男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成21年7月31日(金) 10:00~12:00
  • 場所: 永田町合同庁舎第1会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
    会長代理
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    委員
    家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
    石川 哲也 神戸大学大学院教授
    伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
    岩井 宜子 専修大学大学院教授・副院長
    大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
    大隅 典子 東北大学大学院教授
    岡本 直美 日本労働組合総連合会副会長
    帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
    加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
    清原 桂子 兵庫県理事
    五條 満義 東京農業大学准教授
    坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
    桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
    辻村 みよ子 東北大学大学院教授
    山田 昌弘 中央大学教授

(議事次第)

  1. 男女共同参画基本計画(第2次)フォローアップ 関係府省ヒアリング
    • 女性の参画加速プログラム
    • 第1分野 政策・方針決定過程への女性の参画の拡大
    • 第12分野 新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進(科学技術)

(配布資料)

資料1 様式1
「女性の参画加速プログラム」 [PDF形式:225KB] 別ウインドウで開きます
資料2 様式2
「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」
2-(1)
人事院作成資料、参考資料 [PDF形式:172KB] 別ウインドウで開きます
2-(2)
内閣府作成資料 [PD形式F:216KB] 別ウインドウで開きます
2-(3)
文部科学省作成資料 [PDF形式:160KB] 別ウインドウで開きます
2-(4)
厚生労働省作成資料、参考資料 [PDF形式:771KB] 別ウインドウで開きます
資料3 様式1
「12. 新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進(科学技術分野のみ)」 [PDF形式:123KB] 別ウインドウで開きます
資料4 様式2
「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」文部科学省作成資料 [PDF形式:138KB] 別ウインドウで開きます
資料5 様式1
「1. 政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」 [PDF形式:254KB] 別ウインドウで開きます
資料6 様式2
「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」
6-(1)
人事院作成資料、参考資料 [PDF形式:455KB] 別ウインドウで開きます
6-(2)
内閣府作成資料(公務員関係) [PDF形式:205KB] 別ウインドウで開きます
6-(3)
内閣府作成資料 (公務員関係以外)、参考資料 [PDF形式:348KB] 別ウインドウで開きます
6-(4)
総務省作成資料、参考資料 [PDF形式:756KB] 別ウインドウで開きます
6-(5)
文部科学省作成資料 [PDF形式:145KB] 別ウインドウで開きます
資料7
第44回基本問題・計画専門調査会議事録(案)
羽入会長
おはようございます。皆様、お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
 それでは、第46回基本問題・計画専門調査会の会合を始めさせていただきます。
 初めに事務局の人事異動がございましたので、御報告申し上げます。7月7日付の異動で、男女共同参画局長に岡島局長、武川審議官、小野田総務課長、また28日付で藤澤推進課長が着任されましたので、一言ずつご挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
岡島局長
岡島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
羽入会長
ありがとうございます。
武川審議官
武川と申します。4月から官房担当と併任で来ておりましたけれども、7月からはこちらの専属になりましたので、よろしくお願いいたします。
羽入会長
ありがとうございます。
小野田総務課長
総務課長の小野田と申します。よろしくお願いいたします。
藤澤推進課長
推進課長の藤澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
羽入会長
それではこのような事務局メンバーでまた進めさせていただきますので、皆様どうぞよろしくてお願いいたします。
 本日の議題は、非常に時間がタイトでございますけれども、できるだけ手際よく進めさせていただきたいと思いますので、よろしく御協力くださいませ。
 既にお知らせしておりますけれども、年内にかけてひと月1回のペースで、第2次の男女共同参画基本計画に関する取組状況につきまして、関係府省からヒアリングを行うことになっております。本日は第1分野の「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」、第12分野の「新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進」の中の科学技術分野、更に「女性の参画加速プログラム」について行います。
 お手元に資料として配布しております、「第46回基本問題・計画専門調査会関係省庁ヒアリング」の時間割に沿ってできるだけ進めていきたいと思います。関係府省から配布資料の「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」に基づいて説明をいただきました上で、委員の皆様から事前にいただいております質問とあわせて回答していただくようにしたいと思います。
 まず、「女性の参画加速プログラム」の「1 女性の参画促進のための基盤整備」、「2-(1)医師について、内閣府、厚生労働省それぞれから御説明をお願いしたいと思います。それでは、まず内閣府からお願いいたします。
内閣府(大西)
それでは、御説明させていただきます。お手元の資料2-(2)でございます。関連する資料としては資料1になっております。また、事前にいただいた御質問について、質問票一覧の中の質問1、2、4、8、10、12につきまして説明の途中の関連した部分で回答させていただきます。
 資料2-(2)内閣府作成、「女性の参画加速プログラムに関する施策の評価等について」でございます。
羽入会長
よろしいですか。
内閣府(大西)
それでは、まず1ページ目、「各界トップ層等への戦略的な働きかけ」の主な取組状況でございます。
 大臣が各界トップ層を訪問し、管理職への女性登用等について働きかけを実施した、いわゆる「職場を変えよう!キャラバン」や、企業のトップとの懇談を実施する等の取組を実施しております。
 また、各界各層との情報・意見交換のため、「男女共同参画推進連携会議」において、様々な情報の共有を行っております。
 また、その活動の一環として、地域版の連携会議とのネックワークをつくりまして、セミナー等を開催するなどの取組を推進しております。
 今後の方向性としては、キャラバンやトップとの懇談における意見交換を通じて抽出された課題をもとに、効果的な施策を検討すること、地域版の連携会議とのネックワークを活用して、広範囲に広報啓発活動を展開していく方策等の検討することを考えております。
 参考として、実績等は下の欄にございます。
 ここで質問票の№2、鹿嶋委員からの御質問についてお答えをさせていただきたいと思います。
 トップ層に働きかけると言っても思いつきのような形で実施しても意味がないのではないか。また、経済団体の横断的な事務レベル会合のようなものが必要ではないかという御質問でございます。
 トップ層への働きかけについて、大臣キャラバンやトップとの懇談につきましては、活発な意見交換がなされ、ワーク・ライフ・バランスの推進や子育てしながらの働きやすい環境整備等が重要という認識で一致する等の成果が見えてきております。今後もこのような機会をとらえて計画的・戦略的な働きかけを行ってまいりたいと思っております。
 また、事務レベル会合についてでございますが、今後の本調査会やワーキング等の中で、多様な主体との連携方策について御議論いただきたいと考えております。
 続きまして、質問票の8番の岡本委員からの御質問ですが、トップ層への働きかけにより明らかになった課題は何かについてお答えさせていただきます。
 こちらにつきましても、若干重複しますが、トップとの懇談により、ワーク・ライフ・バランスの推進や子育ての環境が重要な課題だというような認識で一致しておりまして、こういったことが見えてきた課題となっております。
 資料2-(2)の2ページに戻らせていただきます。
 次は、女性の人材育成、エンパワーメントに関する取組でございます。
 まず昨年10月に基本問題専門調査会におきまして、第2ステージへの移行を打ち出した「地域における男女共同参画の推進の今後のあり方」を取りまとめました。また、連携会議と地域版の連携会議で9回のシンポジウムを開催しました。
 また、女性リーダーズネックワーク(WLN)の会合開催のあり方について検討を行ってまいりました。
 今後の方向性としては、地域の課題解決のための実践的な活動の先進的な事例を収集することや、アドバイザー派遣などの支援を行い、第2ステージに向けた方策を検討してまいりたいと思っております。
 また、WLN会合の開催に向けては、国際的なネックワーク形成や関連団体の連携強化などの求められる成果をどのように引き出していくかが課題となっております。
 ここで質問票のNo.4の、加藤委員から、アドバイザー派遣の内容についての御質問をいただいております。アドバイザー支援事業の告知範囲につきましては、都道府県、政令指定都市あてに募集通知を出し、市区町村や民間団体については、都道府県から募集の周知を行ってもらっております。また、アドバイザー派遣の利用状況については、5月に1次募集を行い、87の自治体等に決定し、現在第2次募集を実施しております。また、どのような方がアドバイザーになっているか、という御質問につきましては、派遣を希望する自治体が候補者を申請しているので、いろんな方がアドバイザーになっていますが、大学教授、子育て支援や地域づくりを行っているNPOの代表等が多くなっております。
 続きまして、資料2-(2)の3ページでございますが、取組に対する評価・好事例の提供に関する取組状況でございます。主な取組では、内閣総理大臣表彰を実施しております。この表彰は平成9年度から官房長官表彰として実施していましたが、20年度からは内閣総理大臣表彰として実施しております。
 2点目は、女性のチャレンジ賞表彰を実施しており、チャレンジの身近なモデルを示し、男女共同参画社会の実現のための機運を高めることを目的として表彰を行っております。
 3点目は、20年度に、公契約におけるポジティブ・アクションの事例集を作成し、都道府県等に配布しております。
 今後の方向性としては、表彰制度に係る受賞者の選定では、自治体との連携を一層強めていく必要があります。
 参考データとして下欄に表彰などの件数等を載せております。
 ここで、取組状況の3点目にございました公契約のポジティブ・アクションの事例集に関しまして、質問票の№10、辻村委員からの御質問で、国の政策として公契約におけるポジティブ・アクションを実際に実施することも有効と考えるが、いかがか。また、ポジティブ・アクションについての正しい知識を伝播し各界トップ層等への働きかけを強めることはできないかという御質問についてでございます。
