「共同参画」2015年 7月号

「共同参画」2015年 7月号

取組事例ファイル/企業編

女性が輝く先進企業表彰シリーズ

本誌では、第1回「女性が輝く先進企業表彰」を受賞された7社をシリーズでご紹介します。ぜひ皆さんの会社でも参考にして下さい。

女性が輝く先進企業表彰ロゴ


ゼムケンサービス

大工の娘である籠田淳子代表は、10年前に「女性ならではの経営・全社経営」を決断。建設業を「家づくり店づくりまちづくり、そして幸せづくり」として、女性力を強みへ転換させ、JKDT女性建築デザインチームを発足しました。女性登用は2003年、高意欲の母親社員の入社を機に明確化、その後主婦であり技術者(一級建築士、デザイナー)を一人分の給与で二人採用、ワークシェアリングを始めました。以来、産休、育休、介護休暇と様々なライフステージで起こる「わけあり事」を支え合う環境整備と人財育成で女性力を活かす社風を創り出しています。また、ワークライフバランスを「各自の仕事と生活の相乗効果として経営に独自性と高付加価値をつくること」と定義、提案力・デザイン力を支える重要資源とし日常の気づきをチームで統合、付加価値の高い提案をお客様に提供しています。昨年、「五感設計」を開発、女性が得意とする感性をビジネスで有効にできるシステムにより、お客様が言葉にしない感性へのアプローチが短時間で可能となりました。

本表彰を機に、独自のダイバーシティマネジメントを開始。定義を「多様な人材を受容れ、それぞれに活躍の場を与えることでイノベーションを生み出し価値創造につなげている経営。そのために連続的かつ積極的に企業が取り組むこと」とし、3つのステップ=(1)採用(2)活用(3)活躍に分け、啓蒙しています。活躍のステップでは、健全な本音の議論や自己開示などによる相違の認め合いやインクルージョンを男女共に目指しています。

ダイバーシティ図


集合写真


日産自動車

日産自動車は、さまざまな背景からなる個々人の考え方や価値観の多様性が会社の強みになると考え、経営戦略と位置づけています。2004年に専任組織として設立されたダイバーシティディベロップオフィスが中心となり、活動を促進しています。各部門の代表役員がメンバーとなったダイバーシティステアリングコミッティでは、目標や施策の設定、進捗管理などPDCAを回しています。意思決定層におけるジェンダーダイバーシティの推進は大きな柱の一つで、女性管理職比率をKPIとし、中期経営計画期間内の目標を設定、部門別に計画をたてて取り組んでいます。

課長職への登用のためには、キャリア開発会議、部長層によるメンタリング、育成女性の課題に応じた研修を実施しています。また、部長級職への登用に向けた育成にも2008年から取り組んでいます。マネジメントやリーダーシップについての意識醸成を目的としたラウンドテーブルや、役員によるメンタリングを実施しています。その結果、部長級職に占める女性比率は2%から6.6%に増え、現在では開発・生産・購買・販売・間接部門など全部門に女性の部長層が在籍しています。

女性の管理職をより幅広く、より多く増やしていくこと、従業員全員のワークとライフを充実させること。この両輪が真のグローバルカンパニーには必要です。“Happy8”プログラムは、「1日8時間を意識し、働き方を見直すことで仕事も私生活も充実させよう!」という活動です。

ダイバーシティを力に変えるために、今後も取り組んでまいります。


育成のキー活動「キャリア開発会議」



働き方改革「Happy8」