特集1
女性に対する暴力をなくす運動
~DVや性暴力の悩み、受け止めてくれる人がきっといる。~
内閣府男女共同参画局男女間暴力対策課
毎年11月12日~25日は「女性に対する暴力をなくす運動」期間です。今年は、「DVや性暴力の悩み、受け止めてくれる人がきっといる。」をキャッチコピーとし、「暴力は、その対象の性別や加害者・被害者の間柄を問わず、被害者の尊厳を著しく傷つける重大な人権侵害である」という認識を社会全体に広げ、暴力の根絶を目指します。運動期間における政府の取組をご紹介します。
女性に対する暴力をなくす運動
配偶者等への暴力、性犯罪・性暴力、ストーカー行為、売買春、人身取引、セクシュアルハラスメント等の暴力は、重大な人権侵害であり、決して許されない行為です。
政府は、女性に対する暴力の予防と根絶に向けて、地方公共団体や民間団体との連携・協力の下、毎年11月12日~25日までの2週間を「女性に対する暴力をなくす運動」(平成13年男女共同参画推進本部決定)として、様々な活動を実施しています。
内閣府では毎年ポスター・リーフレットや啓発動画を作成し、国の関係機関や地方公共団体、全国の図書館等に配布しています。また、SNSでの情報発信や、駅構内でもポスターを掲示するなど、広く周知しています。
今年度は「DVや性暴力の悩み、受け止めてくれる人がきっといる。」というメッセージと配偶者等からの暴力(以下「DV」)及び性犯罪・性暴力の相談窓口の周知を図ります。被害にあわれた方に相談を促すとともに、相談を受けた人が、悩みを受け止め、一緒に考えてくれることが相談しやすい社会へとつながります。
令和6年度のポスター
全国でパープル・ライトアップを実施
運動期間中は、全国のタワーやランドマークなどが、パープルにライトアップされます。パープル・ライトアップには、女性に対するあらゆる暴力の根絶を広く呼びかけるとともに、被害者に対して「ひとりで悩まず、まずは相談をしてください。」というメッセージが込められています。
また、運動を盛り上げるため、地方公共団体等のSNSアカウントにおいて「#女性に対する暴力をなくす運動」「#パープルライトアップ」のハッシュタグをつけて、ライトアップの様子を投稿していただくよう、呼び掛けています。
札幌市時計台(北海道)
東京スカイツリー(東京都)
このほか、運動期間中に、暴力根絶のシンボルマークであるパープルリボン着用の呼びかけを行います。また、地方公共団体等による展示やイベント等も実施されます。
男女共同参画局ホームページ等でも情報を発信していきますので、ぜひご覧ください。
「女性に対する暴力をなくす運動」の詳細はこちらからご覧ください。
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/no_violence_act/index.html
相談をためらう人が多くいます
内閣府が令和5年度に実施した「男女間における暴力に関する調査」(18歳以上59歳以下の男女5,000人を対象)では、DV被害を受けた人の約45%、性暴力被害を受けた人の約55%が、どこ(だれ)にも相談していないことが明らかになっています。相談しなかった理由は、DVでは「相談するほどのことではないと思った」、性暴力被害では「恥ずかしくてだれにも言えなかった」が最も多く、いずれも約50%を占めています。
一方で、相談する場合は、警察や専門の相談窓口よりも、友人・知人、家族や親戚などの身近な人に相談する人が多いことがわかっています。身近な人にも、できることがあります。
家族、友人、知人から相談を受けたら
まずは安全を確保した上で、丁寧に話や気持ちを聞き、「あなたは悪くない」と伝えてください。また、専門の相談窓口があることや、被害から時間が経っても相談できることを教えてあげてください。
DVや性暴力の被害を打ち明けるのはとても勇気がいることです。周囲からの思い込みや偏見などによる言動によって、被害にあわれた方がさらに傷つけられてしまう「二次被害」を避けるためにも、被害者に落ち度があるかのように責めたり、「たいしたことない」など、被害を軽いものとして扱ったりするようなことがないよう、留意してください。
ひとりで悩まず、相談してください
もしDVや性暴力の被害にあってしまったら、年齢・性別を問わず、下記の相談窓口に相談できます。プライバシーは守られますので、安心して相談してください。
DV
・DV相談ナビ