 公契約におけるポジティブ・アクションの導入については、我が国の会計法の契約制度の原則である公正性、経済性を踏まえますと、現行法上、男女共同参画の推進状況等を入札の参加登録の審査項目とすることについては慎重な対応が必要であると考えております。しかし地方公共団体では比較的取組を進めている事例が多く見られますので、これらの周知により気運の醸成を図ってまいりたいと考えております。また、ポジティブ・アクションについても、各界トップ層の理解が大変重要ですので、今後もネックワークを通じて行ってまいりたいと思っております。
 最後に、質問票のNo.1とNo.12についての回答をさせていただきたいと思います。
 No.1の質問は、鹿嶋委員からの御質問ですが、参画加速プログラムで設定された分野の他の分野についても、新たなプログラムをつくる必要があるのではないか。
 こちらにつきましては、現在の重点分野のほかに、今後取り組むべき分野についても、これからの計画の中で対応してまいりたいと思っておりますので、今後の調査会やワーキングの中で御議論いただきたいと考えております。
 また、質問のNo.12、辻村委員より御質問いただいていますが、第3期科学技術基本計画の目標設定や女性研究者養成システム改革加速のプログラムは有効と考えるが、自然科学系に限定されている。実際、人文社会系にも女性比率の低い分野があり、学術分野全体における男女共同参画の視点を明確にして、理系のみならず少ない学術分野を加えた取組を行うことが必要ではないかという御質問です。御指摘のとおり、自然科学分野のみならず人文社会系についても女性の割合は十分高いとは言えないので、今後も取組が必要と考えております。
 また、女性の参画加速プログラムの重点事項として取り上げられた「研究者」には人文社会系分野も含まれておりまして、今後も取組を進めたいと思っております。
 以上でございます。
羽入会長
ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして、厚生労働省からお願いいたします。
厚生労働省(西村)
厚生労働省の西村です。お手元の資料2-(4)厚生労働省作成の資料がございますが、それをごらんになっていただきたいと思います。「女性の参画促進のための基盤整備」のところで、1-(1)、(2)、(3)について、主にポジティブ・アクションの取組についてでございます。
 主な施策の取組状況でございますが、厚生労働省では、平成13年度から、企業が自ら主体的にポジティブ・アクションに取り組むことを促すために、経営者団体と連携して、女性の活躍推進協議会を開催してきております。
 平成20年度からは、企業内メンター育成事業を実施しております。
 平成11年度からは、均等・両立推進企業表彰の実施を行っております。
 平成19年度からは、企業のポジティブ・アクションの取組状況等を紹介するサイトを開設しております。
 今後の方向性、検討課題の「ポジティブ・アクションの普及促進」につきましては、「新雇用戦略」においては、ポジティブ・アクションに取り組む企業割合が2010年度までに40%を超えるようにという、そういう政府目標が設定されておりますが、大企業ではポジティブ・アクションの取組が見られるもののその動きには鈍化が見られまして、また特に中小企業への広がりが十分ではございませんので、ポジティブ・アクションの一層の普及促進を図ることが必要であるということで、施策を推進することにしております。
 そのため、企業が自らポジティブ・アクションに取り組むことを促すために、引き続き女性の活躍推進協議会の開催によりまして、行政と経営者団体が連携して、経営者団体を通じ傘下の企業に対し強力に働きかけていくということを行っていく。
 また、後輩女性のメンターとしての役割を担えるような企業内女性メンターを育成することにより、女性労働者が企業内での将来のキャリアプランを描きつつ就業を継続できるような環境づくりを継続して促進していくこととしております。
 更に、ポジティブ・アクションに取り組む企業を顕彰し評価するとともに、他企業の取組を促進させる波及効果等を見込んで表彰制度を通じポジティブ・アクションの周知に継続して取り組んでいくということとしております。
 また、ポジティブ・アクション応援サイト掲載企業数を増やし様々な具体的事例を示すことにより、ポジティブ・アクションに取り組もうとする企業を支援し、ポジティブ・アクションの周知に継続して取り組んでいくこととしております。
 2ページ目には、参考データ、関連政策評価等をお出ししておりますが、時間の関係で御説明は省かせていただきます。
 事前に、委員の先生方から御質問がありますので、それについて御説明させていただきたいと思います。質問は2番、3番、5番、11番になります。
 まず鹿嶋委員からの御質問です。「各界トップ層に女性登用について働きかけるといっても、思いつきのような形で実施しても意味がないのではないか」という御質問に対しましてですが、企業のポジティブ・アクションの取組を更に広げ、より多くの企業に促していくためには、行政と経営者団体との連携の下に強力に働きかけを行っていくことが効果的であるということから、平成13年度から日本経済団体連合会、東京商工会議所、全国中小企業団体中央会や企業トップを集めた女性の活躍推進協議会を開催しております。当協議会では、平成14年にポジティブ・アクションのための提言を取りまとめまして、そのほか、各資料を作成して周知活動を行うとともに、この提言に基づいて公募制による均等推進企業表彰や女性の活躍推進状況診断等の事業の具体化が実現したところでございます。
 また、経営トップへの働きかけに加えまして、事業所ごとに選任されております機会均等推進責任者あてに情報提供等を行っております。そうしたことによって、企業におけるポジティブ・アクションの取組を促しております。更に企業の人事労務担当者を対象に、ポジティブ・アクションについての理解を深めるために実践的なノウハウを提供する研修を開催してきております。
 3番目の同じく鹿嶋委員の御質問でございますが、「ポジティブ・アクションの取組状況が衰退している。その原因は何か」という御質問でございます。
 御指摘のとおり、平成18年度の調査によりますと、ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業割合ですが、20.7%、平成15年度は29.5%ですから、比較しますと、低下している状況でございます。大企業では相当程度の企業において取組が進んでいる状況なのですが、特に中小企業における取組が進んでいないということから、なお、全体として大きな広がりを持った動きには至っていないというふうに認識しておりますが、その背景としては、ポジティブ・アクションの意義や必要性がまだ十分に認識されていないということ。また、一度取り組んだもののその後、取組を中断している企業が見られること等が考えられます。
 「役職者に占める女性管理職比率が横ばいである」ということですが、これも数字を見ますと、平成18年度から20年度にかけて役職者に占める女性の割合は7.3~8.5%に増加しております。係長については10.8~12.7%へと大きく上昇しているほか、部長級、課長級についても水準はいまだ低いものの着実に上昇しているという状況がございますから、今後とも上昇傾向は着実に続いていくと予想されます。ポジティブ・アクションの取組が更に進めば、当然役職者の比率は更に上がっていくと考えられています。
 こういった状況について「どんな打開策があるのか」という御質問でございますが、ポジティブ・アクションの趣旨及び内容の正しい理解。更にはポジティブ・アクションに取り組むことの企業にとっての意義について、広く理解されるよう、一層周知徹底を図っていく。具体的には企業トップを参集した協議会を通じてポジティブ・アクションの必要性、重要性についてアピールしていく。それからセミナーや企業表彰の実施、中小企業に対する診断事業やサイト等を通じた積極的な情報・ノウハウの提供などにより、企業が積極的にポジティブ・アクションに取り組むよう促していくということとしております。
 次の御質問ですが、同じく鹿嶋委員からでございます。「『ファミリー・フレンドリー表彰』は、『ライフ・フレンドリー表彰』と呼称を変えなくてもいいのか」という御質問でございます。ワーク・ライフ・バランス全般の推進は重要なことですが、その中でも特に育児や介護など家族的責任を有する労働者に対する仕事と家庭の両立支援に着目して施策を進めること、これも当然重要でございますので、「ファミリー・フレンドリー表彰」は、このような仕事と家庭の両立に特に取り組む企業を対象とするものでありますので、名称としては引き続き「ファミリー・フレンドリー表彰」、これが適切ではないかと考えております。
 次の御質問は岡本委員からの御質問でございます。「女性の参画促進に向けた企業の採用行動にどんな変化が見られるか」。
 ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業において、女性がいない、または少ない職務について女性を積極的に採用している企業、これは調査によりますと、42.9%。今後行う予定がある企業、これは23.6%となっておりまして、女性の職域拡大に向けた採用行動が見られるところでございます。具体的には、例えば総合職、営業職、技術職、これまで女性の採用が少なかった職種に女性を積極的に採用するために女性を対象とした企業説明会の開催、女性が活躍する様子を紹介した募集広告や会社案内の作成、採用権限のある者に女性を含めることによる選考の中立性の確保等の取組が見られる状況がございます。平成18年度の調査によりますと、3年前に比べて女性を新たに配置、または女性の数が増えた業務があった企業の割合は29.9%。5,000人以上規模では61.5%となっておりますので、女性の職域拡大は着実に進んでおりますし、また、係長相当職の管理職を有する企業の割合は、18年度で66.6%と、3年前の62.5%に比較しますと増加している状況でございます。また、女性の勤続年数は伸びている傾向にございまして、男性との格差も縮小してきているというような状況がございます。
 私のほうの説明は以上です。
厚生労働省(堀井)
厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課の堀井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 女性の登用促進を進めるに当たっては、やはり今の話にもありましたが、仕事と家庭の両立支援、これが極めて大きいかぎになると考えております。したがいまして、先般、育児・介護休業法の改正案が成立いたしまして、この中で特に育児をしながら働き続けやすい環境をつくるための制度の導入ですとか、あと男性が育児休業を取りやすいための新たな制度を盛り込んだところでございます。
 我々としては、都道府県労働局にございます雇用均等室で引き続きこの施行に努めてまいりたいと思うのですが、本日、資料としてお配りをさせていただきましたものは、より直接的な事業主に対する支援といったものを中心に盛り込んでおります。
 厚生労働省の作成資料、資料2-(4)の3ページ以降でございます。時間の関係がございますので、資料に記載をしている中身の細かいことについては省略をさせていただきたいと思いますが、大きい考え方としては、今、申し上げたようなことを踏まえまして、例えば、短時間勤務ということで、子育て期に制度を導入して、実際の利用者が出た場合に助成金を支給するでございますとか、あるいは短時間正社員制度、これは仕事と家庭の両立をしやすい制度ということで、私ども導入の支援を図っているところなのですが、そういう導入をした企業に対する支援。そして、まだ具体的に導入をどうしたらいいかわからないという企業さんも多いので、短時間正社員制度についてモデルの開発を普及するといったことも試みております。
 更に事業所内・企業内での託児施設、この設置、運営についての助成もやっておりまして、これはニーズもあったものですから、支給期間を5~10年に延長する、そういった措置も講じております。各種助成金については補正予算などに伴いまして、要件緩和などを努めているということでございます。
 更に女性の参画加速プログラムの中で、特に女性医師ということで記載をされている部分につきましては、3ページの資料の一番上のところにございますけれども、例えば病院内の保育所の運営への支援でございますとか、退職した女性医師の復職支援等も含めまして、様々な措置を、また更に特別に講じているということでございます。
 早口で恐縮ですが、次に加速プログラムの中で、「女性の健康問題への取組についての気運の醸成」という項目がございます。こちらについて御説明をします。
 資料の3ページの一番下の「●」のところから、その記述があるのですが、1枚おめくりいただいて、4ページの上から2つ目の「○」をごらんいただきたいと思います。
