第7回男女共同参画基本計画に関する専門調査会議事録

  • 日時: 平成17年 1月17日(月) 10:00~12:00
  • 場所: 内閣府5階特別会議室
  1. 出席者
    岩男 壽美子
    会長
    石川 哲也
    委員
    鹿嶋 敬
    委員
    桂 靖雄
    委員
    神田 道子
    委員
    五條 満義
    委員
    住田 裕子
    委員
    竹信 三恵子
    委員
    林 誠子
    委員
    原 ひろ子
    委員
    古川 貞二郎
    委員
    山口 みつ子
    委員
    横田 洋三
    委員
    渡辺 三枝子
    委員
  2. 議事
    • (1)開会
    • (2)第3部 計画の推進について
    • (3)新たに盛り込むべき事項について
    • (4)その他
    • (5)閉会

    (配布資料)

    資料1
    資料2
    男女共同参画基本計画に新たに盛り込むべき事項について [PDF形式:203KB] 別ウインドウで開きます
    資料3
    各委員からの質問事項について
    資料4
    第4回男女共同参画基本計画に関する専門調査会議事録(案)
    資料5
    第5回男女共同参画基本計画に関する専門調査会議事録(案)
  3. 議事内容
岩男会長
おはようございます。
 ただいまから、男女共同参画基本計画に関する専門調査会の第7回の会合を開催いたします。
 今年は、これから中間報告、それから最終報告に向けてお忙しい先生方に大変御無理をお願いすることになると思いますけれども、どうぞよろしくお願いをいたします。
 議事に先立ちまして、1月6日付けで委員の交代がございましたので、御報告をいたします。福原義春委員が御退任なさいまして、本日は御欠席ですけれども、新たに猪口邦子委員が就任されております。
 それでは、議事に移りたいと思いますが、本日の議題は「第3部計画の推進について」と、それから「新たに盛り込むべき事項について」と、この2点について取り上げます。議事次第にございますとおり、まず「第3部 計画の推進について」、内閣府から御報告をお願いいたします。
定塚男女共同参画局推進課長(内閣府)
それでは、私から「第3部 計画の推進について」御報告を申し上げます。
 現行の基本計画は御承知かと思いますが、第1部、第2部、第3部構成となっております。
 資料の方は、計画の冊子が右上にございますので、少しだけ御紹介をさせていただきます。
 この白表紙の冊子の114 ページでございます。こちらの基本計画第1部は、基本的考え方、第2部がこれまでヒアリングをいたしました11分野の施策の基本的方向と具体的施策を書いております。そして、こちらの第3部が「計画の推進」というタイトルで、計画を総合的かつ効果的に推進するための方策と、そのための推進体制について記載をしているわけでございます。
 こちら114 ページを見ていただきますと、まず初めには「国内本部機構の組織・機能強化」というタイトルで「男女共同参画会議の機能発揮」や「総合的な推進体制の整備・強化等」について記載をしているところでございます。
 また、1枚めくっていただいて117 ページには2として「調査研究、情報の収集・整備・提供」、次のページの118 ページには「国の地方公共団体、NGOに対する支援、国民の理解を深めるための取組の強化」といった項目を記載してあるところでございます。こちらの第3部の取り組みについて、資料1の横表の方で内閣府を中心とした施策の遂行状況を御紹介しておりますので御説明をいたします。
 資料1を御覧いただきたいと思います。恐縮ですけれども、資料1の後に付いております、こちらのパンフレットの13ページを御覧いただきたいと思います。
 まず第3部の「1 国内本部機構の組織・機能強化」のうち「(1)男女共同参画会議の機能発揮」ということでございますが、こちらのパンフレットで説明をさせていただきます。男女共同参画会議につきましては、このパンフレットの13ページにありますとおり、専門調査会が現在5つ設けられております。「基本問題専門調査会」、「女性に対する暴力に関する専門調査会」、当調査会であります「男女共同参画基本計画に関する専門調査会」、「監視・影響調査専門調査会」、「少子化と男女共同参画に関する専門調査会」の5つでございます。
 なお、その下に「終了した専門調査会」と書いてございますが、監視・影響調査専門調査会につきましては、以前は「苦情処理・監視専門調査会」と「影響調査専門調査会」という形で2つの調査会で検討しておったものを統合したものでございます。それから「仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会」、こちらは平成13年1月から6月の間、期限的につくられたものでございます。
 次の14ページに「男女共同参画会議と専門調査会の主な活動」について御紹介をしております。
 まず平成13年でございますが「仕事と子育ての両立支援策の方針に関する意見」を決定いたしております。
 次に基本問題専門調査会で「選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ」、「『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』の円滑な施行に向けた意見」、こちらは暴力の調査会でとりまとめをしております。
 平成14年には、やはり「『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』の円滑な施行に向けた意見(その2)」というものを出し、また苦情処理・監視調査会で「政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況及び今後の取組に向けての意見」というものを報告し、決定をいたしております。こちらの苦情処理・監視専門調査会の決定は、各年度ごとに基本計画の項目の中から重点的な監視項目というものを決めまして、この実施状況について各省庁からヒアリングをし、その結果を監視するというものでございます。
 10月には、「男女共同参画に関する施策についての苦情の処理及び人権侵害における被害者の救済に関するシステムの充実・強化に向けた意見」を苦情処理・監視専門調査会及び参画会議から出しております。
 また、12月には影響調査専門調査会で「『ライフスタイルの選択と税制・社会保障制度・雇用システム』に関する報告」を出しております。
 平成15年には、基本問題専門調査会で「女性のチャレンジ支援策の推進に向けた意見」、女性に対する暴力に関する専門調査会で、配偶者暴力防止法の施行後1年余りの状況と法の見直しに関する論点を整理した施行状況について、苦情処理・監視専門調査会の監視結果として、男女共同参画に関わる情報の収集・整備・提供についての意見が出されております。
 平成16年については「女性に対する暴力についての取り組むべき課題とその対策」ということで、配偶者暴力防止以外の暴力の問題についての意見が出されております。
 また、4月には苦情処理・監視専門調査会の監視といたしまして、ODAの推進についてというものが出されております。
 7月には、同じ調査会から国際規範・基準の国内への取り入れ・浸透について、影響調査会から「『ライフスタイルの選択と雇用・就業に関する制度・慣行』についての報告」という形での報告が出されております。
 以上が、参画会議と専門調査会の活動状況でございます。
 次に資料1の横表に戻っていただきまして、1ページ目の「(2)総合的な推進体制の整備・強化等」でございます。
 こちらは、主に内閣府男女共同参画局で行った事柄について書いてございますが「施策の総合的推進、フォローアップ」につきましては、毎年『男女共同参画白書』をとりまとめまして、この中で基本計画に沿い、各府省が講じた施策をまとめております。
 次の2ページを御覧ください。
 「3行政職員の研修機会等の充実」でございますが、都道府県政令市の担当職員を対象といたしまして、男女共同参画に関する基礎研修及び都道府県等の課長を対象とした政策研修を実施いたしております。また、国の各省や各県の職員向け研修といたしまして、このほか男女共同参画局の職員を講師として派遣し、協力するなどの活動を行っております。
 次の「4 国際機関、諸外国の国内本部機構との連携・協力の強化等」でございますが、途上国の国内本部機構職員を招聘いたしまして、男女共同参画推進セミナーを、こちらはJICAへの協力事業という形で毎年度実施をいたしております。
 また平成15年には、ESCAP、国連アジア太平洋経済社会委員会でございますが、こちらの主催で男女共同参画の各国の国内本部機構会議というものがございまして、出席をいたしております。
 また、カンボジアなど途上国に対するジェンダー主流化等に関する知的支援も実施をいたしております。
 このほか、ノルウェーと日本のジョイントシンポジウムや13年度から毎年実施しております男女共同参画グローバル政策対話といった事業がございます。
 2つ飛びまして7でございますが「男女共同参画推進本部及び男女共同参画担当官会議の機動的開催等」でございます。
 男女共同参画推進本部と申しますのは、総理を本部長といたしまして全閣僚に参加をしていただいている本部でございまして、こちらは13年以降は3回、持ち回りも含めてでございますが大体毎年1回の開催いたしております。
 男女共同参画担当官会議でございますが、こちらは各省庁の担当局長級の会議でございます。こちらも13年以降3回、おおむね各年1回程度開催をいたしております。
 9でございますが「苦情の処理のための、行政相談委員、人権擁護委員等の積極的活用」でございます。
 苦情処理につきましては、まず総務省の委嘱する行政相談委員でございますが、この中から男女共同参画に関する施策についての苦情の処理について中心的な役割を果たす男女共同参画担当委員という方を指名するということ。こちらは、平成15年9月に指名をしまして、現在124 名の方がいらっしゃいます。
 また、内閣府の取り組みといたしましては、『苦情処理ガイドブック』というものを作成して、各都道府県や行政相談委員、人権擁護委員等に配布をいたしております。
 次のページでございます。
 2の「調査研究、情報の収集・整備・提供」でございますが「男女共同参画社会の形成に関する調査研究」といたしましては、各種のものをいたしまして、主だったものをここに掲げておりますが、諸外国制度等調査研究、国際比較研究、その他の調査の実施をいたしております。
 2の「国際社会及び諸外国における取組の動向に関する情報の提供」でございますが、男女共同参画に関する諸外国調査等の結果や国際会議での動向などを私どものホームページに掲載しているほか、リーフレットなどを提供する等の活動を行っております。
 また「3我が国の取組の海外への発信」でございますが、白書の概要の英語版を作成して広く配布しているほか、関連する国際会議で我が国の取組を積極的に紹介するなどの活動をいたしております。
 次の4ページでございます。
 3といたしまして「国の地方公共団体、NGOに対する支援、国民の理解を深めるための取組の強化」という項目でございます。
 こちらは、市町村向けの男女共同参画の策定の手引という冊子を策定いたしまして、都道府県を通じて配布をいたしております。
 また、既に広報、啓発事業のところで御紹介をいたしておりますが、男女共同参画宣言都市奨励事業ということで、男女共同参画に熱心な市町村を宣言都市として、国からも奨励事業として奨励を行っているということ、また、これらの男女共同参画宣言都市を集めたサミットというものも開催をいたしております。
 次の5ページでございますが「2男女共同参画社会の実現に向けた活動の拠点施設の充実」の項でございます。
