先輩からのメッセージ

- 辻本 明子 さん
- 甲南大学大学院自然科学研究科 化学専攻
- 研究分野・内容:有機金属化合物を用いた機能性透明膜の作製
- 所属学会:日本化学会、高分子学会、色材協会
理学系分野を選択した時期・理由
「化学の図説に書いてある実験を自分でやってみたい」という漠然とした理由から、高校1年生のとき理工系に進学することを決めました。
私の場合は、実験をやりたいという気持ちがあっても学力が圧倒的に足りませんでした。問題を解く時間は人の何倍もかかりましたし、そんな自分に苛々することも多かったのです。しかし、理工系への進学を諦めようとは思いませんでした。「自分が初めて真剣に勉強しようと思った分野だから頑張るんだ」という気持ちが強かったことを覚えています。いま振り返ると、こう感じたことが理工系に進学した一番の理由だと思います。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
研究の一番の魅力は、「世界初」を創りだせることだと思います。私の研究分野は、結果が出れば比較的早く実用化されるので、自分の手で創ったものを生活の身近なところで目にする機会があることも魅力です。
研究は「こうすれば○○が創れる」の「こうすれば」という部分を自分自身で考えなければなりません。失敗しても、何が間違っているのかを誰も教えてはくれません。それがとても難しく、そしてとても面白いと思っています。
女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ
私が研究をしていて感じることは、専門分野以外の多くの知識がヒントや閃きに繋がるのだということです。「この授業は自分の将来と関係ないし、嫌いだから適当でいいや」と思ってサボっていたことを後悔しています。いまは無駄だと思うことでも、いつか役に立つことがあるかもしれません。そのとき、その場所でしか経験できないことがたくさんあります。将来の自分のために、何事においてもその日できる精一杯の努力をして欲しいと思います。