コラム3 事実婚の実態について

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コラム3

事実婚の実態について


近年、いわゆる「事実婚1」と言われる結婚の形を選択する夫婦の姿が、メディア等でも紹介されるようになっている。

事実婚に関するデータは少なく、その実態は見えにくい。しかし、内閣府で令和3(2021)年度に実施した各種意識調査の結果を見ると、事実婚を選択している人は成人人口の2~3%を占めていることが推察される。

例えば、内閣府男女共同参画局が実施した委託調査2では、調査回答者のうち、「配偶者(事実婚・内縁)がいる」と回答した人は2.3%であった。別調査3では、調査回答者のうち、「事実婚」と回答した人は2.9%、「パートナーと暮らしている」と回答した人は1.1%であった。

内閣府大臣官房政府広報室による世論調査4においては、「あなたは現在、結婚していますか」との質問に対し、「結婚していないが、パートナーと暮らしている」と回答した人は2.5%となっている((図)各種意識調査の結果)。

「事実婚」と言われる結婚の形を選択する理由としては、夫婦の名字・姓の問題があることが指摘されている。

内閣府男女共同参画局が実施した委託調査5においては、積極的に結婚したくない理由として「名字・姓が変わるのが嫌・面倒だから」と回答した割合は、20~30代の女性で25.6%、男性で11.1%、40~60代の女性で35.3%、男性で6.6%であった(特-41図再掲)。

夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関しては、第5次男女共同参画基本計画(令和2年12月25日閣議決定)において、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進めることとされている。

(図)各種意識調査の結果別ウインドウで開きます
(図)各種意識調査の結果

(図)[CSV形式:1KB]CSVファイル

1事実婚とは、「法律上の要件(届出)を欠くが、事実上夫婦としての実態を有する関係」を指す。ここでは婚姻の届出の有無により、前者について法律婚、後者について事実婚という言葉を使用している。なお、いわゆる法律婚と事実婚の制度上の相違等について、内閣府「人生100年時代における結婚と家族に関する研究会」において紹介されている。(https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/7th/index.html

2「令和3年度 人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査」(令和3年度内閣府委託調査)。

3内閣府「令和3年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」。

4内閣府「家族の法制に関する世論調査」(令和4年3月25日公表)。

5「令和3年度 人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査」(令和3年度内閣府委託調査)。