 この拠点施設は、いわゆる女性センターや男女共同参画センターといったものを指しておりますが、内閣府としてはさまざまな取組を進めておる中で、予算を伴ったものといたしましては、こちらに書きました「地域におけるチャレンジ・ネットワーク環境整備推進事業」におきまして、女性のチャレンジ支援のための事業をモデル事業として幾つかの県、センターに委託をしているところでございます。
 「3NGOとの連携の強化」の項目でございますが、こちらは男女共同参画推進連携会議、通称えがりてネットワークと申しておりますが、こちらに89名の方に参加をしていただいております。
 これは、NGOのほか民間の経済団体や女性団体、そのほか関連する団体で構成された会議でございまして、全体会を年に2回、企画委員会を年に2回、そのほかの御意見を聞く会というものを毎年2回程度開催をいたしております。
 最後の6ページでございます。
 「4男女共同参画社会の実現に向けた気運醸成」でございます。
 気運の醸成といたしまして、既に御紹介もしておりますけれども、さまざまな広報、啓発活動を実施をいたしております。
 主だったものとしては全国会議の開催ということで、毎年1回全国の方々を集めて会議の開催をいたしております。
 また、男女共同参画週間を実施いたしまして、この期間にさまざまな啓発活動の実施をいたしております。
 また、啓発ビデオや各種リーフレット、パンフレット、資料等の制作をいたしております。
 平成16年度からは女性のチャレンジ賞ということで、実際に女性のチャレンジをされた方、またチャレンジを支援した方を対象とする賞の創設も行っておるところでございます。
 以上が資料1の御説明でございますが、その後の資料といたしまして「女性のチャレンジ支援策」という資料をお付けしてありますので、そちらを御覧いただきたいと思います。パンフレット前に置いてあります「女性のチャレンジ支援策」というコピーの資料を御覧いただきたいと思います。
 「女性のチャレンジ支援策」につきましては、現行計画策定後にスタートした事業でございますため、現行計画に明示的な記載はありませんが、こちらも計画の各分野にまたがる女性のチャレンジ支援を総合的に取り組んでいこうという方策でございます。
 「経緯」といたしましては、平成15年4月に男女共同参画会議の意見としてチャレンジ支援策が決定されまして、その後、推進本部や閣議決定で、この内容を決定いたしております。
 主な内容としては、社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度となるよう取り組むこと、またチャレンジ支援情報をワンストップ・サービス化する、また行政機関、国と地方公共団体、民間団体等の間でネットワーク化を図ってチャレンジ支援を進めていこうということを内容といたしております。
 3の「支援策の主な柱」でございますが、(1)といたしましてポジティブ・アクションの推進、先ほど申しました2020年30%の目標に向けて取組を推進しております。
 (2)といたしまして、情報のワンストップ・サービス化、ネットワーク化ということで、内閣府からのモデル事業として各都道府県、女性センターに委託するチャレンジ・ネットワーク環境整備推進事業、また内閣府ホームページでチャレンジ・サイトというコーナーを設け情報提供をいたしております。
 平成17年度からは、女性若年層の就業促進のための広報啓発事業も併せて実施をする予定でございます。
 また「(3)チャレンジ・ロールモデルの提示」といたしまして、チャレンジをしようとする女性の目標となるようなモデル好事例の提供及び顕彰を行っております。
 平成17年度からは「女性が輝く地域づくり」ということで、女性による地域づくりの優良事例を普及するという事業も予定をしておるところでございます。
 次のページには、これらの事業の概要を付けさせていただいております。
 そのほか、チャレンジ支援関係のパンフレットということで、ひまわりの模様のついた『女性のチャレンジ支援策について』。
 それから、事例集といたしまして『女性のチャレンジを応援します! 女性のチャレンジ支援事例集2004』というものをお付けしてございます。
 説明は以上でございます。
岩男会長
ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして御質問あるいは御意見がございましたら、どうぞ御発言いただきたいと思います。
 お手が挙がらないので、その間、私1つ2つ伺いたいんですけれども、先ほど行政相談委員や人権擁護委員に苦情処理をお願いをしたということで、男女共同参画担当委員という方が全国で124 名いらっしゃるということなんですけれども、その関連で、1つはそういう方々にお願いをした後のフォローアップと言いますか情報提供をしているかということと、それからそういう方々がどういう形の御活躍を、この1年2か月か3か月の間になさっているのかということを1つ伺いたいと思います。
塩満男女共同参画局参事官(内閣府)
苦情処理の方に関しまして、この方々につきましては、情報交流をするということと、あとは研修機会を設けて私どもの方で苦情処理のガイドブックを配布するなどの形で連携をとって進めているところでございます。詳細につきましては、調査官の方からよろしいでしょうか。
(内閣府)
事務的に御説明申し上げます。
 先ほど参事官から申し上げましたように、ガイドブックの発行を致しております。そのガイドブックの発行と併せまして、各地方公共団体ですとか各省庁でどのような苦情の処理、あるいは相談を行ってきたかというような事例を集積をしておりまして、これらを研修等において配布することによりまして、自らが処理をするに当たりまして、参考としていただくというようなことも行っております。
 そのほか、各ブロック単位ごと、あるいは各都道府県の区域ごとにさまざまな研修会等が開かれておりまして、そこに私どもが出向いたり、あるいは私どもが推薦する先生方を派遣するというような形をもちまして、常に情報の提供を行っていくというような体制をとるように努めているところでございます。
 以上です。
岩男会長
ほかに何か御意見ございますか。
原委員
今のところで、その方々が何か困ったこととか、そういうことに直面していらっしゃるというような情報は入ってきていないんでしょうか。
(内閣府)
むしろ私どもの方としてよくお聞きする話ですと、男女共同参画の施策に関する苦情というのが、実は体制を徐々に整備してきているんですけれども、むしろそういった場に手を挙げて相談される方というのが余り多くいらっしゃらないということで、特に地方公共団体の方はどういうふうにして広報をしていったらいいのかというようなことをお悩みだというような話は聞くことがございます。
岩男会長
これは、まだ十分に存在が知られていないということがあるのではないかという気がいたします。ですから、その辺はどういう工夫をこれからしていくかということではないかと思います。
鹿嶋委員
行政相談員の切りかえに当たっては、その後任はいわゆるジェンダーセンシティブな人を選んでいくという試みが数年前から始まっていると思うんですが、ここはもうどの程度切り替えが進んでいるんですか。そして、その切り替えた相手は大体女性が多いんでしょうか。
(内閣府)
ジェンダーセンシティブな方がなっているかどうかというのは、ちょっと明確なものがあるわけではないのであれなんですが、先ほど申し上げましたけれども、男女共同参画の担当の委員の方々というのは、ちょっと具体的な数値を今、持ってきておりませんが、大半の方が女性の方になっておられるというふうに承知しております。
鹿嶋委員
数字はまだわからないんですか。
(内閣府)
男女別はわかるんですが、今、申し上げたような施策の後にどれぐらい人数が切りかわって、しかも、その後任の方が男女共同参画センシティブな方かというのは、ちょっとなかなかわからないことだと思います。
岩男会長
山口委員どうぞ。
山口委員
定塚さんが御説明くださった第3部のことですけれども、ポイントだけお話しいただいたと思いますけれども、全体でいいですか。というのは、事前に送られてきているので一応さっと目を通してきたんですが、よろしゅうございますか。
 幾つかまとめていたします。
 まず、国内本部機構の組織強化の方のことでございますが、この中の(2)の『男女共同参画白書』、これはまたこの次に協議する時間があるんですか。要するに17年度のテーマですか。ここで、構わないわけですか。
定塚推進課長(内閣府)
結構でございます。
山口委員
例えば、17年度、これからになるわけですけれども、一応暮らしと社会参加シリーズということになっていますが、シリーズいうことはシリーズ1、シリーズ2ということでずっと続くわけですね。何かやはりサブテーマみたいなものを付けるわけですね。
定塚推進課長(内閣府)
この白書だけでなく内閣府で共通するシリーズの中のサブテーマというのが1つ決まります。
 白書のテーマにつきましては、特集テーマという形で資料がございます。平成16年は「男女共同参画社会への歩みと現状」、17年につきましても今、内部的には特集テーマを決めておるところでございます。
山口委員
間に合うかどうかわかりませんけれども、やはり戦後の民主化の中で女性が法律的にも平等が保障されているわけですが、やはり60年を節目に特に参政権の問題、要するに大きくは方針決定参加でしょうけれども、その辺のことを少し強調したらいかがかなということを思いました。
 その次ですけれども、先ほどから苦情処理のための行政相談委員、人権擁護委員の積極的活用と言いますけれども、この人たちがどこにいるかがよくわからない。それから、言いたいことはいっぱいあるわけです。その場合に、どんな問題でも受けるのか。やはり受けなければいけないというふうに私は思います。その中で振り分けていくべきではないかと思います。やはりもっと行政相談委員とか人権擁護委員の人たちの役割が、地域の人たちに密着していると、そういう仕組みをもっと出さなければいけないのではないかと。まだPRが足りないなというふうに思っております。
 「調査研究、情報の収集・整備・提供」ということですけれども、例えば、フォーリンプレスセンターにおいて記者レクや何かをなさるときに、かなりいろいろな目玉を置いてやっていると思いますけれども、どういったような質問が出るのかが私は気になるところです。
 最後に、地方公共団体のところなんですけれども、宣言都市とかサミットとかをやっておりまして、各地方に行きますと駅前に男女共同宣言都市と掲げてありますけれども、私が気になるのは、その年はお祭り的ににぎにぎしくなりましても、その後が一体続いているのかどうか、どういうプログラムが宣言都市となることによって施策が敷かれ、どういうふうに進んでいるんだろうか、そういうことをフォローしておられるかどうか。私などはこういうところへ行きますと、条例をつくることと、行動計画に女性に参加してほしいということを言っておりますけれども、そのフォローはどうなのかと思います。
 それから、最後のところで、一番申し上げたいところなんですが「男女共同参画社会の実現に向けた気運醸成」。男女共同参画週間の実施ということで、毎年6月でしたね。かつて、労働省が婦人週間というのを4月10日を起点に1週間ほどやっていました。私は、それがなくなるということなので、当時の総理府にあの週間を引き取ってやったらどうかというふうに申し上げたところ、予算がまだ決まったばかりで、なかなかそれは着手しにくいということを言われたんです。どうも私は6月というのは余りいい時期ではないのではないかと思うんです。4月は、女性が初めて参政権の行使をしただけではなくて、女性の地位向上ということで週間が始まったと思います。各省に先駆けて4月10日から1週間ということで内閣府が問題提起するということで、男女共同参画週間に勢いがつくのではないかと思います。17年度は間に合わないかもしれないけれども、18年度からそれをやったらいかがかと思います。
岩男会長
横田委員どうぞ。
横田委員
