男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成21年6月29日(月) 15:00~17:00
  • 場所: 内閣府庁舎3階特別会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
    会長代理
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    委員
    家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
    石川 哲也 神戸大学大学院教授
    伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
    岩井 宜子 専修大学大学院教授・副院長
    大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
    岡本 直美 日本労働組合総連合会副会長
    帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
    勝間 和代 経済評論家・公認会計士
    加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
    清原 桂子 兵庫県理事
    河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
    桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
    佐藤 博樹 東京大学教授
    辻村 みよ子 東北大学大学院教授
    林 陽子 弁護士
    松井 忠三 株式会社良品計画代表取締役会長(兼)執行役員

(議事次第)

  1. 今後の課題と方向性及びワーキング・グループの編成について
  2. NWECフォーラムにおけるワークショップ出展について
  3. 自由討議

(配布資料)

資料1
答申の構成について(案) [PDF形式:139KB] 別ウインドウで開きます
資料2
ワーキング・グループ(WG)の論点例等(案) [PDF形式:155KB] 別ウインドウで開きます
資料3
今後の調査会及びワーキング・グループの進め方(案) [PDF形式:84KB] 別ウインドウで開きます
資料4
NWECフォーラムにおけるワークショップ出展について(案) [PDF形式:90KB] 別ウインドウで開きます
資料5
基本問題・計画専門調査会(第43回)議事録(案)
羽入会長
皆様、お暑いところ、お忙しいところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ただいまから、第45回「基本問題・計画専門調査会」の会合を開催いたします。まず、今日の課題は、議事次第をごらんいただきますとおわかりいただけますが、今後の課題と方向性について議論をいただき、ワーキング・グループの編成を考えてまいりたいと思います。そのほか、NWECのフォーラムに関係するもので少しお諮りしたいことがございます。
 資料1「答申の構成について(案)」についてですが、この答申の構成について、事務局から御説明いただいた後、全体について皆様の御意見を伺いたいと思います。そして、それに関連して、資料2以降にワーキング・グループ関連の内容が記載されておりますので、全体を踏まえ、その後で個々のワーキング・グループの議論すべき論点について、皆様の御意見を伺いたいということで進めさせていただきたいと思います。
 まず、事務局から、資料1「答申の構成について(案)」を御説明いただきます。よろしくお願いいたします。
塚崎推進課長
それでは、初めに、資料1「答申の構成について(案)」を御説明させていただきます。これまでお配りしていた資料の下半分の部分を詳しくしたものでございます。
 前回の調査会におきまして、重点事項、推進体制について御議論をいただきましたが、その重点事項と推進体制の項目を盛り込んでおります。その上で重点事項と推進体制のうち、関連するものを一緒にして、各ワーキング・グループで御議論いただくというワーキング・グループの編成(案)をお配りしています。
