男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成14年9月3日(火) 13:30~16:00
  • 場所: 内閣府5階特別会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
    会長代理
    八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
    委員
    伊藤 公雄 大阪大学教授
    住田 裕子 弁護士
    高橋 和之 東京大学教授
    竹信 三恵子 朝日新聞企画報道部記者
    松田 保彦 帝京大学教授
    山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事

(議事次第)

  1. 開会
  2. 女性のチャレンジ支援策について
  3. その他
  4. 閉会

(配布資料)

資料1
第13回男女共同参画会議基本問題専門調査会議事録(案)

(概要)

事務局から、「女性のチャレンジ支援策中間まとめ」の論点について説明が行われた後、自由討議が行われた。

  1. 「Ⅱ 1.意欲と能力がある女性が活躍できる職場づくりー「上」へのチャレンジ-」について
    住田委員
    「なぜ今、女性のチャレンジが必要なのか」として、「国際的にも低い日本女性の活躍度」を挙げる際、ジェ ンダーエンパワーメント指数(GEM)が低いけれども、実際には人間開発指数(HDI)は非常に高いので、潜在的能力は 高いのにGEMが低いというのはおかしいという指摘をしていただきたい。
    松田委員
    チャレンジ支援策は、女性だけでなく、男女ともみんな一緒にやりましょうというという気持ちがどこかに出て いないと国民に響かない。
    樋口委員
    子育て期にある30代男性が最も就業時間が長いという現実があるにもかかわらず、昔と違って、今の30代 男性は家庭中心に生きたいと願っている。そこのギャップがまさにチャレンジ支援を進めると男性にゆとりをもたらし、元 気が出るということをアピールしてはどうか。
    山口委員
    「男性中心の企業風土」が女性の活躍を阻害する風土として挙げられるが、男女共同参画の世論調査で は、まず第1に意識慣習が挙がっていて、2番目に政治、3番目に職場という順になっている。企業における男性中心の 企業風土は、社会全体の意識慣習からも影響を受けている点を指摘していただきたい。また、企業だけではなくその他分 野を議論するときには、社会全体の意識慣習や固定的役割分担というものが非常に根強く、それがどの分野でも影響し ているということをはっきりさせておいた方が良い。
    寺尾委員
    新たな方策の検討で公契約については、地方自治法施行令、予算決算及び会計令で規定されているが、 我が国の会計制度の原則との関係で男女共同参画の観点を取入れることができるかできないかという議論が十分になさ れていない。法律の解釈などを示し、地方自治体が安心して取組めるようにすべき。これを機会に大いに法的議論を行っ ていただきたい。
    古橋委員
    ISOシリーズや障害者雇用比率などは、既に地方公共団体は入札の参加登録要件として取入れている が、国は未だ法的に位置付けるかどうか判断を付けられない状態。同様に男女共同参画の観点も入札の参加登録の新 項目としてはどうか。男女共同参画基本法の積極的改善措置が国の責務、地方公共団体の責務に入ったということは極 めて画期的なことだということをもう少し強く言って、そういう趣旨でやるから解釈もだんだん広めていくべきではないかと いうことを提起するということは決して悪いことではない。
  2. 「Ⅱ 2.新しい分野へのチャレンジー「横」へのチャレンジ-」について
    高橋委員
    横へのチャレンジの構成が「現状と阻害要因」、「支援策の方向性」がそれぞれ対応するようになっている が、分かりにくいので構成を変えてはどうか。
    住田委員
    女性がいろいろな分野で活躍し、職種の拡大をイメージさせるような記述をすべき。
    古橋委員
    客観性の高い能力評価ということが、女性のチャレンジ、再チャレンジ全てに必要なこととして共通し、日本 社会全体の問題としても最も重要な課題であることを指摘して欲しい。
    北村委員
    女性の起業において、何故開業希望が多いかという理由としては、「自分の時間に合わせたい」、「働き続け たい」などが挙がっているが、サービス社会が進む中で、無償労働だったものを仕事として外部化し、価値があるものとし て積極的な夢のある展望にして欲しい。
  3. 「Ⅱ 3.再チャレンジ支援」について
    住田委員
    高齢化社会が更に進む中、現在50代の女性が活躍することによって、女性全体を引っ張っていく牽引者と なることを期待したい。そういった方々の再チャレンジ支援は非常に重要であることを指摘したい。また、これからは、就業 継続型を中心に力を入れていただきたい。さらに、高齢化社会においては、子育てのためだけではなく、何度も再チャレン ジできるような社会になることを期待したい。
    岩男会長
    就業を中断しいてる間に、スキルが陳腐化しないように、在宅ワーク等の仕組みを企業で進めているが、こ ういった取組が進められることを期待したい。
    竹信委員
    再チャレンジをしたい女性が自分で行動する際に、どこに聞けばいいか分からないといった仕組みの問題 が指摘されているが、その点をもう少し鮮明にできないか。例えば、情報にアクセスできるだけでなく、再チャレンジできる 手段などの指導など。
    岩男会長
    高齢化社会においては、高齢者の積極的参画が非常に重要なので、ここでは年齢制限に対する策をきち んと入れるべき。
    高橋委員
    出生率と就業率との関係を直接的に書けるかどうか疑問。
    北村委員
    育児と就業が必ずしもトレードオフの関係であるとは言えないということだけでは分かりにくいので、もう少し 少子化と就業の関係について親切に書いてはどうか。
  4. 「Ⅱ 4.農林水産分野における女性のチャレンジ支援」について
    山口委員
    農林水産分野は夢が持てる分野。これからは、女性たちが中心になった新しい農業に期待がもてるのでは ないか。
    古橋委員
    農村における起業が増えてきている。そういったところでは、ネットワーク作りが重要。その中で、リーダーが 都会から入ってきて育っていく。行政がコーディネータとして努力すればもっとできる旨指摘してはどうか。
  5. その他
    寺尾委員
    男性も夢が持てる社会にするために、女性のチャレンジ支援策が必要であることを指摘していただきたい。
    古橋委員
    「女性の元気は、男性のゆとり、社会の活気」ではなく、「男性の元気」にしてはどうか。

(以上)

(以上)