくれる」とする場合に、過去1年以内に学んだとする者の割合は、男性の方が女性よりも13.0%ポイント高くなっている(特-30図)。
特-30図 自身の学びに対する配偶者の姿勢と自身の学びの経験の有無(男女別・有配偶者)![]()

これらの結果から、配偶者の学びに対する姿勢と、本人の学びの経験には一定の関連がみられ、配偶者から積極的な支援や理解が得られている場合には、学びを実際の行動に移しやすい環境にあることがうかがえる。
3.学び直しの効果
(仕事や職業キャリアに関する学び直しの効果)
仕事や職業キャリアに関する学び直しの効果についてみると、現在の仕事やキャリア、転職、再就職などに「いかせている(計)」(「いかせている」と「どちらかといえばいかせている」の計)とする者の割合は、女性が60.8%、男性が67.0%となっており、男女ともに60%以上が効果を感じている。一方、女性は男性よりも6.2%ポイント低くなっている。
年代別にみると、女性は20代を除き、上の年代ほど「いかせている(計)」とする割合が高く、60代で68.4%となっている。他方、30代及び40代では、「いかせている(計)」とする割合が60%を下回っている。
男性については、20代で71.3%と最も高く、年代が上がるほど「いかせている(計)」とする割合が低くなる傾向がみられる。
将来的に仕事やキャリアアップに「つながると思う(計)」(「つながると思う」と「どちらかといえばつながると思う」の計)とする者の割合をみると、女性が66.5%、男性が70.7%となっており、男女ともに約7割が将来のキャリアアップへの効果を期待している。一方、「つながると思う(計)」とする割合も、女性は男性より4.2%ポイント低くなっている。
年代別にみると、女性は、「いかせている(計)」とは異なる傾向がみられ、「つながると思う(計)」とする割合は、40代が70.4%と最も高く、次いで、20代、30代、50代の順となっている。
男性では、「いかせている(計)」と同様に、「つながると思う(計)」においても20代が76.7%と最も高く、年代が上がるほど低くなっている。
年代別に男女差をみると「いかせている(計)」及び「つながると思う(計)」のいずれについても、30代で最も差が大きく、「いかせている(計)」では13.6%ポイント、「つながると思う(計)」では10.1%ポイント、いずれも女性の方が低くなっている。また、20代においても「いかせている(計)」では9.8%ポイント、「つながると思う(計)」では8.7%ポイント、いずれも女性の方が低くなっている。40代では、「いかせている(計)」は8.9%ポイント、女性の方が低い一方、「つながると思う(計)」では1.5%ポイントと、男女差は小さくなっている。
総じて、仕事や職業キャリアに関する学び直しを行っている者の多くは効果を感じていることがうかがえる(特-31図)。
特-31図 仕事や職業キャリアに関する学び直しの効果(男女、年代別)![]()

仕事や職業キャリアに関する学び直しの効果について、就業状態・雇用形態別にみると、現在の仕事やキャリア、転職、再就職などに「いかせている(計)」とする者の割合は、男女ともにその他有業が最も高く、女性で71.0%、男性で70.5%と、いずれも70%を超えている。次いで正規雇用が高く、女性で65.8%、男性で69.6%となっている。
一方、非正規雇用では、「いかせている(計)」とする者の割合は、女性が59.6%、男性が61.0%となっており、正規雇用に比べて、女性では6.2%ポイント、男性では8.6%ポイント低くなっている。
また、正規雇用における「いかせている(計)」とする者の割合は、女性の方が男性より3.8%ポイント低くなっている。
将来的に仕事やキャリアアップに「つながると思う(計)」とする者の割合についてみると、男女ともに正規雇用が最も高く、女性で72.7%、男性で73.6%となっており、いずれも70%を超えている。次いで、その他有業が高く、女性が69.4%、男性が66.0%となっている。
一方、非正規雇用では、「つながると思う(計)」とする者の割合は、女性が62.7%、男性が63.2%となっており、正規雇用に比べて、女性で10.0%ポイント、男性で10.4%ポイント低くなっている。
男女ともに、「いかせている(計)」及び「つながると思う(計)」とする者の割合は、いずれも無業で最も低くなっている。一方で、「つながると思う(計)」とする者の割合は、「いかせている(計)」とする者の割合を上回っており、現時点では効果を感じていない場合であっても、将来的に仕事やキャリアアップにつながると感じている者が一定程度いることがうかがえる(特-32図)。
特-32図 仕事や職業キャリアに関する学び直しの効果(男女、就業状態・雇用形態別)![]()

