「共同参画」2022年11月号

特集2

各種国際会議への小倉女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)の参加について
(2022年8〜10月)
内閣府男女共同参画局総務課

G20女性活躍担当大臣会合

令和4年8月24、25日、2回目となる女性活躍担当大臣会合が開催され、小倉女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)がオンラインで参加しました。議長国インドネシアの下、特に取り組むべき分野横断的な取組として、第1テーマ「コロナ後のケアエコノミー」、第2テーマ「デジタルにおけるジェンダーギャップ解消」、第3テーマ「女性の起業」の課題や取組等について議論が行われました。

小倉大臣は1日目の第2テーマ別セッションに登壇をし、冒頭でロシアのウクライナ侵略について、最大限強い言葉で非難し、侵略を止めるよう強く求めた上で、日本の男女共同参画の現状や取組を発信し、各国から理解を得ました。


会合の様子①
会合の様子①


小倉大臣の発言のポイント

  1. 男女共同参画社会の実現・女性活躍の推進は我が国の確固たる方針であり、「女性の経済的自立」は岸田内閣の主要政策である「新しい資本主義」の中核である。
  2. 「女性の経済的自立」の実現に向けて、男女間の賃金格差に関する情報開示義務化の取組を進めるほか、非正規雇用労働者の待遇改善、デジタル分野などの高賃金が見込まれる成長分野への労働移動の支援を行っている。
  3. 「デジタル分野におけるジェンダーギャップ」に関しては、デジタルスキル向上とデジタル分野への就労支援の両面の具体策を盛り込んだ「女性デジタル人材育成プラン」を策定し、総合的な取組を進めているほか、教育課程から理工分野への興味・関心を持ってもらうための機会創出、進路選択支援を実施している。
  4. G20EMPOWER(※)の活動に敬意を表するとともに、来年以降もG20の枠組みの下で活動を継続されることを強く支持し、来年以降も引き続き協働して参りたい。特に多様な企業背景のもと情報収集、策定をされているベストプラクティス・プレイブック等、非常に有効なツールであり、さらなる充実を期待したい。

(※)G20 EMPOWERとは

令和元年6月のG20大阪サミットで立ち上げられた民間セクターのアライアンスであり、企業における意思決定層への女性の参画拡大を目指し、G20各国の民間セクター代表が自発的・自律的なネットワークを構築し、好事例の共有や政府への政策提言を行っています。日本の代表は、アキレス美知子 SAPジャパン株式会社人事戦略特別顧問、塚原月子 株式会社カレイディスト代表取締役の2名で、日本は副議長国を務めており、今年8月に会合に先立って野田大臣(当時)に面会を行いました。


議長声明のポイント

会合終了後に公表された議長声明においても、以下の点における重要性などが指摘されました。

  1. 新型コロナウイルス感染拡大による女性の無償ケア負担を解消するための各国政府による強靭かつ包括的なケアサービスシステムの提供
  2. デジタル経済におけるリーダーシップを含む、STEM産業での雇用へのアクセスを女性が平等に享受できる環境づくり
  3. 女性の起業支援に向け各国政府が関連データの収集と活用を促進し、ジェンダーに対応した予算編成

会合の様子②
会合の様子②


会合の詳細や議長声明の全文は、下記に掲載しています。
https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_g20/meeting_202208.html


APEC 女性と経済フォーラム(WEF)について

令和4年9月7日(水)、APEC「女性と経済フォーラム」がタイ(バンコク)及びオンラインのハイブリッド形式で開催され、日本からは、小倉將信女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)が出席しました。

本年のフォーラムでは、タイの提案の下、「女性の経済的自立の確立(Ensuring Women’s Economic Empowerment)」をテーマに議論しました。

小倉大臣はハイレベル政策対話に登壇し、冒頭で、ロシアのウクライナ侵略について、最大限強い言葉で非難し、侵略を止めるよう強く求め、日本政府としてジェンダー平等の実現と女性の経済的エンパワーメントの促進に向けて全力で取り組んでいくことを発信しました。