 後半の3つは、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会、女性に対する暴力に関する専門調査会、監視・影響調査専門調査会の部分でございますけれども、議論していただくのはこちらのテーマからすると、それぞれの調査会で御議論いただくのが適当ではないかということで、専門調査会で御議論いただくという形にしております。
 ただ、主に各ワーキング・グループで御議論いただくということでございまして、特に推進体制の方につきましては、全てのワーキング・グループで重畳的に御議論いただくことになるのではないかと思っております。
 前回の調査会でも御質問がございましたけれども、重点事項と現行の計画でいいますと、12ある重点分野との位置づけがわかりにくかったのではないかと考えまして、このペーパーで整理をさせていただいているところでございます。
 重点事項の方でございますが、こちらは総論の部分で、将来を見据えた今後の方向性、あるいは今後男女共同参画行政としてどういうことに取り組んでいくのか、重点的な課題となっていくのかという事項であると位置づけているところでございます。
 現行の計画におきましても、お机の上に現行の計画を置いておりますが、男女共同参画基本計画(第2次)の第1部の2~3ページ目のところでございますが、マル1~マル10ということで、現行の計画でも重点事項を挙げているところでございます。
 現行の計画ではこのように簡単に触れられているだけですけれども、今回御議論いただいています3次計画では、今後の方向性を打ち出し、わかりやすく国民の皆様あるいはメディアに伝えるということが大切だという御意見をこの調査会でもいただいていますが、次期計画では、この重点事項の部分を充実させて、わかりやすくメッセージ性のある計画にしたいということで考えているところでございます。
 それに対しまして、重点分野の方でございますが、もう一度資料1にお戻りいただきたいと思います。下の薄緑の部分でございます。「今後重点的に取り組むべき分野の達成状況・評価・今後の施策の基本的方向と具体的な取組〔各論〕」とございますけれども、各論ということで、政府で実施していく具体的な施策を分類していくものとして、重点分野というものを考えているところでございます。もちろん現行の12の重点分野を変えるということはあり得るのですが、この重点分野の方をどのように編成していくかということにつきましては、総論の御議論とは別途、今後の現行施策をフォローアップしていただくという予定がございますが、そうしたフォローアップの議論も踏まえて、後ほど御議論いただきたいと考えているところでございます。
 総論部分では、このように今後の方向性、今後取組むべきことを重点事項として盛り込んでいただきまして、またそれぞれの重点事項の関連、あるいは推進体制との関係も触れながら、今後の方向性を打ち出していただければと考えているところでございます。
 資料1につきましては、以上でございます。
羽入会長
ありがとうございます。
 今、御説明いただきましたように、この答申の全体的な構成について、ここである程度方向性を固めたいと考えております。特に今日御議論いただきたいのは、黄色い枠の中に入っております重点事項、推進体制にのっとったワーキング・グループの作成でございますが、今、課長から御説明いただきましたように、私たちが今、第3次の計画として考えるべきことは、第2次の計画の中で記されていた重点事項をより具体的にわかりやすく示していくということが基本的にございます。
 そこで、まず全体の構成について御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
桜井委員
お尋ねしたいと言う方がいいのかもしれませんが、重点事項というのは、第2次の目次の第2部に1~12の分野がありますね。それとは違って、重点事項として置いて、分野の方は今のお話ですと、余りいじらないということでしょうか。これからの議論ということですか。
塚崎推進課長
これからの議論ということでございます。
 ただ、別途ということで、重点分野と重点事項は別のものということです。
桜井委員
そうしましたら、重点分野についての議論も、どこかでなるべく早くしないとまずくないですかね。
羽入会長
おっしゃるとおりで、私は前回も重点分野ということを合わせて考えてきたように思います。少し御説明をいただきましたときに、この重点事項を主にということになっているようですけれども、重点事項を踏まえながら、分野をどう分けていくかということを並行して考えていく必要があるのではないかと思います。
