平成23年版男女共同参画白書

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第7章 生涯を通じた女性の健康

(低下傾向にある母子保健関係指標)

母子保健関係の主要な指標の昭和50年から平成21年までの動向を見ると,いずれの指標も総じて低下している(第31図)。

第31図 母子保健関係指標の推移
第31図 母子保健関係指標の推移

(総数では減少傾向にある人工妊娠中絶件数)

人工妊娠中絶件数及び人工妊娠中絶実施率(15歳以上50歳未満女子人口千対)の昭和50年から平成21年度までの動向を見ると,総数では件数,実施率共に総じて減少傾向にある。また,20歳未満の件数の全年齢に占める割合は,昭和50年には1.8%だったのが,平成14年度に13.7%となった後,減少傾向にあり,21年度には9.5%となった。

(若年での感染が多いHIV感染者)

平成21年に新規で感染が報告されたHIV感染者は1,021人(第32図),エイズ患者は431人で,過去最高の20年に比べ感染者数で105人の減少,患者数は同値となった。HIV感染者の推定感染地域を見ると,全体の85.6%(874件)が国内感染となっている。感染が報告された時点の年齢で年代別に新規で感染が報告された感染者数を見ると,20歳代が全体の29.7%を占めているのに対し,30歳代が41.6%を占めており,30歳代での感染が多い。

第32図 HIV感染者の推移(性別・年代別)
第32図 HIV感染者の推移(性別・年代別)

(女性のがん)

厚生労働省「患者調査」(平成20年)で患者総数を見ると,子宮がんは5.7万人,乳がんは17.7万人となっている。国民生活基礎調査(平成19年)によると,我が国の女性のがん検診率は,子宮がん検診においては20歳以上で21.3%,乳がん検診においては40歳以上で20.3%であり,欧米諸国と比べて低い状況にある。