第1節 仕事と生活の調和の実現

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第6章 男女の仕事と生活の調和

第1節 仕事と生活の調和の実現

(仕事と生活の調和に関する意識啓発の推進)

内閣府では,仕事と生活の調和の実現に向けて,各主体の協働のネットワークを支える中核的組織である仕事と生活の調和推進官民トップ会議及び仕事と生活の調和連携推進・評価部会の事務局として,「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(以下「行動指針」という。)に基づく取組状況の点検・評価や,関係省庁,労使,地方公共団体等関係機関との連携・調整を行う。

ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた社会全体の気運を醸成するための取組として,「仕事と生活の調和ポータルサイト」を通じて,関係省庁の施策,関係団体等の取組や,「カエル!ジャパン」キャンペーンへの登録企業・団体の取組等を周知するほか,引き続き,ワーク・ライフ・バランスに成果を上げた企業内のチーム等の好事例を情報提供していく。

また,企業等の取組を支援するための「カエル!ジャパン」通信(メールマガジン)を発行し,ワーク・ライフ・バランスに関する国の施策や周知情報を毎月分かりやすく紹介するほか,企業経営者・管理職等向けのセミナーを開催し,企業におけるワーク・ライフ・バランスに取り組むメリットやそのノウハウ等についての理解促進を図る。

さらに,企業における仕事と生活の調和推進のため,企業経営者や管理職等による職場マネジメントの在り方について調査・研究し,その結果を周知することで企業における意識啓発を促進する。

厚生労働省では,育児を積極的にする男性「イクメン」及び「イクメン企業」を広めるため,「イクメンプロジェクト」を引き続き実施し,「イクメン企業アワード」等を通じた好事例の周知のほか,参加型公式サイトの運営やハンドブックの配布を行う。平成27年度からは新たに,事業主向けに男性の育児休業取得促進を目的とした労務管理に関する資料を作成・配布するなど,企業に対する周知啓発をさらに進める。また,企業向け啓発セミナーの開催回数を増やすなど,男性の仕事と育児の両立のための職場環境改善を促進する取組を進め男性が育児をより積極的に楽しみ,かつ,育児休業を取得しやすい社会の実現を目指す。

また,所定外労働時間の削減及び年次有給休暇の取得促進等を推進するために,引き続き,日本各地のリーディングカンパニーのトップに働き方改革に向けた取組の実施を働きかけるとともに,こうした企業の先進的な取組事例を「働き方・休み方改善ポータルサイト」を活用して情報発信を行うなど,企業の自主的な働き方の見直しを促進する。

さらに,10月を「年次有給休暇取得促進期間」とする集中的広報,地域の行事と連携して年次有給休暇の取得を促す「地域の特性を活かした休暇取得促進のための環境整備事業」等を行う。

(育児や家族の介護を行う労働者が働き続けやすい環境の整備)

厚生労働省では,仕事と育児・介護等の両立支援のための取組を積極的に行っており,かつその成果が上がっている企業に対し,公募により「均等・両立推進企業表彰」を実施し,その取組を広く周知することにより,労働者が仕事と家庭を両立しやすい職場環境の整備を促進する。

平成26年4月に次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)が改正され,法律の有効期限が10年間延長されるとともに,新たな認定(特例認定)制度が創設されたことから,当該改正内容につき周知を図っていく。特に「一般事業主行動計画」(以下「行動計画」という。)の策定・届出等が義務とされている常時雇用する従業員数が101人以上の企業に対しては,27年4月以降においても,引き続き行動計画の策定・届出等が義務となることから,法の履行確保が図られるよう,働きかけを行っていく。

また,次世代認定マーク「くるみん」取得企業に対する税制上の措置については,平成27年税制改正大綱において,特例認定マーク「プラチナくるみん」の取得企業に対する税制上の措置の拡充及び対象資産の見直し等を行った上で平成29年度末までの3年間の延長が決まったところである。具体的には,企業が次世代育成対策支援に資する一定の資産について,行動計画に記載した上で,計画期間内に導入し,認定を取得した場合,当該資産について,割増償却を受けることができることとなる。当該税制措置の周知により,「くるみん」認定の取得促進を図る。

さらに,「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(平成26年12月閣議決定)において定められた,「くるみん」取得企業数を平成32年度までに3,000企業とする目標を達成するため,認定制度及び特例認定制度の周知等により,認定を目指す企業の取組を促進する。

労使の自主的な取組を促進するため,長時間労働の抑制や年次有給休暇の計画的付与制度の導入等の働き方・休み方の改善のための具体的な取組方法について,業種や企業の特性に応じたコンサルティングを実施するなどきめ細かな支援を行う。また,年次有給休暇取得率の向上や所定外労働の削減に取り組む事業主に対する助成等,長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に向けた取組を進める事業主に対する支援を行うとともに,長時間労働が認められる事業主に対して重点的な監督指導を行う。

そのほか,保護者の通院や社会参加活動,又は育児に伴う心理的・身体的負担の軽減のため,保育所や駅前等利便性の高い場所で就学前の児童を一時的に預かる一時預かり事業を拡充する。

(仕事と子育てや介護との両立のための制度等の普及,定着促進)

喫緊の課題となっている仕事と子育ての両立支援等を一層進めるため,厚生労働省では,育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)について,引き続き制度の内容を周知するとともに,企業において法の履行確保が図られるよう事業主に対して指導等を行う。

また,育児や介護を行う労働者が働き続けやすい環境整備を促進するため,両立支援等助成金の支給を行うほか,両立支援に関する情報等を一元化した「女性の活躍・両立支援総合サイト」や,企業の両立支援の進捗状況に応じた取組のポイントと様々な企業の具体的な取組事例をまとめた好事例集の普及により,効果的・効率的な情報提供を行う。

出産・育児等を機に離職した女性の再就職先である企業の事例を紹介し,企業における仕事と育児の両立支援の取組等の普及を図るほか,平成26年度に開設した「仕事と育児カムバック支援サイト」における両立に関する情報提供を進める。

さらに,関係省庁が連携し,仕事と子育てや介護との両立など柔軟な働き方が可能となるテレワークの普及促進を図る(第5章第5節参照)。

(仕事と生活の調和等に関する統計の整備)

総務省では,平成28年に実施予定の社会生活基本調査に向けて,仕事と生活の調和に関する調査内容等について,外部有識者を交えた検討を行う。