男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成21年6月5日(金) 15:00~17:00
  • 場所: 内閣府庁舎3階特別会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
    会長代理
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    委員
    石川 哲也 神戸大学大学院教授
    伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
    岩井 宜子 専修大学大学院教授・副院長
    大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
    帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
    加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
    河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
    坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
    桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
    辻村 みよ子 東北大学大学院教授
    林 陽子 弁護士
    松井 忠三 株式会社良品計画代表取締役会長(兼)執行役員

(議事次第)

  1. 答申の方向性について
  2. 2次計画のフォローアップについて
  3. 自由討議

(配布資料)

資料1
答申の構成について(案) [PDF形式:139KB] 別ウインドウで開きます
資料2
男女共同参画推進の方向性(案) [PDF形式:155KB] 別ウインドウで開きます
資料3-1
2次計画のフォローアップの進め方について(案)[PDF形式:84KB] 別ウインドウで開きます
資料3-2
フォローアップの様式(案) [PDF形式:90KB] 別ウインドウで開きます
羽入会長
それでは、始めさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
 第44回基本問題・計画専門調査会を開始させていただきます。
 議事に入ります前に、前回御指摘がございました河野委員、林委員から御依頼がございました資料などについて、事務局が用意いたしましたので御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
塚崎推進課長
河野委員の方から御指摘がございました、女性の家族関係別に見た有業率あるいは勤続年数等のデータにつきまして、緑のファイルを机に置かせていただいているかと思うのですけれども、その緑のファイルの1の一番後ろのページに付けさせていただいております。女性の家族関係別に見た有業率、非労働力人口のうち女性就業希望者の非休職理由、それから勤続年数のグラフを付けさせていただいております。
 それから、林委員の方から御依頼のございました北京行動綱領とミレニアム開発目標につきましても、今の緑のファイルの中の2と3にお付けしております。
 また、併せまして御参考までに女子差別撤廃条約の関係の資料を4のところに付けさせていただいております。
 それから、机の方につい先ごろ、先月末に発表させていただきました男女共同参画白書も、机の上にも置かせていただいていますので、何かございましたらご覧いただければと思います。以上でございます。
羽入会長
ありがとうございました。これらの資料も参考にしながら議論を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。本日、お手元にございます議事次第にありますように、「答申の方向性について」ということと、それから「第2次計画のフォローアップについて」という2つのことが今日の議題になっております。前回の会合で御説明いただきましたように、今回を含めて2回の会合で新たな基本計画の基本的な方向性、枠組みについて設定していく予定でございます。今回は、その基本的な方向性として重点項目、それから推進体制を中心に先生方に御意見をいただきたいと考えております。
 前回の会議の際に、委員の皆様からいただきました新たな計画についての御意見を踏まえて事務局で案を作成いたしましたので、それを御説明いただくことが第1の議題でございます。
 それから、続きまして「第2次計画のフォローアップについて」、これも事務局で御説明いただきますけれども、今回の重要な項目はその最初の方でございます「答申の方向性について」ということについて十分な議論をしたいと思いますので、まずそこを事務局から御説明いただき、そしてそれを理解した上で「第2次計画のフォローアップについて」も御説明いただいた上で、時間の許す範囲で議論を進めていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
塚崎推進課長
それでは、重点事項と推進体制につきまして、たたき台を事務局の方で用意させていただきましたので御説明をさせていただきたいと思います。
 資料の1でございます。前回の専門調査会のときに説明させていただきました答申の構成なのですが、この中の重点事項と推進体制につきまして次の大きなA3の資料になっておりますけれども、それを御説明させていただきたいと思います。
 左に「課題例」がございます。真ん中に「重点事項」、それから右側に「具体的な取組等」について記載しているところでございます。先日の今後のスケジュールのところで御説明させていただきましたように、7月からは重点事項についてワーキンググループをつくって検討を進めていただくことで予定をしております。順次御説明させていただきたいと思います。
 まず一番上でございますが、初めの重点事項でございますけれども、「政策・方針決定過程への女性の参画の促進」でございます。こちらにつきましては、左側の「課題例」のところに書いてございますが、前回の会議でデータをごらんいただきましたように、参加は緩やかに進んではいるのですけれども、国際的に見ますと総じて低い水準にとどまっているところです。また、地域やメディア等、従来女性が少なかった分野につきましては実態が明らかでないという問題もございます。
 そこで、右側の「具体的な取組等」のところをごらんいただきたいのですけれども、政策・方針決定過程への女性の参画を促進していくためには、女性が意欲を持って活躍できるような積極的支援としまして、さまざまな分野におけるポジティブ・アクションの推進、メンターへの育成支援、ネットワーク形成支援、それから社会的な課題の解決に向けて起業をする社会的起業が現在増えていますけれども、そうした社会的起業あるいはNPOの活動などをどのように評価し、支援するかということも関係が出てくるかと思います。あるいは、実態が明らかでない分野についての実態把握、こうしたことを通じまして女性のさまざまな分野における参画を促進することによって、例えば下の矢印のところに書かせていただいていますけれども、医療の分野であれば安心・安全な医療の推進にもつながりますし、科学技術の分野であれば多様性の確保、国際競争力の向上、農業の分野であれば持続的な発展、公務員の分野であれば多様な行政ニーズへの対応につながると考えております。
 第2に、「女性のライフコースに沿ったエンパワーメント」を重点事項として掲げてございます。育児などで一旦退職した女性が再就業できなかったり、あるいは正社員を希望してもかなわないという場合も多いという現状がございます。再チャレンジを課題の例として挙げさせていただいていますけれども、ほかにもライフコースにおけるさまざまな場面におきまして課題があり、右側のところに書いてございますが、女性の一生を通じたライフコースに沿った支援あるいは教育が必要とされているというふうにしております。
 「具体的な取組等」としましては、そもそも自立的に生きる基礎を培うなど、キャリア教育など、キャリア形成支援、短時間正社員、在宅就労などのような多様な働き方の確保、雇用の場における均等の確保、パートなど非正社員と正社員の均衡処遇の確保、再就業の支援といったことを挙げているところでございます。
 第3に、「生涯を通じた健康支援」を挙げております。女性の管理職のネットワークであるJ-winの調査によりますと、子どもを産めない理由として30代以上で不妊が非常に多くなっております。また、女性の健康について男女のコミュニケーションや理解の欠如といった問題もございます。
 こうしたことに関しまして、「具体的な取組等」のところに書いてございますが、ライフコースを念頭に置いた女性の健康支援、相談体制の整備、性差医療の推進、学校などにおける適切な性教育の推進、学校におけるエイズあるいは薬物などに関する教育の推進といったことが求められると考えております。
 第4でございますが、「より多様な選択を可能にする社会システムの実現」ということでございます。男女共同参画社会の形成という観点から見た場合、男女の働き方、あるいはいろいろな選択に対して中立的でない社会システムがございます。右の「具体的な取組等」のところで挙げさせていただいていますが、前回の専門調査会でも御指摘いただきました社会保障制度あるいは税制など、社会における活動の選択に大きな関わりを持つ制度に対しての検討、あるいは現行の基本計画にもございますとおり、選択的夫婦別氏制など、家族に関する制度の整備が挙げられるかと考えております。
 第5の部分でございますが、「仕事と生活の調和の実現」でございます。前回の専門調査会でデータをごらんいただいたのですけれども、ワーク・ライフ・バランスが実現できていないという現状がございます。特に中小企業などにおいて、仕事と生活の調和推進の取組みが広まっておらず、理解が十分なされていないということがございます。また、第1子出産前後の女性の継続就業率は低く、依然として働くか、出産・子育ての二者選択をしなくてはいけないという状況がございます。
 こうした課題に対しまして、男女とも制度などを利用しやすい組織風土づくり、あるいは働き方の見直しを可能にするマネジメント改革の推進、仕事と生活の調和の推進により女性の活躍を促進するための取組の検討・普及といったことを具体的な取組みとして挙げさせていただいております。
 次は、「地域における男女共同参画の推進」でございます。左側の「課題例」に書いてございますとおり、固定的な性別役割分担意識がいまだに根強く、地域における活動の参加につきましては男性や若い世代が少ないといった偏りが見られるところでございます。
