特集3
「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」
地域シンポジウム開催(宮崎県・岩手県)
内閣府男女共同参画局総務課
「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(以下「男性リーダーの会」)は、現在約320名の企業の社長や地方自治体の首長等にご参加いただき、女性活躍推進に関して取組の共有や意見交換を行っています。令和2年度より各地域企業の男性リーダーへと本会のネットワークを拡げることを目的に、地域シンポジウムを開催しており、令和6年1月は宮崎県、令和6年2月は岩手県で開催をし、累計で9回の開催となりました。当日は、企業の代表をはじめ多くの方にご参加いただきました。
加藤 鮎子 女性活躍担当大臣/内閣府特命担当大臣(男女共同参画)からの開会挨拶
加藤大臣は、開会挨拶の中で、女性役員比率の高い企業の方が企業としてのパフォーマンスが高いことについて触れるとともに、多様性の確保が企業の成長だけでなく魅力的な地域の実現、日本経済の発展につながるものであるとして、シンポジウムの参加者に女性活躍の重要性を訴えました。
また、シンポジウムで得られた学びをそれぞれの組織に持ち帰り、トップ主導の下、組織内及び地域の女性活躍を加速してほしいと呼びかけました。
加藤大臣のご挨拶の様子(宮崎県開催)
加藤大臣のご挨拶の様子(岩手県開催)
【地域シンポジウム・宮崎県開催概要】
●日時:令和6年1月31日(水) 13:30~15:00
●場所:宮日会館11階宮日ホール/Zoomウェビナーのハイブリッド形式
●主催:輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(事務局:内閣府男女共同参画局)
●共催:宮崎県・日向市
●後援:みやざき女性の活躍推進会議
開会挨拶
◆宮崎県知事 河野 俊嗣
人手不足が深刻化する地域社会においては、女性も男性もこれまで以上に活躍できるような環境を実現することが極めて重要であり、九州で初めての地域シンポジウムを宮崎で開催できることを誇りに思うと述べました。また、シンポジウムを通じて男女共同参画及び女性活躍推進について考えを深め、今後の県庁内と県民に向けた取組に活かしたい旨、表明しました。
河野知事のご挨拶の様子
◆日向市長 十屋 幸平
「若者と女性に選ばれるまち」を重点戦略として掲げ、その実現のために宮崎県の男性リーダーとしてはじめて本会に入会したことを紹介しました。さらに、今後も市長自ら先頭に立ち、日向市におけるジェンダー平等及び女性活躍促進に尽力する旨、表明しました。
十屋市長のご挨拶の様子
基調講演
テーマ:「男性リーダーによる女性活躍推進への想いと取組」
◆味の素株式会社 取締役 代表執行役社長
最高経営責任者 藤江 太郎氏
味の素グループが持つ最も重要な無形資産は人財であり、グループの持続的な成長と企業価値の向上には女性を含む多様な人財の活躍が必須との考えの下、取組を進めているとのことです。特に、必要な時に、必要な人財を獲得できる環境は、企業成長に欠かせず、そのため「働き続けたい」と選ばれる会社を目指し、女性のキャリアを育成・支援する研修プログラムや企業内保育所の他、男性による育休取得の促進など、様々な取組を展開しているとご説明いただきました。
最後に、女性活躍推進についての想いとして、社会において男性と女性が協力して活動していることが、一人一人の幸せにつながると述べられ、「男性自ら考えやふるまいを進化させていきましょう」と聴衆に呼びかけていただきました。
藤江 太郎 味の素株式会社 取締役 代表執行役社長 最高経営責任者
パネルディスカッション
テーマ:「女性活躍推進における組織トップの役割」
◆パネリスト及びファシリテーター
(左上から時計回り)
・えびの電子工業株式会社 代表取締役社長 津曲 慎哉氏
・宮崎交通株式会社 人事総務部担当部長 久富 美加子氏
・宮崎県知事 河野 俊嗣
・株式会社Will Lab 代表取締役 小安 美和氏(ファシリテーター)
■女性活躍推進に対する組織トップのリーダーシップについて
・トップが自らの言葉で女性活躍について語ることで組織内の雰囲気が変わる。
■男女問わず多様な人材が輝ける、これからの経営・組織の在り方について