私は、国連の人権関係の会議に出させていただいているものですから、そういう観点でちょっと発言させていただきます。
 横長のものでいきますと、2ページの上から3つ目4の「国際機関、諸外国の国内本部機構との連携・協力の強化等」というところなのです。もう一つの資料の『女性のチャレンジを応援します!女性のチャレンジ支援事例集2004』というパンフレットもご覧下さい。女性の顔が映っている、ひまわりでない方です。それの6ページに、よく知られているデータが出ているわけです。国連開発計画のジェンダー・エンパワーメント指数で、女性団体がよくこれを利用して日本の状況をもっと改善するようにということを言っていますし、これは、細かいことはわからないのですけれども、日本が国連加盟国191 のうちの44位で、その上を見るとよくわかりますけれども、ボツワナのような最貧国も含めて、日本より上にある状況なのです。
 私がお伺いしたいのはこういうことです。実際は、日本の状況が本当に44位という状況なのかわかりにくいところがあるのですけれども、確かに改善すべきところはたくさんありますから、悪いのだと言って改善の努力をすることはいいのですが、他方で間違った基礎に基づく日本の状況の認識が定着することは問題の解決になりませんので、よくないと思うのです。
 そこで私が申し上げたいことは、国際機関等との協力というところの中に、例えばUNDPでGEMを担当している人とのできれば定期的協議がいいのですが、その中で一体どういうデータを基礎にして、こういう数字を出しているのか。割合複雑な式を使っているようなのです。1つにはそれが意味があるのだと日本政府も思うのであれば、それをまず改善する努力をしなければいけないだろうと思います。そのつながりが実は努力との関係で見えてきていないというのが私の疑問点なのです。つまり、簡単に言ってしまいますと、44位というのを上げる努力をする計画があるのかどうか、その場合にどういうことをしているのか。もう一つ、私が申し上げたいのは、必ずしもUNDPの数値が完全に信頼できるものなのかどうかわからない。それぞれの国の特殊な事情を考慮しない部分がありますので、日本の立場から見たときに、数字の取り方におかしい点があるのであれば、それはそれでUNDPの担当者に日本は、こういう考え方でこういう努力をしてきているけれども、この部分の数字は入っていないのではないか、あるいは入っているけれども配慮の仕方が違うのではないかというような形で、UNDPの担当者との対話を続けるということを今後やっていった方がいいのではないかというのが、私の考えなのです。それをやっておられるのかもしれませんが、今日の御報告とか書かれているものにないものですから、質問させていただきます。
山口委員
ちょっとそのことで言わせてください。
 私もこのGEMに関してずっと見ておりまして、決定的なのは女性の衆議員議員が7.1 と低いということです。これは、もう数字的に出ているから、これは先生御指摘のようにいろいろな要素がありますけれども、決定的に悪い44位の理由は女性国会議員の数です。これが増えない限り上にいかないと思います。
岩男会長
何か事務局から補足のお答えがあれば、どうぞ。そして、先へ進みたいと思います。
定塚推進課長(内閣府)
では、まずGEMの関係ですが、44位というのは実は1年前の数字でございまして、青いパンフレットの4ページの方に新しい数字を載せてありますが、2004年は38位です。
山口委員
これですか。
定塚推進課長(内閣府)
はい。38位ということになっています。
 GEMについては、横田先生のような御指摘がいろいろございましたことで、最新の男女共同参画白書の59ページに、GEMの算定方法と順位の低下の理由ということで、分析を加えさせていただきました。UNDPの試算方法は全部公表されているわけではないんですが、公表されたものから見たところでは、59ページの下の表で国会議員の比率と管理職比率、専門技術職比率、それから男女の賃金格差、就業者比率、推定勤労所得等を中心として試算をしたものでございます。
 山口議員御指摘のように、国会議員比率、管理職比率、賃金格差、いずれも日本は先進各国に比べて極めて低いという状況にありますので、44位とか38位ということは私どもとして特におかしな数字ではないかなというふうに考えておるところでございます。
 山口議員の御意見についてですが、白書につきましては、実は来年度のテーマは大体内定しておるものですから、大きなテーマとしては取り上げられないと思いますが、ご意見については今後また考えていきたいと思います。
 苦情処理については、先ほども岩男先生から御指摘ありましたとおり、PRが足りないのではないかという御指摘と受け止めさせていただいておきたいと思います。
 調査研究の成果の提供ということで、フォーリンプレスセンターでどういう御質問があったかということは、ちょっと持ち合わせておりませんので、後ほど調査をしたいと思います。
 宣言都市のその後のフォローアップでございますが、こちらは宣言都市サミットを開催しているほか、宣言都市の担当者の会議を年1回しておりまして、宣言都市の担当者会議では各宣言都市でどういった施策を進めているかということをフォローアップするということで、お互いに、我々も含めて先進的な取り組みとして何をしているかということを情報、意見交換するということをいたしております。
 男女共同参画週間につきましては、こちらの計画の119 ページでございますが、基本法の公布施行日6月23日を踏まえて男女共同参画週間を定めるということが規定されておるところでございまして、計画を変えるかどうかという御議論になるかと思います。
 以上でございます。
岩男会長
まだいろいろ御発言あると思いますけれども、後ほどフリートーキングの時間をとってございますので、とりあえず先に進ませていただきたいと思います。
 次に「新たに盛り込むべき事項ついて」まず内閣府から御説明をいただきます。
定塚推進課長(内閣府)
それでは資料2の「男女共同参画基本計画に新たに盛り込むべき事項について」という資料を御覧いただきたいと思います。
 本日のこの資料では、分野といたしまして「【科学技術】」、「【情報技術】」、「【観光、まちづくり、地域おこし】」、「【防災】」、「【環境】」について取り上げさせていただいております。こちらは、昨年秋の男女共同参画会議において、有識者の意見として提出されたペーパーの中に記述をされた項目を中心に取り上げたものでございまして、ほかに新たに盛り込むべき事項はないというものではございませんので、その辺りは各委員の先生方の御指摘をまた待ちたいと思います。
 なお、本日の資料は私どもの方で、現状のデータと議論の糸口となるような論点というものを用意したものでございますが、極めて不完全な資料かと思います。特に論点とか今後の方策については、いろいろな御意見を出していただきたいと思っております。
 まず「【科学技術】」について説明をいたします。「女性研究者等の現状」でございますが、我が国の女性研究者等の割合は増加傾向にあるものの、研究者全体75.7万人のうち11%余りということで、諸外国と比べて低い状況でございます。また、大学でのポストが上位になるほど、女性研究者の割合が低くなっているという現状がございます。
 意識を見ましても、男女で処遇差があると感じている研究者・技術者が男女ともに多く、女性の方で特に多いということがございます。
 また、育児休業が取得しにくく、出産育児で研究活動を中断、将来のキャリアを断念せざるを得ない女性研究者が多いという現状がございます。
 日本学術会議におきましては、210 名の会員のうち女性会員は13名、割合としては6.2 %という状況で、人文科学部門で10.8%、自然科学分野では3.1 %という状況でございます。
 また、4年制大学での女子大学生の理工系分野の進学状況については、工学、理学系でやはり低いという状況がございまして、工学部では例えば男性が26.8%に対して女性は4.9 %、理学部では男性4.3 %に対して女性2.3 %という状況でございます。
 その次にデータを付けてありますが「女性研究者数及び比率の推移」のデータでございます。
 次のページでございますが、上のデータは「研究者に占める女性の割合の国際比較(2002年)」というところで、日本の方が際立って低いということがおわかりいただけるかと思います。
 「大学教員における女性比率」というデータでございますが、こちらは一番左が教授、2番目が助教授、3番目が講師、4番目が助手でございまして、いずれも高くはないんですが、特にランクが上になるにつれ低くなっているという状況がおわかりいただけるかと思います。また、分野別に見ますと、家政学、人文科学、保健、教育は比較的ほかに比べると高い状況ですが、工学、農学、理学は低いということがわかります。
 次の3ページでございますが、「科学技術分野における男女の処遇差」があるかという意識調査でございます。こちらは、平成16年3月に男女共同参画学協会連絡会でアンケート調査したデータを基につくっておりますが、男性の方は処遇差ありとするものを49.3%、女性の方が処遇差ありと答えたものは74.4%でございます。
 次のグラフ「科学技術分野での男女の処遇差のある点」につきましては、採用や管理職への登用、昇進・昇給、雑務の負担等が多くなっております。
 また「研究開発費の年額」を男女別に見ますと、左側の黒いものが男性、右側の灰色のものが女性でございますが、低い層0円とか50万円未満、100 万円までの層で女性が多く、高い額の層には女性が少なくっているという現状でございます。
 次の4ページでございますが「技術者・研究者に女性が少ない理由」は何かと聞きましたところ、男女の意識や家庭と仕事の両立が困難、男性に比べ採用が少ない、職場環境等が比較的多くなっております。
 最後に「学生(大学学部)の専攻分野別割合(平成14年度)」でございますが、男性と女性の大学学部の専攻分野別を見たところ、人文科学では男性8.8 に対して女性28.5、社会科学では45.2に対して30.2であるんですが、その後ちょっと書いてないんですが、4.3 というのは理学でございます。理学については、4.3 と2.3 、工学については26.8と4.9 ということで、かなり専攻分野が異なっているという状況がおわかりいただけるかと思います。
 資料5ページに「主な論点」ということで、事務局からの論点をとりあえず提示をいたしております。
 第1の論点としては、研究者の中では、特に若手の任期付きの任用研究者という数が増大しておる中で、ますます育児休業が取りにくいという状況にあるのではないか。研究と出産、育児等との両立支援が求められているのではないかという点。
 また、科学技術に係る政策・方針決定過程への女性の参画が重要になっているのではないか。
 3番目でございますが、若年層一般で理科離れというものが起こっていると言われておりますが、これに加えまして女性研究者等がそもそも少ないということから、将来の職業イメージがうまく描けないことなどを要因として、女子高生が理工系を進路として選択しない割合が高いのではないか。こうした研究者の姿に触れる機会を拡大するなど、理工系への興味、関心を図ることが重要なのではないかという論点を提示いたしております。
 次の6ページでございますが「【情報技術】」、こちらも併せて御説明をいたします。まず「性別による情報格差(デジタル・デバイト)」でございますが、男女のインターネットの利用者率を見ますと、こちらは総務省の社会生活基本調査、平成13年のデータでございますが、自宅やその他の場所では男女差ほとんど見られませんが、学校・職場について見ると男女で男性の方は25.6、女性が13.3と開きがあることがわかります。
 これを男女別に見たグラフが下のグラフでございまして、年齢別にかなり大きく格差がございますが、若いうちは女性の方は自宅や職場で使う率も高いのですが、年齢を追うにつれて学校・職場で女性が極端に減る。また、自宅についてもだんだんと減っていくという状況になっております。
