理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

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先輩に質問!
金京純プロフィール写真
  • 金 京純 さん
  • 鳥取大学農学部共同獣医学科助教

鳥取大学共同獣医学科にて獣医寄生虫病学の講義・実習を一部担当しながら、鳥類の血液に寄生する鳥マラリア原虫の研究をしています。特に鳥マラリアを媒介する蚊を主な研究対象とすることで、蚊によって媒介される感染症が自然界においてどのように維持されているのかを明らかにしたいと考えています。

農学系分野を選択した時期・理由

獣医師になることを目指し、具体的な進路について考え始めたのは中学2年生の時でした。高校受験の際には獣医学系大学への進学率を参考に志望校を絞り、高校では理系のクラスを選択しました。獣医学は理系に分類されますが、必ずしも理系人間である必要は無いと思います。私自身、理系科目が得意だったわけではありませんし、高校では文系を選択していたという獣医師は少なくありません。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

寄生虫や感染症は特別なものではなく、私たちと同じ生態系の一部です。私は鳥マラリア媒介蚊の研究を通じて、この事実を実感しています。人為的な環境変化は、新たな動物由来感染症を生じる原因となることから、人への病原性の有無に関わらず、自然界において感染症がどのように存続しているのかを理解することは必要だと考えています。しかしながら、野生動物の感染症については、分かっていないことだらけです。研究を進める中で色々と難しい面もありますが、今の仕事は努力した分だけ新しい発見に出会えます。また、研究を通して国内外問わず色々な人と出会えるのも、この仕事の魅力の一つです。
 研究職における日々の活動自体は、とても地味な作業ですが、研究成果をどのように社会に還元し役立てられるかを考え、それらをイメージすることで、仕事にやりがいを感じます。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

私の獣医師としてのキャリアは長くはないですが、これまで性別による有利・不利を意識したことはありません。ただ、現役として活躍している獣医師、特に研究職における女性の比率は低いのが現状です。獣医学教育の現場に長年携わってきた私の恩師によると、柔軟性や異文化への適応力は、女学生の方が優れているそうです。時代と共に国際化が進み、獣医学を含む科学の分野においても、外国の研究者との情報交換や共同研究が当たり前になっている中で、文化や考え方の違いを楽しむことができる事は社会で活躍する上で大きなメリットになると思います。性別に関わらず、一人一人が自分の強みに気付き、それを将来仕事に生かせるよう大切に磨いていって下さい。

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