・女性活躍は「女性の男性化」ではないと考えている。これまでの組織のあり方をそのままに男性の代わりを女性が務めるのではなく、新しい組織のあり方が求められているのではないか。
・誰かが「やせ我慢」して成り立つ組織ではなく、皆が協力し合って誰もが助かる組織を作っていきたい。
【地域シンポジウム・岩手県開催概要】
●日時:令和6年2月16日(金)13:30~15:00
●場所:いわて県民情報交流センター(アイーナ)804B会議室/Zoomウェビナーのハイブリッド形式
●主催:輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(事務局:内閣府男女共同参画局)
●共催:国立大学法人岩手大学
●後援:岩手県
開会挨拶
◆岩手県知事 達増 拓也
女性活躍の推進は、憲法が定める基本的人権の尊重の一環であり、法律以前に人道的にも当然のことであるとの考えを示しました。同時に、人口減少に歯止めをかけ地域社会が持続的に発展していくためにも、女性があらゆる分野に参画し、みんながワクワクした気持ちで協力し合い、地域をキラキラ輝く社会にしていくことが求められていると述べました。
達増知事のご挨拶の様子
基調講演
テーマ:「男性リーダーによる女性活躍推進への想いと取組」
◆アフラック生命保険株式会社代表取締役社長 古出 眞敏 氏
古出社長のご講演の様子
女性活躍推進を非常に激しい変化の時代の中で持続的に成長するために必要な経営戦略と位置付けたうえで、経営トップの強い意志の下、管理職向けの研修、女性社員の育成、環境整備などに取り組んでいらっしゃることをご紹介いただきました。
中でも経営トップが本気で女性活躍促進に取り組み、またそのことを社員の皆さんに示すことが最も重要であり、ご自身も折に触れ社員の皆さんに女性活躍推進への想いを伝えていらっしゃるとのことです。また、管理職に対する研修では、育成能力を身につけてもらうと同時に、意識改革も重視しており、特にオールド・ボーイズ・ネットワーク(男性中心の組織で培われてきた独特の文化や仕事の進め方、人間関係)への気づきを促し、性別を問わず働きやすく、自由で闊達な企業風土と、透明性の高い業務運営の実現を目指しているとのことでした。さらに女性社員については様々な研修のほかにも、一人一人個別に育成計画を立案したり、部門の異なる役員や部長がメンターとなってキャリア形成のサポートを行ったりと、会社全体として社員の育成にあたっていらっしゃいます。加えて、家庭と仕事を両立できる職場環境や、KPIの設定・進捗管理といった組織体制を整備することの重要性についてもお話しいただきました。
最後に、女性活躍推進は地域や業種を超えて協力しあえる取組であるとして、岩手県内の経営者の皆様に男性リーダーの会への参加を呼びかけていただきました。
パネルディスカッション
テーマ:「女性活躍推進における組織トップの役割」
◆パネリスト及びファシリテーター
(左上から時計回り)
・株式会社吉田測量設計 代表取締役社長 吉田 直人氏
・信幸プロテック株式会社 専務取締役 村松 直子氏
・国立大学法人岩手大学 学長 小川 智
・国立大学法人岩手大学 副学長・ダイバーシティ推進室 室長 海妻 径子(ファシリテーター)
■女性活躍推進に対する組織トップのリーダーシップについて
・女性が活躍できるようになることのベネフィットをトップが言語化するとともに、各種統計を活用しながらロードマップを作成、社内で共有するように心がけた。
・意思決定機関である執行部に複数の女性を登用するなど、女性の孤立を防ぐように努めている。
■男女問わず多様な人材が輝ける、これからの経営・組織の在り方について
・ロールモデルは周りにいるとは限らない。性別を問わず、パッチワーク的に複数の人から学んでいくのがよいのではないか。社内外の様々な人と関わる機会を組織が提供することも重要。
地域シンポジウムの詳細は、こちらをご覧ください。
宮崎県開催
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/event/index_20240105.html
岩手県開催
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/event/index_20240122.html
「男性リーダーの会」へのご参加はこちらから!
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/join.html