 一番下のグラフでございますが、総務省の統計によりますとインターネット利用率で、平成15年末で男性が72.4%、女性が63.3%ということで依然として男性の方が利用率が高いという状況です。ただ、格差は以前と比べて縮小してきている傾向にございます。
 次の7ページでございますが国際会議、国際文書等においても、デジタル・デバイドに関し問題提起がなされてきたところでございまして、ジェンダーとICTといった視点からさまざまなところで記載がされておるところでございます。
 「主な論点」でございますが、特にデジタル・デバイドの中でも職場を離れて長い時間を経た後に再就職、再企業等で再チャレンジをしようという女性にとって特にさまざまな情報を入手する機会が少ないのではないか。
 また、インターネット等、職場のインターネットに触れる機会が少ないのではないかということがございます。こうしたことから、チャレンジしたいと考える女性が必要とする情報をワンストップ・サービスで提供していくというチャレンジ支援を更に進めていく必要があるのではないかという点を掲げさせていただいております。
 以上です。
岩男会長
ありがとうございました。
 ただいまの御説明に対しまして、御質問あるいは御意見ございましたら、どうぞ。
 原委員どうぞ。
原委員
恐れ入ります。
 まず「【科学技術】」のところなんですけれども、どうしても理工系の統計の方が多いのと、それから男女共同参画学協会連絡会というのも理工系の学会が入っていらして、非常に会員の総数は大きくて、このたびの調査も何万人の方々からのアンケートをインターネットでなさった調査が出でいるので、これはとても説得力がある調査なんですが、ただ、やはり科学技術で理工系だけが相対的に大変なんですけれども、人文系も大変なので、そこのところを学術会議の会員の女性比率などについて入っているけれども、そこのところをどういうふうに科学技術と言い切ってしまうと、問題は科学技術にあるんだけれども、人文社会系の位置づけが薄くなるのでどうしようというのがあります。
 例えば、1ページの4つ目の○、そこのところの学術会議の比率のところも人文科学部門だけれども人文社会科学部門としていただいた方がよいかなと思いました。
 5ページの「主な論点」のところですが、これは、特に男女共同参画学協会連絡会の調査によると、男性の研究者も育児休業を取りたいけれども、それも難しいということも併せて、割に学協会に属している若手、つまり30代までの若手研究者の中には育児休業を自分でお取りになるというような方もいらっしゃいまして、これが男女ともにの問題で、特に出生率の低下に研究者たちは加担するのであるぞというところが、論点の中に入っているかと思ったんです。
 3つ目の○の論点のところは、高校生の進路希望の調査のデータとか、これで理科離れがよりはっきりでるのか、それとも高校生の中にはもう少し理工系に進路を見出す方たちが以前に比べて増えているのかとか、これが関心があるところです。
 以上でございます。
岩男会長
石川委員どうぞ。
石川委員
いろんな資料で数値が載っているんですけれども、いろんな処遇の差というのはこれを見たらよくわかるんですが、実際に基本計画をつくっていく上では、この差をどういうふうに縮めるのかという目標値みたいなものを具体的に示していく必要があるのではないかと思うんです。大変難しいと思いますけれども、いかがでしょうか。
岩男会長
そうですね、いつごろまでにどこまでというような。
 横田委員どうぞ。
横田委員
今のお話との関係では、分け方によって見え方が違ってくるのです。今、御存じのとおり文学系は女性は相対的に男性より多いのです。語学系になりますともっと多いのです。語学系は、今、表に出てきていませんけれども、私の知っている幾つかの大学で見ますと、語学だけをとりますと女性の方がむしろ多いぐらいなのです。
原委員
でも、非常勤講師なんです。
横田委員
そういう問題は別途ありますが、語学系は専任も女性が多いのです。東京外国語大学の留学生日本語教育センターの場合は女性の先生が6割ぐらいいるのです。女性が多いところがあるから問題ないと言っているわけではなくて、数値目標を決める場合には、人文系、社会科学系とやりますと、問題が見えてこないということを申し上げたいのです。
 例えば、私の所属している法学部というのは、非常に女性の比率が少ないのです。ところが、人文社会科学系と言ってしまうと自分たちの学部の問題でないかのような印象を持つわけです。実際、私の所属している今の中央大学の法科大学院でも約70人の専任教員のうち女性は2人くらいです。それをやはり自覚していただかないと、大学は学部単位で運営されていますから、社会科学系というように広い枠でとってしまうとみんな自分のところの問題のような認識がないという問題があるのです。
 そこで、もう一つ今の御提案との関係なのですが、最近1つの傾向として、大学の評価というのが始まっていまして、私も一時それに関わったことがあります。その場合評価基準がありまして、論文の執筆数がどのぐらいとか、博士号を持っている先生が何%とか、そういう学術的な基準があるわけです。
 その中に、実は、ジェンダーの視点は全くなかったのです。私がその点を指摘しましたら、抵抗があったのです。幸い委員長が非常に大事なことだというので、それを取り入れて、評価基準になりました。その結果、各大学もそれについて説明するようになって、前よりもこれだけよくなったと、こういう説明をするようになったわけです。ちょっとしたことなのですけれども、違いが出てくるので、大学評価・学位授与機構は国立大学系のところを主にやっていまして、あと私立大学は私立大学連盟が別にやっていると思うのですが、そういうところの大学評価の基準の中に、やはりジェンダーの点をきちっと押さえるようにということを提言すべきでしょう。多少努力している大学もありますが不十分です。また全くやっていないところもあります。そういうところにこれから働きかけることが、改善のためには重要ではないかと思います。
原委員
その意味では、大学評価の分野によって、今、横田先生がおっしゃったようなものを入れている分野と入れていない分野がありまして、細かい基準によって、何とか部でやっているといっても、そこの中の1つだけがやっていたりするので、是非それを調査してデータで出していただくというのは、とても大事かなと思います。
岩男会長
神田委員どうぞ。
神田委員
今のことと関係しますけれども、女性研究者の問題を人文系とか、科学社会系とかいろいろあるので、そこをどんなふうにこの中に入れ込んでいくか、それぞれまた問題がいろいろあると思うんです。昇進の問題なんかは共通かもしれないし、それから非常勤の比率なんかの問題もかなり違いがあるかもしれない。だから、この問題の出し方というのを少し考えなければいけないのかなと思っています。それから、これを評価基準に入れることは絶対に必要なことだと思っています。
 ここにありますように、4番目の日本学術会議における比率の低さは、これは変わってきているのかきていないのか、そこら辺は問題ではないでしょうか。そして、もし変わらないとすれば、どういう方法があるのか。
原委員
この増加率は、ものすごい気になるんです。1から2になって、それから7になって、それから13になったんですから。増加率はものすごい誇るべき増加率なんです。今度階層になるので、一応3割を目標にしてくださいと要望を出してはいるんですけれども、2割で落ち着くかしらとか思っているんですけれども。
神田委員
それと出し方として、どうやったら改善ができるのかというのが見えるような出し方が必要だと思います。ですから、例えば、4ページになぜ少ないのかというのがありまして、男女の社会的分業とか教育環境とか男性の意識とかが出ているわけですから、これについては、では、今どういう状況なのかというふうに、少し現状、それからその理由としてこういうことがあって、これについてはどうなのかというような到達の目標に向かって、どういうプロセスがあるのかが見えるような、そういう内容にしたいというふうに思います。
岩男会長
ちょっと関連でお話ししますが、私、総合科学技術会議のシステム改革専門調査会の委員を昨年までしておりまして、そこで男女共同参画や女性の話をいろんな形で折に触れていたしましたけれども、毎回言うとまた言っているという感じになると気にもしていました。
 実は、2、3日前に訃報が出て私は大変ショックを受けたんですけれども、経団連の小野田武さんという産学連携の座長をしておられた方が私の隣にいらして、本当に私の言いたいことを言ってくださっていたんです。それを見ていて、私はやはりああいう重要な政策決定の会議の男性委員にも非常にきめ細かく働きかけるということが大事であって、女性の委員を増やすことも必要ですけれども、それよりもむしろお仲間をたくさん増やす、それを具体的にやっていくということが必要だということをつくづく感じておりましたので、是非それを次の基本計画の中の具体的な課題に入れていただきたいというふうに思います。
 それでは、いろいろまだございますので、ちょっと先に進ませていただきまして、また後ほどフリートーキングでお願いしたいと思います。
 では、次に「【観光、まちづくり、地域おこし】」分野について御説明をお願いいたします。
定塚推進課長(内閣府)
8ページを御覧いただきたいと思います。
 「【観光、まちづくり、地域おこし】」ということで、ちょっと別々なんですが、お互いに関連のある事柄ということで、1つにまとめております。
 まず「国民意識の現状等」ということで、政府では現在観光立国実現のために本格的に取組を進めているところでございますが、この実現のためには個性ある地域づくりや人材育成が重要と考える人が多いというデータを御紹介をしております。
 しかしながら、一方で観光に関わる女性労働者の多くは、短期労働者やパートタイムという労働形態であるという点もあり、例えば、宿泊業における就業状況では、こちらのグラフのとおり臨時雇いや日雇いが多いという現状がございます。
 2番目でございますが、まちづくり、地域おこしということで女性が中心となった活動で、各地でさまざまな成功事例が出ていると伺っておりますので、その幾つかを御紹介をしております。
 滋賀県の長浜市の黒壁地区では第3セクター黒壁というところが町のシンボルでありました黒壁を保存のため取得をして、ガラス工芸を中心としたまちづくりをしているということでございます。その後、まちづくり活動は、女性グループでNPO法人の「『まちづくり役場』」が引き継いで、まちづくりを進めておられるということでございます。非常に先進的な事例として、いろいろな場で御紹介をいただいている事例でございます。
 次の9ページでございますが、島根県の太田市大森町というところで、こちらも女性の方が中心となりまして、銀山を舞台とした町であるということにこだわりながら、異業種ネットワークを立ち上げ、各地イベントを実施して、観光振興や町の活性化を行っているという事例でございます。
 3番目は大分県日田郡大山町の事例でございまして、こちらは農業者の女性の方々が「『木の花ガルテン』」というバザール、店をオープンいたしまして、「『オーガニック農園』」といったレストランも併設して、地元で大人気を博しているという事例でございます。
 最後が神戸市の事例でございまして、神戸市で田中まこさんという女性の方ですが、神戸フィルムオフィスという会社を設立して、幅広いネットワークを生かして、神戸にロケを誘致をしているということで、神戸と言えば優れたロケ地であるという高い評価を生み出す力の源泉となっているという事例でございます。
 こうした事例は、ほかにもたくさんあると伺っております。
 「主な論点」でございますが、観光につきましては観光立国に向けて観光戦略の強化の政策が図られていますが、特に女性の観光客が多いという現状を見ますと、国内や外国からの旅行者の受け入れに際して、女性の視点からの観光地づくりというものが必要ではないかという点。