 こうした中、昨年この調査会で打ち出していただいたように、知識の習得や意識の啓発から身近で具体的な課題を多様な主体が連携・協働しながら解決していく実践的な活動、第2ステージというふうに位置付けているところでございますが、第2ステージへの移行を必要としております。また、地域における男女共同参画を担う人材の育成というのも具体的な取組の一つとして挙げているところでございます。
 次は、「女性に対する暴力の根絶と人権の尊重」でございます。配偶者からの暴力に関する相談件数あるいは保護命令発令件数は増加傾向にございますし、セクハラやストーカー件数も増加しているという状況でございます。また、先般、新聞などでも取り上げられましたけれども、パソコンゲームなどのバーチャルな分野における性暴力表現の問題も出てきているところでございます。
 右側の「具体的な取組等」のところに書かせていただきましたが、被害者の保護、自立支援の一層の充実、あるいはそもそも配偶者からの暴力の防止を進めるための体制の在り方といった根本的なことについての検討、セクハラ、ストーカーなどの行政指導、相談体制の整備、バーチャルな分野における性暴力への対応策の検討、女児など子どもに対する性暴力への対応などを具体的な取組として挙げさせていただいています。
 次は、「生活困難を抱える人々への対応」でございます。前回の会議のときも御説明させていただきましたけれども、さまざまな変化の中で経済的な困難に加えて日常生活の困難あるいは孤立など、社会生活上の困難を含めた生活困難を抱える方が増加しているという現状がございます。
 そうした状況に対しまして「具体的な取組等」として、自立に向けた力を高めるための取組、雇用・就業の安定に向けた取組、安心して親子が生活できる環境づくり、支援基盤の在り方などの検討が求められているとしております。
 次の「男性にとっての男女共同参画」でございますが、ワーク・ライフ・バランスあるいは身近な地域における取組など、男性にとっての男女共同参画の意義は増大していますし、また特に高齢者などですけれども、男性の孤立あるいは日常生活の自立の困難という課題がみられるところです。
 こうした状況の中で、戦略的な広報あるいは実践につながる取組、男性の孤立や日常生活自立困難に対する支援の在り方を「具体的な取組等」として挙げさせていただいております。以上が、重点事項のたたき台でございます。
 次のページは、「推進体制」についての論点を挙げさせていただいています。前回、推進体制につきましては十分に議論をすべきという御意見を頂戴したところでございます。同じように、左側に「課題例」、真ん中に「課題解決に向けた推進体制」、右側に「具体的な取組等」について挙げているところでございます。
 第1点目でございますが、「国と地方の推進体制の整備充実」ということを挙げさせていただいております。地方公共団体におきまして、男女共同参画に関する推進体制が必ずしも十分ではないという現状がある中、私どもの方でも今年度、地域における男女共同参画の推進を総合的に支援する事業をしているところでございます。そうした事業とも関わるのですけれども、右側に書いてございますとおり、国と地方公共団体の連携強化を図るため、情報提供、研修機会の提供、広報・啓発等、人材育成プログラム等の開発といったことを進めることが課題となっているところでございます。
 2番目が「地方公共団体、企業、大学、NPO、男女共同参画センター等との連携強化」でございます。固定的な役割分担意識はいまだに根強い。あるいは、地域の課題解決の取組の中で男女共同参画の視点が十分活かされていない。あるいは、先ほど申し上げましたとおり、地域における活動への参加において性別や世代別に偏りがあるといった現状がある中、重点課題の地域における男女共同参画の推進とも関わる部分でございますけれども、多様な主体による連携・協働の下での具体的な課題解決のための社会のニーズに応じた取組を推進する必要があると考えているところでございます。
 3番目が、「国際的協調・対外発信機能の強化」でございます。ジェンダー・エンパワーメント指数など、国際的に低い水準にとどまっておりますし、また、現在関係省庁や自民党の女性に関する特別委員会等におきまして、女子差別撤廃条約選択議定書の個人通報制度について研究が行われているところでございます。
 こうした中、右側の黒丸のところに書かせていただきましたとおり、いろいろな国際的な会議が予定されているところでございますが、国際的な取組の成果あるいは経験から学んでいくとともに、他国あるいは国際機関と連携・協働していくことが必要になっているということが言えるかと思います。
 次に、「風土の改革・気運の醸成、あらゆる年代層への意識啓発と実践的取組」でございます。先ほどと重なるのですけれども、固定的な性別役割分担意識がまだ根強い、あるいは地域における活動の参加について偏りがあるといった中、右側の「具体的な取組等」の欄に掲げてございますが、意識啓発の推進の手法に工夫を行っていくとともに、単に意識の啓発だけではなくて実践的な取組につなげていくことが必要かと思います。また、メディアの効果的な活用、あるいは子どものころからの意識の涵養といったことも具体的な取組として挙げているところです。
 最後が「監視・影響調査機能の強化」でございます。監視・影響調査の機能につきましては、主に監視・影響調査専門調査会において担っていただいていますが、あらゆる分野において男女共同参画の視点に立って関連施策を立案・実施し、男女共同参画社会の実現を目指すということが重要であり、この観点から体系的・実質的に各施策を評価できるようにする必要がございます。
 「具体的な取組等」のところに書いてございますが、体系的・実質的な評価の仕組みづくりの検討、あるいは苦情処理の在り方、予算が男性と女性に及ぼす影響について検証をするジェンダー予算の調査・検討といったことを挙げているところでございます。重点事項・推進体制についての資料の説明は以上でございます。
 ここまでは3次計画の内容についての資料でございますが、前回お話させていただきましたとおり、7月以降、重点事項の議論と並行して現行の計画のフォローアップをしていただく予定でございます。
 そこで、次にこのフォローアップの進め方につきまして説明をさせていただきたいと思います。資料3-1をごらんいただきたいと思います。「2次計画のフォローアップの進め方について」という資料でございます。
 1の「フォローアップの流れ」のところをごらんいただきたいのですけれども、マル1に書いてございますが、フォローアップのやり方としましては、これまでのフォローアップと同じように各府省の方から現行の計画の「施策の実施状況」、それから各施策に関連する統計などを提出していただく予定でございます。
 具体的に申し上げますと、昨年の2月に中間的なフォローアップをして、そのときに実施状況あるいは統計などを出していただいていますので、その更新をしていただく予定でございます。併せて、2次計画の策定後に出されました参画会議における意見決定、能力開発や生涯学習施策あるいは高齢者の自立した生活に関する支援についての意見決定についてのフォローアップ、あるいは昨年の4月に「女性の参画加速プログラム」が策定されていますが、そのフォローアップも併せて実施する予定でございます。
 それに加えましてマル2のところに書いてございますが、各府省のヒアリングの際の説明の資料としまして資料3-2、様式をお付けしておりますけれども、施策の取組状況、評価、それから2番目のところで今後の方向性、検討課題、3番目で参考データ、関連政策評価といった、この様式に御記入いただいて、ヒアリングの際の主な説明資料としていただく予定でございます。また、資料3-1のところに戻っていただきたいのですけれども、「フォローアップの流れ」のところでございますが、こうした府省から出てきた資料につきましてはあらかじめ委員の皆様に配布させていただいて、それについての質問をいただいて、いただいた質問についての回答をあらかじめ各府省に作成していただき、ヒアリングの際にはその回答も含めて御説明をしていただく予定でございます。
 スケジュールの方でございますが、2のところですけれども、来週には関係府省の方に資料3-1の1のマル1、マル2の作業をお願いしようと考えているところです。7月の下旬から年内いっぱいにかけまして、表に書かせていただいていますが、月1回くらい専門調査会を開かせていただき、ヒアリングを実施する予定でございます。具体的なスケジュールや12分野のヒアリングの順番などはこれから調整しつつ、決めさせていただくことになろうかと思います。1回の専門調査会で1分野から3分野ずつヒアリングをしていくということで予定をしております。
 なお、女性に対する暴力の分野でございますけれども、先日、御説明させていただきましたとおり、女性に対する暴力に関する専門調査会の方でフォローアップなど、検討をしていただく予定でございます。
 資料の説明につきましては、以上でございます。
羽入会長
ありがとうございました。今日、私どもが議論すべきことは、最初に説明いただきました重点事項の項目について、それから推進体制ということでございますけれども、同時並行的に第2次計画のフォローアップも進めていくということを事務局に御説明いただきましてありがとうございました。
 とりあえず、第2次計画のフォローアップについて御質問等がございましたら、それを少し固めておいてから第3次に向けての議論にしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。12項目というものがございましたけれども、これについてそれぞれフォローアップをしていくということでございます。この進め方については、これでよろしゅうございますでしょうか。
 それでは、議事の2番目にございますフォローアップの進め方について、この方向で進めていただくということにし、それで1番目の方に戻りまして、前回御議論いただきましたことのまとめをもう一度ごらんいただきながら、次回に向けてこの重点項目というものをできるだけ具体的にまとめていきたいと思います。
 先ほど御説明いただきましたように、重点事項というものと、それから推進体制という2つの体系でまとめていただいております。この数を見ますとかなり多くございますし、内容についてもより体系的にできるのかもしれませんので、そういうことも含めて御議論いただきたいと思います。前回のお話では、第3次計画についてはやはり多様化する社会、それから対象、つまり女性が非常に多様な状況に置かれているということ、それから経済的に多様であるというようなこと、それに対応した具体的な取組が必要であるという方向が提示されたかと思います。また、具体化する、そしてそれを検証するということも必要ではないか。そして、国際的に位置付けられるようなものでなくてはならないのではないかというようなことが主に特徴的に現れていたかと思いますけれども、それらも含めて今後の方針についてできるだけ今日議論を多くいただき、そして次回にまとめて確認ができればよろしいのではないかと思います。どうぞ御議論をお願いいたします。
