男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成14年6月10日(月) 13:30~16:10
  • 場所: 内閣府3階特別会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
    会長代理
    八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
    委員
    住田 裕子 弁護士
    高橋 和之 東京大学教授
    竹信 三恵子 朝日新聞企画報道室記者
    寺尾 美子 東京大学教授
    樋口 恵子 東京家政大学教授
    古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
    松田 保彦 帝京大学教授
    山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事

(議事次第)

  1. 開会
  2. 経済分野における女性のチャレンジ支援について 
  3. その他
  4. 閉会

(配布資料)

資料1
福岡県福間町説明資料 [PDF形式:649KB] 別ウインドウで開きます
資料2
広島市説明資料 [PDF形式:93KB] 別ウインドウで開きます
資料3
松田委員説明資料 [PDF形式:206KB] 別ウインドウで開きます
資料4
寺尾委員説明資料 [PDF形式:734KB] 別ウインドウで開きます
資料5
第9回男女共同参画会議基本問題専門調査会議事録(案)

(概要)

  1. 福岡県福間町総務部の青谷郁夫企画調整課長から公契約に男女共同参画の視 点を取り入れる試みについて、広島市市民局人権啓発部参事の藤田典子男女共同 参画室長から補助金交付に男女共同参画の視点を取り入れる試みについて、それぞ れ説明が行われた後、質疑が行われた。
    青谷企画調整課長
    平成14年4月に施行した「男女がともに歩むまちづくり基本条 例」第5条第3項に事業者の責務を定め、指名願いの提出の際に推進状況の届出をし ていただいている。今のところ肯定的な意見が多い。
    藤田男女共同参画室長
    市の男女共同参画推進条例の17条に「補助金交付にお ける男女共同参画の推進に関する措置」を規定。これは市が補助金を交付している団 体に対し男女共同参画の推進に関する措置について行政指導を行う根拠となる。具 体的な行政指導の内容と方法については、団体の性格等に応じた内容にしていきた いと考えており、今、基準作りに向けた作業を行っている。
  2. 松田委員から「公契約における積極的是正措置-アメリカにおけるアファーマティ ブ・アクションの展開」について、寺尾委員から「アメリカ合衆国の連邦政府契約遵守 プログラム」について、それぞれ説明があった後、自由討議が行われた。
    松田委員
    英米法系の下では、裁判所もアファーマティブ・アクションを含む必要な 救済措置を命ずることができる。公契約を利用することも、連邦政府がその資金を交付 したり、その資金によって業者を決めたりする際には、法律、憲法に反しない限り、条 件を付することができるように認められている。
      我が国では、行政指導の根拠的な意味での施策を設けるということは十分に可能で はないか。ただし、統一的な運用を図るための工夫は十分に考えなければならない。
    寺尾委員
    アメリカでは、政府と契約をするものについては、人種や性別による差別 をせず、雇用の機会を平等にするよう努めていることを示すコンプライアンス・レポート の提出義務を課しており、違反した業者に対しては氏名の公表、司法長官への通知、 契約の解除といった制裁がある。
      アメリカの場合は、1950年代、60年代の公民権運動の高まりの中で、国民的合意 があって、連邦政府と現場とのやり取りの中で蓄積されてきたもの。
    岩男会長
    十分に能力を生かしていない人材に力を発揮してもらうと、もっと得にな るという、そういうインセンティブを与えるような形を企業に求める方が、日本的であまり 抵抗がないのではないか。
    古橋委員
    アメリカのように契約自由の原則で、差別禁止が大前提だから、契約の 中にそういうことを入れていいというコンセンサスがある場合にはいいが、我が国の場 合、税金を使っているから、安いところを優先すべきという原則が強い。
      我が国の会計制度上、公契約に男女共同参画の視点を取り入れるのは難しいという ことであれば、長期的に世論を啓発していくしかないのではないか。
      まずみんなで考えましょうということを提示し、できる限り弾力的に解釈すべきであると いったことを指摘することはいいと思う。
    竹信委員
    基準をつくるにも、その基盤がないとできないので、情報収集は必要。
    山口委員
    男女共同参画の視点をどうやって取り入れていくかという話になるので、 そのような指摘をしておいた方がいい。
    松田委員
    ケネディがニューフロンティアを推進したときは、経済的に停滞して、やる 気がだんだんなくなってきているときに、これを刺激として与えた。今の日本も状況が 同じであり、こういうものは必要になっている必然性があるのではないか。
    住田委員
    男女共同参画女性の能力の活用というのが、経済性にもかなうんだとい うような、そういう研究成果があれば非常にいいと思う。事例を集めるというのはどう か。
    高橋委員
    効率性については、男女共同参画という政策目標との関連で効率的と いうふうに解釈できればいいのではないか。
    寺尾委員
    効率性を社会レベルでとらえる発想で考えたらどうか。
    樋口委員
    個々の企業の当面の利益、不利益だけを問うとしたら、女性を外へ追い 出した方が有利な部分もある。そういう企業ばかりがもし日本を支えるとしたらこうな る、女性を入れてやっている企業ばかりだったらこうなるといった社会全体のモデルの 提示の仕方をした方がいいのではないか。

(以上)

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