 また、観光、まちづくり、地域おこしに関する女性の人材育成や意識啓発が必要ではないかということ。
 また、政策決定過程への女性の登用や、観光やまちづくり、地域おこしについて女性のみならず住民が男女ともに参加して、学習していくという機会を増やす必要があるのではないかという点。
 それから、女性が中心となった活動による地域づくりの優良事例を全国に普及し、各地の女性たちを元気づけて自主的な取り組みを支援するということが必要ではないかという点を掲げております。
 以上でございます。
岩男会長
ありがとうございました。
 それではただいまの御説明につきまして、御質問、御意見ございますか。五條委員どうぞ。
五條委員
地域の個性を生かしたまちづくり、それから村おこしという視点で言えば、ここ10年余り農村女性の起業活動というのが、言わば先駆的な役割を果たしているのではないか。直売だとか農産加工とか、あるいは農家民宿、農村レストラン、こうした点というのはまさに地域の個性を生かした取組として、近年大変クローズアップされてきているわけですが、最近の農村女性の起業活動を見ていく中で、消費者のグループも巻き込んだ取組であるとか、それから特にこれからここでの議論として強調していきたい課題なんですけれども、異業種間のネットワークを生かした取組も出てきています。特に、地域おこし、村おこしをしていく上で、女性による異業種間のネットワーク活動ということの取組に注目する必要があると感じます。
 1点だけちょっと事例を紹介しますと、私はつい最近、岩手県内の内陸部で日本最大のスキー場を抱える地域の農村女性グループを調査する機会がありました。農家女性とペンションをやっている女性のグループがいろいろな交流・連携活動をやっており、何をしているかというと、お互いに忙しい時期の労働力交換とか、自ら生産した農産物をペンションに提供して、地産地消を進めるとかといったような取組が進められています。
 ごく1事例でありますけれども、各地にこうした異業種間のネットワークをもっとつくることによって、男女共同参画の視点から女性の参画、地域おこしや村おこしの中へ女性の参画を促す取り組みを進めることが非常に効果があるのではないかというふうに考えます。
岩男会長
むしろ新しく盛り込むということで、先生を含めてアイデアをお出しいただくということを、今の段階でお願いしているということだと思います。
 山口委員どうぞ。
山口委員
私は前の参画会議で、新たに盛り込むべき事項のところで1つは観光、まちづくり、地域おこし、これを取り組みたいということを提案したので、特に観光について申し上げたいと思いますが、例えば岡沢先生とご一緒に北欧に行った時、先生はデンマークの人魚姫で、資源がなくてもこれだけの人が集まると指摘しておられたけれども、私も本当にそう思いました。
 最近は、韓流といって「冬のソナタ」、私もあれは好きで、問題はあれを観光政策として上手に使っているということです。それで、日本の女性がいっぱい飛行機を飛ばして行っていると言うけれども、資源のない国にとって大事だなと。特に日本はいろいろ美しい国であるわけですから、観光政策に女性を登用しなければいけない。観光客だけではなく日本を知ってもらうという戦略を立て、もっと女性を人材養成しなければいけない。
 先ほど、横田先生おっしゃったとおり、語学は本当に女性の人たちは勉強していますね。そして、戦後各界で活躍するようになった女性の方たちは、政治だとか法律だとかを勉強する前に語学をやっている人たち、その人たちが国際関係で強くなっているということです。
 私は、例えば観光立国にしましても、単なる地域の活性化のみならずガイドの人材養成でやはりレベルの高い、質の高い人たちの女性の人材登用をすべきだと思うんです。
 先ほど、審議会の名簿を見たんですけれども、前に運輸省かどこかで観光審議会があったと思うんですが、これを見たところ、これは女性が入っているところだけで出ていますね。そうすると、観光審議会みたいのは1つもないんですか。これは、国土省か経済産業省かわかりませんが、私はこういう審議会に女性を登用し、男女共同参画の視点をいかしたいと思います。私は韓流は見習うべきだと思います。いつまでヨン様が続くか知りませんけれども、それはそれでいいのではないかと思います。
岩男会長
今、ちょっと山口委員と関連することを実は私も申し上げようと思っていたんですが、人材育成ということが書いてあるところを見ながら、思い起こしてみたら、私は大学生のころガイドのアルバイトをしていたんです。あれは一応国家試験で、私は英語でしたけれども、当時の運輸省で、要するに英語と地理、歴史の試験があったんです。
 そこで、私は日本がもっと観光立国をしなければというときに、きめの細かいオーダーメイドのガイドというようなサービスを女性が提供するとか、あるいは安全なガイドですね。ですから、いろんなアイデアを生かすことができて、資格さえあれば、一応登録をして、ガイド業ができ、再チャレンジにもなると思います。
 私は、そのアルバイトを通じてすばらしい人たちにたくさん出会って、後で留学したときにそういう方々に大変お世話になったんです。ですから、そういう形のいろんな交流で、単なるガイドではなく、その後のいろんな形の国際交流の発展にもつながりますので、何かその辺りがもう少しあるといいのではないかなと思いました。
 神田委員どうぞ。
神田委員
女性たちは地域で十分活動しているんです。今までもずっと活動しているんです。今、問題なのは、その方たちがやはり政策決定過程へ十分参画していないということなんです。それをどうするのかということだと思います。ここで、新しいこういう観光なり何なりのテーマが出てきたんですから、今回はやはり政策決定過程への参画をどう進めるか。
 それについて、私は学習に関わっているわけですけれども、学習する人、学習する組織と活動する人、活動する組織、それと政策決定とがうまく相互に関連し合ってスムーズに進んでいかないと、新しいことは出てこないと思っております。そこら辺が今回の課題だと私は考えます。
岩男会長
原委員どうぞ。
原委員
観光のことで言うと、神田さんおっしゃるように、やはり決定過程に入っていく、それが町のレベルとか温泉の組合の中でもどうだろうと。実際には旅館のおかみさんで実力を持っていらっしゃるけれども、そういうところに出てきて発言していらっしゃるかどうかみたいなところの実態がどのぐらい手に入るのかなということに関心がありして、同じようなことを主張していくことが大事だと思っています。
岩男会長
では「防災」の方の御説明をいただきたいと思います。
定塚推進課長(内閣府)
では、資料の10ページ「防災」を御覧いただきたいと思います。
 「災害時における男女共同参画関係の問題」と寄せられたということで、まず「(1)阪神・淡路大震災における問題」で幾つか把握できたものを書いております。
 この阪神・淡路大震災の折に「『女性のこころとからだ』電話相談」という相談を民間で行っていたところがありまして、こちらに寄せられた相談といたしましては、ここに書いてありますとおり、不眠や人間関係のトラブル、家族関係のトラブル、その他さまざまな問題点が出てきているということがわかります。
 それから、特に雇用の問題では真っ先に解雇されたのが、女性のパート労働者であったということで、兵庫婦人少年室に寄せられた相談の内容を見ても、パート・派遣労働者からの相談が全体の41%を占めていたということで、就業あっせんや解雇、休業中の所得保障などの相談が多かったという事案がございます。
 また、ヒアリングの中では父親が比較的早く職場復帰をせざるを得なかった。そのため母親あるいは妻は家庭に残って給水車が来るのを待ったり、家庭内の片づけをしたりということで、仕事を持つ人も仕事に出られなかった。また、家庭内での負担が多かったというような問題点も提起されております。
 (2)といたしまして「新潟中越地震における問題点」でございます。
 こちらは、男性は震災後早い段階で職場復帰するということで、日中の避難所は女性やお年寄り、小さな子どもがほとんどで彼らの問題が挙がってきていたということです。
 また、政府が国の現地支援対策支援室を設置した後に、私ども男女共同参画局の女性の職員を女性の視点担当官として1名派遣したところでございます。1名派遣をして、この地震対策の「『女性の相談窓口』」の設営に協力するなどの成果を上げてきたわけでございますが、女性の担当者がほかには少なかった。被災者の女性では、勿論多くの方がいらっしゃるわけですが、行政やボランティアともに女性の担当者が少なかったという問題がございます。
 また、避難所の運営に関してのニーズ調査におきましても、女性の視点を踏まえたニーズ把握が不十分であったという点が挙げられております。
 次のページを御覧ください。
 阪神・淡路大震災につきましては、男女共同参画局に有識者の方を集めて影響調査事例ワーキングチームを設けておりまして、こちらで一度課題分析をしたことがございます。この課題分析の中では、先ほど申し上げたような実態を踏まえ、女性として災害弱者であるという方が多いということ。
 それから、男女のニーズを把握しない予防、応急、復旧・復興対策がとられているということ。
 また、家庭内暴力や性犯罪など平常時でもある問題が、よりストレスがかかり凝縮して現れているといったような課題が分析をされております。
 また神戸市には、この検討の過程の中で、平成15年度の防災計画の修正におきまして、「女性のための相談室」を設置するということが決定をされました。
 また、消防団員の役割におきましても、女性の能力を積極的に活用していくということを加えることが決定されております。
 「主な論点」でございますが、防災基本計画を始めとする各防災計画について、国、地方公共団体などにおける策定過程に女性の視点を反映できるような措置を講ずるとともに、女性の視点を明確に位置づけるということ。
 また、地方公共団体などで災害発生時の各種の対応マニュアルなどを作成しておりますが、こうしたマニュアルなどに女性の視点からのニーズを効率的に把握し、迅速に対応できる仕組を盛り込むことが必要と考えられます。このためには例えば国が地方公共団体などに対して、ひな形を提供するなどの支援を行うことが必要かと考えております。
 こうした措置を効率的・効果的に進めるため、防災担当部局の女性職員割合を高め、管理職への登用を促進する取組が重要かと考えております。
 また、消防職員につきましても、女性消防職員の採用・登用を進めるということが一助となるのではないかと考えております。
 以上でございます。
岩男会長
ありがとうございました。
 それでは、竹信委員どうぞ。
竹信委員
この防災は、実はつい先週スリランカからNGOの人が女の方で来まして、地震の報告をされたんです。そのときに、やはり女性への暴力、子どもを売られてしまうという話から始まった人身売買、それから何をそのとき持って行けばいいのかというような物資の話をいろいろされていたんですけれども、そのときにスリランカのNGOがやったことは、急遽その現地に入ってポスターを貼って、何かレイプとか問題が起きたら連絡をとかそれに気をつけましょうみたいなポスターを街角に貼って歩いたというようなことをしていたりとか、あとは、物資としては赤ちゃんがいそうなので、ベビーフード、哺乳瓶、それからおもちゃを持っていくと。食べ物もいいんだけれども、おもちゃを持っていくと非常に子どもが元気になって避難所が明るくなるという経験があったという報告とか、よく言われていますけれども、女の方は生理ナプキンとか下着が本当は欲しいんだけれども、言うのが恥ずかしくて言えないというのをどうやって処理するかという、いろいろな経験を話されて興味深かったんです。
 これは、かなり重なっている部分もありまして、神戸の例も出ていますけれども、神戸のときにもやはりナプキン、下着問題、どういう物資がいるのかという話とか、それから仮設住宅で着がえをする場所がないと言っていましたね。そのことが、女性のNGOの間で随分問題になって、何とかしてくれと言ったんだけれども、なかなか変わらなかったということをおっしゃっているNGOもあるんです。