伊藤委員
前回、言い残したことを改めて提案させていただきたいと思います。
 前回、基本理念について議論をしようということでした。基本理念は確かに明文化されているわけですけれども、今回どういう方向でいくのかという基本理念の内容について議論してほしいということだったと思います。前回あがった貧困の問題とか社会福祉の問題を取り入れるべきだというのは、方向性として確認すべきだと思います。私はこの基本問題が始まってからずっと委員をやっているのですけれども、多分男性の問題を検討するという役割だったと思うのです。実は、この問題について発言することを、かなり抑えてきたんです。というのは、やはり女性の問題が先行すると思っていたからです。
 しかし、今回も書き込んでいただいているのですけれども、基本理念の部分に男性をどう位置付けるかというのはある程度、議論をしておいた方がいいのではないかと思っています。
 それには二重の意味があります。1つは男性たちが男女共同参画の問題は自分たちの問題ではないと思っておられるような感じなので、これはやはり男性の問題なのだということをかなりはっきり示すことが必要だということです。
 それと同時に、これはもう一つの意味がある。女性の間に何で女性だけを特別に扱うのかというような声が若い人の間から結構出てくるのです。そういう意味で言ったら、これは男女の問題、つまり広い意味でのジェンダー問題だと明らかにすべきだということです。もちろん男性、女性が抱えている問題は全然違いますし、根本的にはやはり性差別の問題があるというのが前提なのですけれども、女性たちに、この問題に関心を持っていただくためにも、女性だけの問題ではなくてやはり男性の問題を含んだジェンダーの問題として提案していくことが、基本理念の部分でもかなり大切なのではないかと思っているのです。その辺のところはひとつ頭に入れて議論ができたらと思います。
 実際に先ほど報告がありましたけれども、単身高齢者の中で男性の貧困問題というのは、女性の単身高齢者と同じくらいかなり問題を抱えているのも事実です。自殺者もジェンダーの視点で見れば圧倒的に男性が多いわけです。いわゆるシングルファザーの問題も今やっと地方自治体を含めて動き始めました。また、これはヨーロッパなどでかなり注目されているのですけれども、男児の学力低下の問題というのは経済先進国でかなり普遍的な形で広がりつつあるような問題でもあるわけです。日本でも問題行動の問題とかを視野に入れて考えていくと、結構男の子問題というのも考える必要があるのではないか。そういう意味で、男児ということにちょっと目配りをすることも一つの今回の新しい方向として考えるべきことなのではないかと思います。
 もう一つ、これは恐らく書き込めないかもしれないと思っているのですが、セクシュアル・マイノリティの問題についての議論というのはどこかで少なくとも議論はしておくべきではないかと思っています。というのは、ヨーロッパ中心に同性婚の流れができ始めています。そうすると、日本国籍をお持ちの方が、例えばイギリスで同性婚をされる。そうなったとき、その方の国内での法的地位をどうするのかという議論はどこまで詰められているのか。どうなっているのでしょう。
 少なくとも国際的にセクシュアル・マイノリティの権利の問題の動きが広がっているときに、国内体制がそれに対応できないという状態はいろいろなトラブルを生む可能性もあります。それだけではなくて大きな流れの中でいわゆるLGBTというのですか、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーですが、ヨーロッパなどではLGBTというのは普通の言葉としていろいろな形で地方行政まで含めて動き始めている課題になっているわけです。国際的なセクシュアル・マイノリティ問題についてどこかで視野を私たちは持っておく必要があるのではないかと思います。
 ちょっと理念的なところで思っていることで前回、言い忘れたことを申し上げました。以上です。
羽入会長
ありがとうございました。恐らくその理念が確立されてこの重点項目というものができてくるべきだと思います。
辻村委員
ただいまの伊藤委員の御発言とほぼ同じ問題に関わるかと思いますが、私も基本理念のところで、例えば女性の指導的な地位にある人を増やすという女性のための局面と、それから男女共同参画社会をつくるという意味では、さまざまな具体的な役割分業を変革して、男女のための新しい社会変革をするという局面があることを明確にすべきだと思っています。これまでは、この点の説明が混然としていたために、この基本法が女性を優遇するための法律であるとか、専業主婦を排除する法律であるとか、さまざまな誤解を生んだのではないかと思います。基本理念につきましてはそこを明確にすべきでありどちらかと言うと今、伊藤委員が言われたような男女のための社会の在り方を変えるのだというところを重視していかなければいけないと感じました。
 それとの関係で、重点項目を12にするのかどうかということで前回議論がございまして、今回は全体で14にまとめていただきましたが、ここに男性にとっての男女共同参画というものが一つの項目として入っていることに多少違和感を覚えました。これは、恐らくは全体の基本理念に関わることで、どの領域にもすべて男女共同参画を推進する場合に男性にとってはどういう関係があるのかということを議論しないといけないだろうと思いました。
 それから、例えば下から3番目の国際協調の項目では、GEMやジェンダーギャップ指数等が依然低い。だから国際協調を、という論理になっていますが、これらの指数が低いことは恐らく全部に関わってきますね。
 そういった意味で、次は質問になるのですけれども、この全体で14項目の位置付けについて少しお伺いしたいと思いました。これは、前回の第2次基本計画の12項目を改めたということまでは含んでいないという理解でよろしいでしょうか。
 そうだとすると、例えば科学技術の問題とか教育の問題ですね。第2次基本計画では最後に新しい問題として科学技術などが出てきているのですが、学術分野における男女共同参画などが全く入っていないので、岩井先生の方から何かご意見があるかもしれませんけれども、ちょっと心配になりました。
羽入会長
少なくとも私はこの項目については数の問題というよりも、もっとまとめていくべきものであり、今回たたき台というふうにまさにおっしゃってくださいましたけれども、これを基にして数も理念もここで議論していくべきものだと考えておりますが、事務局の方ではいかがですか。
塚崎推進課長
この重点事項でございますけれども、あくまでもワーキンググループで御議論いただく項目として挙げさせていただいていまして、現行の基本計画の分野とは違うものとして、もちろん関連はすると思うのですけれども、基本的に分野については別途また御議論いただくということで考えているところでございます。
辻村委員
わかりました。ありがとうございました。
鹿嶋委員
辻村委員には多分誤解があって、重点事項は9つです。それで、14というのは推進体制を含めた場合で、推進体制が今度拡充して5つの項目が入っているわけで、いわゆる第1次、第2次基本計画の中の重点項目というものでカウントすれば9つなのです。
辻村委員
わかりました。推進体制と一緒に考えてはいけないのですね。
鹿嶋委員
ただ、これについては今、事務局から言ったように、私はこれからどうすべきかというのはワーキンググループなどで議論すべきだと思いますが、もう一つ、男性にとっての問題ですが、私は特出しすべきだと思っています。やはり男性の問題は、理念としては今おっしゃったようにあらゆる問題に関わってくるのですけれども、逆にこういうふうに1項目立てることによってもう少し鮮明になってくるのではないかと思います。
 ただ、もちろん趣旨は先生がおっしゃったようにあらゆる問題に私は関わると思いますが、やはりこの1つを出すことによって重点項目の最重要課題なのだということが国民の方にもうちょっと明確に理解できるようになるんじゃないかというのが私の理解の仕方です。
辻村委員
わかりました。ですから、基本理念にも総論にも入れて、かつ各論に入れればいいということですね。
羽入会長
恐らく、辻村委員のおっしゃったことはそういうことなのではないかと私は理解いたしました。
板東局長
それから、この項目の入れ方はまだ全然フィックスしたものではございませんで、議論をするための一つのくくりになっているだけでございます。むしろもう少しとがった中身になっていく方がいいのではないかとも考えておりまして、まだ重点項目は一般的過ぎるのかもしれませんが、これは議論をしていくための一つのまとまりを持って議論できるくくりのようなものでお考えいただいて、今日御議論いただき、今後集中して議論をしていった方がいいのではないかということであれば、それを特出ししていただくということでお願いしたいと思います。
羽入会長
ありがとうございます。
伊藤委員
特出しの件で言うと、やはり周知の問題があります。前回も議論をしましたけれども、メディアの問題と男女共同参画についてのいろいろな施策や情報の周知みたいなものは、ある種の重点項目として今回出すというのはどうでしょうか。やはり周知されていないというのは一番の問題のような気もしますし、そういう出し方もあるかなと。ちょっととんがり過ぎかもしれませんけれども。
羽入会長
考えるプロセスとしてどういう体系化をするかということと、訴えるためにどういうキーワードを使うかということと、両方で考えていく必要があるのではないかと思いますけれども、これですとまず最初に見たときに非常に平面的に見えると思うんです。それで、幾つかの重点項目があって、そのそれぞれに対して特出しすべきところというものがあると考えていってはいかがと思います。
大熊委員
私も、最初にぱっと見たときに、「男性にとって」というのが、付け足しのように一番下にあるのは違和感がありました。男女共同参画が進んでいる国に行ってまず気が付くのは男性の育児参加であり、男性の意識が違うから出生率があがっているということなので、一番下ではなくて少なくとも2番目にはしていただきたい。
 それから、次のページの方で「国と地方など」があるのですが、国の中の各省庁の推進の方向性とか連携が遅れているのではないか。まんべんなく全部の省庁にというよりは、例えば文部科学省とか、雇用に関係ある厚生労働省とか、そういうところは強調しつつ、今度ヒアリングなどをなさるときもどの省庁も平等に呼んで聞くというようなものよりも効果的かなと。
