理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

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北條理恵子仮イメージ
  • 北條 理恵子 さん
  • (独)労働安全衛生総合研究所
  • 国際情報・研究振興センター研究員

農学系分野を選択した時期・理由

医療関係の大学を卒業後、医療職に就きました。そこで、医療場面でのケアの良し悪しを評価するには客観的な測定法が必要であることを痛感しました。その方法を学ぶべく大学に再入学しましたが、偶然に出会った動物心理学に魅了されました。実は私の大学では、動物心理学は理工系ではなく、文系に分類されていました。しかし、ここで、現在の研究である行動毒性学の基礎となる考え方が身につきました。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

動物心理学においては、当初あまり測定の対象と考えていなかった「行動」を測定することを学びました。医療現場で悩んでいたケアの客観的測定法も、「行動を一つの測定指標として数える」ことで解決できることがわかりました。現在、「行動を数える」ことをスタートとして行動毒性学的な観点から労働安全の諸問題に取り組んでいます。労働環境下で化学物質を扱うことにより、労働者たちの健康が損なわれないかどうか、特に高次脳機能と呼ばれる記憶・学習機能等が損傷を受けないかどうかを動物モデル、主にラットやマウスを使って試験しています。現在の問題は、低量の化学物質が少しずつ体内に蓄積していき、知らないうちに高次脳機能が損傷されてしまうことです。適切な行動の頻度や程度が徐々に損なわれていくわけです。このような低量の化学物質が長期にわたって蓄積されたときの障害の種類や程度を明らかにし、行動面だけではなく実際に脳のどの部分が損傷されるかなども調べ、有効な予防法を模索しています。動物実験だけに単純に人間に当てはめることは難しいため、苦労しています。しかしながら、動物実験でなければできない試験法もあり、やりがいを感じています。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

文系でも理工系分野でも関係がないかもしれません。私は文系の大学で理工系分野の学問(動物行動学)をしていたといえますが、不自由を感じたことはありません。自分自身の学問的嗜好が、より客観的に数字を用いて比較可能な分野にあったというだけのことだと思います。しかしながら、その学問を活かして現在の仕事ができるということはとても幸せなことだと思います。良い結果ばかりが得られるわけではないし、苦労もありますが自分で選んだ仕事ですので責任を持ち、楽しんで続けていけたらいいな、と思っています。皆さんも「好きなもの」に向かって邁進しましょう。好きであれば、困難な道でも勇敢に進んでいけると思います。

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