理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

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先輩に質問!
安延久美仮イメージ
  • 安延 久美さん
  • 鳥取大学農学部生物資源環境学科・教授
  • 神奈川県平塚江南高校出身です。北大農学部で農業経済学を勉強したので、現在は農学部の社会科学分野で研究をしていますが、高校の頃は、理系(生物系)のコースにいました。食料問題や環境問題について勉強がしたくて、また親元を離れて一人で住んでみたくて、実家から遠い大学に進学し、今に至っています。東南アジア諸国の農業経営問題を研究しています。

理工系分野を選択した時期・理由

高校1年のときの最初の数学の試験で、クラスで最低点をとって教室で皆の前に呼び出されるという屈辱を味わいました。そこで発奮し勉強をはじめたら、次第に点数がとれるようになって面白くなっていきました。しかし、クラスメイトの中には数学が好きで好きでしょうがないという人がいて、私はそれほど好きではないなぁと思って数学は向かないとすぐにわかりました。ただ、高校1年生のとき、大人っぽく見える理系の先輩に憧れて化学部に入りました。そこで、見よう見まねで実験(のようなこと)をしていました。高校1年の頃から理系志向だったようです。

大学入試では理類を受けましたが、最終的に農業経済を選んだ理由は、環境や食料の問題の根本は、つまるところ人間の経済活動にあるのではないかと考えたことが大きいと思います。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

最初についた仕事は、現在の大学での仕事ではなく、研究所の研究員でした。その研究所では開発途上国との共同研究をすることが主な仕事の内容でした。そのため、マレーシアやフィリピン、ベトナム、タイなどの国々を訪問する機会を得られました。マレーシアには3年、フィリピンには2年住みました。海外で生活をし、仕事をすることは、社会慣習がよくわかっていて、言葉の壁のない日本で行うよりも、数段に難しいです。しかし、難しい状況を1つずつ乗り越えることで、そのうち仕事が楽しくなり、やりがいを感じるようになりました。特に、私の仕事は東南アジアの農村に出かけていって農家の人と話をしながら、農業経営調査や農村開発調査をすることでした。はじめて農村調査をしたとき、その結果を村の人達に伝えました。「自分たちが思っていてもなかなか言えないことを、まとめて話てくれた。ありがとう。」と言われたことが、びっくりするとともに、とても嬉しかったことを覚えています。決して、大きな仕事ではありませんでしたが、調査に協力をしてくれた農家の人に、そう言われたことが嬉しかったのです。

現在は大学に勤務しているので、長期で海外に住んで仕事をする機会はありませんが、これまでの経験が生きています。今は、学生と一緒に海外のフィールドに出かけるのが、とても楽しいです。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

研究分野にもよりますが、私が学生のときの学科に同学年の女子は1割弱、卒業して研究所に入ったときは女性の研究者が私1人しかいませんでした。当時よりは状況は改善されているとはいえ、今もまだまだ女性は少数派です。農学研究にあっても“男社会”なので、女性の研究者のキャリアパスが見えにくかったり、ロールモデルがいなかったりという問題はまだまだ残っています。しかし、逆にしがらみにとらわれずに、自由に、柔軟に生きることができるのが、女性の強みではないでしょうか。人とは違うことを恐れずに、自分らしいキャリアを形成していってほしいと思います。

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