先輩からのメッセージ
- 大久保 倫子 さん
- 東京農業大学 生物産業学部 北方圏農学科 助教
私の所属する北方圏農学科は北海道網走市にあります!私は大自然の中、エゾシカやエミュー、野生のコウモリの研究をしています。北海道オホーツクキャンパスではエゾシカを飼育しており、エゾシカは何色を見分けることができるのか、行動学的視点から分析を行っています。またストレスを与えないエゾシカの健康管理技術や、外部から与えられた光や音などの刺激に対するエゾシカの反応について検討しています。
農学系分野を選択した時期・理由
小さい頃から自然や動物が好きで、動物に関連した仕事に就くのが夢でした。ずっと憧れていた獣医師になりたくて、大学は獣医学部へ進学しました。大学卒業後は水族館に就職し、動物飼育だけでなく、たくさんのお客様に動物の魅力を伝えてきました。働いている中で、もっともっと動物のことを深く知りたいと思い、退職して博士課程に進学しました。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
これまでペンギン、エゾシカ、コウモリ、エミューといった動物の研究をしてきました。興味のない人にとってみれば、マイナーな動物ばかりかもしれません。ですがそれぞれ動物の持つ能力や生態には驚かされるばかりです。かわいいだけではない動物の魅力や不思議を一番身近に感じることができます。
さらにその動物の特性を利用して、増えすぎてしまったエゾシカの対策や、エミューを使った地域活性化などに繋げていく面白さもあります。
女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ
私が「研究」という進路を強く意識したのは、他の研究者からすればだいぶ遅く、一度社会に出た後、27歳の時でした。その頃はあまり悩まず、おもしろそうというワクワクした気持ちで研究を始めました。今思えばその思い切りの良さが良かったと感じています。好きなことには広くアンテナを張って、おもしろそうと思ったら是非飛び込んでチャレンジしてみてほしいと思います。私自身は最近出産し、子育てと仕事と忙しい生活です。結婚や出産といったライフイベントがキャリアの足枷になるのではと不安に思う方もいるかもしれません。時間が限られてくるのは確かですが、今は男性でも子育てに参加している人はたくさんいます。大事なのは「男性はいいよね・・・」とくよくよせず、前向きになることだと思います。女性だから、男性だからではなく、自分の気持ちの持ち方次第で、より明るく楽しく過ごすことができると思いますよ!