会合の様子
会合の様子


小倉大臣の発言のポイント

  1. 男女共同参画社会の実現・女性活躍の推進は我が国の確固たる方針であり、「女性の経済的自立」は岸田内閣の主要政策である「新しい資本主義」の中核である。
  2. 今回の新型コロナウイルス感染症拡大によって、女性の雇用・就業は多大な影響を受けている。他方で、デジタル分野のような需要が高くなっている分野もあり、労働移動を進めることが重要。
  3. 今年4月に取りまとめた「女性デジタル人材育成プラン」に基づき、デジタルスキル向上とデジタル分野への就業支援に取り組むとともに、教育段階からの取組として、女子学生・女子児童のSTEM分野への進路選択に関する理解促進等を進める。

議長声明のポイント

会合においては議長国タイの下、「女性と経済フォーラム議長声明」を発出しました。

  1. APECエコノミーが直面している課題として、ケアワークが女性に偏っていることや、ケアサービスへのアクセスの欠如、男女間の不平等な職業分離、STEM分野への女性の参加不足等を指摘。
  2. その解決策として、働き方の柔軟性や、APECのフォーラムで男女別データを収集等、あらゆる形態のジェンダー平等と女性の経済的自立の実現に向けて、女性に対するあらゆる偏見に取り組むための総体的かつ多角的アプローチで、政府及び民間部門の長期的かつ総力的な取組の必要性を訴えた。

また、本会合に関連して、豪・加・日・韓・NZ・米の6か国は、ロシアのウクライナ侵略やロシア軍による女性や女児に対する暴行を強く非難する共同プレスリリースを発出しました。


その他視察等

会合の後、小倉大臣はシーカー・アジア財団※の視察や、UN Womenにおいて意見交換を行うなどしました。


(※)シーカー・アジア財団

貧困層のなかでもとりわけ子どもたち、青年たちの生活の質の向上を目指して、「コミュニティ図書館」、「移動図書館」、「奨学金」、「保育園」、「学生寮」といった事業を通じて教育支援を行っている。「シーカー」は、サンスクリット語で「教育」という意味。


シーカー・アジア財団視察の様子
シーカー・アジア財団視察の様子

UN Womenにおける意見交換の様子
UN Womenにおける意見交換の様子

タイ クライルーク大臣との会談の様子
タイ クライルーク大臣との会談の様子


会合の詳細や議長声明の全文は、下記に掲載しています。
https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_apec/wef2022.html


G7男女共同参画担当大臣会合

令和4年10月13、14日、3年ぶりにG7男女共同参画担当大臣会合がドイツ(ベルリン)で開催され、日本からは、小倉將信女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)が出席しました。

会合では、ドイツのリザ・パウス家族・高齢者・女性・青少年大臣が議長を務め、共同ステートメントが取りまとめられました。

小倉大臣は、日本における男女共同参画社会の形成のための推進体制のほか、女性起業家支援の取組について共有した上で、国際社会との連携を強調しました。


会合の様子①
会合の様子①

小倉大臣の発言のポイント

<セッション1>

  1. 日本では、男女共同参画社会基本法に基づき男女共同参画会議を主要な国内機構としてジェンダー平等に向けた取組が進められてきた。
  2. 現行の第5次男女共同参画基本計画では、 11の個別分野において、基本認識や5年間の施策の基本的方向及び具体的な取組を定めるとともに、EBPMの観点を踏まえ、合計81の成果目標を設けている。施策の実施状況は専門調査会を中心にモニタリングが行われている。
  3. 来年、我が国はG7の議長国を務めることとなるが、これまでの取組を引き継ぎ、より一層の充実につながるよう、関係府省で連携して取り組んでいく。

<セッション2>

  1. 日本において、起業を阻む要因として経営知識資金調達、家庭との両立等が指摘されており、特に女性については、ノウハウ不足、身近なロールモデルの欠如、家庭との両立の困難等が、男性と比べて起業をより困難にしている。
  2. 男女共同参画センターにおけるセミナーなど、これらの課題を踏まえ、女性の起業を後押しするための取組を進めているところ。
  3. 日本政府では、現在スタートアップ促進に向け検討を進めており、内閣府としても、地域女性活躍推進交付金による地方公共団体の取組の後押しを検討している。

各国要人との会談

ドイツでは会合出席の他、来年のG7栃木県・日光男女共同参画・女性活躍担当大臣会合開催に向けてG7各国の要人と会談を行いました。


独 リザ・パウス大臣との会談の様子
独 リザ・パウス大臣との会談の様子

会合の様子②
会合の様子②

会合の詳細や共同ステートメントの全文は、下記に掲載しています。
https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_g7g8/index.html


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