(暮らしを充実させる学び直しの効果)
過去5年以内に暮らしを充実させる学び直しの経験がある者について、その効果をみると、男女ともに、約9割が何らかの効果を感じた又は感じていると回答している22。
効果の内容についてみると、女性では「日々の暮らしに役に立った」が36.9%と最も高く、次いで、「興味・関心の幅が広がった」(35.0%)、「心身の健康につながった」(29.1%)の順となっている。
一方、男性では「興味・関心の幅が広がった」が32.6%と最も高く、次いで、「教養が深まった」(29.8%)、「日々の暮らしに役に立った」(29.6%)の順となっている。
男女差をみると、女性は男性に比べ、「日々の暮らしに役に立った」(7.3%ポイント)、「心身の健康につながった」(4.8%ポイント)等が男性より高くなっている。一方、男性では、「現在の仕事・副業や就職・転職・起業に役立った」(3.6%ポイント)、「地域・社会への関心が高まった」(3.5%ポイント)等が女性よりも高くなっている(特-33図)。
22 学んだことで、どのような効果を感じているかという質問に対し、「特に効果はなかった」、「分からない」以外の何らかの効果を回答した人の割合は、女性87.2%、男性86.9%。
4.学びの経験と普段の暮らしの中での役割や居場所の関係
(普段の暮らしの中での役割や居場所)
学び直しは単なる知識やスキルの習得にとどまらず、人生や地域における新たな役割・居場所づくり、社会とのつながりの再構築につながるケースもある。「困った時に頼れる人がいない」と回答した人は、16~19歳の年代を除き、各年代において男性に多くみられる。さらに、「不安や悩みの相談相手がいない」と回答した人も、いずれの年代でも男性の方が多い(特-13図再掲)。
現在、普段の暮らしの中で、自分の役割や居場所があると感じているかについてみると、「あると思う(計)」(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の計)とする者の割合は、女性が50.0%、男性が43.8%と、女性の方が6.2%ポイント高くなっている。
また、将来(5年後)、普段の暮らしの中で自分の役割や居場所が「あると思う(計)」とする者の割合についても、女性が49.1%、男性が42.7%と、女性の方が6.4%ポイント高くなっている。
年代別にみると、現在の普段の暮らしにおける自分の役割や居場所について「あると思う(計)」とする割合は、男女ともに60代で最も高く(女性68.1%、男性51.3%)、男女差は16.8%ポイントと大きく、女性の方が高くなっている。
女性では、30代(35.8%)が最も低く、次いで20代(39.2%)となっており、40代以上では年代が上がるほど割合が高くなっている。
男性では、40代(40.6%)が最も低く、次いで50代(41.3%)となっている。なお、男性は女性に比べ、年代差が小さい傾向がみられる。
また、将来の普段の暮らしの中での自分の役割や居場所について「あると思う(計)」とする割合を年代別にみると、現在と同じく、男女ともに60代で最も高く(女性66.0%、男性49.4%)、女性の方が16.6%ポイント高くなっている。
女性では、現在の暮らしと同様に、30代(35.6%)が最も低く、次いで20代(40.0%)となっており、40代以上では年代が上がるほど割合が高くなっている。
一方、男性では50代(39.8%)が最も低く、次いで40代(40.5%)となっている。なお、男性は女性に比べ、年代差が小さい傾向がみられる。
現在及び将来のいずれについても、女性では20代及び30代で普段の暮らしの中での自分の役割や居場所があると感じている割合が相対的に低く、それ以降は年代が上がるにつれて自分の役割や居場所があると感じている割合が高くなっていく傾向にある。一方、男性では20代及び30代に比べ40代及び50代において、普段の暮らしの中での自分の役割や居場所があると感じている割合が相対的に低いが、60代は自分の役割や居場所があると感じている割合が高くなっている(特-34図)。
特-34図 普段の暮らしの中での役割や居場所に対する意識(男女、年代別)![]()

