理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

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坂田 綾香プロフィール写真

理学系分野を選択した時期・理由

子供の頃は算盤が好きで、高校生の頃は数学と物理が好きでしたが、当時はこれらを仕事に繋げるという発想はありませんでした。私の通っていた中学・高校は、多くの生徒が系列の大学に進学する文系の女子校で、私もその通りに進学する予定でした。しかし高校三年になる際、他の大学へ行くよう担任の先生に勧められ、それがきっかけで理学部物理学科に進学しました。

研究職を意識したのは中学生のときでした。一般的な就職活動を経て会社に勤める自分の姿が想像できず、そんな中で研究者という職業を知り、机に向かって勉強や考え事をするのが仕事だなんて気楽で良いな、と思いました。物理学科に進学後、その時々の興味に従って勉強したり疑問を追究したりするうちに、自然と研究者になっていました。実際はそれほど気楽な仕事ではありませんが、創造的で楽しい仕事です。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

私は統計力学と呼ばれる物理学の一分野や、統計学に関する研究をしています。具体的には数学を用いて、自然現象の解明を目指したり、情報通信における技術的枠組みを提案したり、さらには人間の思考を表現したりします。科学の世界において、数学は万国共通の言語です。作家が文章で物語を表現したり、作曲家が音楽で感情を表現したりするのと同じように、科学者にとって数学は表現手法です。特に物理学者は描像に基づいて物理現象を数学によって表現します。これはとても楽しい作業で、さらにその過程で新しい数学的問題を提起出来れば、より一層楽しいです。

数学や物理学の基礎的な研究はすぐに私たちの生活に役立つことは少ないですが、自分の子供や孫、更にその先の世代に対して、技術面・教養面の豊かさを与えることができる、夢のあるものです。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

性別、年齢、外見などの個人の性質は科学の研究と全く関係ありません。したがって、研究の世界において女性性を発揮しなければ、などという気負いは不要です。性別に依らず、求められることは真摯に研究対象に向き合うことのみです。その一方、妊娠・出産などのライフイベントは避けて通れない場合があります。産休・育休などのライフイベントに関する制度は既に比較的充実していますが、女性研究者の増加に伴い、女性が働きやすいように今後も制度の改善が行われると予想されます。

また、研究職に限ったことではないですが、仕事をする上で体力と精神面の安定は重要です。高校生・大学生の頃から自分の体の調子を把握したり、静かに自分と向き合う時間を持ったりすることが大事です。

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