先輩からのメッセージ

- 猪俣 舞 さん
- 神奈川工科大学 大学院
工学研究科 応用化学・バイオサイエンス専攻
(博士前期課程 修了)
トヨタ紡織株式会社 所属
理工系分野を選択した時期・理由
私が工学系生物分野を選択したのは高校1年生の終わり、理系か文系かどちらを専攻するか迫られた時です。自分の体なのに知らないことやまだ解明されていない謎が多い生物分野に関して、もっと知りたいという漠然とした興味で選択しました。実際に私達の体内では日常的に無意識に無数の反応が生じていることを学び、状況に応じて刻一刻と変わるため、小さな宇宙が広がっているように感じました。当時は将来やりたい仕事までは考えられていなく、ただ自身が感じた興味に従って進路を決めました。現在自動車業界に就職しているように、選択する道の選び方も何を選択するかも正解や不正解はありませんが、私は心に正直に選択して良かったです。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
現在は生産技術という職で、作りたいモノをどのような工法や設備を使って形にするか考えて生産する工程を作る仕事をしています。社内で作りあげてきたモノを最後客先に届ける製品として形にする役割を担っているため、その過程を見届けられるところが魅力の一つだと思います。新たなデザインのモノを作る時、従来との相違点を洗い出して生産する上での問題点を明確にし、それを解決する最適な方法を考えて進める過程に面白さを感じます。これまでの常識に縛られずに現地現物で事実や情報を元に方法を考えたり、部署を超えたディスカッションから新たな発想が生まれたりしながら改善を重ね、できなかったことをできるようにしていくことに達成感も感じられます。
女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ
私は工学分野で学び、人生を濃くするきっかけを得たと思います。鍛えられたことの一つに、物事を理論立てて考える力があります。研究活動において、「膨大な情報の中から適した信頼できる情報を収集し、事実に基づく理由を元に何を明らかにすれば目的としていることを明らかにしていけるのかステップを考えて実行し、結果を分析する」これらのサイクルを繰り返すことで鍛えられました。この力は決して研究活動だけでなく、日常生活や仕事をする上でも共通して求められるものだと思います。選択の連続の人生、根拠に基づいて選択できたら一度きりの人生をより濃いものにできる気がしませんか。私の経験があなたの人生の選択の一助となれば幸いです。