 なので、この中で対応マニュアルをつくると、これは非常に私も大事だと思います。それプラス女性のNGOとか各NGO運営のシェルターがありますけれども、そういうときにどれだけそこのシェルターが女性をヘルプする人が割けるがどうかという調査も必要なんですが、その連携をどうやってつくるか、つくれるのかということの想定とかネットワーキングをつくっておいた方がいいんだろうと思うんです。
 やはり自治体からおろしてくるというのは限界があって、普段そうやって接しているNGOが、ああしよう、こうしよう、何かあったら来てねということがうまく連携できれば、効率的には非常にいいと思いますので、それを是非入れていただきたいと思います。
岩男会長
原委員どうぞ。
原委員
これはいいか悪いかわかりませんが「防災」というタイトルのところに、防災・復興とですね。結局、長期間の復興支援のときに、復興プロセスということがあるかなと思っております。今度神戸の阪神・淡路大震災の10年で、防災会議で小泉首相が防災協力イニシアティブというのをお話しになるそうですが、外務省の経済協力局から出ている防災協力イニシアティブの概要というところの位置づけとか基本的考え方の次に基本方針というのがございまして、その1番目に防災への優先度の向上、2番目が人間の安全保障の視点、3番目がジェンダーの視点、4、5、6、7とあるんですけれども、その3番目にジェンダーの視点が入ったのは、やはりこの会議とか、いろいろなことの反映だなと思って、それを見たときはうれしく思っておりました。
 では、中身が大事で、そういうことになりますと、1つは国内問題で、もう一つがもう既に項目としてできている前の11番目の「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」というところの細かい目次の立て方の中に、平和への貢献というところに入るのか、でもやはり防災・復興みたいなところが見えるような形で小見出しになる方がいいのかどうかというのを御検討いただきたいと思っております。
岩男会長
ほかにいかがでしょうか。
 横田委員どうぞ。
横田委員
今のお二人の女性の委員からのお話は、私も全くそうだと思っていますが、同時にちょっと言われなかったので申し上げますが、しばらく前にリスクマネージメントの専門家と話をして、特に神戸・淡路の震災のときの経験を基に、まずみんな食料品とか水、医薬品、こういうものを持っていくのですが、むしろトイレのようなものがものすごく大変なのだと聞きました。そういうことには対応していなかったということなんです。
 それから、これはちょっと日本は特殊なのでしょうが、お風呂ですね。先ほどちょっと着替えということも指摘されましたけれども、大体日本人は平均しますと、3日過ぎると絶対にお風呂に入りたいという気持ちが強くなって、1週間以上入らないとほとんど拷問と感じるようになるのです。これは、世界的な水準と違います。ですけれども、だからと言って日本人が世界水準に合わせる必要はないと思います。やはりお風呂というのはすごく大事で、自衛隊が被災地で一番感謝されたことの1つはお風呂を持ってきたことなのです。
 そういう視点をやはり防災の中にきちっと入れていく必要があります。あとは、女性が関わる問題では洗濯と物干しなのです。リスク管理のときに男の人が中心になって最初にばっと行きますと、そういうことに対する配慮が全然ないのです。配慮したとしてもすぐに対応できないのです。ですから、ここに消防署員に女性を入れるようにということもありますし、それから女性の視点を入れるために、政策決定に女性を入れるようにということがあるのですが、要するに緊急時に合わせてそういうものがすぐ提供できるような体制をつくるということは、これはすごく大事なことだと思います。
岩男会長
渡辺委員どうぞ。
渡辺委員
同じことだったんですが、それプラス今の女性の視点というのは、これだけ災害が起きてきているわけですから、もう調査しなくても出てきていることがあるので、もう既に対策をきちんと出す方向を考えなければいけないということと、それからもう一つは、災害が起きてきて私自身が困るなというのは、意外と心の悩みは強調されまして、それをやるのが女性の相談員、カウンセラー、心理治療官になってくると、若いもののロールモデルとして、災害とか防災とかにおいて女性の働く場は何か心の問題だけのようなロールモデルが結構報道されているんです。
 どうして女の子なのに地震についての研究者という発想が出てこないのかなと。不思議でならないんですけれども、これは報道が大きいと思います。
岩男会長
地震研究所長は女性でしたけれども。
渡辺委員
ところが、そこが出てこないわけです。ですから、高校生とか本当に震災を気にしている女の子が、意外とモデルとしてはやはり心理カウンセラーになっていくんです。これは、悪いことではないんですけれども、ここで意外と職業のステレオタイプが繰り返されてくるんです。ですから、やはり情報においても女性の目でかどうかは知りませんけれども、人間として対応、経験したものの分野としては、別に心だけではないいろいろな科学的な問題があるというところに、もっと広げていくいいチャンスですから、報道の在り方と、それからやはり政策決定にもっと女性を入れていくという具体策がほしいなと思います。
岩男会長
今、防災となっておりますけれども、これは仮の題でございまして、ですから、私は例えばもっと広くして、安心安全の社会づくりとか、何かもっと広げた方がいいように思うんです。その関連で言えば、女性消防職員の採用、登用と併せて、阪神・淡路のときは、後になりましたけれども女性警官をかなり出しましたので、あれは家に近づけない、そうすると盗難に遭ったりとかいろんな問題が起こってくるし、それから女性の問題を警察官がいろいろと実際に支援できたというようなこともありますので、警察官もここに入れていただきたいというふうに思います。
 それから、被災者として、あるいは支援者として、あるいは復興活動とか、平成の防災活動、すべてに女性の視点というのは必要なんですけれども、私がいつもこういうことが起こったときに、先ほどから出ているようにいわゆる避難所という、あれが何とかならないものだろうかと。学校の体育館みたいなところに、本当にプライバシーも何もなくて、ばっとたくさんの人が場合によっては1か月以上暮らさなければいけない。
 そこで、ちょっとこういうことが、ここで要するにオールターナティブな提案ができないだろうかということなんですが、カナダに住んでおられる日本人の方から私のところに連絡があって、いわゆるトレーラーハウスというか自動車です。あれは、ダブルベッドがあって、中にいろいろとあって、お風呂までちゃんとタブが付いているんだそうですけれども、本当に快適に少なくとも4人が暮らせるんだそうですが、それが日本円で330 万円、仮設住宅が400 万円なんだそうなんです。あれを日本でも5,000 台ぐらい常に用意して、日本全国どこへでも動かすことができるので、適当に地方自治体に割り当ててというんでしょうか、常時置いておいてという詳細なお手紙をちょうだいして、今日もたまたま持ってきているんですけれども、何かそういったこれまでのやり方ではない、新しい発想、そうするともうプライバシーの問題も、少なくともその自動車の中で、何か体をえびのように曲げて寝るなんていう状態ではなくて、すぐ運ぶことができるとか、ですからそういったもうちょっと視点を、ほかの国でやっているそういった防災対策みたいなものも取り込みながら入れていくという広い視点が必要ではないかなというふうに思います。必要であれば、御参考に情報提供できますけれども。
 ほかに何か御意見、御質問がございませんでしたら、最後に「環境」分野について御説明をお願いして、その後でフリートーキングの時間にしたいと思います。
定塚推進課長(内閣府)
では、資料の12ページ「環境」を御説明いたします。
 環境につきましては、まず国民意識でございますが、環境省の15年度の調査で「環境問題の関心」を男女別に見ますと、女性の方が男性よりも関心を持つ比率が高いという事項が極めて多いという状況でございます。
 特に5ポイント以上高い項目としては、大気汚染やリサイクル、ダイオキシン、ヒートアイランド、環境ホルモン問題、土壌汚染などの項目が挙げられております。
 次の13ページでございますが、同じ調査で「『環境保全への取組は男女の共同参画が必要だ』」という問いを肯定する人は男性で74.7%、女性で79.6%に上っております。
 また、環境保全のための行動を実際に実行している率について同じ調査で見ますと、女性の方が男性よりも実行率が高いという項目がやはり多くなっておりまして、特にここに○を付けたような項目については、女性の方が10ポイント以上高いということで、実際に環境保全をするという行動については、女性の方が積極的に実行しているということがうかがえるところでございます。
 次の14ページでございますが「主な論点」ということで、今、見ましたとおり女性が環境保全分野に関する取組を積極的に行っているにもかかわらず、このような知識、経験が十分に生かされていないのではないか。
 また、近年環境の保全が世界的な重要課題と認識されている中で、男女共同参画の視点を反映して、意思決定過程に女性の参画を一層拡大していくことが求められているのではないか。
 また、国民の環境教育や環境学習の振興、エコマーク制度等、その他の保全活動に男女の共同参画を促すことが必要ではないか。
 「『開発とジェンダー』」の理念を踏まえ、女性による、または女性の参加を支援する国際協力の推進が必要ではないか。
 このほか、環境保全に関する調査研究等の実施に当たり、女性の知識や経験が取り入れられることが必要ではないかという項目を掲げております。
 これらの項目は、主に私ども事務局の方でジェンダー21の国内行動計画というものから取り入れて、書き出したものでございます。
 以上です。
 
岩男会長
ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に何か御意見、あるいは御質問ございますでしょうか。
 山口委員どうぞ。
山口委員
男女共同参画になって、国際会議等でも環境問題の提案がいろいろあるわけですけれども、女性団体で環境問題に取り組んでいるところはいっぱいあるんですが、結局どうやって環境政策に参画していくかということが、まず最初にあるんです。ところが、非常に参画度が少ない。物事を決定することが少ないということはいつもありますので、これはここで問題にしなければいけないというふうに思います。
 それから、女性が環境問題というと、よく女はゴミとリサイクルが好きねと言われるんです。地方議員の人たちの活躍を見ていると、非常に生活の大事な部分として取り上げていますけれども、やはり女性は手足なんです。経験をどうやって方針決定に生かすかという、そういう仕組みをつくならければいけないと思います。
 今年から始まるのは、DESDで持続可能な環境開発、教育の10年というのが始まるんですけれども、一生懸命やっているグループはありますが、どうも私は環境省がそれをどういうふうに取り組んでいるのか、ちょっと響いてこない。随分広がってはきましたけれども、基本はその前提として教育ではないかと思うんです。特に国際的なDESDのようなことでやるというんですから、10年も期間があるわけですから、この環境教育にもっと取り組むべきだと思うし、それから環境省はどういうふうにこれを具体的にDESDに取り組んでいくのか、その辺を私は聞きたいと思います。
岩男会長
原委員どうぞ。
原委員
13ページのグラフなんですけれども、小さなことですが、1つ下の方に不用品をバザー、フリーマーケット、ガレッジセール等のリユース、リサイクルをとかというところも5%以上の差があるけれども、これが外れたのはなぜか理由があるかしらというのは小さな質問です。