 平成19年度から健康局長の下で、「女性の健康づくり推進懇談会」というのを開催しております。これは本当に各界各層の方にメンバーにお入りいただいて、更には内閣府の男女共同参画局の推進課長さんにもオブザーバー参加をしていただいている会議です。この中で、様々な女性の健康課題についていろいろと議論をしていただいて、開催実績はこちらの資料に記載をしてあるとおりでございます。
 この議論の過程の中でいくつか女性の健康支援について課題があるということになりまして、例えば女性特有の健康支援ニーズというものもあるだろう。また、各年代ごとに多様な健康課題があるだろう。地域における取組がなかなか系統立っていないと、こういった課題が浮き彫りになってきてございます。
 そのようなことを踏まえまして、資料の3ページのところへお戻りいただいて、下から2つ目の「○」ですが、今年度から女性の健康支援対策事業というのをやることにしております。これは具体的には、各都道府県、保健所設置市、特別区などに対して委託をしまして、平成21年度、22年度、23年度と通じて事業を実施しようと考えております。地域によって様々な取組に違いがございますし、年齢階層でも課題があることを踏まえて、事業を展開していくということで考えておるところでございます。
 早口で恐縮ですが、時間の関係がございますので、とりあえず説明は以上とさせていただきます。
羽入会長
ありがとうございます。
 時間が迫っておりますけれども、お一人かお二人か、今の御説明に対して、御質問、御意見等ございましたら、それでは山田委員。
山田委員
山田でございます。育児休業の点があったので、質問というよりも半分意見を述べます。私は常に正社員中心主義というものに異議を唱えておりまして、今回は活躍する女性ということなので、つまり正社員で雇われている人には様々な育児休業なり所得保障があるのに、フリーランスの人間には全く何のサポートもない。勤めている人が休めば保障があるのにフリーランスの人が育児で休めば何の保障もない。つまりイタリアとかスペインとかスウェーデンでは、自営業やフリーランスの人にも所得保障なり様々なサービスがある。その格差というものが様々な悪影響を及ぼしているのではないか。これはフリーランスに限らず非正規もそうなんですけれども、むしろこの時点でお答えがすぐ返ってくるとは思いませんが、それについての認識をお知らせいただけたらと思います。
羽入会長
今、お答えいただけますでしょうか。時間があと2~3分ぐらいしかありませんので、あとひと方の御質問を受けたいと思います。石川委員。
石川委員
女性の健康支援対策事業なのですが、地方に委託して様々な事業をやるという話があったのですけれども、具体的にはどういうイメージを持っておられるのでしょうか。
羽入会長
それでは、あとお二人、質問を伺って、それで時間の範囲でお答えいただいて。お願いします。
岡本委員
ファミリー・フレンドリー表彰についてなのですが、表彰した後のフォローというものをされているかどうかということをお伺いしたいと思います。というのも、ある企業で、正社員の方が育休を取りたいというふうに申し入れをしたら、表彰を受けている企業でありながら、認められないと。就業規則にあるけれども、法律よりも就業規則よりも常識理念を優先するので、産休を取らずにやめてもらいたいということを言われたという相談が組合のほうにありました。本社ではちゃんとしていても、いわゆる支社とかまではきちんと企業の方針が行き届いていないというような例なのかもしれませんが、実際いったん表彰を受けると、それがずっと企業の看板として掲げ続けることができるわけですが、その後、このようなことが起こっているというのは、おかしいと思いますので、そういったことについてお伺いしたいと思います。
羽入会長
辻村委員。
辻村委員
公契約に関する大西企画官のお答えは、平成17年10月に出ております、「ポジティブ・アクション研究会」の報告書24ページに即してお答えいただいたものだと思います。私も実はこの研究会のメンバーでございまして責任を感じておりますけれども、このときに「会計法の基本原則との関係は留意しなければならない」ということを書き込みましたけれども、ここでは現行法上できないということではなかったと思います。運用上もできると思いますし、その後、関係各省との検討もおそらく行われないままに、地方はできるけれども、国はできないということで固定化されてきたのではないかと危惧いたしましたので、今後ワーキンググループその他でも検討させていただきたいと思います。
羽入会長
ありがとうございます。厚生労働省から現時点で何かお答えを。
厚生労働省(堀井)
フリーランスについてのお尋ねですが、まさにフリーランスはいろんな実態があるというところが難しいと思っています。極めて高収入でいろいろな形でフレキシブルに働ける人もいるかもしれないし、そうでない方もいると。したがって、制度化などについて検討するに当たっては、その辺の事情を認識した上でのことが必要になると思いますので、引き続き実態についてお伺いをしたいと考えています。
 女性の健康支援対策の事業についてのイメージということですが、予算額については資料にございますように、11億強なんですけれども、具体的に先ほどお話した県、保健所設置市、特別区のほうから手を挙げていただいて、大体予算上は100か所ぐらいを念頭に置いていますが、その自治体の中で保健所などの行政機関や大学などの研究機関ですとか、保健医療関係者などと企画評価委員会をつくっていただいて、その委員会が各地域の実情に応じて、例えば新婦から30歳代における健康支援事業の中でいろんなメニューをやりたいというのがあれば、それに対してお金を出すと。あるいは中高年期における健康支援事業をやれば、それにお金を出す。女性のがん支援事業をやれば、それにお金を出すということで、ある程度自治体に対して使い勝手のいい形で事業が展開できるようにというふうに考えているとのことです。詳細は今年度から始まったものでございますので、今のイメージはこういうことで御理解いただければと思います。
厚生労働省(西村)
ファミリー・フレンドリー企業のフォローアップをしているかどうかということですけれども、岡本委員がおっしゃるような場合は、それは法律違反に当たりますので、ぜひ雇用均等室のほうに御相談いただければ、違法であれば、指導して、もし表彰受けている企業であれば、そういった表彰をどうするかというのは当然検討することになろうかと思いますので、ぜひ雇用均等室のほうに、そういった場合には早めに御相談いただければと思います。
羽入会長
ありがとうございます。時間がタイトな中、皆様、御協力いただきましてありがとうございました。
 それでは、引き続き文部科学省のほうからの御説明をお願いいたします。皆様のお手元にヒアリングの時間割のようなものがございますので、項目につきましては、そこを御参考にしていただいて、文部科学省からは、「女性の参画加速プログラム」の医師、研究者について、基本計画の第12分野の科学技術分野、第1分野の企業・教育・研究機関、その他各種機関・団体等の取組支援について、御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。
文部科学省(髙口)
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長の髙口と申します。
 お手元の資料2-(3)をご覧ください。「女性の参画加速プログラム」における医師の部分につきまして御説明をさせていただきます。
 文部科学省においては、大学病院に勤務する女性医師の参画の促進のために女性の参画加速プログラムの要請に対して、取組を実施しております。
 1つは「地域医療等社会ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」を実施しております。当該事業は、女性の医師や看護師の就労環境の改善や医療提供体制の確保を図るという観点から、9大学において女性医師・看護師に対する臨床現場定着や出産・育児等による離・退職後の復帰支援のため、人材育成の取組を支援するものであり、平成19年度から21年度の3年にわたり実施しております。
 その他、19年度末にはシンポジウムを開催し、各取組の進行状況についてポスターセッションなども行っているところでございます。
 2つ目では「周産期医療環境整備事業」として、今年度から周産期医療分野における女性医師の勤務継続支援・復帰支援等の教育指導体制の充実及び院内助産所等を活用した助産師養成環境の整備を行っております。
 3つ目は、「大学病院業務改善推進事業」でございます。大学において質の高い医療を安心・安全に提供するため、医療補助者等を補充することにより、関係職種間の役割分担の推進を行うための経費を全大学病院対象に措置するもので、今年度から実施しております。当該事業は女性医師に限るものではありませんが、医師でなくてもできるような資料作成等の作業を補助者にさせることにより、間接的に女性医師を含む医師全体を支援するとの趣旨で実施をしております。
 今後の方向性、検討課題としましては、厚生労働省「周産期医療と緊急医療の確保と連携に関する懇談会報告書」におきまして、NICU(新生児集中治療施設)の不足が認識されるなど、我が国の周産期医療をはじめ、地域医療体制の構築が喫緊の課題であることから、その充実のための教育機関である大学病院において、女性医師の勤務継続・復帰支援等の充実を図ることが、今後、女性医師の地域医療への参画を促進する上で必要であると考えているところでございます。
 医師につきましては、以上でございます。
 続きまして、「女性の参画加速プログラム」における女性研究者の参画の推進のための取組についてご説明いたします。
 まず1つ目としては、「モデルとなる先進的な取組の普及・定着」の取組についてでございます。女性研究者が研究と出産・育児を両立して、研究活動を継続するために支援を行う仕組みを構築するモデルとなる優れた取組を支援する「女性研究者支援モデル育成(科学技術振興調整費)」を18年度から実施しており、21年度では35大学等において実施しております。総合科学技術会議の中間報告におきましても、「女性研究者への支援モデルとして様々な手段手法が実践されており、また理系学部への女性志願者が増加しているなどの波及効果も見られ、一定の成果を上げつつあると判断できる」と評価されているところでございます。
 そして、多様な人材の養成・確保及び男女共同参画推進の観点から、特に女性研究者の採用割合等が低い分野である理学系、工学系、農学系の研究を行う優れた女性研究者の養成を加速させる「女性研究者養成システム改革加速(科学技術振興調整費)」を21年度から実施しております。理学系、工学系、農学系の研究を行う女性研究者の養成計画に基づき、各機関において、任期を付さないなど安定的な職に優秀な女性研究者を新規に増員し、養成する場合にその養成経費を支援するものであり、21年度では5大学に対して実施しております。
 これに関して、事前に辻村委員から数点御質問がございましたので、回答させていただきます。
 1点目は、第3期科学技術基本計画における採用の数値目標設定及び「女性研究者養成システム改革加速(科学技術振興調整費)」において、人文社会科学系も対象にすることは可能かという御質問でございます。「女性研究者要請システム改革加速(科学技術振興調整費)」は、第3期科学技術基本計画において、採用目標を設定している自然科学分野のうち、特に女性研究者の採用割合等が低い分野である理学系、工学系、農学系の研究を行う女性研究者の養成を加速する事業であり、自然科学と直接関係のない人文社会科学の研究を行う女性研究者を対象とすることはこの事業においては想定していないところでございます。ただ、「女性研究者支援モデル育成(科学技術振興調整費)」につきましては、自然科学全般のほか、自然科学と人文社会科学との融合領域も対象としているところでございます。
 2点目として、「女性研究者養成システム改革加速(科学技術振興調整費)」は極めて有効と考えるが、採択されている大学が5校のみで全体として効果が十分に期待できるとは言い難いのではないか、という御質問でございます。まず、現在特に女性研究者の採用割合等が低い分野である理学系、工学系、農学系に集中して取り組んでいるところであり、すべての大学、公的研究機関が対象となる事業ではありませんけれども、当該事業は今年度からの事業ですので、これから優れた取組事例を蓄積し、優れた取組事例がほかの大学に波及していくことが重要であると思っております。女性研究者支援モデル育成(科学技術振興調整費)では、これまでも事例集を作成して、シンポジウムで配布し、情報提供してきております。「女性研究者養成システム改革加速(科学技術振興調整費)」においても、ほかの大学への波及方策について今後検討していくこととしております。
 資料に戻っていただきまして、「推進体制強化、意思決定過程への女性の登用の促進」についての取組について御説明いたします。国立大学法人に関して、平成20年度に実施しました平成16~19年度までの4年間の国立大学法人の業務の実績に関する評価、また19年度の業務実績に関する評価において、男女共同参画の推進に向けた取組を注目事項として積極的に取り上げているところでございます。