 ですので、今回ワーキング・グループを幾つか立上げる方向を考えますが、そのときにやはり今後どういう分野を重点的に分けていくのかということを併せて考えていく必要があるのではないか。ただし、そのときの基盤といいますか、議論の出発点になるのは、12分野としてあったものをどういうふうに考えていくかを議論していくのがよろしいのではないかと思いますが、事務局はそのようなことでよろしいでしょうか。
塚崎推進課長
はい。
羽入会長
まだ御質問がありますか。
辻村委員
ただいまの御議論は、重点分野と重点事項の関係についてのものでした。これにつきましては、例えば重点分野として第11に入っている国際的協調に関する問題が重点事項の中には入っていません。なぜ重点分野に入っているものが、重点事項に入っていないのかなど、わからないことがありますので、やはり重点分野と事項の関係をもう少し明確にしなければいけないと考えました。
 もう一つは、重点事項と推進体制の関係なのですが、この図によりますと、例えば「男性にとっての男女共同参画」のところに風土や意識の問題が記載されていて、政策・方針決定過程のところは推進体制と直結したものはないわけですね。
 ところが、例えば女性のエンパワーメント、女性のチャレンジと言いましても、これは決して女性の問題だけではなくて、意思決定過程に女性を増やすためには、それと相関関係にあります例えば人事権を持った企業の代表など男性の意識が変わらないとなかなか困難です。
 そういたしますと、重点項目の「女性のエンパワーメント」のところには、推進体制が何も書いてなくて、男性の受入体制や意識の問題が、「男性にとっての男女共同参画」の項目だけに入っているなど、重点事項と推進体制の関係も少しわかりにくいかなと思いました。
 本来は重点事項と推進体制のところは少し間を開けて、さらに推進体制のところは、例えば国際的協調の項目でしたらすべての重点事項にこれが関連しているという図にすれば、多少ともわかりやすくなると思います。やはりこの図だけがひとり歩きしますと、いろいろな誤解を呼ぶおそれがあるのではないかと危惧いたしましたので、御質問させていただきます。
羽入会長
ありがとうございます。その点について私の理解を申し上げてよろしいですか。
塚崎推進課長
では、よろしくお願いします。
羽入会長
先ほど御説明いただきましたけれども、そもそも重点事項と推進体制というのは、何をするために何を体制として持つということでは恐らくなくて、推進するのはこの大きな目標があって、それを推進させるということだと思いますし、そのときに何を議論するかというのが左の方で分かれているわけですので、この横線のつながりといいますか、横の一連のものというのは少し切り離して考えるべきではないかと思います。
 この赤い部分は推進体制として、例えば上から2番目の「男性にとっての男女共同参画」について、特に推進体制としてはこういうことを考えることになるだろう。けれども、推進体制という風土の改革とか気運の醸成ということは、どの重点事項に関しても考えられるべきことだという御発言だと思いますし、それは当然のことだと思います。
 したがって、ワーキング・グループをつくる際に、主に何をテーマにし、どのような推進体制を持っていこうと考えるのかという、言わば重点を置きたいところを事務局ではこのような横組みになさったのではないかと思いますので、わかりやすくするためには、やはり左(重点分野)と真ん中(推進体制)は少し切り離すべきではないかとも思いますが、いかがでございますか。
塚崎推進課長
会長に言っていただいたように、推進体制の部分は全部の重点項目と関わり合いがあるので、あくまでも主にそこのワーキング・グループということで、全部関係して、それぞれのワーキング・グループでそれぞれ話し合いが出てくると思いますし、重なる部分がかなり出てくると考えています。ただ、整理の仕方としてこういう形にしているということです。
 重点事項と重点分野の関係ですけれども、重点分野はあくまでも具体的な施策を分類するということで、ちょっと切り口が違う話として重点事項を挙げておりまして、例えば教育なり雇用の分野そのもの等、今の重点事項にはなっていないものがあるのですけれども、含まれていないということではもちろんなくて、それぞれの重点事項に入っています。
羽入会長
どうぞ。
板東局長