全国共通番号#8008(はれれば)
最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながります。
・DV相談プラス
メールやチャットでも相談できます。
詳細は、こちらをご覧ください。
配偶者暴力相談支援センター一覧
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html
DV相談プラス
https://soudanplus.jp/
性暴力
・性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
全国共通番号#8891(はやくワンストップ)
最寄りのセンターにつながります。
・性暴力に関するSNS相談Cure time(キュアタイム)
チャットでも相談できます。
詳細は、こちらをご覧ください。
全国のワンストップ支援センター一覧
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html
性暴力に関するSNS相談Cure time
(キュアタイム)
https://curetime.jp/
啓発カード(表面)
啓発カード(中面)
犯罪被害者等支援弁護士制度の創設について
法務省大臣官房司法法制部
令和6年4月、犯罪被害者等支援弁護士制度(以下「本制度」という。)の創設を内容とする「総合法律支援法の一部を改正する法律」(令和6年法律第19号。以下「改正法」という。)が成立したところであり、公布日(同月24日)から2年以内に施行されることとなります。
改正の趣旨
犯罪被害者やそのご家族は、その被害の実情等に応じて、被害直後から、刑事・民事関連を始めとする様々な対応が必要となるにもかかわらず、精神的・身体的被害等によって自ら対応できないばかりか、その被害に起因するなどして経済的困窮に陥ることにより弁護士等による援助を受けられない場合があり、犯罪被害者等への支援に関する施策を一層推進する観点から、このような犯罪被害者等に対し、必要な援助を行うための施策を実施する必要があります。
改正法は、日本司法支援センター(以下「法テラス」という。)の業務として、一定の犯罪被害者等を包括的かつ継続的に援助するために必要な法律相談を実施する業務及び契約弁護士等に必要な法律事務等を取り扱わせる業務を追加する措置を講ずるものです。
本制度の概要
1 援助業務
法テラスの業務に、被害者等(※)の刑事手続への適切な関与又は損害・苦痛の回復・軽減を図るために
○ 必要な法律相談を実施すること
○ 契約弁護士等にこれらに必要な法律事務及びこれに付随する事務を取り扱わせること
が追加されます。
(※)犯罪により害を被った方又はその方が死亡した場合等におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいいます。
2 対象被害者等
① 次に掲げる罪又はその未遂罪の被害者等
ア 故意の犯罪行為により人を死亡させた罪
イ 刑法における一定の性犯罪(具体的には、不同意わいせつ罪(第176条)、不同意性交等罪(第177条)、監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪(第179条))又はその犯罪行為にこれら性犯罪の犯罪行為を含む罪(アに掲げる罪を除く。)
② 人の生命又は心身に被害を及ぼす罪として政令で定めるもの(①に規定する罪を除く。)の犯罪行為により被害者が政令で定める程度の被害を受けた場合における当該犯罪行為の被害者等
3 資力要件
必要な費用の支払により、その生活の維持が困難となるおそれがあること。
4 経過措置
改正法は、施行の日以後に行われた犯罪行為による被害について適用されます。
運用開始に向けた今後の予定
本制度の運用開始に当たっては、対象となる「罪」及び「被害の程度」を定める政令の制定、具体的な資力要件の内容を含めた業務方法書等の整備、本制度を円滑に運用するための業務管理システムの構築、担い手となる質・量ともに充実した弁護士の確保等が必要となります。
法務省としては、可能な限り早期に円滑かつ充実した運用の開始を目指しています。
改正法の詳細についてはこちらをご覧ください。
https://www.moj.go.jp/housei/sougouhouritsushien/housei04_00041.html