先輩からのメッセージ
- 町田 怜子 さん
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東京農業大学
地域環境科学部造園科学科(平成29年度から地域創成科学科)助教 - 東京農業大学 地域環境科学部地域創成科学科
私は国立公園や世界遺産地域、世界農業遺産等美しい景観(風景)を保全し、地域づくりに活かす計画論や仕組みづくりを研究しています。大学院時代はスイスチューリッヒ連邦工科大学に留学しスイスのアルプスの景観保全について勉強をしました。私の研究フィールドの一つは九州、熊本県阿蘇の大草原です。熊本地震からの復興に向けて、自然災害の履歴とその自然災害を克服してきた地域の皆さんの知恵や文化伝承を調査し、防災教育や災害に強い観光地づくりの研究に取り組んでいます。
農学系分野を選択した時期・理由
私は幼少期をドイツで過ごし、森の中で遊具を自ら作るプレーパークといわれる遊び場で遊ぶ環境で育ったため、中学生の頃から、環境に関わる仕事に就きたいと思っていました。特に、高校生の時に、東京農業大学の収穫祭に訪れ農学を基本にした環境問題のアプローチに強い関心を持ち、農学分野への進学を希望しました。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
環境保全、地域づくりの仕事の魅力は3つあります。1つ目は地域(フィールド)を調査し、その地域でしか見られない美しい風景、そこで暮らす人々、文化との出会いがあります。
2つ目は、地域づくりのために、地域の現状を評価するだけでなく問題解決に結びつける研究を創造する面白さがあります。
3つ目は、研究成果を地域の子ども達や地域の皆さんに発信し、具体の地域づくりに参画するやりがいと使命感があります。
女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ
私が農学分野に進学したいと希望した時に、生物は好きでしたが、実は数学が苦手で苦労しました。しかし、中学高校時代に苦労した数学の論理的思考が、研究論文を書く上で大切な力となっています。また、夢に向かって苦手なことを克服する力は、研究活動で直面した困難を乗り切る力と通じています。
地域(フィールド)の研究を通じて、女性の持つ明るさ、優しさ、強さが「地域を元気する」ことを実感しています。女性は、上手に時間の使い方を工夫し多種多様なことを前向きに楽しめる人が多いように感じます。私も結婚、子育てをしながら大好きな研究活動を継続しています。妻、母、研究者、どれも私らしく楽しめるのは、「理系」という専門性のある分野で、チャレンジし続けられる職場環境にあると思います。
理系を志す皆さん、ぜひ、自分の得意分野、夢中になれる分野をさらに伸ばし、あなたらしく輝けるキャリアデザインを描いてくださいね。