重要だと思われるポイントの中で、中身自体が重要なものと、推進体制の強化という両方の話があるということで掲げてあるのですが、ここの2つを分類してしまっているのと、それをワーキング・グループでどう議論するかというのを併せて入れてしまっているので、確かにわかりにくいなと思います。ですので、この資料はこれから御議論いただく上での参考程度にしていただいて、また工夫をさせていただければと思います。
 いずれにしろ、やはり何が計画の中で具体的なポイントとして重要かというところが、重点事項及び推進体制の問題として挙げられているかと思いますし、それを施策に整理していく上でどういう分け方をしていったら一番いいのか。例えば女性の活躍の促進というのも1つにまとめるのか。あるいは幾つかの分野に分けるのかといったところが重点分野の問題としては出てくるかと思いますし、そういった最終的には施策はどれぐらい中身が出てきて、そしてどのように分けて打ち出していったらいいかというのが、この重点分野の分け方の問題になっていくのかなという感じがいたします。
 これは今、なかなか整理し切れない問題かと思いますので、むしろどういったところを重要なポイントとしてこの計画の中に考えていくべきなのかという、推進体制も含めて、重点事項全体に当たる点をいろいろ御議論いただいて、それをワーキング・グループの中でどう議論していくのかという次の段階の話に持っていくことが必要なのかという感じがいたします。
 いずれにしろ、ここの資料については、今日の御議論も踏まえて、今後十分に整理させていただければと思います。
羽入会長
桜井さん、どうぞ。
桜井委員
重点事項と推進体制というのはマトリックスの関係ではないですかね。だから、こういうふうに関連付けるのだとすれば、縦軸、横軸でやっていった方がいいかなと思いました。
鹿嶋委員
多分言葉が紛らわしいんですよ。「重点事項」と「重点分野」と言っても、どう見たって紛らわしくて、しかも重点事項というのは、第2次基本計画ではちょっとしか書いていないのです。それで重点事項だと言われて、では何なんだという話になってくるんですが、実際に地方でこれを使う人たちは、重点分野の方なんですよ。重点分野に何が盛り込まれているかということが先にありきであって、重点事項というのは、その中から特出ししているわけです。
 だから、本来の議論は重点分野の議論だけれども、それは実際にはあり得なく、非効率的な話なので、まず重点事項からということなんですが、重点事項という言葉を変えることはもうできないんですか。要するに、一般の国民から言えば、重点事項と重点分野と言ったって、基本的に言葉の差別化がなされていないから、これからもかなり混同する議論は出てしまうと思いますね。どうすればいいですかね。
板東局長
とにかく今までの計画はわかりにくいではないか、読みにくいではないかという御指摘はそのとおりだと思いますし、今、御議論がありますように、重点事項と重点分野はどう違うのかと言われてもなかなかわかりにくい。ただ、これは最終的にどういう言い方をさせていただくのか、ポイントとして重要なところを幾つか強調したい部分ということを一応重点事項と言っていると思いますけれども、最終的にわかりやすい形で構成して、体系化していく必要があると思います。
 議論の最初から答申の構成になってしまっているというのは非常にわかりにくいかと思いますので、余りここの部分に入り込み過ぎないで、次の各分野のお話に持っていっていただいた方がいいのかなという感がいたします。最終的にどういう形で構成していくのかということを工夫していただければと思います。
羽入会長
ありがとうございます。こういう手順になるのではないでしょうか。
 つまり、これまで第2次の計画がなされてきた。それに対して、第2ステージにどのように取り組むべきか。そのときに重点的に我々が議論するのは何かということでこれまで進めてきたのではないかと思います。
 そこで今回のワーキング・グループの案が、言わばその議論のポイントとなる点と考えていく。ここで議論をしていった後で、では施策としてどういう分野に関連した具体的な方向性を答申とするのかという順序で議論していくのでよろしいのではないかと思いますけれども、それでよろしいですか。
 そうしますと、そのつもりで議論したわけですけれども、今まで2回にわたって議論してきたことがそのまま生かせる。したがって、今回の議論は、主にここに提示されています8つのワーキング・グループの分け方について、皆様の御意見をまずいただき、そのときに左の方の重点事項や推進体制をごらんいただく。つまり、このワーキング・グループでは何を議論することになるのかということを少しイメージしていただいて、そしてこの全体といいますか、黄色い部分(総論)の下の方をごらんいただくということになるのではないかと思います。