 この環境省の「『15年度環境にやさしいライフスタイル実態調査』」のグラフだけを資料として見ると、女は日常のゴミ捨てとかバザーに出すとか、そういうことでやっているわよということしかないのではないかというふうになるかもしれないんですけれども、環境省の環境審議会というのは、割りに早い時期に女性委員の比率をかなり高めていらしたのではないかと思うんです。それが、この資料でどうなのかも、今見る暇がなくてまだ見ていないんですけれども、このようなことをデータで出すときに、もう少し別の資料も見て、大局的政策決定のところで何かできるかというようなことと、それから今13ページのグラフに○が付いているようなことというのは、環境保全という課題の全体の中で、どの程度の比率のものを、1割ぐらいのところしか貢献できないのか、もっとマクロの原子力発電とか、いろんなことがあるかもしれないというようなこととの中で、男女共同参画というのをどういうふうに見ていくかというふうな発想をしていく必要があるかなというふうに感じております。
岩男会長
ほかにいかがでしょうか。
 これも細かいことになるかもしれませんけれども、ゆうべたまたまテレビをつけたら地球温暖化を取り上げて、カナダかアメリカかフィールドの紹介をしていたんですけれども、そのときにアメリカだと思いますが、担当官がとにかく各個人が細かい努力を積み上げる以外にもうないんですという話をされていたんですけれども、今この表を見ていますと、冷暖房の使用に関するエネルギーの節減というのがあるんですけれども、これは実は常に男性と女性の間で、快適な職場環境というところで問題なるんです。女性は、もう寒くて寒くてしようがないような温度に男性が設定するという、真夏なのにひざかけをしていたり、こういうことが実はもう地球温暖化、今は本当に危機意識を持たなければいけないと思うんです。
 ですから、例えば、極めて具体的に冷房は何度以上だか以下にしないとかというような、やはり女性の体にとってああいう形で冷されるというのはよくないと思うんです。私は余り細かいことはわかりませんけれども、何かそこはすごく男女差があるように思いました。ですから、いろんな政策的なことも大事ですし、地球環境保全の中で特に今、重大になっている温暖化の問題について、どういう貢献をするかというところで、具体的な提案みたいなものがあってもいいのかなというふうに思いますけれども。
 横田委員どうぞ。
横田委員
環境の問題は、今日議論してきた「研究者の中に女性が少ない」とか、そういうことが全部関連しているのです。例えば、環境問題というとだれが専門家かということをまず考えます。だから、政府の政策決定に参画する専門家、学術的なバックグラウンドを持っている人というと自然科学系が多くなります。それから技術系ですね。そして経済学、法律学なのです。これは、全部各大学で一番女性の比率の少ない学部なのです。ですから、私の出ている環境省の会議も結局全員男性です。
 ところが、多分そういう人も含めての数字ですけれども、これを見ると意識は女性の方が高い。これは、結局決まった政策と、わかっている科学技術上の知見を日常生活の中で実施しているのは女性なのだということです。このギャップというのが非常にクリアに出てきているのが環境問題で、やはりこれももうちょっと両方がうまくかみ合う形で、政策立案にも女性が関わるし、男性も日常生活で協力するという、その両方を実現していく方法を考えないと、ギャップのままだとなかなかうまくいなかいなかという気がします。
山口委員
環境大臣は女性がほとんど占めてきましたね。もっと力を入れていただきたい。
横田委員
経済産業大臣との力関係があるようです。
岩男会長
今おっしゃったように、受け止め方に男女差があるようなことについて、そのうちの1つ2つを取り上げて、それをクローズアップすると、非常にシンボリックにお互いに相手の視点を取り込まなければいけないということがわかってくるだろうと思うんです。ですから、別に環境問題に限らず、全般的な問題として、何かそういうものを1つ取り上げるというのは、いいのではないかというふうに思いますけれども。
神田委員
山口先生とも関係しているんですけれども、問題の出し方というんですか、全部はできないかもしれないけれども、例えば環境ということについては目標をこうだと、参画しているレベルは男女はこうなんだと、それに対して日常生活のレベルではこうなんだと。参画していることについて男女の差があるとすれば、それは理工系の女性の進出がまだこれだけ少ないというような、何か目標に向かった見取り図みたいな形で現状が示せないかなと思っているんですけれども。新しいやり方になるかもしれませんけれども、今までのを見ると、みんな何かぶつ切りに出てくるんです。その関連性がよくわからないというような感じを持っております。
岩男会長
環境分野に限って特に御発言がなければ、その先のフリートーキングに進みたいと思いますけれども、本日の議論も踏まえて基本計画に「新たに盛り込むべき事項について」次回の男女共同参画会議でも議論が行われるというふうに伺っております。
 では、残りの時間をフリートーキングに当てたいと思います。五條委員からもフリートーキングの時間をというお話がございましたし、鹿嶋委員、それから林委員、古川委員からもお手が挙がっておりますので、どうぞ今の順番で御自由に御発言ください。
鹿嶋委員
観光まちづくりは非常に大事なテーマだと思いますし、男女共同参画がやはり地域に根づくというのは、こういうものとの私はタイアップが必要だと思うんですけれども、8ページを見ますと女性が中心になって活動する成功事例が多々挙げてあるんですけれども、勿論それで結構なんですけれども、この人たちが果たして共同参画という視点から見て、どの程度理解があるのか。
 実は、私もときどき観光取材というのをやりまして、いろんな都道府県に行ってまず頼るのは、何とかの案内人制度とかいろいろあるんです。山の案内人制度、町の案内人制度、歴史案内人制度、そういう中には、例えば、この間ある県の山の案内人制度を利用したんですけれども、そこの3割は女性たちです。そういう中で、女性と観光というのは、かなり密度が高いんですけれども、ただ、共同参画と結び付くとほとんど接点がありません。その人たちは、逆に共同参画に縁遠いような人たちも結構いまして、例えば、おかみサミットなんかであるおかみさん、これはある県で、その地域の女性問題に極めて発言権のある女性なんですが、その人が私に強調したのは、男は立てるもので私は共同参画は嫌いだという話なんです。だから、そういう女性の力を利用する中にあって、従来の案内人制度とか、おかみサミットとか、そういうところで活躍していた人たちと共同参画をどういうふうに結び付けていったらいいのか、その辺の知恵を少し働かせる必要があるのではないかというのがまず第1点です。
 それから第2点は、まちおこしはやはり共同参画で私は大事だと思うんです。そうなってくると首長の理解が非常に大事で、あるところに行きましたら小、中、高校生の共同参画川柳大会みたいのがありまして、そこで1日費やして、以前から募集していたものを市民を前にして発表して、そして表彰するといったようなもの。ですから、観光という人寄せではないんですが、まちおこしの1つのものとして知恵とアイデアさえあれば、さまざまな催しができるのではないかなと。そういう例も幾つかやっていく必要があるのではないかなというのが第2点です。
 最後ですが、研究者も大きなテーマだと思うんですけれども、さっき研究者の中で一番大きな問題点は仕事と家庭の両立ができないんだということでしたね。その理由の1つに、最近は任期付きの研究者がかなり増えていてという話があるんですけれども、私はそれは改正育介法あたりの問題と議論を絡めていく必要があって、今回の改正育介法は、1年勤めて更に子どもが生まれてから1年雇用が見込める人に対しても、育休が取れるというんですが、そんな人いませんよ。今、大体3か月とか半年で更新更新を重ねていって、そういう人たちがどの程度いるかとなると、ほんど実行性がないのではないかと私は思っているんですけれども、そういう議論と少し絡めながら問題点を明確にしていかないと、なかなか仕事と家庭の両立といっても、いわゆる紋切り型のことで終わってしまうのではないかと、その辺も少し工夫が必要だと、その3点です。
岩男会長
林委員、お願いします。
林委員
私は国際文書に関係するところで発言をしたいと思います。情報技術ということで。データは6ページに、どういう形で利用しているか、どこの場所でとか、だれがとかいうようなことが出ているんですが、論点との関係ということはいささか結びつきにくいというふうに思いました。
 それで、まず、私自身のこの間の経験から言いますと、国際文書があるいは国際情報が女性たちの手によって、政府機関以外の多くの女性たちが、情報を入手することができるようになったこと、あるいは参加して入手することができるようになったことによって、日本における男女平等という問題は世界的な関係で大きく進められたというふうに私は実感をしております。そういう役割をたくさんの若い方々、かつて若かった人が大変大きな役割を果たしていらっしゃるわけですが、そういう意味から言うと、国際的な文書というのをもっと欲しいと思う人にきちっと伝えることは今、もっともっと重要だと思います。
 そして、だれがこの情報がなくて不自由をしているのか、必要を感じているのか、ということをもっとはっきりさせなければいけないという気がいたします。
 3つ目、最後になりますが、そのことにかかわるならば、国連の関係機関が、日本政府に対して発信する文書は少なくとも各省庁はもっと早く国民に提供すべきであると、そういうことを明確にすべきだと思うんです。
 というのは、今では、ILOなどの文書も、CEDAWなどの文書も、内閣府に関係するのはわりと早くは出ますが、厚生労働省関係の文書というのは極めて遅いし、中には、我々は英語で仕事をしますから、日本語にする必要がありませんとまでおっしゃることもあるんですね。そういうふうなことは、ここの論点に書かれているような関係機関の垣根を越えて入手し、活躍できる機会が提供される云々というところにはなかなかつながらない状況がありますので、やはり各省庁における国民に対する情報提供の義務というものを明確に打ち出さなければ、漠然としたものでは進まないということを、とても強く強く感じます。そのことによって、もっともっと物事を進める方向にやっていけるということを強く感じております。
 そして、これは計画とは別で、ここに既に関係機関の垣根を越えて入手して提供するということが必要だという認識があるならば、今できることをもっと早くすべきだという、これは計画とは関係なく、今、強く思いますね。
 以上です。
岩男会長
古川委員、お願いします。
古川委員
私も長年行政に携ってきまして、昨年の9月から男女共同参画の専門委員ということで参加させていただいて、大変率直に言って勉強になっております。
 そこで、やはりこういった男女共同の問題、さっきの環境の問題も多分そうだと思うんですが、全国レベル、政府レベルでいろいろ議論すること、それから、地域レベル、県レベル、あるいはもっと小さな地域レベル、そういったことで議論する。そして、それを本当に国民生活、地域生活の中で、生かしていくというようなことが非常に大事だろうと、非常に私は勉強になっております。
 そこで、1つ質問あるいは若干私の理解不足かもわかりませんが、この資料1のチャレンジ支援ネットワーク検討会というのを設置するということが、恐らく設置されていると思いますが、そこで、チャレンジ支援ネットワーク検討会というのは、政府にも、それから県とか市町村にもこれは設置されているものなんでしょうかということが1つと、それから、そういった、ヒマワリの表紙のパンフレットの身近なチャレンジ支援の推進というのは、たくさんのこういったことにいつでも、どこでも、だれでもチャレンジできると、しかし、これは、言葉で書けば非常に簡単なんですが、これを地域社会の中でどうやって実行するかというのは、私の長年の行政を考えてみても非常に難しいだろうと思うんですね。