 それから、下から2番目の右の黄色のところに「メディアの効果的な活用」という言葉があります。この「活用」という言葉は、しばしば官僚の皆さんはお使いになるんですけれども、「活用される側」がどういうふうに思うでしょうか。嫌な気持ちがして、「活用なんかされてやるものか」と思うものです。協働とか、本当に一緒にやりたいのであればそういう言葉遣いを考えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
羽入座長
そのときのキョウドウの字は。
大熊委員
働くという字です。
羽入座長
ありがとうございます。では、林委員どうぞ。
林委員
2つのことを申し上げたいと思います。1つは、社会的に弱い立場にある女性に対する支援という点で、今、人権法の分野では複合差別ということが言われ出しています。女性差別撤廃委員会でも、今までは女性は女性であるということで同じ女性差別の被害者だといういわゆる本質主義的な言い方をしていたわけですけれども、やはり女性はクローンなわけではなくて、女性の中でもたとえば高齢者であるとか、障害を持った女性であるとか、同性愛の女性だとか、難民、外国人、先住民、被差別部落と、それぞれ違う問題を抱えた人たちがいるので、違う問題を持っている人にはやはり違った対処が必要ではないかということをもっと打ち出していこうという考え方が強くなっていると思います。
 ですから、男女共同参画を推進する際に、更に弱い立場にある女性への支援という視点がもっとクリアに出るべきではないかと思います。ですので、セクシュアル・マイノリティの問題もその中で扱われればと思います。
 セクシュアル・マイノリティの問題は女子差別撤廃委員会でも非常に大きな問題になっていて、そのことを取り上げると、今までジェンダー平等を支援していた人たちも離れてしまうという非常に難しい問題があるのです。そこはもう少し戦略的にどうやって位置付けていくかという知恵が必要なのではないかと思います。
 それから、もう一つは平和構築であるとか、あるいは途上国の女性支援といった点が、男女共同参画基本計画に必要ではないかと思います。国際基準を日本の国内にどう取り込むかということだけではなくて、日本の女性も男性も、世界の貧困であるとか、経済の発展ということに非常に大きな責任を持っていますし、またそういった状況を変えられる潜在力が私たちにはあると思います。
 今日の資料1の「現計画策定後の社会情勢の変化と課題」という上から2つ目の枠の中に「・」で少子高齢化、グローバル化という言葉が書いてありますけれども、この間、2001年に9.11があって、イラク戦争が始まって、テロリズムというのは貧困が温床になっているという見方が強くなっているにもかかわらず、日本のODAは最盛期に比べると4割近く減ってしまっているわけです。
 そういったことについて開発援助の問題というのをどういうふうにとらえるのか。平和構築の中で女性がどういう役割を果たしていけるのかといった前の計画になかった視点というのももっと入れていただきたいと思います。
羽入会長
ありがとうございました。
 帯野先生、どうぞ。
帯野委員
まず、現計画策定後の社会情勢の変化の中にひとつ、大きな変化として地域格差がますます大きくなっているということがあると思うのです。地域格差と女性がどういう関係にあるかというと、高学歴な女性が就業している地域というのはある程度経済も持続しているというか、活性化している。
 ところが、高学歴な女性がどんどん東京に一極集中することによって、ますます地方の経済が疲弊している。是非この地域の格差というものを一つの例として捉えて重点事項の中に女性による産業、地域経済の活性化を入れていただけたらと思います。
 私が常に地域経済界と女性について申し上げるのは、1つは、去年この委員会でも随分問題になった女性会館ですね。大阪では、センターをどうするかということをよく府の職員に聞かれることがあります。私がそれをどうするということを答える立場にはないのですが、なかなか自立の道を探っているといえ個人的には女性センターが経済的に自立するというのは難しいことではないかと思っております。
 そこで福祉的なアプローチといいますか、従来からの女性に対するアプローチというのも大切なことだけれども、やはりそこにもう一本、むしろ女性によって日本の産業を活性化するくらいの積極的なものを入れないと、共同参画への理解がますます薄まっていくのではないかという危機感があります。
 経済、産業、特に観光というものがありましたので、以前にも私は京都で女性による観光の活性化という例で申し上げました。もう一度申し上げると、男女雇用均等法以来、京都に来るのは20代男性から50代女性というふうに入り込み客が変わっていて、それを受けて女性たちのいろいろな飲食とかレストランなどの開発によって京都の観光が再生したと申し上げました。例えば、観光客が女性になることによって何が変わるかというと、今、京都の一番のお土産物というのは西利のお漬物なんです。女性というのは、日常を観光の中に持ってきます。
 何が言いたいかというと、そこで当然消費行動も変わってくる。しかし、最先端技術研究センターみたいなものが国の機関であっても、その多様性、女性行動、女性消費、こういうものを研究するような拠点というものはまだないのではないでしょう。そういう一つの例ですけれども、打ち出し方ですね。
 また、観光ということで大変気になるのですが、観光を学んでいる女子大生の数です。これは17年度の資料ですが、全国に33校の観光学部、学科を持つ大学があって、そのうち2校が非公開ですので残り31校の学生数が約3万2,000、そのうち1万3,000が女性で、6校が女性数を出していませんが、およそ半分が女子学生ということになります。ちなみに、私が観光を教えております和歌山大学では、学科で3回生、学部としてはまだ2回生ですが、全313人の学生のうち238名、76%が女性なのです。観光の専門的な知識を持った女性たちを社会に送り出したときに、どこでどう受け止めてくれるのかなと思うと、私は非常に彼女たちの就職先を心配しております。
 というのは、観光業界というのはまさに男性の業界であって、観光協会であるとか、旅館組合であるとか、いかにそこの役員の男性比率が多いかということはお調べいただいたらわかると思います。観光を消費するのが女性、それを提供するプロフェッショナルの女性たちが育ってくる。しかし、その戦略を書くのが男性。これは決して観光業界だけに決まったことではなくて、第3次産業すべてがそういう構図になっていると思うのですが、それで、この第3次産業が発展しないことには日本の経済の活性化というか、持続ある日本の活力というものが維持できないわけですから、是非ここのところを何かの形で新しい方向として打ち出していただけたら、可能であればそういうワーキンググループをつくって、そういうデータなども調査していただけたらというのが私のお願いでございます。
羽入会長
ありがとうございます。産業分野によって、男性の社会のところに女性が入っていける可能性があるのにそこを閉ざしているというようなことがあるとすれば、そういうことを議論する必要性はあるかと思います。
帯野委員
私はこの話をしたら30分くらい話しますが、いまだに大量生産大量消費の工業社会を経済界も意識しているというところで、産業というのは男性というふうに思っていただいてもいいです。ですから、新産業、新しい産業を育てないことには女性の活躍する場面はないし、それがなければ日本は発展しないということです。
羽入会長
ありがとうございます。恐らく、そういう視点では今回の重点項目のそれぞれに入らなければいけないところがあるのかと思います。
 先ほど松井委員の手が挙がっていたような気がしますが、いかがですか。
松井委員
私は流通という世界の会社にいるのですが、珍しく海外にはたくさん出ていまして、17か国くらいいるのです。それで、いろいろ行きますと日本だけ特殊でして、ほかはアジアもアメリカもヨーロッパも結構女性が活躍しているのです。ですから、店で働いていて幹部でというと、どちらかというと男性は余りいなくて、女性がいないと香港も中国も、あるいはイタリアも社会というか、店が回らないという構造に実はなっているのです。
 そういう意味からすると、本当に日本だけが特殊でありまして、なぜ特殊かをいろいろと考えてみたのですけれども、どうも終身雇用だとか年功序列だとか、ずらっと制度がありまして、ずっと男性を中心にきっちりと中で教育をしながら使っていくということで多分やってきたのだと思います。
 それそのものは悪くはないのですけれども、どうしても今、申し上げたような、皆さんが言っている構造がたくさん出てきまして、簡単に申し上げますと、その問題と男性の意識ですから、男性を特出しするということは大賛成でありまして、ここの意識を大なたを振るってばたばたやると会社は結構よくなるのです。ですから、そんなふうにしていただくのが1つです。
 それから、先ほど言いましたように、恐らくここら辺の働き方のところを大きく変えていかない限りはなかなか難しいと思っています。結構根深いのですけれども、そういった今、持っているような構造ですね。ここら辺に切り込んでいくといいかなと思っています。
 ただ、流れはものすごく変わっていまして、我々の日本の会社でも女性の管理比率というのは毎年上がってきますから、もう一歩のところまできていることは確かだと思います。多分、今の子どもたちがいろいろと世界に出て行きながら働いてくれる時代がくると思いますので、その辺のところを少し議論できるところとありがたいと思います。
羽入会長
ありがとうございました。
岩井委員
辻村委員もおっしゃったのですけれども、女性の学術分野への進出というものが是非必要なわけです。学術会議は会員の数の2割は女性にしようということで、その数は確保されたわけですが、それはすぐに研究者のポストを増やすというところまでにはいっていないわけです。ですから、女性の研究者になる機会というものをきちんと増やすことが、非常に能力のある人たちが海外に流出してしまう事態を回避することにも役立ち、日本の学術分野の発展のためにも必要なことだと考えます。
 それに、一種の学術分野かもしれませんが、スポーツの分野などもオリンピックの選手などは女性の方がずっと活躍しているわけですけれども、その指導者でありましたり、そこの組織の役員などはほとんど男性なわけですね。ですから、そういう活躍しうる女性のすべての健康とか、いろいろな分野への進出を確保するためにも、すべての学術分野における女性のポストの確保ということをひとつ課題として掲げる必要があるのではないかと思っております。
羽入会長
ありがとうございます。ほかにはいかがでございますか。
 先ほど松井委員もおっしゃいましたけれども、学術の分野では海外に行きますと女性がそんなに特別な存在ではないということをひしひしと日ごろ感じておりますが、ほかにいかがでしょうか。お願いします。