 次に「研究費等の制度の拡充・弾力化」についての取組でございます。優れた男性・女性の研究者が、出産・育児による研究中断後に、円滑に研究現場に復帰することを支援するため、日本学術振興会の「特別研究員事業」に復帰支援枠を設け、支援を実施しているところでございます。当該事業は平成18年度から実施しており、21年度には90人の方がこれで支援を受けているところでございます。
 「出産・子育て等支援制度(戦略的創造研究推進事業)」におきましても、参画する研究者の方が出産・育児・介護等のライフイベントを行う際に、男女共同参画促進費として、この研究者の所属する研究チームに促進費を支給しているということで、これは平成20年度から実施をいたしております。
 次のページですが、「理工系分野への進路選択支援の充実」ということで、特に女子中高生が科学技術分野に進むことを促進するために、科学技術分野で活躍する女性研究者・技術者、大学生と女子中高生の交流機会の提供や実験室、出前授業の実施等をすることにより、女子中高生の理系進路選択を支援する「女子中高生の理系進路選択支援事業」を平成18年度から実施しており、21年度は13大学・高専・法人で実施をしています。
 また「ロールモデル事例等の提供等の取組の推進」に関し、独立行政法人国立女性教育会館「女性のキャリア形成支援サイト」において、事例を提供しております。
 今後の方向性、検討課題でございますが、「女性研究者支援モデル育成(科学技術振興調整費)」については、これまで取組を行っておりますが、更に女性研究者のニーズに合った支援策の実施とその組織全体の改革が実施されるようベストプラクティスや成功例・失敗例を共有するための実施機関間の情報共有や、実施課題の中間評価に基づく詳細な分析を実施して、女性研究者支援方策としてより効果がある取組に重点化するなどの更なる取組の推進を図るということとしております。
 「特別研究員事業」においては、対象人員の拡大等を図ることとしております。
 また、「女子中高生の理系進路選択支援事業」は今年度から独立行政法人科学技術振興機構に事業を移管して実施しております。科学技術振興機構におきましては、既に児童生徒に科学技術に関する興味・関心を高めるための取組をしており、それら事業と連携を図ることによってより効果のある事業を展開していくこととしております。
 辻村委員から御質問がございました。「女性研究者支援モデル育成」において、今後より効果がある取組に重点化することとしているけれども、一体どういうことが考えられるのかということでございます。科学技術振興調整費の平成18年度に開始したプログラムの中間評価がございまして、ここで有効性が認められた取組として、例えば女性研究者が研究活動を継続するに当たっての諸課題(出産・育児等の両立、研究を中断することによる公平の処遇)を解決するに当たってのコーディネーターやカウンセラーの配置、相談室の整備、そういった相談支援体制の確立がまず1点として挙げられます。
 2点目としてはフレックス勤務制度や時短勤務などの柔軟な勤務体制の確立、3点目として出産・育児等の期間中の研究活動の支援を代替する者の配置等の環境整備、4点目として研究組織の幹部研究者を対象とした意識啓発のための活動があります。
 これらが効果ある取組として指摘されておりますので、そういったことを重点化して取り組んでいくこととしております。
 以上が、女性の参画加速プログラムに関する取組でございます。
 続いて、資料4をご覧ください。「新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進」のうちの科学技術の分野についてご説明いたします。さきほどまでの説明と重なる部分がありますので、重なる部分は説明を省略させていただきます。まず、これまでの取組として、1つ目の「○」にございますが、18年9月に国公・私立大学等に対して政策方針過程への女性の参画の拡大に関する協力を要請する内閣府特命担当大臣名の文書等を送付し、女性の参画を促進するための取組を一層推進するよう要請をしているところでございます。
 その他の取組につきましては、女性の参画加速プログラムで御説明した取組とほぼ同様の取組でございますので、御説明は省略させていただきます。
 次に、資料6-(5)をご覧下さい。「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」として、教育・研究機関等の取組の支援についてご説明いたします。
 まず、社会的気運の醸成ということで、平成18年2月に国公・私立大学等に対して男女共同参画基本計画(第2次)の計画が策定されたことを周知し、更なる施策の一層の取組を要請しています。
 続いて、「大学への協力要請」ということで、女性研究者の活躍を拡大するための環境整備について意見具申している総合科学技術会議の決定について、全国の国公・私立大学に対して事務連絡、冊子を送付し、大学における女性研究者の参画を促進する協力を要請しております。
 また、平成12年に、国立大学協会の報告書におきまして、「平成22年までに女性教員の割合を20%に引き上げる」という達成目標を設定して以来、全国立大学法人の調査では、女性教員の割合が向上してきておりまして、平成13年では7.6%であったのが平成20年では11.8%まで向上してきております。
 この部分に関しまして、辻村委員から、事前に御質問がございました。日本学術会議のアンケート結果では、国立・公立大学に比べて、私立大学における男女共同参画の取組が顕著に遅れている傾向がある。今、申し上げた国公・私立大学への協力要請の文書を送るなどの取組以外にもっとより強力な方策がないか。例えば大学設置や中間評価の際などの評価基準の中に、女性研究者の比率や両立支援策の項目を加えて、私立大学や民間研究機関についても男女共同参画を促進することはできないか、という御質問でございます。
 先ほどの御説明と重なりますが、国立大学につきましては、現在業務実績に関する評価におきまして、男女共同参画の推進に向けた取組を注目事項として積極的に取り上げているところでございます。私立大学等も含めた全大学につきましては、認証評価の制度もございまして、例えばこの資料にもありますように、独立行政法人大学評価・学位授与機構の認証評価におきまして、性別のバランスへの配慮という教員組織の部分において、「性別バランスへの配慮」を確認しております。また教員組織の活動をより活性化するための適切な措置として、女性研究者比率や両立支援策等の取組状況についても包括的に確認をしているところでございます。
 大学基準協会におきましても、認証評価をしておりますが、その基準におきましては、教員組織について男女共同参画社会の実現に向けて教員の適正な男女比構成にも配慮することが重要であるとされております。
 以後の記述につきましては、科学技術分野における、先ほどの説明と重複をしておりますので、説明は省略させていただきます。
 この配布資料につきましては、以上でございます。
 もう一点、辻村委員からの御質問がございましたので回答いたします。科学技術基本計画等に基づいての採用の数値目標設定や「女性研究者養成システム改革加速(科学技術振興調整費)」は有効だけれども、自然科学系に限定されている。実際に人文社会系の分野で経済学や法学などの女性比率が低い分野が存在するので、今後はより詳細なデータ・収集・分析を通して学術分野全体における男女共同参画の視点を明確にして理系のみならず、女性研究者が少ない学術分野に加えた取組を行うことが必要ではないか、との御質問でございます。
 まず経済学、法学等の女性採用割合については把握しておりませんが、社会科学分野全体ですと、平成19年度に国公・私立大学で14.9%の割合となっております。先ほどもお答えいたしましたが、現在科学技術振興費で行っております「女性研究者養成システム改革加速」等の事業につきましては、現在特に女性研究者の採用割合等が低い分野である理学系、工学系、農学系に特化しまして、事業を展開しており、現在のところは人文社会科学関係の研究における女性研究者を対象とすることは想定してないところでございます。
 以上でございます。
羽入会長
ありがとうございます。
 それでは、伊藤委員と辻村委員、そのお二人ぐらいかもしれません。よろしくお願いします。
伊藤委員
ありがとうございます。女性研究者支援に関しては、大変役に立っております。ちょっと気になっているのですけれども、大学評価・学位授与機構と基準協会のお話をされたわけですけれども、基本計画のほうには、評価項目という形で女性教員割合向上のための取組という形で、評価項目という形でかなり強い形で書かれています。しかし、残念ながら、実際に今回の評価の中では注目事項であったり、観点事項であったりというところでとどまっているような感じがするわけですね。確かに初めての評価ということで、重要な評価項目としては入れにくかったというのは、事情はよくわかるのですけれども、次の中期目標に向かって動いている中で、次回の評価においてはかなりはっきりした評価項目として、盛り込んでいけないかというように思っています。これはお願いということです。こちらのほうの会議でも議論することになるのだと思います。この辺、注意を喚起しておきたいと思います。
羽入会長
辻村委員どうぞ。
辻村委員
詳細にお答えいただきましてありがとうございました。私は学術会議の科学者委員会の男女共同参画分科会の仕事をしておりますので、そちらの立場から様々な質問をさせていただきました。まさに政策の難しさでございますが、理系に特化することはもちろん必要なのですけれども、特化した場合には、周辺で漏れてくるところがどうしてもあるということです。きめ細かな対応をするためには、文科省だけでなく、例えば学術会議との連携のようなことを今後も一層図っていただければよろしいかという感じをいたしました。取りわけ総合科学技術会議が理系中心になっておりますので、どうしても行き渡らないところが出てくるかと思います。
 次に評価項目については、今、伊藤委員がおっしゃってくださいましたので、それで足りているかと思いますが、連携との関係では、私立大学に対してどうするかという問題があります。これはなかなか難しい問題でして、国大協とは連携がとれるけれども、私大連盟などとはなかなかとれないということがあります。文書を送るだけではどうしても十分にはいかないと思いますので、なるべく文科省としての指針のようなものを只今の評価項目などにからめて働きかけをしていただくということが重要ではないかと思いました。
 それから、より効果のある取組ということについてのお尋ねに対して4点、お答えいただきまして、両立支援であるとか、相談支援体制であるとか、意識啓発が重要であることはわかりました。しかし、国大協や、あるいは昨年U7の総長会合などでも、課題は、ポジティブ・アクションあるいはインセンティブをどのように具体化していくかという水準ないし段階に移っていると実感しました。実際にも、農工大とか、北大方式とか、東大方式とか、いろいろなポジティブ・アクションの形態が出てきておりますが、これについて文科省の統一見解的なものはどこにもまだ出てないですね。一般的に、大学関係者のなかでは、大学は能力主義なのだからポジティブ・アクションなどはこれと矛盾している、と考えていらっしゃる方が多くて、その段階でとまってしまっているという気がいたします。これについてもう少しすっきりと、何ができて、何ができないかといったことを指針のような形で文科省などから出して頂ければ有効かと考えます。これも今後、基本計画などにどこまで盛り込めるかという点を踏まえまして協議させていただければよろしいかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
羽入会長
ありがとうございます。何かお答えございますか。よろしゅうございますか。
文部科学省(髙口)
はい。
清原委員
第一子出産後の女性の就業継続がわが国では3~4割で、特に高等教育を受けた女性の就業継続の低さは諸外国と比べても際立っていると思います。大学教育の大学生に対するコンテンツ、というあたりでの男女共同参画プログラムのようなものは特にあまりお考えになっていらっしゃらないのでしょうか。
文部科学省(髙口)
今の御指摘でございますけれども、小・中・高等学校においては学習指導要領に基づき、各学校で、例えば男女共同参画のことであれば、それに関する指導をしております。しかし、大学のカリキュラム等につきましては、大学の判断でこれを実施するとなっておりますので、大学教育のコンテンツを、国として一律に示すのは、難しい面もあると思います。学生支援の観点から、学生の指導またはガイダンスという形態で、男女共同参画に関することを情報提供することは、方法の1つとしてはあり得るのかもしれませんけれども、国として大学に対して一律に内容を示していくのは難しい面もあるかと思っております。
大隅委員
