先輩からのメッセージ

- 政池 知子 さん
- 東京理科大学理工学部応用生物科学科 准教授
- 研究(職務)分野・内容:蛋白質がはたらく仕組みを明らかにすること
- 所属学会:日本生物物理学会
- 主な論文:Nat. Struct. Mol. Biol. 15,1326-33, 2008
Biochem Biophys Res Commun.342,800-7, 2006
J.Biol.Chem.277, 21643-9, 2002 - 顕彰:2008年日本生物物理学会第4回若手奨励賞, 2012年資生堂女性研究者サイエンスグラント
理学系分野を選択した時期・理由
子供の頃、研究所の一般公開に連れて行ってもらった経験から、世の中のものをどんどん小さくしていくと何にいきつくのかという疑問に答える研究をしている人達がいる事を知りました。その後、高校での化学の授業がとても楽しいと感じ、大学では化学を専攻しました。日常的に扱っている物すべてが、周期表にのっている原子の組合せで成り立ち、そこから色や香りなどの無限ともいえるレパートリーが生まれるすごさに魅力を感じました。その後、蛋白質がもっと少ない種類の原子の組合せで複雑に機能している事を知り、蛋白質の研究をしたいと考えるようになりました。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
ドラえもんのスモールライトを自分にあてて旅行に出掛けているような魅力があります。日常では見る事ができない本当に小さなものを対象としているからです。溶液の測定や顕微鏡観察をすれば、蛋白質はまるで意志をもっているかのように動いたり、回ったり、食べたり、物を運んだり、ときどきお休みしたりします。それぞれ個性的な役割を果たしている様子を実際に「見学」できる素晴らしさがあります。
女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ
仕事と家庭両方の場合も、また片方の場合も、自分の役割を全うしていくのは理工系に限らず女性も男性も大変な事だと思います。しかし、これから先に起こる出来事を見越して少しずつ準備を重ね、周りの人達と助け合いながらその時々で頑張っていけば、道は開けていくのではないでしょうか。これを日々自分自身に言い聞かせています。