 そこで、多分、県とか市町村とか、あるいはもっと小さな地域でそういったチャレンジ検討ネットワークが形成されていて、それに、いうなればいろいろな政府とかあるいは県とかいろいろなところが玉を送るというのか、そうでなければ、これは、例えば、私は労働条件などで相談したい、あるいは実力を付けたい、働きたい、起業したい、いろいろ書いてあるけれども、これは何ひとつ相談を受けても、多分、なかなか難しいだろうと思いますね。そういうことがどうなっているのかということ。
 それから、それを本当に育てていかなければいかぬのではないか、そのためには、1つには、そういうところではやはり中心になる人がどうしても必要だろうという人材の議論とか、それからシステムというのかそういったことが一人ではどう考えても場合によっては国あるいは県、いろいろなところが協力しなければできない、それをどういうふうに結びつけていくシステムをつくっていくのかということだと思うんです。
 ですから、私は本当にこれが生きてくるならば、私は本当に世の中が変わるだろうという感じもいたしますので、非常に意欲ある市町村とかいろいろな地域との中で、幾つかのモデルをつくって、こういうやり方をしたら、こういうふうな問題ができますよと、だから、問題は、ここで100 万言議論すること、それが実行されていくということは非常に大事だと思うので、そのためには、これを生かしていったらどうだろうかと、モデルをつくって、全国的に何かやりなさいといってもとても難しいから、いろいろな支援をしてモデルをつくって、こういうモデルがすばらしいモデルで、地域社会の中で男女共同参画の実現に向かって、いろいろな効果が出てきましたよ、というようなことができれば、すばらしいなと。大変私はずっと沈黙ばかりしていて恐縮ですが、本当に去年の9月からいろいろ行政を長年やってきて、ここでいろいろな御議論を、我々が副長官という形で聞いていた話と、また大分いろいろ勉強になりますので、大変ありがたいということと同時に、どうやってそれが本当にきめ細かく実行されていくのか、成果が上がるのかということをどうしたらいいのかなということをずっと考え続けてきておりまして、たまたま今日、説明がございましたので、御質問方々お聞きした次第であります。
 以上です。
岩男会長
それでは、お答えを。
定塚推進課長(内閣府)
大変貴重な御意見と御指摘ありがとうございました。
 今、御指摘いただいたように、ヒマワリのパンフレットの5ページ、6ページに載っているような形でチャレンジのためのネットワーク環境整備、これは昨年ネットワーク研究委員会というのをしまして、その成果を踏まえて、今年度、モデル事業という形で4つの県に内閣府から委託をしまして、その4つの県でそれぞれやり方は違いますが、その地域での行政とか民間団体とネットワークを組んで情報交換しながら女性のチャレンジのための施策を行ってくださいという事業を行っております。まだ事業途中でございまして、最終的な成果は出ておりません。このモデルを来年度もまた別の県にも拡大をしまして、実施をして、そういった事業をほかの県でも取り組んでいただくように広めていきたいと思っております。
 ただ、その中では、実施しているけれども、実際に特に再就職等の再チャレンジをどう支援したらいいかよくわからないといったような意見も出てきているところでございまして、そうしたことはまた国でも検討していかなくてはならないと思います。
古川委員
1つだけ、もう一言だけ。それは、4つモデルをやっておられるというのはすばらしいことだと思いますが、その成果というのか、あるいは問題点というのをこの場で、というか男女共同で徹底的に分析して、本当に何が問題なのか、4ついろいろな違ったモデルがあるならなおいいと思いますが、それをやったらいい。そして、それを本当にこれから生かすような議論、ちょうどそのモデルをやっておられるなら、本当に徹底的にいろいろな角度から、例えば、そこでネックがあるなら各省庁呼んで、これはどうしてこうなんだというようなことまで含めて、やったらどうかなと思います。
岩男会長
チャレンジ支援策を基本問題専門調査会でまとめた経緯がございまして、そこで1つ強調しましたのが、ワンストップ化ということなんですね。つまり、地方に行ってもものすごい縦割りがあって、起業したくて人材紹介をするところに行き、お金を借りようと思うとまたどこかほかへ行きなさい、タライ回しにされていってしまう。それが、そうならないように、地方でそういう縦割りに少しでも風穴を開けることができたらすばらしいことだという、そんなようなことを考えて、そこを非常に強調して入れたんですね。
 ですから、むしろ私などが伺いたいのは、実際にどれだけ実効が上がったのか、あるいはどういう問題点があるのか。いくらワンストップ化と言い、少なくともその2つの府省が絡むような形での仕組みにしてくださいという条件を付けたんですけれども、果たしてそれがうまく行ったかどうかというのを是非伺いたいと思っております。
古川委員
私ばかりで、もう一言だけ。
 私も副長官8年7か月やって、本当にモットーというのか、心の中でずうっと決めておりましたのは、オールジャパン体制という、縦割りの弊害を何とかやめさせると、だから、中央省庁再編の13年1月のときも、もう3年前から、合併する役所は人事も一緒に採用しなさいと、合同で人事方針決めて採用しなさい、研修も一緒にしなさい、交流もしなさいみたいな、ずうっとオールジャパンやってきていまして、縦割りを何とかなくそうと、だけど、これは非常に難しい。恐らく地方に行けばなおまた難しい問題があると思いますね。ですから、本当にいいチャンスだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。私も勉強したいと思います。
定塚推進課長(内閣府)
補足ですが、この事業につきましては、鹿嶋委員を座長としまして、チャレンジ事業企画委員会という委員会を組んでおりまして、そこで事業の計画を聞いたり、また報告を聞いたりしておりますので、そうした場で御意見を踏まえて、よく問題点を把握するようにしていきたいと思っております。
岩男会長
五條委員、何か御発言ございましたら。
五條委員
今日の新たに盛り込むべき事項に関連することで言えば、防災について1つあります。女性の視点に立った防災関連対策を推進するという上で、是非見逃してはならないのは、現場における女性の、例えば、消防の協力組織であるとか、そうしたものが地域によっては非常に一生懸命活動していて、よく農村現場で調査をすると、例えば非常にレベルの高いポンプ操法について女性の方々が全国コンクール等で取り組んでいるとか、そういうことがよく地域によっては話題になることがあります。
 そうした女性による防災に関連する民間の協力組織の実態把握であるとか、それから施策とそうした組織との連携ということを是非重視していく必要があるのではないかというふうに思います。
 阪神・淡路大震災などでも、瓦れきの下から人を助け出したというケースで一番多いのは住民同士の協力というスタイルであって、そうした観点からも、民間レベルにある既存の組織と施策との連携ということが非常に大事だと思います。
 それから、今のことに更に関連しては、地域のコミュニティー・レベルで日常から男女が相互にどういうふうに協力して防災に向けて取り組みをしているか、この辺の実態把握が大事だと思います。男女の避難訓練への出席の状況だとか、あるいは防災に向けての話し合いに、男女が相互に協力をして参画しているかどうか、そういう地域のコミニティー・レベルの男女間相互の協力の問題ということを取り上げていくことが、男女共同参画をめぐる防災対策の中で大事な課題ではないかと思います。それが1点目です。
 それから、本日の最初の議題でありました、男女共同参画基本計画全体の推進に関連して、是非強調しておきたいことは、共同参画の気運の醸成に向けた取組や、年次報告などで、もっとPRしていくべきこととして、やはり男女共同参画を進めることが、男性にとっても非常にメリットがあるんだということ、また、男女共通のメリットであるとか、もっと言えば、男性側も実感したメリットがどういうところにあるのかということをもっと強調していくことが大事ではないかと思います。
 農村現場においては、例えば家族経営協定を進めれば、男性、女性が一緒に経営責任を分かち合って、新しい経営の展開力が生まれるといったような、男性側にも共同参画を通じて実感したメリット、そういう実例を一層蓄積していく必要があるし、それから、年次報告などでも、男性側が共同参画によってどういうメリットを実感しているか、そういうことをPRして、男女間の歩調を合わせた取組につなげていくべきではないかというふうに強く思います。
 それから、今日、岩男先生がまさにおっしゃった、男性も巻き込んだ、例えば、会議の場での発言ということをこれから進めていくということに非常に共感を受けました。農村の現場で女性の農業委員さんなどに伺うと、よくそのことが出ます。農業委員会に初めて女性一人で参加して、まず何をやったかという議論の中で、隣に座っている人に一緒に、それぞれの家で家族経営協定やろうではないかというような、隣に座っている男性の委員から一緒に運動の核をつくっていくといったようなことの取組をよく聞きます。その点、つけ加えさせていただきました。
 以上です。
岩男会長
ありがとうございました。男性側にとってのメリットということは、実は、前の基本計画でもそれは入れていたつもりなんですけれども、なかなかそれが十分に理解されるような形になっていないものですから、新しい計画では是非、一層強調していただければというふうに思っております。
 それから、もう時間でございますので、私ちょっと一言だけ申し上げたいと思いますのは、いつも審議会の女性委員のデータというのを出していただき、それは着実に伸びてきております。もうそろそろ次のステップというか、私は会長、会長代理に占める女性比率を出すべきではないか、その時期にもう来たと思うんですね。そうすると、まず委員にならないと会長にはなれないので、委員になるのが大事ですけれども、いかにそこが薄いかということが、次のゴールとして見えますので、是非、この段階になりましたので、入れていただきたいというふうに思います。
 何か私の発言で議事を終えてしまうのは大変恐縮でございますけれども、資料の4と5というのを御覧いただきたいと思います。
 これは事務局で、第4回及び第5回の専門調査会の議事録をまとめてくださったものでございます。これは、既にお目通しいただいておりますので、このとおり決定して内閣府のホームページで公開をさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(異議なし)

岩男会長
ありがとうございます。
 それでは、そのように速かに公開をするということにしたいと思います。
 それから、本日、古橋委員が急に体調を崩されて御欠席でございますけれども、これから、しばらくは起草ワーキングチームにおいて論点整理案の検討を行うことになっております。それに関連しまして、古橋委員から、メモをちょうだいしておりますので、お伝えしたいと思います。
 起草ワーキングチームは、次期計画に盛り込むべきと考える論点や、現行計画を変更すべきと考える点について、各委員から書面で提出いただいて議論をしたい、これは、強制ということでは勿論ございませんけれども、何かお考えがある方、書面にしていただければというふうに思います。そして、書面は準備でき次第、事務局にお送りいただくか、あるいは御担当のワーキングチームの当日にお持ちいただくかしていただきたいと、そういうことでございます。
 それでは、この起草ワーキングチーム、各分野の御担当の委員の皆様、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それではこれで、男女共同参画基本計画に関する第7回の専門調査会を終了いたします。本日は、どうもありがとうございました。

(以上)