済みません、一言で言います。文科省は大学は国立大学法人になったのだからということを時々おっしゃいますけれども、一方で、例えば中期目標、中期計画というような形でのいろいろなレギュレーションをされているということがあると思いますので、確かに指導要領ではないとは思いますけれども、そういった観点をいろいろ今後盛り込んでいただくという、そういったやり方もあろうかと個人的には思います。
羽入会長
ありがとうございました。それでは、文科省に関しましては、これでおしまいにしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、引き続き内閣府、人事院、総務省に男女共同参画プログラムの2の(3)公務員、基本計画の第1分野の(1)と(2)、これについてご説明をいただくということにしたいと思います。
 それでは内閣府からお願いいたします。
内閣府(大西)
それでは、資料6-(2)でございます。質問につきましては、質問№13番、17番について、途中でお答えしたいと思います。
 「女性国家公務員の採用・登用」状況について1ページでございます。主な取組状況について、採用につきましては、平成16年の人事担当課長会議申し合わせで、平成22年度頃までに国家公務員I種の事務系の採用割合30%程度という目標を設定して取組を進めております。
 登用につきましては、「女性の参画加速プログラム」で、「本省課室長相当職以上に占める女性の割合を、平成22年度末までに少なくとも5%程度とする」という目標を定め、各府省において、それぞれ計画を改定し、具体的な目標を設定し取り組んでおります。
 2ページ目に関係省庁の目標の一覧が掲載されています。
 このような取組の結果、国家公務員における女性の採用は着実に増加し、平成21年度の採用内定者は3割を超えております。
 また、本省課室長相当職に占める女性の割合は低い状況でございますが、本省補佐級・係長級に占める女性の割合は着実に増加しており、今後増加が見込まれております。
 今後の方向性でございますが、採用・登用の新たな目標の設定について検討する必要がございます。また、メンターの普及などに加えまして、ワーク・ライフ・バランスの推進についても取組を進めていく必要がございます。
 参考データでは、I種試験の採用割合、20年度24.2%、本省課室長相当職に占める割合は18年度で1.9%となっております。
 ここで質問票の回答で、№13番について回答させていただきます。質問票4ページ、辻村委員からの御質問ですが、本省課室長相当職以上の女性割合を22年度末までに5%程度という目標がありますが、現実からすれば5%でも容易でない数字かもしれないが、この目標で2020年までに指導的地位に就く女性比率を30%というのは到達されると予想されるか、という質問でございます。
 公務員の登用につきましては、不確定要素が多くございまして、2020年30%の目標を達成できるか否かを現時点で判断するのはなかなか難しいと考えております。平成18年時点で1.9%という低い数字でございますが、今後女性の採用部分がかなり増加している年次が管理職に登用されることによりまして、管理職の女性割合はかなり増加していくのではないかと想定しております。
 また、関連の御質問で、指導的地位というのはどの職階以上か、という御質問についてでございますが、指導的地位とは国連のナイロビ将来戦略勧告やジェンダーエンパワーメント指数の算出方法等を踏まえ、議会議員、法人、団体等における課長相当職以上、専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者とされておりまして、したがって、本省課室長相当職が該当しております。ただし、算定の便宜上、一般職給与法の行政職俸給表(一)、7級以上適用者や指定職俸給表適用者を管理職としてございます。
 それでは、資料6-(2)の3ページに戻らせていただきます。
 続いて地方公務員に関してでございますが、主な取組状況につきまして、地方公共団体における推進状況調査で毎年女性登用比率を調査・公表しております。また大臣名で都道府県知事・政令市あてに政策・方針決定過程への女性の参画拡大を要請しております。また、ブロック会議や宣言都市奨励事業の採択の際にも女性の参画について要請しており、このような取組の結果、地方公共団体における採用割合は高い水準で横ばいとなっております。
 参考データは下欄のところに載ってございます。
 今後の方向性としては、更に継続的な調査の実施や好事例を紹介していきたいと考えております。
 4ページ目でございますが、「地方公共団体への情報提供」についてでございます。
 主な取組状況としては「基礎研修」や「政策研修」を実施し、研修内容を講義録にまとめ地方公共団体へ配布しています。それから地方公務員における女性の採用・登用の事例集を作成して配布しております。
 今後の方向性としては、研修内容を検討していくことや、地方公共団体の主体的な取組が更に進むよう情報提供を進めてまいりたいと思います。
 また、質問票の17番、五條委員のご質問に対する回答でございます。
 市町村議会における女性の参画について、具体的に女性議員の比率を向上させるための取組に関する御質問でございます。
 具体的に行われた取組としては、地方公共団体における推進状況調査を実施し、その調査を公表することや、都道府県知事・政令市あてに女性の参画の拡大について要請したことが挙げられます。また宣言都市奨励事業の採択の際にも女性の参画拡大について要請すること等の取組を通じて取り組んでおります。
 以上でございます。
羽入会長
ありがとうございます。それでは、これに続きまして、人事院からお願いいたします。
人事院(松尾)
それでは、人事院のほうから説明をさせていただきます。まず私のほうから、参画加速プログラムの資料2-(1)と、基本計画の資料6-(1)について説明をさせていただきます。ごらんいただきますように、資料2-(1)と6-(1)は内容が重複しておりますので、2-(1)の中であわせて説明をさせていただきたいと考えております。
 私どもの担当しておりますのは、女性の登用・採用、参画加速をする上での、それを促すための勤務環境の整備という観点で、その制度づくりとつくった制度を周知徹底していくということを目的として仕事をしておるところでございます。ここにいろいろ書かせていただきましたけれども、大きく分けますと、まず勤務時間の弾力化、超過勤務が霞が関ではよく言われておるわけでございますが、それの縮減というのがまず第1点。それから、育児・介護支援制度の整備というのが2点ということで、大きく2つに施策としては分けられると考えております。
 まず第1点目の勤務時間の弾力化、超過勤務の縮減ということに関しましては、平成18年に育児を行う職員の早出・遅出勤務の対象の拡大を行った。これは保育園にお子さんを連れていく、あるいは学童クラブのお迎えに行くので早く帰りたいというような方のために勤務時間をずらしていくという制度がございますが、それの対象を拡大したものでございます。こういった形で弾力化を進めておるということでございます。
 もう一点、超過勤務の縮減ということでございますが、これについては、そこの「○」の6つ目に書いてありますけれども、通常の業務でありますと、大体360時間を上限目安で設定しておりまして、例えば国会関係、予算関係、そういった他律的業務と我々は言っておりますが、そういった業務については、今まで上限を、なかなか設定が難しいということで設定していなかったわけですけれども、今年の2月に指針を改定いたしまして、そういう業務であっても年間720時間を目標としてほしいということで、その上限の目安を設けたということがございます。
 それから、最初に申しました大きな第2項目めでございます。育児支援制度の整備ということでございますが、これに関しては、平成19年8月に育児のための短時間勤務制度、これは民間は今年の法改正で導入することになっていますが、先駆けて公務のほうでは導入しております。これは、小学校就学前までの育児をされる方については、例えば半日勤務、あるいはフルタイムの勤務を週3日あるいは2日というような多様な勤務形態を用意したということでございます。
 今、申し上げましたような制度の整備とともに、それを活用していただくために様々なパンフレットをつくり、あるいは指針、こういう形であれば、うまくこの制度は使えますよということを示すための指針、そういったものも随時改定して、職員の皆さん、あるいは人事担当の皆さんに対して活用を促しておるということでございます。
 ここに書かれてあることは以上でございますが、今後の方向性としては、職員のニーズに合せて両立支援制度が活用されるように、今後も制度の周知を徹底するとともに、社会一般の情勢を見きわめながら、更なる制度の整備を推進していきたいと考えております。
 付言させていただければ、今年の6月に民間の労働者に対して育児・介護休業法の改正が国会で成立いたしましたが、国家公務員につきましても、人事院のほうで同様の改正を行うことが適当であるという意見の申し出を近々行う予定にしております。
 それから、御質問事項でございますが、岡本委員からの御質問番号18番でございますが、配偶者の産後休業期間中の育児休業の取得状況について御質問がございました。これについては、一般職の国家公務員のデータしかございませんが、我々が平成18年に調べた結果によりますと、対象が男性の育児休業、まだ1.3%程度しか取得率がございませんで、対象が少なく、全体数で141名でございますが、この中で44%の方(62名)が産前・産後期間を含んで育児休業を取得しておった。56%(79名)の方が、産前・産後以外の期間に育児休業を取得しておったというデータがございますので、御紹介をさせていただきたいと思います。
 私のほうからは以上でございます。
人事院(福田)
人事院人材局企画課長の福田でございます。よろしくお願いします。
 引き続き、私のほうからは「女性公務員の採用・登用等の促進」に関しまして御説明いたします。資料6-(1)でございます。
 人事院といたしましては、女性の採用・登用の促進につきましては、男女共同参画社会の基盤として重要な課題として取り組んでおるところでございます。まず主な施策の取組状況及び評価でございますけれども、人事院は平成16~17年にかけまして、有識者からなります研究会を開催いたしました。その意見を踏まえ、平成17年12月でございますけれども、「女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する指針」を改定いたしました。各省庁におきましては、この指針に基づき、22年度までの取組目標を定めました「女性職員の採用・登用拡大計画」を策定するなど、採用・登用に係る取組を進めているところでございます。
 男女共同参画基本計画の中で、22年頃までの政府全体としての採用に占める女性割合につきまして、「I種試験の事務系の区分試験について30%程度」とされたところでございます。私ども女子学生セミナーなど人材確保活動の取組を強化しております。また、各省庁におきましては、積極的な女性採用への取組を行っておられるところでございます。その結果、先ほど内閣府のほうからもございましたけれども、平成21年4月の採用割合は30.5%に達したところでございます。前倒しで目標を一応達成することができたのではないかと考えておるところでございます。
 登用につきましては、人事院におきまして、女性職員研修ですとか、あるいはメンター研修などを実施しておるところです。また、各省庁の人事担当課長で構成されます連絡会議といったものを開催しています。そういったことを通じまして取組を進めているところでございます。役職者におけます女性の割合でございますが、後で資料で御説明いたしますけれども、係長級ですと17%、本省課長補佐・地方機関の課長級が6%となっておるところでございます。民間企業と比べましても、ある程度登用は進んでいるのではないかと思われるところでございます。上位の官職につきましては、採用拡大の効果が反映されるのに一定の期間が必要となることもございますので、係長級、本省課長補佐・地方機関の課長級と進む登用の流れの中で、より一層の取組を着実に進めることが重要ではないかと考えるところでございます。
 資料を若干説明いたします。資料の1ページでございますけれども、「女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する指針」、平成17年に改定したものを付けさせていただいております。
