「共同参画」2013年 9月号
巻頭言
私はかつて政府の少子化対策重点戦略検討会議の家族と地域の絆について審議する分科会の委員をさせていただいたが、わが国のこれまでの少子化対策は、出生率の回復につながらなかった。地方の出生率が急落しているにもかかわらず、従来の少子化対策は都市部で働く正社員の女性中心で、全国的なバランスのとれた対策と松田茂樹氏が『少子化論』において指摘している育児期において約8割を占める「典型的家族」が子供を生み育てやすい環境を作るための施策が不足していた。
少子化対策としての従来の子育て支援策は、働く女性の子育て負担を保育サービスの量的拡大によって軽減することが主目的になり、親としての成長、発達を支援する「親育ち」支援という視点が欠落していた。親は子育てを通して親として成長する存在であるから、親子がきちんと向き合う環境を整備し保障する子育て支援が必要である。
男女共同参画第四次基本計画の策定に向けて、これまでの項目、数値目標などの根拠の総点検を行うとともに、親子が向き合う「家族の絆」を深めるという視点から男女共同参画のあり方について根本的に見直す必要があろう。
明星大学
教授
高橋 史朗
主な予定
9月30日 | シンポジウム「地球社会を共に生きる〜子どものまなざしから考えるワーク・ライフ・バランス〜」(静岡県静岡市) |
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10月5日 | 男女共同参画宣言都市奨励事業(和歌山県上富田町) |
10月11日 | シンポジウム「女性の活躍で未来を拓く〜多様なキャリア形成による経済社会の活性化〜」(岡山県岡山市) |
10月28日 |
シンポジウム「小さい会社が女性の活躍で〜トップの意識で変わる、変える、これからの中小企業〜」 (福岡県福岡市) |
11月9日 | 男女共同参画フォーラム(埼玉県さいたま市) |
11月10日 | 男女共同参画宣言都市奨励事業(茨城県阿見町) |
11月12日〜25日 |
女性に対する暴力をなくす運動(主唱:男女共同参画推進本部) (11月25日 女性に対する暴力撤廃国際日) |
11月17日 | 男女共同参画宣言都市奨励事業(北海道苫小牧市) |
11月30日 | 男女共同参画宣言都市奨励事業(島根県雲南市) |
12月5日 | 男女共同参画フォーラム(福岡県福岡市) |