「共同参画」2016年6月号

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行政施策トピックス2

平成27年度 新・ダイバーシティ経営企業100選・なでしこ銘柄発表
経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室

我が国の経済成長のためには、女性、外国人、高齢者、障がい者など、多様な人材が能力を最大限発揮し、企業の価値創造に参画していくことが必要です。経済産業省では、女性を始め多様な人材が活躍する企業の先進事例を発信することにより、企業の取組を後押ししています。

1.新・ダイバーシティ経営企業100選

経済産業省では、平成24年度より、女性など多様な人材の能力を活かして、イノベーションの創出、生産性向上等の成果を上げている企業を選定・表彰してきました。4年目の平成27年度は、企業全体としての「働き方改革」や、「(女性の)職域拡大」などの取組を重点テーマとして募集し、148社の応募の中から、34社(大企業20社、中小企業14社)を選定しました。(表1)

各社の事例は、経済産業省サイトをご覧ください。

http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/practice/pdf/h27practice.pdf別ウインドウで開きます

今年度も、7月中旬~9月中旬頃の公募を予定しております。

ダイバーシティ経営企業100選平成28年度ロゴ

表1 新・ダイバーシティ経営企業100選(平成27年度)

2.なでしこ銘柄

「なでしこ銘柄」も平成24年度より、東京証券取引所と共同で実施しています。女性活躍推進に優れた上場企業を、「中長期の成長力」のある優良銘柄として投資家に紹介することを通じて、各社の取組を加速化していくことを狙いとしています。平成27年度は、女性活躍のすそ野を広げるべく、選定対象を東証一部上場企業から、東証全上場企業3500社に拡大し、45社を選定しました。(表2)

選定企業の女性活躍推進状況については、平成27年度「なでしこ銘柄」レポートにまとめております。また、本レポートでは、新規登用管理職に占める女性比率の高い企業を、「プレなでしこ銘柄」として、リストアップしています。さらに、女性活躍の企業競争力への影響について、企業は、従業員のモチベーションや、プロセス・プロダクトイノベーション、採用活動に大きな影響があると認識しているという調査結果を掲載しています。(図1)

http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/pdf/nadeshiko2016.pdf別ウインドウで開きます

毎年、最新の「なでしこ銘柄」を一から選びなおす形で、継続的に行っていきます。

なでしこ銘柄平成28年度ロゴ


表2 平成27年度「なでしこ銘柄」選定企業一覧(業種順、業種内では銘柄コード順)


図1 女性活躍の企業競争力への影響

3.発表シンポジウム

3月の両事業の発表シンポジウムでは、中長期的な成長を目指す企業にとって、企業競争力の強化に直結する「ダイバーシティ経営」とは何かについて考える契機として、「ダイバーシティ経営企業100選」に選定された企業から、経営者と女性社員がペアで登壇し、パネルディスカッションを行いました。経営者からは、経営戦略としてダイバーシティに取り組む意義を、女性社員からは経営層の思いをどう受け止め、日々の業務に取り組んでいるかについて、現場の声を代表して語っていただきました。

また、「なでしこ銘柄」発表の際には、NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」の脚本家の大森美香氏から、「主人公のモデルの広岡浅子さんは、まだ女性が働くという概念がない時代において、道を切り開いて働いていた女性。脚本を書くにあたっても、女性が働くことが、いまだにこんなにも難しいものかと感じていた。選定企業は、難しさを感じながらも、前進している素晴らしい企業。」とエールがありました。

4.平成28年度の方針

これまでの両事業の選定企業に「ダイバーシティ普及アンバサダー」として、先進的な取組を広く発信していただき、取り組む企業のすそ野拡大を図っていきます。