「共同参画」2013年 9月号

「共同参画」2013年 9月号

行政施策トピックス1

「平成24年度 東日本大震災被災地における女性の悩み・暴力相談事業」報告書の公表について
内閣府男女共同参画推進課

1.はじめに

内閣府男女共同参画局では、平成23年5月10日から岩手県、同年9月1日から宮城県、さらに平成24年2月11日からは福島県を含めた3県において、地方公共団体や民間団体と協働で、全国の相談員の協力を得て、東日本大震災による女性の悩み・暴力に関し臨時相談窓口を開設し、電話や面接により相談を受け付けるとともに、相談員が避難所や仮設住宅等を訪問し、直接相談を受け付けることなどにより、被災地において女性が安心して相談できる相談事業を実施しています。

相談者の気持ちに寄り添いながら話を聞き、相談者が抱える不安や悩みを整理し、必要に応じて支援の窓口を紹介することにより、これまで一人で悩みを抱えていた女性を、一人でも多く、必要な相談、支援につなげることを目的としています。

この度、平成24年度に実施した相談事業において、相談員が受けた相談内容について集計し、本年6月に公表いたしましたので、その概要をご紹介します。

平成24年度 東日本大震災被災地における女性の悩み・暴力相談事業 実施体制図


2.相談件数は毎月400件超

平成24年4月1日から平成25年3月31日までの間に3県の相談窓口で受け付けた相談件数は、5,573件となっています。毎月400件を超える相談が寄せられており、依然多くの女性が悩みを抱えていることが明らかになっています。

その内訳は、不安、抑うつ、PTSD()等の「心理的問題」が21.3%と最も多く、次いで、生きがいや孤独・孤立等の「生き方」が15.2%、親、きょうだい、子どもとの関係等の「家族問題」が14.4%となっています。

:心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder)の略語。

本事業の詳細な集計結果については、内閣府のホームページに報告書を掲載してありますので、ご覧ください。

http://www.gender.go.jp/policy/saigai/bo-reports.html

3.抱える悩みは様々

現地で相談を受けた相談員からの報告によると、発災後時間が経過し、本格的な生活再建に直面し始めたことに伴い、相談内容がより複雑化・多様化する傾向が見られています。

相談の中には「心が復興に追いつかず、自分だけ置いていかれた気持ちになる」、「震災で家を失い親族と同居を始めたが、疎まれ家に居場所がない」、「放射性物質の身体への影響が心配。将来結婚して子どもを産めるのか不安」、「震災で家族を失い、一人で頑張ってきたが孤独に耐えられなくなり死にたい」などのほか、「震災後に夫の暴力がひどくなり、子どもにも暴力を振るうようになった」、「職場の男性から性的嫌がらせを受けているが、震災後にやっと見つけた仕事なので辞めたくない」など、配偶者等からの暴力に関する相談も寄せられています。

平成24年度 東日本大震災被災地における女性の悩み・暴力相談事業 相談件数の内訳(複数回答)


4.今年度事業について

本事業は、今年度も継続することとし、現在も岩手県、宮城県、福島県の3県で平成26年3月31日まで相談を受け付けています。なお、宮城県については、男性からの相談も受け付けています。一人でも多くの女性が必要な支援につながるよう、広報・周知についてご協力いただければ幸いです。

▼女性の心のケア

ホットライン・いわて

0120-240-261

(通話料無料・岩手県内限定)

相談受付時間

月〜日 10:00〜17:00

▼東日本大震災 心の相談

ホットライン・みやぎ

0120-933-887

(通話料無料・宮城県内限定)

相談受付時間

月〜金(祝日除く)9:00〜16:45

▼女性のための電話相談・ふくしま

0120-207-440

(通話料無料・全国共通)

相談受付時間

月〜金(祝日除く)10:00〜17:00