河野委員
2、3、感想と質問をさせていただきたいと思います。
 私の立場だと、特に産業の中でも企業のところになるんですけれども、企業の中でせんだってから出ている30%の指導的立場というのは非常に難しいと言えば難しいのですが、質問も兼ねるのですけれども、この重点項目の一番上に政策ですとか方針決定というものがありますね。
 これは通常、行政のところで私も見てはいるのですが、まさにさっき帯野さんがおっしゃった、企業であればそこそこ決定権を持つとか、ビジョンを政策するとか、具現化した事業展開のところで組織のありようが書けるとか、そういうところで女性が入っているか、入っていないかで全然違ってきますので、私の見方からすると一番上のところで企業の幹部というものが見えたりするのですけれども、企業の幹部としてビジョン構築などをする方がどこに入ってくるのかなと思うと、多分「推進体制」の上から2番目の企業というところにあると思うのですが、そこの「課題例」の中には何も企業が触れられていないのです。
 多分これはたたき台なので、これから考えろということかとは思うのですけれども、意思決定と前から言われている企業そのものの組織全体を動かすような立場の人たちについて、ここで少し言及することが非常に重要なのではないかと思いました。
 それからもう一つ、遅ればせながらですが、男性の特出しというのは私も大賛成です。大賛成なのですが、多分そこで出てくるだろうと思われる課題として、男性と言っても結局同じような列挙するようなテーマを抱えることになると思うので、この書き方の問題があると思います。ですので、男性と意識というところはあるのだと思いますけれども、この項目、重点事項が取りまとまったときに、もし可能ならばちょっと重い宿題なのですが、PPT(パワーポイント)1枚の概念図でひと目でわかるような、こことここは男女がかぶっていて同じ課題だけれども、ここは女性の課題は特別女性としては重いとか、言葉で言うとわかりづらいですね。困窮を抱えるとかと言っても、男性だっているよというふうになってしまうので、それが目で見て1枚でわかるようなものが出てくると、大変回りからの質問に対しても答えやすいのではないかと思いました。
 勝手なことを申し上げましたが、以上です。
羽入会長
1番目のところについて、局長からどうぞ。
板東局長
先ほど御指摘の政策・方針決定過程というものは、言葉は悪いのですが、これはいわゆるディシジョン・メーキングで、それは企業とか組織とか、いろいろなところに関わる話でございます。
 ただ、「政策・方針決定過程」と、「政策」というものが最初に出てきてしまうので、何か行政の話かな、政治の話かなというふうにちょっと誤解されたりしてしまうところがあります。
 それから、あらゆる分野に指導的地位と言っている中には、必ずしも組織の中の上の方にいる人というだけではなくて、例えばいわゆる専門職的な方の問題も入っていたりするというように、ある意味ではちょっと言葉が誤解を生むところもあるのかなと思います。
 それで、先ほどから御指摘がありますように、言葉がなかなか一般の人にぴんとこないとか、ちょっと誤解をされるとか、余りに一般的過ぎて心に残らないとか、そういう事柄も多いのかなという感じがしますので、計画は少し無味乾燥になってしまう部分もあるのかもしれませんけれども、こういった考え方とか報告、答申の取りまとめをしていくに当たっては、もう少しわかりやすい形にしていかないといけないのかなという感じはいたします。
辻村委員
この問題は以前から基本問題調査会で議論になっているのですが、この30%というのは確かに第1の領域だけではないのです。すべてに関係するところです。
 ところが、白書などを見ましても、第2次基本計画を見ても、ここのところだけに30%の問題が出てきており、政策・方針決定過程のところはまさに政治と行政と司法までしか書いていなくて、第2章で就業分野における問題になっており、企業の話は第2章の話だということになってしまっていますので、この辺りが非常に混乱を呼んでいるのではないかと思います。
 ですから、第1章にも当然企業の方針決定過程の問題が入っている、ということであると、ちょっと組み方を変えた方がいいかもしれません。それは逆に裏返して言いますと、例えばポジティブ・アクションの推進も絶えず政策・方針決定過程のところに出てくるのですが、私の理解ではポジティブ・アクションにはいろいろなものがありますから、まさに一番緩やかな両立支援などもポジティブ・アクションがあるということですと、ワーク・ライフ・バランスのところにもポジティブ・アクションがあるだろうし、さまざまなところにポジティブ・アクションが入ってくる。教育のところにも入ってくるでしょうし、社会保障のところにも入ってくるかもしれない。ポジティブ・アクションというのは別に政策・方針過程の問題だけではないのですが、その辺りが現在の組み方では誤解を与えるかなというように感じています。
伊藤委員
今のお話ではなくて、現在の計画についてですけれども、第2次では12番に「新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進」という形で立てていただいていて、そこに防災、地域おこし、まちづくり、観光、環境で、科学技術が入る形になってきたわけですけれども、これはすごくよかったと私は思っています。
 それは、先ほど帯野委員がおっしゃったように、観光の分野などにもある種の刺激にはなった。地方自治体の中で、観光協会の男女別の役員の表を出してくれと申し上げたことがあるのですけれども、出てこないし、ほとんど男性だろうということです。おっしゃるように消費者は圧倒的に女性になっているわけで、情報サービス分野での女性の活動に見合った形でのディシジョン・メーキングができていないのは明らかです。日本の経済の今後の活性化というときに、やはり女性が計画段階から参与していくのがすごく大切な分野だと思っています。
 ただ、これを次回にまた立てるのかどうかということです。これを散らして配置するのかどうか。今の岩井委員のお話で、これは本当は私がやらなければいけなかったかもしれませんが、スポーツ分野のお話が出ました。実は私は4年間、日本スポーツ社会学会の会長というものをやっていて、この間辞めたばかりです。ジェンダーとスポーツ研究をずっとやってきたのですけれども、スポーツの分野というのは女性の活躍が目覚ましい。しかし、日本のスポーツの協会の役員というのは圧倒的にほかの国と比べて男性勝ちになっているんです。オリンピックなどでも、実は選手団はほぼ今、男女同数です。ところが、役員を入れると男女比では圧倒的に男性が多くなってしまうような編成になっているわけです。これからスポーツ庁をつくろうなどという動きもあるようですけれども、例えばスポーツの分野、あるいは前回以来議論になっているメディアの分野なども、新たに取り組む分野として特出しすることがあってもいいのではないか。
 ただ、前回こういう形で出していますので、次回も同じような形で新たな分野という形で出すべきなのか。それとも、散らすべきなのか。この辺は議論しなければいけないところかなと思います。
 前回、出していただいたことで、科学技術の分野は先ほどからちょっと議論になっていますけれども、それなりに動きが始まっているわけですね。女性研究者支援の動きというのは始まっていますし、今回文科省の方はそれこそ公募で女性を採用するというところに関しては、サポートするというような仕組みで動き始めている。
 ただ、防災とか、観光とかというようなところではまだまだその動きが遅いわけです。そういう意味では継続して重点分野としては残すべきなのか。あるいは、先ほどから申し上げているように、例えば意思決定のところに分散させて入れていくような形でやっていくべきなのか。その辺のところは、計画の構成の問題として議論しなければいけないところかなと思います。
羽入会長
ありがとうございました。
 では、お願いします。
鹿嶋委員
私も同じような考え方で、今、重点事項が9つあるのですけれども、9つで多いのかどうか、少ないのかどうかです。
 さっき辻村委員も言っていましたけれども、政策・方針決定過程とエンパワーメントは似ているところがたくさんあります。それで、均衡処遇というのは上の方に持っていってもおかしくはないわけです。だから、この辺りでくくることが可能なのかどうか。更には、男性の男女共同参画とワーク・ライフ・バランスというのはある意味で共通項がたくさんあるわけですね。そうすると、ここもくくることが可能なのかどうか。
 一方で、くくってしまうと、特出しするということでのアピール力がちょっと弱まるということがあって、多少悩ましさはあるのです。
 だから、社会保障等々については多様な選択ですが、この選択などもさっきの言葉の問題ですけれども、これは生き方にするとか、なるべく読んでいてぴんとくるような言葉遣いをした方がいいと思います。その辺りは大した作業ではないのですが、私がずっと見ていて9つが多いのか、少ないのか。あるいは、やはり出してきた9つというのが平凡なものなのかどうかというのがいまひとつ悩ましいような状況で、なかなか判断がつきかねているところです。
羽入会長
ありがとうございました。
 それでは、坂本委員どうぞ。
坂本委員
私も男性のところを特出しした方がいいなと思って議論を聞いておりましたが、前の2次の計画を見ても、男女共同参画社会が実現することで、どのような明るい未来があるのかが見えにくい。このジャンルをよくわかっている人にとっては、計画がなし遂げられた後の社会の変化がイメージできるのでしょうが、一般人にとっては、そこがもうそろそろ示されないと、共感性を呼ぶには弱い気がします。
 ホップ・ステップ・ジャンプと考えると、3次計画は、夢の部分を、計画が実現されたら会社はこんなふうに変わるんだ、職場はこんなふうに変わるんだ、家庭生活はこんなふうに変わるんだというようなことを出すタイミングにきているのではないかと思います。重点事項というような形で出すのか。それとも、アウトプットのところで出していくのかというのは、検討が必要でしょうが、そのタイミングにきているのではないかと、今までの御議論も聞いていて感じました。
伊藤委員
大賛成です。実は2004年だったと思いますが、男女共同参画の将来像というものをつくっているんです。私もそのときに副座長か何かで一生懸命つくったのです。それは今、坂本委員がおっしゃったような2020年に男女共同参画をやるとこんなふうになりますよという割としっかりした提案でした。一部の保守系の新聞も結構評価してくれた。理由としては地域づくり、家庭づくりみたいなところに配慮したりしているということもあったのだと思います。