 今、皆様にお諮りして、御議論いただきたいのは、一番右にあります8つのワーキング・グループの分け方及びテーマについて、まず伺いたいと思います。それでよろしいですか。
塚崎推進課長
次の資料に、そのワーキング・グループで論じていただく点について、いろいろ具体的に書いてございますので、そちらの方も併せてお考えいただいた方がいいかと思いますので、先に説明させていただいてもよろしいですか。
羽入会長
それでは、事務局からの御説明を伺うに当たって、暫定的に事務局案として8つのワーキング・グループを提案いたしましたが、そのときに単に単独にあるわけではなくて、左の推進体制及び重点的に議論すべき内容を踏まえたワーキング・グループの論点であるということを念頭に置いて、これからの事務局の説明をお聞きいただきたいと思います。お願いします。
塚崎推進課長
それでは、資料2をごらんいただきたいと思います。まず、全体の構成につきましてお話しさせていただきます。
 先ほどの資料1と見比べながらごらんいただきたいのですけれども、例えば初めの「女性活躍推進法WG」につきましては、ページの右上に書いてございますとおり、重点事項としては、政策・方針決定過程への女性の参画の促進と女性のライフコースに沿ったエンパワーメントの2つの重点事項を御議論いただくということで案をおつくりしているところでございます。
 他のワーキング・グループについても同じように、右上に御議論いただく重点事項、推進体制を挙げております。そして、それぞれのワーキング・グループにつきまして、重点事項ごとに課題例、具体的な取組等を挙げているところでございます。
 一番上の課題例の部分と具体的な取組例の初めの黒い丸の部分につきましては、前回お配りした資料でお出ししたものに前回の御議論を踏まえて手直しをしたものでございます。今回の資料では、それに加えまして、新たに論点例として、幾つかそれぞれの各ワーキング・グループについて挙げているところでございます。前回、前々回の御議論を踏まえて、ワーキング・グループで具体的に御議論いただきたい論点の例として、論点例を挙げております。本日の調査会では、特にこの部分を中心に御意見を賜れればと思っているところでございます。もっとこうした点を論点として取り上げるべきである、あるいはこうした考え方、視点が重要であるという御意見をちょうだいできればと思います。
 前回の調査会で、男女共同参画を推進することでどのようなメリットがあるのかをはっきりさせることが大切という御意見がありました。各ワーキング・グループの最後の部分でございますけれども、ワーキング・グループで書いてあります取組を推進することで、想定される将来像について、「人権の尊重」、「個人の能力発揮、経済社会の活性化」、「多様性の確保」、「持続可能な安心安全な社会」の4点に整理して、それぞれについて見込まれる効果を整理しているところでございます。
 それでは、それぞれのワーキング・グループで具体的に御議論いただく論点例について御説明させていただきます。ワーキング・グループの課題、具体的な取組の初めの黒丸の部分につきましては、先ほど申し上げましたとおり、御意見を踏まえて、見直しをしたものでございますので、説明につきましては割愛させていただきます。また、将来像についても、かなり各ワーキング・グループで共通する点も多いと思われますので、説明は割愛させていただきたいと思います。
 まず、女性活躍推進法WGでございます。
 この部分につきましては、先ほど申し上げましたとおり、1つは政策・方針決定過程への女性の参画をどのように促進していくかということが取り扱う重点事項となります。
 それにつきましては、1ページ目の論点例をごらんいただきたいのですけれども、2020年までに30%という目標を掲げているところでございますが、これに関しまして、2015年、つまり3次計画終了の年までに中間的な目標を設定すべきであるのか。設定するとしたらどのような数値目標とすべきか。
 また、公務員あるいは研究者などにつきましては、中間的な数値目標が立てられているところでございます。例えば公務員につきましては、22年度ごろまでにⅠ種事務系3割。これについては採用内定の数値ですけれども、今年度前倒しで達成をしているところでございます。また、登用については、本省課室長相当職以上の割合を来年度末までに少なくとも5%という、来年度までの目標が立てられているのですけれども、これに関しまして、新たな数値目標を設定するのか。設定するとしたら、どのような数値目標とすべきかという問題がございます。
