男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成13年5月14日(月) 10:30~12:30
  • 場所: 官邸大客間

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
    委員
    伊藤 公雄 大阪大学教授
    猪口 邦子 上智大学教授
    住田 裕子 弁護士
    高橋 和之 東京大学教授
    竹信 三恵子 朝日新聞企画報道室記者
    寺尾 美子 東京大学教授
    樋口 恵子 東京家政大学教授
    古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
    松田 保彦 帝京大学教授
    八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
    山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事

(議事次第)

  1. 開会
  2. 委員あいさつ
  3. 運営規則について
  4. 男女共同参画実現に向けてのこれまでの取組(内閣府)
  5. 基本問題専門調査会の今後の検討事項及び検討スケジュールについて(内閣府)
  6. 自由討議
  7. 閉会

(配布資料)

資料1
男女共同参画社会基本法(抄)
資料2
男女共同参画会議令
資料3
男女共同参画会議の全体構成(イメージ図)
資料4
基本問題専門調査委員会委員名簿 [PDF形式:48KB] 別ウインドウで開きます
資料5
基本問題専門調査会運営規則(案)
資料6
男女共同参画基本計画について
資料7
国際婦人年以降の国内外の動き
資料8
法基本問題専門調査会・検討項目(案)
資料9
基本問題専門調査会・当面のスケジュール(案)

(概要)

  • 初会合に当り、内閣官房長官からあいさつが行われた。
  • 各委員から自己紹介を兼ねたあいさつが行われた。
  • 運営規則について
    基本問題専門調査会の運営に関して議論が行われ、原案のとおり決定された。また、同規則に基づき、会長代理に八代尚宏委員が指名された。
  • 男女共同参画実現に向けてのこれまでの取組について
    内閣府から「男女共同参画実現に向けてのこれまでの取組」について説明が行われ、質疑応答が行われた。
  • 基本問題専門調査会の今後の検討事項及び検討スケジュールについて
    内閣府から「基本問題専門調査会の今後の検討事項及び検討スケジュールについて」説明が行われ質疑応答が行われた。

自由討議

八代委員
基本問題専門調査会で扱うべき個別課題として、税、社会保険の個人単位の問題があげられる。非正規労働者は、社会保険、雇用保険の対象から外れている場合が多く、雇用問題とも密接に絡み合うもの。したがって、本調査会を実効あるものとするためには、社会保険における個人単位の問題をとりあげる必要性がある。
猪口委員
本調査会において個別の制度問題を扱い、一定のタイムフレームワークの中で、具体的に制度改正に踏み込んでいくことが重要である。また、女性の活躍が国民に可視的であることが重要だと思う。
広く社会から男女共同参画社会の促進にかかる基本問題となるテーマを募ってみることも必要と思う。
住田委員
間接差別の概念、リプロダクティヴ・ヘルスの意義、内容、権利性などについては、条例を策定する都道府県において議論が多くあり、専門調査会の場で議論を整理する必要がある。
また、家族のあり方、夫婦別氏制については、社会的に理解されるよう本調査会において理論的な根拠を持つ必要がある。
山口委員
国民一般に根強い男女の役割分担の慣習や意識改革についても本専門調査会で取組む必要がある。
古橋委員
男女共同参画にかかる基本的な考え方に関する新聞論調、雑誌等でどのような反対議論があるのか整理し、それへの対応を考える必要がある。選択的夫婦別氏制に関連して家族のあり方について議論をすべきであり、それに先立って、選択的夫婦別氏制について、今までどのような議論がなされ、あるいは検討されてきたのか整理して欲しい。
寺尾委員
男女共同参画社会の促進において、新しい生き方、新しい家族のビジョンを積極的に出していく必要がある。
伊藤委員
男女共同参画にかかる世論を後退させる議論として、性を中性化するものという意見、専業主婦を否定するものという意見、家族の絆を否定するものという意見などがある。これらの意見に理論的に反論していく必要があると思う。
竹信委員
男女共同参画社会促進をめぐる問題について、各社会階層に情報を流していくシステムについても考えていかなければならない。
松田委員
男女共同参画についてPR効果が上がっていないように考えられる。このため、本調査会では、選択的夫婦別氏制などの具体的な問題を取り上げ、これを通じて基本的な概念を検討するのは良いと思う。
現内閣は構造改革に積極的であり、この変えなければならないという意識の潮流に乗って男女共同参画社会の促進が、現状の打破となるとの意識を持つことが必要である。
様々な問題を考える上で草の根的な問題意識を積み上げていくことも重要と思う。
高橋委員
男女共同参画に関する基本的な考え方の問題は、憲法論では、非常に明解なように思われるが、現実に実現していく場面で多くの困難に直面していると思う。一つの方策として、女性の活躍の多様な可能性を、もっと国民に見える形で示していく必要があろう。
坂東局長
社会保障制度の個人化の問題については、影響専門調査会で扱うこととしている。また、個別課題については、本調査会での意見等も踏まえ苦情処理・監視専門調査会の中で扱っていきたい。

(以上)