 そういうものを、おっしゃるようにどこかで提示する。せっかくつくったので、以前のものをもう少し活用していただきたいと思ったりもするのですけれども。男女共同参画を進めるとこうなりますよというような感じのイメージをやはりもっともっと積極的に出すべきだというのは大賛成です。
坂本委員
続けてすみません。重点項目で挙げていただいたところは、かなり男女共同参画が進んだことによって、リアルに変化が感じ取れる部分だと思います。
 ですから、それの変化を具体的な数字に落としていってはどうでしょう。例えばワーク・ライフ・バランスが取れるような生活になったら、夫も妻も帰る時間が早くなって、保育園のコストがこれだけ減りますよとか、トピックス的にそういうものを出していった方が、よりリアルに共感を呼んで、男女共同参画の推進のターボエンジンができてくるような気がします。
加藤委員
3、4点ですが、1つは第2次のところで設けた新たな取組分野、例えば防災とか災害とかを見ても、果たしてどれだけ男女共同参画の視点でこういった分野がこの間、取り組まれてきたのかということを見ると、ピンポイントとしてはいろいろな取組があるのかもしれませんけれども、面としての広がりはまだまだなのだろうと思います。
 第2次の新たな取組分野についてのフォローアップの時期が12月ごろに掲げられていましたけれども、そういった辺りの検証をした上で新たな取組分野として掲げたものを新たに第3次のところでも改めて特出しとして設けるか、設けないかというようなことは考えた方がいいのかなと。私は、第3次にも継承していくべきだと思っています。
 それから、冒頭に男性のところを特出しでというお話がございました。前回の資料にも御提案がございましたけれども、子どもの相対的な貧困率が我が国では上がっているというデータもございました。それから、男女共同参画を理解はしているけれども、男女共同参画の推進が本当に社会全体の安心につながるのだろうかと、不安を持っておられる方もいらっしゃいます。不安の中には、男女共同参画を進めるのはいいけれども、もしかしたら子どもが置いてきぼりになるのではないかと、こんなふうに心配をされている方もおられます。そういう問題意識の共有も含めて、総合的な視点から子どもの問題というものを男女共同参画のところでも少し切り出して考えていく必要があるのではないかと思っています。
 それから、大熊委員の御発言にも関連するのですけれども、推進体制のところで国と地方の整備というお話がございました。基本法のところで、参画会議が22条の4にこういうふうに規定されています。「政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を監視をし、及び政府の施策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響を調査をし」、次からが大事なのですが、「必要があると認めるときは内閣総理大臣及び関係各大臣に対して意見を述べることができる」。
 果たしてこの間、各調査会も含めて参画会議が大臣、関係大臣を含めてこういった意見を述べるということをきちんとしてきたのだろうかという思いが若干するときがございます。もし十分でなければ、それをやはり十分にしていく必要があると思います。それは、遠い将来の計画を充実させることと同時に、前々回のときにも発言いたしましたが、今、起きている問題にリアルタイムで参画会議や各調査会が対応していく。それから、もしかしたら政策の見直しだとか、あるいは人と予算の配分の見直しだとかということを、時期を逸しないで参画会議として発信をしていくことが若干弱いのではないかという懸念を私は持っています。そこのところの検証が必要だと考えております。国の役割、内閣府を始め、内閣府の中の連携、それから内閣府を基軸とした各省との連携みたいなことを、もう一度どこがつながっているのかも含めて検証することがとても大事だと思いました。
 それから、国と地方の整備のところで「具体的な取組等」にもしできたらお入れいただけるとありがたいと思うのですけれども、例えば新たな取組分野で2次に入りましたまちづくりとか、地域おこしとか、こういうところで女性も一生懸命参画をして地域づくりに携わっておられるわけです。この間、6月1日に国土交通省が街づくり大賞、大臣表彰もなさっていらっしゃるのですが、たくさん表彰をされる団体の中で女性団体は1団体だけでございました。
 それで、こういう評価をしていくところにもやはり男女共同参画の視点をきちんと盛り込んでいただく。内閣府の男女局は男女局できちんと官房長官あるいは総理大臣表彰というものを毎年お入れいただいていますけれども、各省でも男女共同参画の視点で評価をしていくということに改めてお取組いただけると、これはいいかなと思います。それこそ戦略的にこういうところは取り組んでいただきたいと思います。
 もう一つ思いますのは、メディアとのコミュニケーションが非常に不足をしている。この間ちょっと感じましたのは、例えば時の政権が今、重要視している、今回で言えば消費者庁という問題がありますけれども、こういう問題をメディアはすぐ書きます。一方、この間ちょっと問題になりました厚労省の分割などというところには男女局も入ったわけですけれども、これに対する反応は鈍いと思いました。問題が起きたときにコミュニケーションをとろうと思ってもなかなか大変なので、やはり日常的にメディアとのコミュニケーションを充実させていくという視点を、是非その取組の中に強く位置付けていく必要があるかと思いました。以上でございます。
鹿嶋委員
今の意見決定の話ですが、きちんとやっていますので、それだけちょっと言いたかったのです。
 監視・影響専門調査会は私が今、会長をやっているのですが、他の専門調査会もそうですけれども、例えば監視・影響調査ですと今まで国際規範の取り入れにしても、ジェンダー統計にしても、職務指定の緩和にしても、全部参画会議に上げてきちんと報告をしております。それで、意見決定すべきものはしてもらっていますので、基本法22条に基づく対応というものはきちんとしています。そういう疑問が出てしまうのはやはりアピール度が足りないのかもしれませんが、マスメディアは意見決定したからと言ってすぐには書かないのです。ただ、私たちがやっていることを多くの人に知ってもらうことが大事で、そのためにはどうすればいいかを、今、考えていました。
板東局長
今、御説明いただきました意見決定というのはいろいろ出ているんですけれども、恐らく加藤委員のお話でも、もっといろいろと出てきた現代的な課題、あるいは緊急に対応しなければいけないものへの対応が非常に遅いのではないかという御指摘もあろうかと思います。
 それから、今のお話のように決定はしているけれども、その後どうなったかというフォローアップが十分ではないのではないかということが我々としても反省としてございますので、昨年の今の計画の中間的なフォローアップをしていただいたときも、やはり監視・影響調査機能の強化ということがもっと必要なのではないかというお話がございまして、もう少し機動的に、それからきちんとフォローしていく形でやっていく必要があるのではないか。これは、今後の推進体制のところでも重要な課題だと思っておりますので、その点は受け止めさせていただきたいと思います。
大熊委員
女性記者はほぼ100%このことには同じ志を持っていると思います。理由は、厳しい場面に直面しているからです。いろいろなところを就職のときに受けるんですけれども、それまで大学時代は全く平等だと思って暮らしていたのに、そこで男女差別の壁にぶち当たります。やっとのことで女性に門戸を開いていた新聞社とか、そういうところに入ってくるものですから、骨の髄までこういうことには問題意識を持っています。彼女らがいるような面に書いてもらえばよくて、家庭面であるとか生活面とか、どこでも別に格が違うわけではなく、目立つように書いてもらえばいいと思います。そのように戦略を立てていただけたらうまくいくかなということでございます。
石川委員
私の今、研究しています健康政策分野からいきますと、WHOなどでヘルスプロモーションということで取り組んでいるわけですけれども、個人の行動を非常に重視して、それをいろいろな国とか地方公共団体がサポートするというようなシステムをつくり上げてきているわけです。したがって、この計画にも少し個人というものがこういうふうに行動してほしいとか、こういうことをやってほしいとか、こういうことができたら個人というのはこういうふうになるとか、そういったものを少し書き込んでいただければいいのかなという気はしております。以上です。
羽入会長
ありがとうございました。
桜井委員
私は2点申し上げます。
 1つは、最後の「監視・影響調査機能の強化」というところでございますが、ここに苦情処理の在り方というものがありまして、これは今、各自治体でほとんど機能をしていないと思っています。それで、8年くらい前ですか。この仕組みをつくるというので参加したことがあるかと思うんですけれども、今は各自治体で何件くらい苦情処理が出てきているかというと、ほとんどゼロとかというところが多くなってきてしまって、今、手を打たないとなくなってしまうと思っているんです。ですから、ここのところはやはりとても大事な機能なので今、何とかしないとまずい。結局それが政策の振り返りになるわけですから。
 それと連動して、大学でセクシュアル・ハラスメントの相談機関というものをつくっています。それから、大学ではなくて高校でもつくっているのですけれども、それが実質的に機能していない。実質的に被害者が救われていないということはどこでも聞きますので、苦情処理を訴えた人が救われるようなというか、それが具体の課題解決に向けての今度の第3次の一つの具現化するようなことになるのではないかと思いますので、この監視・影響調査のところは是非強化していただきたい。それは、ここの専門調査会だけでなく、あらゆる場面での監視・影響調査というか、苦情処理というか、そのことをお願いしたいというのが1つです。
 それから、もう一つは「女性のライフコースに沿ったエンパワーメント」で、私はこれは必要だろうと思っているのですが、例えば国連でも北京会議のときのようにガールチャイルドと言いましたか。10代の女の子たちですとか、成人していない、あるいは20代くらいも入るのでしょうか、そういう子たちのジェンダーのところでの問題をどこで取り上げるかというと、どこもない。先ほど、子どもの問題を取り上げるようにというふうにおっしゃいましたけれども、やはりガールズのことについてもどこかで触れないと、今は大変厳しい状況にあるのがようやく少しずつ顕在化してきたということがありますから、女性ニートは本当に家事手伝いになってしまって見えてこないけれども、大変な数でいることがわかってきていますし、そういうところですね。