 それから、資料の2ページでございますけれども、こちらのほうにI種事務系職員の最近の動向を示したものでございます。折れ線グラフで見づらい資料でございますけれども、「■」の部分が申込みの状況でございます。「▲」の折れ線グラフが合格者の動向でございます。「●」の折れ線グラフが採用者の動向というところでございます。過去20年載せたところでございますけれども、昭和63年の時代におきましては、20年前でございますけれども、申込者が9.7%の状況でございました。合格が4.8%、採用がそれを下回る3%のような状況でございました。その後、着実に伸びてまいりまして、現在、平成21年と書いてございますが、これは前年の採用試験でございますが、平成20年の申込状況は33.3%、合格が23.1%という形になっております。採用につきましては、それを更に上回る形で30.5%という状況になっておるところでございます。
 3~4ページにかけまして、〈女子学生を対象としたセミナー〉と書いてございます。東京、京都を始め、全国13か所でこういった業務説明会等を行っております。女性公務員によりますパネルディスカッションですとか、あるいはブース形式で意見交換をするということで、公務で働く魅力といったものを語ってもらうという取組を行っているところでございます。延べ人数で約1,400名ほど参加しております。
 5ページ目の資料は「役職者に占める女性の割合」の動向でございます。説明は省略させていただきます。
 本文のほうに戻らせていただきます。「2 今後の方向性、検討課題等」でございます。採用拡大につきましては、優秀な女性に多数応募してもらうことが重要だと考えております。先ほど申しましたように、全国各地で「女子学生セミナー」を開催し、女子学生等に国の公務で働く魅力を訴えて、関心を持ってもらうよう取組をしているところでございます。優秀な女性の応募の増加につながるよう、引き続き人材確保活動を行っていきたいと思っておるところでございます。その際に特にパンフレットですとか、あるいは映像資料、そういったものの作成も含めてやっていきたいと思っているところでございます。例えば、こういった形でパンフレットをつくったりして、女子学生に関心を持ってもらうような取組を行っておりますので、そういうことを引き続きやっていきたいと思っております。
 また、女性職員を対象とした研修の充実も図ってまいりたいと思っております。それから、各府省の人事担当課長等で構成されます連絡会議は毎年実施しております。当該会議において、各府省における職員の採用・登用状況を具体的に示すと同時に具体的な取組状況を紹介するなどして情報交換を行い、各府省が積極的に計画を実施するよう指導・啓発を引き続き行っていきたいと思っておるところでございます。
 あらかじめ御質問をいただいております7番、13番、14番に関してでございます。まず7番の御質問でございます。岡本委員から、公務員の離職状況、離職率はどのようになっているのか。あるいは、離職理由にはどのようなものがあるのかという御質問でございます。
 平成19年度におきます国家公務員、行政職(一)及び指定職でございますけれども、離職率は全体で4%という状況になっております。そのうち男性が4.1%、女性が3.5%という状況でございます。5歳の年齢バンドで見ますと、例えば若年層、中堅層に分けて数字を申し上げさせていただきますと、20歳代前半、すなわち20~24歳の場合、全体の離職率は3.7%でございます。うち男性が4.2、女性が2.6という形になっております。20歳代後半でございますけれども、25~29歳の場合、全体で3.8%、男性が3.8、女性が3.7という状況でございます。中堅層に若干かかってまいります30歳代前半でございますけれども、30~34歳につきましては、全体で2.7%、男性が2.7、女性が2.9という状況でございます。30歳代後半の場合につきましては、全体が2.7%、男性が2.7、女性が3.0という状況でございます。
 そのような状況でございまして、離職状況については、現在においては男女の間で大きな違いはないものではないかと考えているところでございます。離職についての具体的な理由でございますけれども、詳細は具体的には把握してないところでございます。ただ、あくまで推測でございますが、転職等による一身上の都合が大多数を占めているのではないかと思うところでございます。先ほど説明したところでございますけれども、公務員の場合につきましては、育児休業制度等が整備されていることもございまして、育児等を理由とした離職は最近はあまり多くはないのではないかと推測されるところでございます。
 それから、13番、辻村委員から御質問をいただいております。2つございますけれども、女性管理職比率の上昇のシミュレーションをどう考えるのかというのが一点、二点目は、能力主義とポジティブ・アクションの関係についての見解等でございます。
 まず最初の女性管理職比率のシミュレーションの関係でございますけれども、御案内のとおり、特にI種試験におけます女性の採用割合につきましては、各方面の御努力の関係もございまして、急速に増加しているところでございます。先ほどの御説明いたしました資料、折れ線グラフがございますけれども、もう一度ごらんいただきたいと思いますけれども、20年前の63年の時点においては、I種採用者はわずか3%でございました。実数で申しますと、8人という状況であったところでございます。
 一方で、10年前の平成11年になりますと、12.7%という状況でございます。実数で申しますと、28人に増加しております。今年の場合ですと、30.5%ということで、これは数で申しますと89人となっているところでございます。係長級、本省課長補佐それぞれ増加しているところでございますので、今後、各段階で着実に増加することが期待されるのではないかと思われるところでございます。
 したがいまして、今後の比率の上昇は確実ではないかと思われるところでございますけれども、御質問のシミュレーションにつきましては、省庁ですとか、職種・職域等によりまして、人事管理の状況は大きく異なっているところでございます。キャリアシステムの見直しも含め、今後採用試験、採用年次にとらわれない能力・実績に基づく人事管理を推進しているということもございますので、申し訳ございませんけれども、シミュレーションはなかなか難しいという感じで考えているところでございます。
 それから、二点目のポジティブ・アクションの関係でございますけれども、この点につきましてはいろいろな御議論があることは承知しておるところでございます。いずれにしましても、国家公務員の任用に当たりましては、国公法27条に定めます平等取扱の原則、同法33条に定めます能力実証主義・成績主義に基づき行うことが基本という形で考えているところでございます。
 お尋ねのポジティブ・アクションと能力主義との関係でございますけれども、これはポジティブ・アクションの具体的な手法によって異なってくるのではないかと考えているところでございます。例えばクォータ制を導入いたしまして、一定の割合ですとか、幹部の女性の採用、昇任といったものを任命権者に義務づけることは今申しました平等取扱の原則ですとか、成績主義の原則の関係ではやはり疑問があるところでございます。
 その一方で、努力目標として、数値目標を含めて設けるということは、あくまで任命権者を義務づけるものではない限りにおきまして、平等取扱の原則ですとか、成績主義の原則にこれは反するものではないと考えられるところでございます。近時、I種試験におきましては、採用者に占める女性の割合が、合格者に占める女性の割合よりも、先ほど申しましたように、高くなっているところでございます。積極的に女性を採用しようと各省庁が努力していることがうかがえるところではないかと思われるところでございます。それから、最後でございますけれども、14番の御質問、加藤委員から、課室長以上につきまして、そのうち外部登用者はどのくらいなのか、あるいは外部登用者のうち女性がどのくらいか。二点目として、そういった人たちが新規採用された当時の男女の採用状況、割合について御質問でございます。
 まず第一点の課室長相当以上における外部登用者についてのお尋ねでございますけれども、外部登用者の定義にもよるかと思われるところでございます。仮に外部登用者を採用試験以外の選考採用という形で公務員になったというものとさせていただきますと、例えば平成19年度の場合におきましては、課室長相当以上のうち、約7.5%が選考採用者という形になっております。そのような選考採用者のうち、4.1%が女性という形になっております。課室長全体における女性割合が2.1%でございますので、それよりは若干高めという感じになっております。
 人事院といたしましては、民間人材の登用ですとか、中途採用の推進は積極的に取り組んでいるところでございます。そのような観点から民間専門家の中途採用システムや任期付採用制度あるいは経験者採用システムなどを整備しておるところでございます。これらを通じまして、専門性、多様な経験を有する女性の採用も着実に進めているところでございます。
 なお、このほか、平成19年度から子育てが一段落しました女性ですとか、フリーターなども含めたどなたでも応募できるような「再チャレンジ試験」といったものも実施しているところでございます。行政区分で見ますと約3割が女性が採用になっておられるところでございます。
 二点目でございますけれども、課室長相当職に就いておられる方が、採用された当時の状況のお尋ねですが、省庁ですとか職種あるいは勤務実績等によりまして、今、管理職等に就いている方の採用時期につきましては大きな違いがございますので、いちがいに申し上げることは非常に困難かと思います。ただ、例えばI種事務系職員の場合ですと、現在、例えば昭和63年頃採用された方の比較的多くが現在室長級に就いておられると考えられるところでございます。そういったI種事務系の採用者につきましては、63年当時の採用、全体で263人の採用でございました。うち女性が先ほど申しましたように3%(8人)あったところでございます。
 御質問については以上でございます。
羽入会長
ありがとうございました。それでは、続きまして総務省からお願いいたします。
総務省(澤田)
それでは、資料6-(4)に基づきまして、説明させていただきます。総務省人事・恩給局の澤田と申します。よろしくお願いいたします。
 まず「女性国家公務員の採用・登用の促進」ですが、総務省では、基本計画に基づきまして、平成17年以降、毎年1回、各府省における女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する取組状況等のフォローアップを実施しておりまして、その結果を公表しているところでございます。また、平成19年に改正された国家公務員法が本年4月に施行されまして、能力実績主義の徹底が図られるということになっております。これに伴いまして、国家公務員の人事管理の基本的な方針として、本年3月に閣議決定された「採用昇任等基本方針」ですとか、毎年、各府省の人事管理の統一的な指針として定めております「人事管理運営方針」、こちらにおいても、この目標を明確に位置づけておりまして、政府全体として女性国家公務員の採用・登用の促進を図ってきているところでございます。
 また、フォローアップの結果ですが、平成20年度の国家公務員I種採用試験等の事務系区分の採用者につきましては、女性の割合が24.2%ということになっておりますけれども、21年度の内定者ベースで見ますと、30.1%となっておりまして、採用については目標を達成する見込みとなっております。
 本省課室長相当職以上の職員に占める女性の割合については、平成19年1月現在で1.9%となっておりまして、調査を開始した17年に比べますとその割合は増加してきているところでありますけれども、まだ低い水準にとどまっておりますので、登用については引き続き取組が必要ということで考えております。
 「今後の方向性・検討課題等」ですが、国家公務員採用I種試験等の事務系区分の採用者に占める女性の割合については、先ほど説明しましたとおり、「22年度までに30%程度」という目標を達成する見込みとなっております。登用につきましては、1.9%と低い割合となっておりますが、今後の採用者の増加、各府省における女性が就いたことのない、または就いたことの少ないポストへの登用という取組によりまして、その割合が増加していくものと見込まれており、その状況につきましても、今後とも総務省としても注視していきたいと考えております。
 また、女性の国家公務員採用・登用の促進について目標を設定して、推進状況のフォローアップをしていくということは、施策の推進に一定の効果があると考えております。フォローアップ結果につきまして、毎年10月に公表しているところですけれども、今年度につきましては、早期化を図りまして、来月早々には公表したいということで、現在準備を進めているところでございます。
 以上でございます。
総務省(三橋)
地方公共団体の女性登用の促進に関する状況について、私、総務省の公務員部公務員課の三橋と申します。よろしくお願いいたします。
 資料でまいりますと、6-(4)の裏の2ページ目になりますけれども、こちらの記載とは前後するかもわかりませんが、御説明をさせていただきます。
