「共同参画」2016年6月号

「共同参画」2016年6月号

巻頭言

国連では、日本の景色と比較すると明らかに多くの女性幹部を目にする。

女性の活躍推進やワークライフバランスが「掛け声」だけでなく、目に見える形で進んでいくことが重要だ。多くの場合は、女性が「無理をして」仕事と育児を両立し、それが「当たり前」になっているのが現在の社会のように思える。女性の活躍とワークライフバランスが「当たり前」になる社会の実現が必要である。

例えば、登壇者を決める際に国連ではジェンダーバランスを考慮する必要があるが、日本にはそのような意識が浸透していない。先日も東京である会議に参加したが、登壇者は私を除き全員男性であったため、その点を指摘すると、ジェンダーバランスなどまるで考えも及ばなかったという反応があった。

現在、待機児童問題が注目を浴びているが、それだけではない。保育行政、女性の正規社員としての再就職困難、マタニティ・ハラスメントなど。構造的、社会的、文化的な要素が多く絡み合った課題がある。

「Are you shining?」昨年8月「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム“WAW! 2015”」参加のため来日したUNISDR(国際連合国際防災戦略事務局)のトップ(当時は女性)に、安倍政権が掲げる「すべての女性が輝く社会の実現」について説明した際に尋ねられ、ハッとした。「すべての女性が輝く社会の実現」とは、単にキャッチフレーズではなく、女性一人ひとりが自らに問いかけてみることからはじまるのかもしれない。


©UNIC
国際連合国際防災戦略事務局(UNISDR)
駐日事務所代表
松岡 由季

主な予定

6月23日~29日 男女共同参画週間(主唱:男女共同参画推進本部)
6月27日 男女共同参画社会づくりに向けての全国会議(東京都千代田区)
6月27日~30日 APEC女性と経済フォーラム2016(ペルー・リマ)
7月中旬~8月末 夏のリコチャレ2016 ~理工系のお仕事体験しよう!~