 3番目は、女性の参画加速プログラムにおきまして、活躍が期待されていながら進んでいない分野としまして、医師、研究者、公務員を挙げているところでございますが、このように重点的に取組む分野を新たに設けるべきか、設けるとしたら、新たにどのような分野を取り上げていくべきなのかという課題もございます。
 4番目は、特にPTAなどが典型的な例と言えるかと思いますけれども、多くの分野において、支える側に女性の数が多いのに比しまして、意思決定過程に女性が少ない社会的構造の転換を図る方策についてどのように考えていくか。
 あるいは調査会においても、観光など、第3次産業の分野について御意見をいただきましたけれども、女性が地域における産業に参画することによる地域経済の活性化をどのようにアピールし、女性の参画を促進していけばよいか。
 また、医療、科学技術などのそれぞれの分野における女性の活躍を推進する上での有用なアプローチについて、NPOなどの社会的活動など、幅広いキャリアを積極的に評価し、再就職や地域活動といった新たな活動につなげていくための手法について。
 ネットワークの形成ということで、世代間において意識の違いが見られますけれども、そうした世代あるいは地域、分野を超えてネットワークを形成し、連携協働していく方策について。
 社会的起業やNPOをどのように支援し、あるいは行政という観点から、協働という視点も非常に重要だと考えられますけれども、どのように協働していくべきかということを挙げております。
 2ページ目では、このワーキング・グループで御議論いただきたいと考えております2番目の重点課題である女性のライフコースに沿ったエンパワーメントの論点例を挙げているところでございます。世代、局面に応じた支援が求められるところでございますが、一番初めの論点例としましては、世代ごとにどのような支援ニーズがあるのか、各世代を通じて、総合的に支援していくためにはどのような体制が必要か。例としましては、キャリア形成、再チャレンジ、健康を挙げているところでございます。
 2番目でございますが、労働者が性別により差別されることなく、意欲と能力に応じて働き続けることができる雇用環境の整備。
 均衡処遇の確保、希望する者の非正規から正規への転換。
 在宅勤務など多様な働き方の普及。
 特に再チャレンジについて言えるかと思いますけれども、人生の各段階を通じて、女性が希望に応じた就業をかなえられるように、どのような支援や仕組みが必要であるか。
 資格取得あるいは研究業績の蓄積などにおきまして、通称使用ができないことが職業生活にもたらしている支障とそれに対する対応策。
 地域に根差したNPO活動などを例として挙げておりますが、高齢女性の能力発揮をどのように拡大していくか。
 子どもの問題につきましても、前回の調査会でもたくさん御意見をいただいたところでございますけれども、性暴力、児童虐待への対応、キャリア形成、男女共同参画に関する理解や健康に関する理解など、どういう支援が子どもに対して必要かという論点も挙げているところでございます。
 次に、男性・広報WGでございます。
 重点事項としましては、今の案では、男性にとっての男女共同参画。推進体制につきましては、風土の改革・気運の醸成、いわゆる年代層への意識啓発と実践的取組について主に取り上げていただくということで考えているところでございます。
 論点例は、1点目としまして、男性にとっての男女共同参画の意義としてアピールできること。男性が自分の問題として男女共同参画の問題を認識するための効果的なアプローチ、女性の参画だけではなくて、男性が少ない保育士などの分野への参画の促進。
 健康や自殺、単身高齢者など、男性に関わる問題への対応策というものを挙げております。
 また、これとも関わりがございますけれども、女性のライフコースに沿った支援と同様の支援といたしまして、男性につきましても、世代ごとの支援ニーズあるいは支援体制についてということで論点を挙げているところでございます。
 下の部分でございますが、2番目の課題についての推進体制の部分の論点例としまして、1つは括弧の中に例として書いてございますが、男性が育児など家庭に参画することについて、社会全体の理解がまだ得られていないという状況がございます。そういう理解の醸成あるいは意識の改革。