 地方公共団体における女性の登用促進ということにつきましては、基本法に基づいて、国の取組を踏まえながら、地域の実情に応じて施策を推進していくということで、内閣府のほうとも連携をさせていただきながら各種の助言なり制度設計なりをしておるところでございます。
 制度面の対応につきましては、先ほど人事院さんのほうから御説明ございましたけれども、一部民間の育児・介護休業法に先駆けて、育児短時間勤務制度などを導入するといったことで随時対応を図ってきております。助言とあとは情報提供といったところにつきましても、毎年各自治体を対象に勤務条件ヒアリングというものを行っておりまして、そちらのほうで、例えばそちらの育児短時間勤務の活用状況であるとか、あとは勤務時間の短縮の状況であるとか、男性の育児参加の状況であるとか、そういったことについてヒアリングをしまして、必要な助言を行ったりといったことをしております。通知等につきましても、例えば加速プログラムを踏まえた国の取組の状況なり、あとは制度の改変なりといったことについても情報提供も適宜行っておるところでございます。
 公務員課のほうで、こういった『地方公務員月報』という冊子を毎月発行しておりまして、この中でこういう写真付で、その制度、育児短時間勤務の制度を活用されている方の生の声を載せさせていただいたり、あとは消防ですとか救命救急、法制なり企画といった、女性がこれまで配置させられなかったと申しますか、なかなか進んでこなかった分野にお就きになっている方の御紹介ですとか、上司の声、そういったことも、逐次に載せているといった状況でございます。
 管理職の登用状況としては、都道府県の一般行政職で4.3%ということで、特に市町村レベルで申しますと、8.9%といったような状況になっているということが実態でございます。最後に委員からの御質問のあった男性の育児休業の取得時期というところなんですけれども、具体的な時期を調査しておりませんが、育児休業の取得自体についてはやはり自治体ごとにかなり差があるのですが、1~2%といったところから、自治体によっては5~6%といったところもあるのが実態でございます。
 私からの発表は以上で終わらせていただきます。
羽入会長
ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして、第1分野の(3)、(4)につきまして、内閣府から御説明をお願いします。
内閣府(大西)
それでは、資料6-(3)をご覧ください。「国の審議会等委員への女性の参画促進」に関してでございます。
 委員からの御質問に対する回答は質問No.16と9についてお答えいたします。
 まず1ページ目でございますが、「主な施策の取組状況及び評価」でございます。男女共同参画推進本部におきまして、審議会等の委員について、西暦2020年までに、男女のいずれか一方の委員の数が、総数の10分の4未満とならない状態を達成するよう努めるという目標を決定し取り組んでいます。また、当面の目標として、2010年度末までに女性委員が少なくとも総数の33.3%となるよう努めるという目標を決定しております。
 2点目でございますが、内閣府において、審議会等委員や専門委員、職務指定・団体推薦に係る委員に占める女性割合について、毎年調査し公表しております。
 このような取組の結果、審議会における女性委員の割合は増加しております。
 なお、専門委員につきましては、3の参考データの下にもありますが、平成20年9月現在15.1%となっており、更なる取組が必要でございます。
 今後の方向性として、継続的に調査し、女性の人材に関する情報を提供してまいりたいと考えております。
 ここで、質問票の16番、五條委員の御質問に回答したいと思います。国の審議会等委員への女性の参画の促進をめぐり、公募委員の選考にあたっての状況は把握されているか。また、公募時における募集要項作成にあたり男女双方が積極的に応募することを助長するような記述が行われるよう配慮される傾向にあるか、という御質問でございます。
 審議会委員の公募の状況につきましては、国の審議会等における女性委員の参画状況調べで、18年から毎年調査をしております。また、男女共同参画推進本部において、委員の人選に当たっては公募等を活用して、男女双方からの応募が促進されるよう配慮しつつ、幅広い人材登用に努めると決定しております。
 なお、公募における募集方法、選考方法については、あるテーマに関する意見や小論文の提出などを応募要件とし、府省内に設置する選考委員会において、検討の内容を勘案して選考しているところでございます。
 続きまして、また、資料6-(3)の2ページに戻ります。「審議会等委員への女性の参画に関する取組の支援」、地方公共団体等に対する支援でございます。
 主な取組状況としては、1点目は、地方公共団体における推進状況調査を実施し、毎年比率を公表しております。
 また、2点目は、男女共同参画会議において、都道府県等における審議会等の委員についての国の職務指定について実施状況を監視して、その後の状況のフォローアップなどを行い、報告をしております。
 3点目に、内閣府より、都道府県知事・政令市あてに、女性の参画への要請をしました。このような取組によりまして、地方公共団体における審議会委員の女性の割合は着実に増加し、参考データの20年度の表のところでは、3割にもうすぐ届くという割合に増加しております。
 今後の方向性ですが、今後とも調査を行うことや、好事例の紹介により、更なる支援をしてまいりたいと考えております。
 また、市町村における委員への女性の登用を拡大するために、都道府県が市町村に支援と助言を行えるよう協力を要請してまいりたいと思っております。
 3ページ目でございますが、「企業、教育・研究機関、その他各種機関・団体等の取組の支援」でございます。
 主な取組状況としては、内閣府より、各種団体の長等あてに、女性の参画拡大についての要請をしました。
 また、3年に1回、内閣府で、独立行政法人等における女性参画状況調査を実施し、結果を公表しています。
 また、各界各層との情報・意見交換等連携を図るための、「男女共同参画推進連携会議」において、国民的な取組を推進しております。
 このような取組を行っており、「2020年30%」の達成に向け、更なる取組が必要と考えております。
 今後の方向性といたしましては、引き続きの女性の参画拡大について要請するとともに、また、独立行政法人大学評価・学位授与機構の評価項目につきましては、性別のバランスへの配慮について評価基準に盛り込んでおります。今後の独立行政法人自体の評価に当たっても、男女共同参画の視点を取り入れることを検討する必要があると考えております。
 ここで、質問票の9番、辻村委員からの御質問に回答したいと思います。
 各界トップへの働きかけや、取組支援の対象として、政党や政治団体が含まれておりませんが、企業等より以上に積極的取組への働きかけが必要と考えられるがいかがという御質問でございます。
 現行の2次計画を策定した際には、様々な団体に対しては、大臣名により取り組みを依頼しているところです。現状においては、政治分野や選挙におけるポジティブ・アクションについては、政党に対して政府としての実施の義務づけ等の働きかけを行うことは難しいと考えております。しかし、御指摘のとおり、政治分野における女性の参画が進んでいる国では、政党内規の定めによりポジティブ・アクションを行っている事例も見られますので、我が国においても、これらの取組が行われるように、諸外国における好事例の普及などにより気運の醸成等に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、もう一度戻りまして、資料6-(3)の4ページでございます。「調査の実施及び情報・資料の収集、提供」でございます。主な取組状況といたしましては、男女共同参画会議で「2020年30%」の目標における指導的地位の範囲を明らかにいたしまして、女性の参画状況のフォローアップをしております。
 また、2点目ですが、諸外国における方針・決定過程女性の参画に関する調査を公表しております。
 次に、女性の人材データベースを平成11年より各府省の閲覧に供しております。また、「ヤングリーダー会議」という都道府県からの推薦された一般の方々による会議を開催しております。
 このような取組により、成果は各種政策に反映されていると考えております。
 今後の方向性ですが、女性の人材に関する情報収集や提供は、これまでのデータを活用しより具体的に施策に反映するように検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
羽入会長
ありがとうございます。
 それでは、ただいまの御報告に対して、大隅委員。
大隅委員
済みません、この次の会議があり、先に失礼するので、先に言わせていただきます。
 資料の6-(4)の、後ろに添付されている総務省の資料の中の8ページというのが付いています。「女性国家公務員の登用状況」という、それぞれの省庁の一覧になっている表がありまして、これは私、今日初めて拝見して、それぞれのマッチョ度というのでしょうか、わかって大変おもしろかったのですけれども、その中で一番目を引きますのが、国土交通省さんが総数も非常に大きな省なわけですけれども、そこの女性の割合が、一番低いのは内閣官房ですけど、これは数少ないので、8.8%ということで非常に低いわけですね。
 一方で、資料6-(2)、内閣府の資料の2ページ目で、各府省における採用・登用拡大計画がどうなっているかと見ますと、国土交通省さんが未定となっておりまして、非常に数も大きく、また割合も低いところが全然考えていないと。大変だから考えにくいということも多分あろうかと思うのですけれども、こういったことに関して、それはどこがどのように音頭をとって進めていくのかということは、私は大学の範囲を超えていることについて、不慣れというか、不明なものですから、教えていただけたらと思いました。
羽入会長
それでは、帯野委員。
帯野委員
国家公務員のほうはよく理解できたのですが、地方公務員についてお伺いしたいと思います。まず、関連のこういうデータはどこかに付いているのでしょうか。
総務省(三橋)
内閣府さんのほうで実態調査をされているということで、申し訳ない、行き違いがあって、本日添付されてなくて。
帯野委員
次回からはデータは付けていただきたいと思います。地方公務員のほうの女性採用割合、まず1つ。2つ目、先ほど口頭でお伺いした管理職比率、都道府県で4.3、市町村で2.9というのはかなり低いのではないかと思うんですが、その辺はどう認識しておられるか。それと3つ目、恐らく自治体もいろいろで、東京都などは、採用比率であるとか、管理者登用比率は高いのではないかと思われますが、そういう高い自治体と低い自治体、何かそれを評価するシステムといったものがあるのかどうか。2と3まとめて、管理者の登用比率、低い地域に対してより積極的な取組を必要ではないかと考えるのですが、そのあたりのところを教えていただけたらと思います。
鹿嶋委員
資料の6-(1)の人事院にお聞きしたいのですが、平成16、17年の研究会、実はこれは私も参加していまして、メンター、メンティーの話をしたのですけれども、今、メンター、メンティーの関係は具体的にどの程度あるのかどうかということ。メンターの研修制度等々がありますのでかなり進んでいるのかなという気もするのですけれども、具体的にどの程度か。
 もう一つ、当時提案してだめだったのが、各府省の垣根を越えたメンター、メンティー制度、これは採用されなかったのですけれども、例えば内閣府の6-(2)を見ると、メンターの普及についてといったことで書いてありますので、メンターを強化するというのは内閣府、人事院等も一緒だと思うんですね。これは具体的にどういうふうに今後進めていくのかどうかを含めまして、お答えいただきたいと思います。
羽入会長
では先に総務省からお答えいただいて、よろしいですか。
総務省(三橋)
資料の件は非常に申し訳ありません。繰り返しますと、女性の管理職、課長級以上の登用状況の割合が都道府県の一般行政職の平均4.3%で、先ほども御説明しましたけれども、市町村でいうと8.9%という状況になっております。確かに自治体ごとにかなりバラツキはございます。具体的にというのは差し控えますけれども、例えば都道府県・政令市のレベルで申し上げますと、中には1.8%ぐらいのものから、13%に達しているといったものもございます。そういう取組が遅れているところに対してどういった助言していくかということについては、国と地方との関係ということも当然あるかとは思うのですけれども、まずは私どものほうは情報提供をさせていただくということと、後は自治体ごとにこういう状況ですよというのを一覧でお示しすると。そこで遅れている自治体さんが、まずはそういう認識を持っていただいて、今後どうされるかということがまずは出発点になるのではないかと思っておりまして、その点、こちらの、先ほどもデータもございましたけれども、内閣府さんのほうともしっかりと連携をさせていただいて、そういう意識をまずは持っていただくということを重点にしていきたいなと考えております。
