- 日時: 平成14年4月23日(火) 10:30~16:00
- 場所: 内閣府3階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
- 会長代理
- 八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
- 委員
- 伊藤 公雄 大阪大学教授
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 高橋 和之 東京大学教授
- 同
- 竹信 三恵子 朝日新聞企画報道室記者
- 同
- 樋口 恵子 東京家政大学教授
- 同
- 古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
- 同
- 松田 保彦 帝京大学教授
- 同
- 山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事
(議事次第)
- 経済分野における女性のチャレンジ支援について
- その他
(配布資料)
- 資料1
- 経済産業省資料
- 資料2
- 厚生労働省資料
- 資料3
- 第7回男女共同参画会議基本問題専門調査会議事録(案)
(概要)
1.経済産業省白石企画主任より経済産業省男女共同参画推進関連施策等につい て説明が行われた後、自由討議が行われた。
- 経済産業省
- 日本の古い構造問題を前提とした女性支援策は、構造を固定化し てしまう可能性があり、問題の解決を遅らせるのではないか。女性も含めて個人の能力に即した人材活用を進めるような経済構造をつくり上げていくことが問題の解決の近 道ではないか。
2.厚生労働省村木課長、山田課長より厚生労働省のチャレンジ支援関連施策につ いて説明があり、その後自由討議が行われた。
- 厚生労働省 村木課長
- 「女性の能力発揮のための積極的取組(ポジティブ・アク ション)」では、行政指導、表彰、ノウハウ提供を行うとともに、経営者団体と連携し「女性の活躍推進協議会」を開催し、提言をとりまとめたところである。今後は、(1)個々 の企業が目標を立てる際にベンチマークとして活用できるよう、業種や企業規模ごと の女性の活用状況や先進的な企業における女性の活躍状況などのデータを示す、 (2)好事例を提供する、(3)先進企業を顕彰する仕組みをつくるなどによりさらに支援 を進めていく。また、女子学生・女子生徒の支援も重要と考えている。
- 厚生労働省 山田課長
-
女性の子育て後の再就職のニーズにどのように対応し ていくのか。少子化で、若年の労働力の確保が非常に困難になるという状況の中で、 女性の有効活用が重要となる。
特に、再就職の形態として大きな割合を占めているパートタイム労働者の処遇の 改善、キャリアアップルートの構築が重要となる。その中でも、日本の長期雇用システ ムとの調整を図りながら、ライフステージに応じた多様な働き方が必要である。その一 つの仕組みとして、短時間でしっかり働き、働きに応じた処遇を得る「短時間正社員制 度」が考えられるのではないか。 - 住田委員
-
再就職支援「リチャレンジ」は、今まさに必要な制度なので是非推進 して欲しい。短時間正社員制度の導入に当たっては、パートタイム労働者を、どこかで 正社員化するという法的措置も念頭に置くべき。
また、再就職支援もさることながら、労働力の質の観点から、子育ての期間にいっ たん労働市場から撤退するよりも、就業の継続が可能となるよう、将来的にはm字型 カーブを解消すべき。また、病児をもつ母親が仕事をやめざるを得ないような状況を解 消すべき。ポジティブ・アクションの数値目標策定も重要だが、女性が最終的には登用 されるまでの期間も併せて見るべき。 - 古橋委員
- 再就職については、相当啓発活動が必要。個人レベルでの支援があ るが、事業主に対しても努力義務なり、税制上の措置等何らかの措置ができないの か。
- 八代会長代理
- 微調整で女性のチャレンジ支援を進めるのか、それとも大胆な規 制改革をベースに考えるのかでアプローチが異なる。短時間正社員制度も、ポジティ ブ・アクションについても両面のアプローチが必要だが、後者の観点から議論してはど うか。
- 竹信委員
- 日本の長期雇用システムは20代で賃金が安く、40代になって、上が るので、途中でやめられない。長期雇用であっても、賃金体系がフラットであれば職場 に出入りしやすい。いったん退職すると大損をする、再就職できないでは、女性のチャ レンジは非常に難しいので、この問題は含めてはどうか。
- 松田委員
- 現実可能な第一歩は何か。例えば、同一労働・同一賃金的な考え方 を出し、職種別最低賃金を職種別間できちんと位置付けていくことを、現実に可能にす るようなやり方を考える段階ではないか。
- 山口委員
- パートタイムである程度賃金が保障されていて、週3回働き、週2回 は他のことができれば、より自分自身が幅広く社会性を持てるのではないか。技能 アップもできるし、転職も可能になる。未来志向で新パートタイム構想など従来のパー トタイムのイメージを払拭するようなアイデアが出せないか。
- 伊藤委員
- 賃金体系の見直しを行うには、同時にセーフティネットについても考慮 が必要である。
(以上)