 また、男性が地域社会に参画する際のきっかけづくり、あるいはよく男性が地域社会に参画する場合、企業の縦社会をそのまま持ってきてしまうという傾向が見られるところでございます。そうした男性の地域参画に当たっての意識改革や学習機会の提供といった、地域や家庭における男性の活躍を促進する環境づくり。
 先日もごらんいただきましたとおり、20代の女性において固定的役割分担意識に賛成される方が30代や40代よりも多いという傾向がございます。こうした若い世代の意識の現状も踏まえつつ、若年層への効果的なアプローチを挙げております。
 4ページ目は、男女共同参画の問題について、メディアあるいはほかのさまざまな主体との協働やコミュニケーションの充実をどのように図っていくかという課題。
 男性あるいは若年層など、これまで男女共同参画に関心が薄かった層にもわかりやすくメッセージを伝える方策について。
 メディアが男女共同参画の意識に与える影響は非常に大きいと考えられますが、そうしたものの分析。
 子どもの意識の涵養としまして、学校や家庭においてどのように男女共同参画の意識あるいは自立の意識といったものを育てていくのか。
 最後のところでございますが、男女のための新しい社会変革という男女共同参画社会実現の意味を誤解なく伝え、新たな流れをつくっていくための方策についてということで挙げているところでございます。次に、地域WGでございます。
 こちらは、重点事項につきましては、地域における男女共同参画の推進。推進体制につきましては、主に国と地方の推進体制の整備充実、地方公共団体、市場、大学、NPO、センター等との連携強化について主に御議論いただくということで、今、考えているところでございます。
 論点例でございますが、1点目につきましては、第2ステージの具体化のためにどのような仕掛けづくりが必要かという点でございます。
 地域における男女共同参画の視点に基づいた取組が点に留まっているという御指摘が前回もございましたけれども、点から面に広げていくためにはどのようにしたらよいか。
 地域における男女共同参画推進を担う人材をどのように育成し、そのキャリア形成を支援していくべきか。
 実践的な活動を各地域の特色を生かしながら展開していくためにはどのようにすればよいか。
 地域全体でワーク・ライフ・バランスを進めるなど、多様な立場の人々が活動に参加しやすい環境をいかに整えていくかという点。
 これも先ほどの活躍促進WGと共通する点かと思いますが、女性が地域における産業に参画することによる地域経済活性化をどのようにアピールしていけばよいかという点を挙げているところでございます。
 国と地方公共団体の一層の連携強化という点につきましては、地方公共団体における推進体制の充実、関連施策の着実な推進、特に市町村を含め、地方公共団体と国の連携強化を進めるためには、どのような仕組みが有効であるかという点、男女共同参画センター等の役割ということを挙げております。
 6ページ目でございますけれども、多様な主体による連携協働、地方公共団体、企業、大学、NPO、センターなどの連携強化という面に関しての論点例としまして、地域活動、そのほかの社会活動、社会的起業を促進する新たな仕掛けづくりの方策。
 企業や政党といった多様な主体が、自ら男女共同参画に主体的に参画する仕組みをいかに進めるか。
 3番目としましては、センターのコーディネート機能の充実・強化。
 世代や地域や分野を越えてネットワークを形成し、連携協力していく方策。
 男女共同参画センターの中でも、それぞれのセンターの強みというのは違ってくるかと思われますけれども、それぞれのセンターの強みを生かして、センターの間で連携協働をどのように図っていくかという点も挙げているところでございます。
 次に、健康WGでございます。
 男女それぞれの生涯を通じた健康支援について。
 論点例のところをごらんいただきたいのですけれども、健康支援について、各年代や男女でどのようなニーズあるいは支援体制が必要かという点。女性特有のがんなど、男性も女性もそれぞれの性差に応じた性差医療が求められているところでございますけれども、そうした性差医療を本格的に推進するためには何が求められるのか。特に国民や医療関係者に対して、性差医療についての知識をどのように普及していくかという点。
 痛ましい事件もありまして、緊急対策も既に始められているところでございますけれども、周産期医療・救急医療体制の充実、産科医不足に対する対応等、安心安全な出産を実現するための取組。