(学びの経験と普段の暮らしの中での役割や居場所の関係)
過去5年以内に学びの経験がある者とそうでない者で、普段の暮らしの中での自分の役割や居場所の感じ方を比較すると、現在の普段の暮らしの中での自分の役割や居場所が「あると思う(計)」(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の計)とする者の割合は、男女別にみると、過去5年以内の学びの経験の有無による差は男性の方が大きく、女性20.0%ポイントであるのに対し、男性では27.9%ポイントとなっている。
年代別にみると、男女ともに、どの年代でも、過去5年以内に学びの経験がある者は、そうでない者に比べ、「あると思う(計)」とする者の割合が顕著に高くなっている。
さらに、過去5年以内の学びの経験の有無による差は、男女ともに20代で最も大きく、女性は30.6%ポイント、男性は36.5%ポイントとなっている。男性については、30代及び40代でも30%ポイント以上の大きな差がみられる。
また、将来(5年後)の普段の暮らしの中での自分の役割や居場所についてみても、同様の傾向がみられる。男女ともに、過去5年以内に学びの経験のある者は、そうでない者に比べ、全ての年代において「あると思う(計)」とする者の割合が高く、女性では30代を除く全ての年代で、男性では全ての年代で50%以上となっている(特-35図)。
特-35図 5年以内の学びと普段の暮らしの中での役割や居場所(男女、年代別)![]()

過去1年以内に学びの経験がある者とそうでない者で、普段の暮らしの中での自分の役割や居場所の感じ方を比較すると、男女ともに、過去1年以内に学んでいる者は、そうでない者に比べ、現在の普段の暮らしの中での自分の役割や居場所が「あると思う(計)」(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の計)とする者の割合が高く、その差も大きくなっている。
女性では、過去1年以内に学びの経験がある者のうち、64.3%が「あると思う(計)」としているのに対し、過去1年以内に学びの経験がない者は、43.4%にとどまっており、その差は20.9%ポイントとなっている。
男性では、過去1年以内に学びの経験がある者のうち、63.1%が「あると思う(計)」としているのに対し、過去1年以内に学びの経験がない者は、34.0%にとどまっており、差は29.1%ポイントと、女性よりも更に大きくなっている。
年代別にみると、「あると思う(計)」とする者の割合は、男女ともに20代で最も差が大きく、女性では32.1%ポイント、男性では34.8%ポイントの差がみられることから、特に、若い年代で学びと自分の役割や居場所の関係が強いことがうかがえる。
なお、男性では30代及び40代において30%ポイント以上、50代及び60代においても20%ポイント以上の差がみられる。
将来(5年後)の普段の暮らしの中での自分の役割や居場所についても、同様の傾向がみられ、男女ともに、過去1年以内に学びの経験がある者は、そうでない者に比べ、「あると思う(計)」とする者の割合が高く、その差も大きくなっている(特-36図)。
特-36図 1年以内の学びと普段の暮らしの中での役割や居場所(男女、年代別)![]()

さらに、学びの経験がある者の中でも、過去1年以内に学びの経験がある者の方が、過去5年以内に学びの経験がある者よりも、現在及び将来(5年後)いずれについても、自分の役割や居場所があると感じている割合が高くなっている(特-35図、特-36図再掲)。
そのうち、学びの経験がある者の方が、男女差は小さくなっており、過去5年以内に学びの経験がある者、過去1年以内に学びの経験がある者の順に、男女差は、さらに小さくなっている。また、学びの経験がある者の中では、年代別にみると、過去5年以内に学びの経験がある者は、20代及び30代において男性の方が女性よりも高く、過去1年以内に学びの経験がある者は、20代から40代までにおいて、男性の方が女性よりも高くなっている(特-34図、特-35図、特-36図再掲)。