 それから、あとは高齢の女性の問題も恐らくこの辺りで取り上げていかないと、ほかはないのではないかと思います。生活困難か、「女性のライフコースに沿ったエンパワーメント」かで、「女性のライフコースに沿ったエンパワーメント」というとらえ方の方が、先ほど何人かの方から出ていますけれども、ちょっと積極的に、前向きなところでのとらえ方が可能になるのではないかと思いますので、ここのところは是非残していただきたいと思っています。
羽入会長
ありがとうございます。少しずつ推進体制の話に後半はなってきていたかなと思うのですけれども、もちろん重点事項をどう議論するか。そして、具体的にそれを推進するための体制についてどう考えるかということ、リンクする部分が多くあると思いますが、もし推進体制のこの5つの項目について更に御意見がございましたらお願いいたします。先ほどから出ておりますように、1つは男女共同参画ということの実現によって、一体社会がどういうふうになっていくのかということをある程度私どもが示せなければいけないのかもしれないということを考えております。
 それも含めて、基本理念をどう描くかを固めた上で、重点事項を9つか、性質からいって2段階ぐらいになるかと思いますが、つまり分野は何を対象にするかということと、それからその場合にその分野を設定することの視点ですね。例えば男性、女性という視点で考えていくのかということ。そして、分野を考えた場合には子ども、そこに男性が出てくるのか、あるいはそうでないのかもしれませんけれども、子どもとか高齢者とか、あるいは先ほど出ていましたが、弱者といいますか、そういうカテゴリーでその分野を考えていくのかというようなことも含めて、その重点事項というものができてくるだろう。
 それに対して、推進体制は恐らく実施することとチェックすることが議論されなければいけないのではないかと考えておりますが、両者がうまい具合に並行して進んでいかないと、第3次としての計画の案の現実性といいますか、実現性といいますか、それが図られないのではないかという気がちょっとしておりますので、推進体制についてもここで今5つ挙がっておりますが、それについて少し御意見をいただけたらありがたいと思います。いかがでしょうか。
 もちろんほかのことで言い残していらっしゃることもあろうかと思いますので、お願いします。
鹿嶋委員
もちろん男女共同参画社会はこういう社会だと示すことは大事なことで、欠かせない作業だと思うのですが、やはり基本的なことはセカンドステージに入ったんだということを頭に置きながら議論をしていく必要があると思うんです。
 それで、男性については第1次、第2次からの引き続いたものになってくると思います。男性の理念、浸透、周知などというのは第1のものだと思いますが、セカンドステージでは何かというと、平たく言えばやはり我々の身近な問題、さまざまな新たな生活困難とか、いろいろな問題が出てくるんですが、そういう解決の一つのツールとして共同参画ということがあるんだということを知っていただくことが大事だと思うんです。
 共同参画に対して反発を持つ人たちがいた時期もあったわけですけれども、そうではなくてこのキーワード抜きには社会が抱える多くの問題が解決しないんだということが改めて基本計画の中で浮き上がるような形にすることが大切です。そして諸問題をくくる共通項とも言うべきキーワードが、セカンドステージという言葉かと思っております。
羽入会長
ありがとうございます。恐らくファーストステージでうまく発信できなかった部分があるとすれば、それを踏まえてセカンドステージを考えるということになるのではないかと思います。
 ほかにいかがでございますか。
辻村委員
「推進体制」の2番目に地方公共団体、企業、大学等の連携、ネットワークのことだけが記載されていますが、もう少し正面から、企業は、例えば社会的責任として男女共同参画を担う義務があるというような形で、例えば大学もそうですが、公的資金が入っている政党とか、そういったところも決して関係ないものではないということで書き込むことができないでしょうか。私は政党を念頭に置いていますけれども、これまで手付かずできている主体というものがかなりあるような気がするのです。これまではどうしても行政が中心で、ほかといろいろ連携をとってやっていきましょうという発想でしたから、そうならざるを得なかったのかもしれないのですけれども、本来男女共同参画社会基本法は10条で国民には努力義務、国と地方公共団体は責務が課されています。国民も法的責務ではないにしろ、そういう社会的責任を負うんだということは明確になっていますので、もう少し政党や企業などがこれについて主体的な責任感を持てるような形に持っていった方がいいのではないかと思っています。
 特に政党や政治団体などが地方で果たす役割は重要です。私はやはり地方議会の議員などが果たす役割は大きいと思うのですが、その女性比率が非常に低いということが、地域に浸透していかない大きな原因ではないかと思っております。その意味でも主体をもう少し明確にして、大学なども公的資金が入っているわけですから、もう少し主体的に取り組むべきだということを書き込んでいいのではないかと思います。
 その意見を前提にして、次のフォローアップのところにちょっと関係したいのですが、資料3で今後考えておられるのは各省庁にアンケートのようなものを流すというだけなのです。それは、確かに第2次基本計画の担当部署というものが国の機関だけになっているから、そういう発想になったと思うのですけれども、では自治体については総務省に代表して答えてもらうかということになりますね。さきほどから出ている苦情処理などもどうなっているのか等の問題には、やはり自治体に自分で答えていただくことも必要で、企業なども恐らく大きな企業であれば社会的責任ということがあると思いますから、例えばこの10年間でどういう変化があったのかということの意見を集約してもいいと思います。大学ももちろんそうですね。
 それで、今回はもちろん短期間では無理だろうということはわかるのですけれども、本当に国の機関だけにしてしまったらこの問題が非常に狭いところで終わってしまって、まさに先ほどから出ている個人の問題とか、企業の問題とか、そういうところに浸透していかないような、我々の方で自ら対象を狭めているような印象があるものですから、何とかならないかと思います。地方自治体などは、フォローアップはできるのではないでしょうか。
板東局長
2次計画のフォローアップということなので、そこも多少限界はあるのかなという感じはします。
 ただ、これからいろいろな分野ごとにワーキンググループをつくって議論していただきますが、その中にはいろいろな方にも来ていただいて、その実情とか課題の提起をしていただく。そこに、例えば企業とか、科学技術分野とか、医療とか、いろいろな分野の方々に来ていただいて、現状とか課題とかを語っていただくことは十分できると思いますし、フォローアップでどこまでやるのかという辺りだけではなく、全体の御議論の中では今、辻村先生が言っていただいたようなことは十分できるのではないかと思います。
辻村委員
そうですね。セカンドステージにするためには、かなり浸透させた方がいいかと思います。
伊藤委員
今の推進体制の話ですが、今日配っていただいたグリーンの資料の最後に女子差別撤廃委員会からの勧告に対するコメントが整理されています。これはある程度、次の第3次には活かさなければいけない。7月に新しい審査結果が出るわけですね。推進体制の3番目のところに書かれているのはそのことだと思うのですけれども、今、林さんがおられますが、第6回の報告審査をやはりきちんと受ける形の対応というものが必要になってくると思います。
 ただ、その場合、これも広報の問題と絡むかもしれませんが、残念ながら私たちは撤廃委員会の報告審査が出されるのにもかかわらず、ほとんどマスコミでその結果が読めない。国際的な動きが伝わらないという状況があると思うのです。局の方で努力していただいて、撤廃委員会の報告審査の結果についてはできるだけ広報をしていただきたい。できればマスコミに流していただくというようなことが、次の第3次をつくるときのステップの一つになるのではないかと思いますが、その辺の御配慮をよろしくお願いしたいと思います。これは、まさにこの推進体制の3番目に関わることだと思います。
林委員
関連してよろしいですか。今の伊藤委員からの御指摘、ありがとうございます。今、国連の条約ではどこもジェンダーの問題を非常に重視していますので、男女共同参画の問題は女子差別撤廃委員会だけのテーマではなくなりつつあって、むしろ国連全体がジェンダーメインストリームで、あらゆる条約審査の際にジェンダーの問題を必ず審査するようにということを言っております。
 例えば昨年の10月に自由権規約の日本政府報告書審査がありましたけれども、非常に男女共同参画に関わる部分が大きな比重を占めております。その悪い点だけではなくて、9年ぶりの審査だったのですけれども、過去9年間に起こった変化で、よい側面の中で男女共同参画社会基本法の制定であるとか、配偶者暴力防止法ができたことですとか、人身取引対策が進んでいることなどを取り上げられつつ、かつその懸念事項として女性の参画が少ない、あるいはそもそも差別の定義が憲法上も法律上もきちんとしていないとか、クォータ制の問題というものにもっと踏み込むようにということが繰り返し出されています。
 条約上は4条で暫定的特別措置は差別とみなしてはならないという書き方ですけれども、これは30年前の条約ですので、この30年の間の解釈というのは「差別とみなしてはならない」ではなくて、もっと積極的に暫定的な特別措置をとるようにというふうに奨励をしていると考えられると思います。
 条約上は暫定的特別措置(テンポラリー・スペシャル・メジャーズ)と呼んでいます。暫定的なもので永続的に続く措置ではないんだということと、特別な措置で、弱い立場にある人を支援していく措置だということを強調していますので、ポジティブ・アクションという片仮名を私たちが使うことがいいことなのかどうかということも含めて、検討の余地はあると思います。
 私は今回、推進体制の方に女子差別撤廃条約の個人通報制度のことについてもきちんと書いていただいたのは大変ありがたいと思っています。ただ、相変わらず研究を行っているということにとどまっているのがちょっと残念な気がいたしますけれども、少しずつ動きはあるようですので、何とかこの動きが、より現実なものになっていけばいいなと思っています。
河野委員
先ほどから出ている、主体と具現化したところというところは、私も特に企業ですとか団体のところは大賛成なんですが、1つ言葉をどうとらえたらいいのかと思っているものがあります。
 先ほど先生からCSRの話が出ていまして、ここがすごく大きな問題だと思っています。女性の活躍を推進するのをCSRでとどめてしまうことで、推進がよいのかというか、私がいるステージは戦略的な部分でして、例えば企業がイノベーションを起こさないと持続的な経営が可能ではなくなるので、イノベーションを起こすための手段としてダイバーシティであって、そのうちの一つに女性がいるので是非女性に活用、活躍してもらおうというところにくるので動きます。
