「ドメスティック・バイオレンス」とは
「ドメスティック・バイオレンス」とは英語の「domestic violence」をカタカナで表記したものです。略して「DV」と呼ばれることもあります。
「ドメスティック・バイオレンス」の用語については、明確な定義はありませんが、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されることが多いです。配偶者からの暴力を防止し、被害者の保護等を図ることを目的として制定された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(配偶者暴力防止法)は、「DV防止法」と呼ばれることもあります。
問題の重要性
配偶者からの暴力は、人権を著しく侵害する重大な問題です。相談件数や調査結果等から、少数の人だけが被害を受けているのではなく、多くの人が被害を受けていることがわかります。
配偶者からの暴力は、外部からのその発見が困難な家庭内において行われるため、潜在化しやすく、しかも加害者に罪の意識が薄いという傾向にあります。このため、周囲も気付かないうちに暴力がエスカレートし、被害が深刻化しやすいという特性があります。
配偶者暴力防止法においては、被害者の性別を限定していません。しかし、繰り返し暴力を受ける、命の危険を感じるような暴力の被害者には、女性が多い傾向があります。
また、暴力の背景には、夫が妻に暴力を振るうのはある程度は仕方がないといった社会通念、妻に収入がない場合も多いといった男女の経済的格差など、個人の問題として片付けられないような構造的問題も大きく関係しています。男女が社会の対等なパートナーとして様々な分野で活躍するためには、その前提として、配偶者からの暴力は絶対にあってはならないことなのです。