 以上です。
羽入会長
それから、既にお立ちになってしまったのですけど、国土交通省のことについての御説明は。
内閣府(大西)
国土交通省の取組が未定という点についてでございますが、こちらは、女性の参画加速プログラム(平成20年4月男女共同参画推進本部決定)で目標を立てているということもあり、今後とも国土交通省にお願いをしてまいりたいと思っておりますが、国土交通省は施策分野の関係で技術職が比較的多いという状況にあり難しい状況にございます。しかし、国土交通省内に保育所を設置するという取組も進んでいるところでして内閣府としましても、このような取組の支援など様々な取組を推進してまいりたいと思っております。
羽入会長
ありがとうございます。それでは人事院。
人事院(福田)
国土交通省の関係で若干補足させていただきますと、総務省の資料の4ページでございます。【資料1】というのを準備されておりますけれども、国土交通省の採用割合につきましては、19年、20年度、若干ブレはございますけれども、19年度33.3%でございます。採用につきまして努力されている状況が1つあろうかと思います。いずれにしましても、比較的足長官庁と申しますか、現業部門が比較的多いということもございまして、なかなか一律に割り切るということも難しいところがございますけれども、私どもといたしましては、先ほど申しました各省庁の人事担当課長会議等を利用いたしまして、いろいろと事例研究とか、そういったものをやりながら、登用等の促進について努めるようにお願いしているところでございます。
 それから、メンターについての御質問でございますけれども、私どもメンター研修というのをまず積極的に進めておるところでございます。例えば平成20年度の状況でまいりますと、全部で13回全国各地でやらさせていただいたところでございます。参加状況につきましては、688名が参加したところでございます。
 実際にどのように現実問題としてメンターが各省庁で導入されているかということにつきましては、まだ少数ではございますけれども、徐々に増えてきているところでございます。現在、5省庁が導入しておりまして、人事院、警察庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省でございます。具体的なメンターのやり方につきましては、省庁によっていろいろ違いがございます。例えば新規採用者に限った場合もございますし、採用後、何年かという形でフォローする場合もございます。それから、女性職員にとりあえず限る場合もございますし、男性職員も含めた形で幅広く意識改革という形でやっている部分も両方パターンはあるところでございます。
 いずれにしましても、例えば先ほど申しました各省庁の人事担当課長会議等の場におきましては、これは今年1月に行ったことでございますけれども、文部科学省のメンターの制度の概要といったものを資料として配布いたしまして、文部科学省から発表していただきまして、各省庁に周知いたしまして、できるだけそういったメンターというものを活用していただくように、取組を進めているところでございます。
羽入会長
ありがとうございます。それでは、山田委員、桜井委員。
山田委員
私は公務員の採用システムの中でも、公務員だけではないんですが、新卒一括採用システムや年功序列といったものが、女性の活躍を阻んでいる。多分これは女性の活躍を阻んでいるだけではなくて、若者の労働意欲を引き下げているのだというふうに思っているんですが、特になかなか動かないのが公務員だと思っております。ここでも学生に対するセミナーは行うけれども、学生を除いた例えば一たん仕事をやめている主婦の人なり、子どもを育てている人なりへの採用活動というのはどうなっているのか。それも中途という枠になってしまっており、それが一般職員と同等にならないのはなぜか。
 私も去年まで国立大学法人に勤めていますと、嘱託で採用された高学歴の女性が低収入で活躍しているのに、新卒一括で正規職員で採用された人との賃金や処遇格差が非常にあるということも感じました。そういう意味で、外部登用とか、かなり進んでいるということであるのですが、一般職の採用において、なぜそこの年齢制限なりが、撤廃できないのか。そこでポジティブ・アクションがなかなかならないのかということに関していつも疑問に思っているのですが、その点に関してはいかがでしょうか。
桜井委員
2つ伺いたいと思います。1つは、総務省の方に、先ほどデータを示していただきました地方公務員の管理職比率ですけれども、1.何%のところから2桁行ったところまでと。そこについて、どういう要因でそういうふうに10%行くところがあるのか、あるいは1%にとどまっているのか。そういったような比較を、調査・分析というのでしょうか、それがないと次のアクションが起こせないのではないかと思うんですけれども、そのあたりについて、御見解を伺いたいということが1つ。
 それから、非正規公務員というのが最近大変多くなっているのではないかと思いますけれども、そのあたりについては、それは女性のほうが多いのではないかと私どもは考えますが、その辺についてのデータが全く出てないのですけれども、そういったことについては、これからどういうふうにお考えになるのか、2点お願いいたします。
羽入会長
それでは、総務省からお答えいただけますか。
総務省(三橋)
2点ということで、まず自治体ごとの状況の分析がということですけれども、こちらにつきまして、なかなか悉皆的に、正直難しいところがあるのですが、先ほど御紹介したこの冊子などで、特に取組が進んでいるところについては、当然人事当局、部署の管理職の方であるとか、本人の方であるとか、そういったお声をきめ細やかに紹介させていただいたりしているのが状況なのですけれども、御指摘のあった点については、どういった形が役に立つというか、実利があるのかといったところもちょっと検討させていただいて、今後の課題とさせていただければと思います。
 2点目の非正規公務員の問題ですけれども、こちらに関しましては、国民の皆さんの関心も高いところです。しかし、男女間の差別の問題かと申しますと、必ずしもイコールではないと。ただ、自治体の現場ですので、例えば保育士さんであるとか幼稚園の先生であるとか、学童クラブの指導員さんであるとか、そういったところを中心にどうしても女性の、もともとの労働市場と申しますか、供給元のほうが女性の割合が高いということで、そうなっているのは実態だろうと思っております。むしろ、非正規の職員に関しては、常勤の職員と同じ仕事をしているのではないかと。その割には処遇が低いではないかといったようなことですとか、あとは民間でいうところの雇い止めという問題が起こっているといった指摘もございまして、総務省では去年「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会」を設置させていただきまして、そちらでそういった課題の抽出、対応策についての御議論をいただいて、それを受けまして、新年度に入りまして、通知を自治体向けに発出いたしました。そちらの中身は、当然非正規と正規の役割分担がどういった基本原則が適用されるべきなのかという周知と、あとはそれぞれ非正規の職員の方といっても、労働基準法は適用されるわけで、産前・産後であるとか、生理休暇であるとか、そういった休暇の付与をきっちりしてくださいと。年次有給休暇の話も当然そうだし、あとは報酬の考え方についても、時間外手当が支払われていないといったような実態があるとも聞いておりますので、それは労働基準法の適用を受けるのだから、ちゃんと支払ってくださいといったようなことで、ある程度網羅的に、これまで正直申し上げて、この話題はそういった形で網羅的に何か助言したりといったことをしてこなかったのですけれども、そういう形で一歩を踏み出させていただいたというのが状況でございます。
羽入会長
人事院から。
人事院(福田)
私のほうから、山田委員の御質問についてお答えいたします。採用試験の年齢については、今、33歳までという形で学歴等にかかわらず幅広くやっているところでございます。基本的には民間の新規学卒者に相当する試験ですので、そのような形になっているところでございます。
 一方、先ほど御説明の際に申し上げましたけれども、専門家の採用システムですとか、任期付採用、経験者採用、こちらにつきましては、一切年齢は設けておらないところでございます。例えば一例で申しますと、経験者採用システム、これは例えば民間のいろんな経験をした人について公務に入ってきてもらおうという形でやっているところでございまして、例えばI種相当の係長という形で実際に入っていただく方もあるところでございます。例えば昨年平成20年の実績ですが、全体で採用者数が56名いらっしゃいましたけれども、そのうち女性が18名ということで32%と、そのような状況になっているところでございます。いずれにいたしましても、今後とも、先ほど申しましたように、民間人の登用ですとか、専門家の採用は重要な課題と思っておりますので、いろいろな形で啓発活動、募集活動も含めながら対応していきたいと思っておるところでございます。
 非常勤職員につきましても、私ども重要な課題と考えているところでございます。人事院といたしましても非常勤職員の処遇につきまして一定の指針を昨年示したところでございます。そのほか任用形態・雇用形態につきましても、様々な議論があるところでございますので、私どもといたしましても問題意識を持っておるところでございます。この点については、予算ですとか定員も関連してまいりますので、これは政府全体として考えていく必要があるのではないかということで、関係省庁と幅広く検討を進めている、そういうような状況でございます。
羽入会長
ありがとうございます。桜井委員、一言。
桜井委員
済みません、一言。非正規雇用については、今、あるデータを出していただくことは可能でしょうか。男女比とか、どこの省に何人ぐらいいらっしゃるとか、現在、把握していらっしゃるデータで構いませんので出していただけますでしょうか。それを1つお願いしたいということと、それから、地方公務員の女性の登用なのですけれども、それについてはできているところと、できてないところというのは背景があると思うんですね。その要因分析をぜひしていただきたいと思いまして、例えば管理職になった人の個別のヒアリングではなくて、調査は要因を分析する調査をぜひしていただきたい、これは要望です。お願いいたします。
羽入会長
2つ、今、桜井委員から要望が出ましたけれども、ご対応いただけますでしょうか。
人事院(福田)
国家公務員の非常勤の状況でございますけど、総務省のほうで把握されている部分があるかと思いますけど、その中で実際に女性と男性で分けたデータがあるかどうか、承知しておりませんので、また後で御連絡させていただきたいと思います。
総務省(澤田)
非常勤職員については、全体の数としては把握しているのですけれども、省別の男女比については把握しておりませんので、申し訳ないですけれども、現時点で御提供できるデータはございません。
総務省(三橋)
いろいろ入れかわり立ちかわりで恐縮です。地方公務員は、先ほど申し上げた研究会の報告書の中にそういうデータがございますので、経由というか、事務局のほうとも連携をして提供させていただきます。
羽入会長
ありがとうございます。時間の都合で、先生方、府省からおいでいただいていらっしゃる方に十分に御発言いただけなくて申し訳ございませんでした。
 それでは、今回のヒアリングにつきましてはこれで終了させていただきます。皆様御協力ありがとうございました。
 では、続きまして、議題の最後がもう一つございまして、資料8に議事録がございます。既に委員の先生方、ご覧いただいていると思いますけれども、これをこの場で確定したいと思います。異議がございますでしょうか。よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

羽入会長
ありがとうございます。それでは、速やかにこれをホームページで公開することにさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局から御連絡をお願いします。
大西企画官
次回でございますが、8月27日(木曜日)10時から同じ会場、こちら永田町合同庁舎会議室1での開催となります。次回はフォローアップ2回目といたしまして、第2分野の社会制度慣行見直し、意識の改革に関すること、第4分野の活力ある農山漁村の実現に向けた男女共同参画の確立、推進体制の内容を予定しております。
 以上でございます。
羽入会長
ありがとうございます。また、今回のフォローアップの内容につきまして、今後、私たちがワーキンググループで議論する際にも活かし、そしてまた全体の会議で議論するというようにして進めていきたいと思います。
 本日は慌ただしいところでございましたけれども、御協力ありがとうございました。これで46回の調査会を終了いたします。ありがとうございました。

(以上)