 その中では、やはりアウトプットとして業績ですとか、何か目に見えるものがビジョンにないと動かしにくい。私は、セカンドステージということを考えると、やはり推進ということはとても重要だと思うので、そのときに少しここは整理しておく。
 ただ、まだまだ人権というテーマの中できっちりやっていかなければいけないところもあるのは事実です。ですので、その辺をどのように取り分けて、全部CSRに入れてしまうと企業が引いてしまうかなという気がちょっと現場でしましたので、その辺りもまた御意見を賜われればと思いました。
坂本委員
「地方公共団体、企業、大学、NPO、男女共同参画センター等との連携強化」のところで、辻村先生がおっしゃったように責務として入れるのもとても重要なことだと思います。
 ただ、この推進体制のこの項目に関しては、逆に鹿嶋委員がおっしゃったような男女共同参画をツールとして解釈して、どういう新しい創造ができるのかということに拡充できる一つの項目だと思います。
 ですから、ここでは「多様な主体によるネットワーク化」とだけしか今のところは書かれていないですけれども、ここで議論をしたり、情報交換をしたり、グッド・プラクティスを出し合ったりして、何かフィードバックされていくものを具体的に生み出すようなところまで踏み込んだ推進体制づくりができる方がいいのではないかと感じました。
松井委員
この推進体制のところで、私のところは企業ということですから、その立場で少しお話を申し上げます。
 例えば、この女性の活用が進まなかった理由は、下駄をはかせたりいろいろやったんですけれども、やはり5時にいなくなってしまうと困ってしまうのです。男性は、5時にいなくなる人を部下としてメンバーに加えるというのはものすごく抵抗がありまして、5時に帰る方も非常に気が重いのでうまくいかない。こういう感じでずっときていたのです。
 今はそれが少し変わりまして、企業の中で生産性という概念が大分入ってきました。そうすると、6時まで頑張って仕事をする人と、6時間で5時には上がって同じような仕事をする人では、どうも5時に帰る人の方が価値があると、こんな雰囲気に少しずつなってきたのです。それで、今は残業もなしということで帰してしまいますから、そうすると余計長時間で働いていた男性の立場がだんだん弱くなるのです。企業ですから、どうしても効率というものを追求しないとしようがなくて、これはほかの企業と闘っていますからしようがないのですけれども、結局今、申し上げたように生産的概念が入ってきて、短時間で効率よくばんばんやってくれると、これは非常に会社にとってはありがたい存在に実はだんだんなってきています。そうすると、回りの意識も大分変わってきまして、実態が意識を変えてくるという構造に今きているのだと思います。
 もう一つは、その仕組みで下駄をはかせるのではなくて、自ら育つような仕組みを入れていくというのが一番大事だと思っておりますけれども、企業そのものはどちらかというと独裁的な体制ですから、ものすごく効率的にぴんといくのです。
 ただ、経済団体としてはこの手のものがテーマになることはほとんどありませんから、そういうことからするとまだ意識がそういうところまでいっていないという実態なんだと思います。
 いずれにしましても、どう落としていくかということが一番大事だと思いますから、是非経済団体とか企業ですね。恐らくそういう機運と土壌が今はかなりできていると思いますから、そういう実態に変えていくようなアプローチをすると、これは相当変わってくるように今はなっているんじゃないかと思っております。
船木政策企画調査官
CSRということに関して、実は今Cが取れてきます。ISO26000版でSRの議論がもう既にというか、ずっと始まっていて、少し予定から遅れぎみではありますが、多分今年度中ないしは来年には暫定的にかもしれないですけれども、合意を見るということになって、Cは当然コーポレートといいますか、企業なのですが、社会的なある団体、組織、さまざまなものにSRが問われるという状況になっていく中で、もう企業だけの話ではないということになるので、CSRの議論というよりは団体における存在としてのSRということで、要は大学もNPOのすべての問題はそうなのですけれども、組織として新しい個を担う団体としてのSR、それから企業の戦略としてどちらかというとダイバーシティの観点が非常に強くなると思うのですが、イノベーションなりの競争戦略としてのダイバーシティをいかに確保していくかという話になって、CSRはどっちつかずの話に今後なっていく。実は、もうそろそろ社会的にはそういう状況が出てくるので、多分これが策定されるころにはそういう話の平仄が合ってくるのかなと、ひとつ備忘の話としてお伝えをしておきたいと、今の議論を聞いていて感じました。
 もう一点は、メディアのことに関してちょっと戻ってしまうのですが、メディアが大事であるということはコミュニケーションの観点から非常にいろいろ議論されていたかと思うのですが、1点だけ、私はマスメディアと一応基本的にはカテゴライズされる会社から今はこちらの方でお世話になっているのですけれども、こちらは新聞の出身の方々が多いのであれですが、例えばテレビとか制作の現場は女性の方々が働かれてはいらっしゃるのですが、選択する場合にはこの番組にしようとか、これをこういうふうに編集してつなごうとか、そういった場面、ないしはその意思決定、これはポジティブ・アクションのところと同じ話なのかもしれないですが、メディアの紙面構成をされたり、番組構成をされる意思決定のところに実は女性の方がなかなかいらっしゃらない。
 私の代理店というか、広告会社に関しましても役員クラスに全く女性がいないわけで、ようやく部長にできましたというような状況なのですが、影響力がそんなにはないのだろうと感じるわけです。
 何を申し上げたいかというと、存在していないことによる、要は不在による、女性が現場にいないことの無作為の作為ということでしょうか。もともと持っている男性目線による物事の切り取り方で垂れ流される情報を日々、日常生活の中で皆さんが見ているという状況は、プリズム効果ではありませんけれども、非常に大きな問題なのではないかというのが、私がここに1年半くらいお世話になって非常に感じることです。
 ですから、対象化するメディアということもあるのですが、ロジスティックスというか、切り取るメディアということにおいてもこのテーマは非常に重要な問題なのではないか。いかによいメッセージをつくって切り出しても、加工されるプロセスの中でちゃんと伝わる構造になかなかなっていないこともあるということで、ロジスティックスとしてのメディアというとらえ方も実はメディアに関しては必要なのではないかと感じているところでございます。
 ちょっと長くなってしまいましたが、以上です。
羽入会長
ありがとうございます。
 多分まだ御発言の足りないところはたくさんあると思いますけれども、今回御議論いただきました中で、やはり第2ステージという鹿嶋先生の御指摘にございますように、その意識を持って臨んでいくということが大事ではないかと思います。その際にやはり男女共同参画という理念をもう一度見直すということが大事だと思います。
 それを具体化するときにどういう問題が生じているのかということを重点事項の中でカテゴライズして、そしてそれを実現可能にするため、具体化するときの推進の仕方として推進体制というものがもう一枚ございます。その推進体制の中に何を盛り込むかということをイメージしていくといいかという気がしております。
 そのときの推進体制ですが、前回も今回もどういうふうにメディアに発信するか、あるいはメディアのみならず一般的にどう発信するかというのが非常に重要な問題になっていたと思います。したがいまして、ここの推進体制の中にある一つ、下から2番目がそれに当たるかと思いますけれども、啓発、実践的取組というようなところに、例えばメディアの発信の仕方、あるいはコミュニケーションの取り方というようなことを考えていってもよいのかなという気が今ちょっとしております。
板東局長
先ほどからいろいろいただいた御意見の中で、やはりこの中で十分表現できていないかと思いますのは、先ほど帯野委員からも加藤委員からもお話があったのですが、例えば地域づくりとか、産業経済とか、そういうところを活性化していくというところに関して、もっともっと女性の活躍が重要だ。それを促進していこうという辺りの話が比較的この中の位置付けで弱いかなという感じがいたしました。
 わりあい、女性の側からのエンパワーメントという話は出ていますが、社会の側から見て女性が活躍してくれることにより、こういうふうに活性化していくということを先ほど男女共同参画社会の姿としてもっと提示したらという話がございましたけれども、この計画の中でもやはりそういうものですね。例えば、先ほどの科学技術、学術の話とか、観光の話とか、あるいは医療などもそうだと思いますし、それから防災とか、そういった地域の安全の基盤づくりというところもそうだと思いますけれども、そういった社会経済の活性化にもっと女性の活躍をと、これは例えば社会的起業でまさにNPOとか、場合によっては株式会社の形態をとったりするものもありますけれども、そういったいわゆるコミュニティビジネスとか、ソーシャルビジネスといったところも非常に女性が活躍し始めている。
 それが、社会とか地域というものを変えようとしている部分、あるいは足りなかった部分を大きく問題提起してきていることがあるかと思いますので、その辺りをセカンドステージとしてもう少し出していった方がいいのかなという感じが、皆様の御意見を聞きながらちょっと不十分だったかと思いましたので、またその辺りは強化させていただく必要があるかと思いました。
羽入会長
ありがとうございます。
 セカンドステージとしてもう一つ私が感じましたことは、やはり国際社会がどうなっていて、それに対して日本の男女共同参画がどういう位置付けにあるのかということを意識していくことも、今回盛り込むべきことかと思っております。
 御議論をまだ進めるべきかと思いますけれども、時間もそろそろまいりました。この議論は、今回はここでおしまいにしておきたいと思います。
 事務局から御連絡等がございましたらお願いいたします。
塚崎推進課長
どうもありがとうございます。次回でございますけれども、6月29日月曜日の15時から、今回と同じこの会場での開催となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
羽入会長
それでは、長時間御議論いただきまして誠にありがとうございます。第44回の基本問題・計画専門調査会を終了します。誠にありがとうございました。

(以上)