 例のところに挙げておりますが、学校における適切な性教育の推進や発達段階において、妊娠・出産についての情報提供をするなど、妊娠・出産などのライフイベントに対する理解の促進。
 個人の行動指針を示すなど、個人の行動を機軸とした健康に向けた取組をどのように進めるかという点。
 女性の生涯を通じた健康づくりについて、国民全体に対する普及啓発ということを論点例として挙げさせていただいております。
 8ページ目が、国際WGでございます。
 こちらについては、論点例のところでございますけれども、1つ目としましては、先進国の中で批准をしていないところが日米の2か国となっている状況の中で、選択議定書の批准に関する検討が課題になっていますが、このような課題を含めまして、国際基準を国内にどのように取り込み、定着させていくべきかという点を挙げさせていただいています。
 途上国の女性に対するエンパワーメントや人道支援等、平和構築や経済発展に資する支援への取組。
 環境問題など地球的規模の課題において、男女共同参画の視点に立った取組をいかに進めるか。
 人身取引を例として挙げさせていただいていますけれども、そうした具体的な課題に対応するため、国際的ネットワークづくりなどの連携協働をどのように進めるか。
 男女共同参画について、2国間あるいは多国間、国際機関等いろいろな場があるかと思いますけれども、我が国としての発信をどのように進めるか。
 グローバリゼーションの中で国際結婚も増えてきているところでございますし、日本国内の外国人の数も増えているところでございますが、在日外国人女性とその子どもに対する支援をどのように進めていくか。
 男女共同参画センターやNWEC(国立女性教育会館)等の国際的連携協力をどのように進めていくべきかという点を挙げております。
 次は、ワーク・ライフ・バランスに関する専門調査会についてでございます。
 真ん中に論点例として挙げております。
 仕事と生活の調和とキャリアアップを同時に実現できる働き方はどのように確立していくか。
 女性の非正規雇用比率が高い現状を踏まえて、多様な働き方の間での均衡処遇をどのように進めていくべきか。
 男性の家事・育児参加をどのように進めていくべきかという論点を挙げているところでございます。
 10ページは、女性に対する暴力に関する専門調査会でございます。
 こちらでは、女性に関する暴力のいろんなテーマを挙げているところでございます。
 論点例のところをごらんいただきたいのですけれども、配偶者暴力の被害者の安全の確保、保護ももちろん大事なのですが、加害者から逃れた後の自立した生活に向けて支援をしていく自立支援策というものが非常に重要になっていまして、そうした自立支援策をどのように充実していくかという点。
 DV法などの改正におきましても、身近な市町村の役割は非常に強化されたところですけれども、市町村レベルの取組をいかに進めていくか。
 現在、若年層を対象とした男女間の暴力の予防啓発の教材などをつくっているのですが、加害者や被害者にならないように、こうした予防啓発をどのように進めていくかという課題。
 4点目は、先日もゲームソフトの問題などが出てきたところでございますが、国際社会でも問題視されているバーチャルな分野における性暴力の表現について、どのようなアプローチが可能かという課題。
 子どもに対する性暴力への対応をどのように進めていくべきか。
 配偶者暴力防止あるいは被害者支援について、例えば長い目で見た場合に、今後の市町村と都道府県の役割、あるいは現在、被害者の一次保護を行う婦人相談所については、売春防止法が基礎となっていますけれども、そうした基本的な点も含めまして、配偶者暴力に対する取組を総合的・効果的に進めるために、長期的な視点から現在の体制を見直す必要がないかという点。
 女性の対する暴力の根絶に向けての効果的な広報・意識啓発の在り方。
 現在も裁判員制度との関係でも、いろいろ問題が出てきているところでございますが、被害者支援のいろいろな過程を通じて、性犯罪被害者のプライバシー保護、あるいは2次被害の防止をどのように図っていくかという点を挙げているところでございます。
 最後、監視・影響調査専門調査会でございます。
 こちらにつきましては、真ん中の論点例をごらんいただきたいのですけれども、税制・社会保障制度など、我々の生き方の選択に大きな影響を持っているさまざまな社会システムがございますが、どのようなシステムがそうした選択の中立性を阻害しているのかという点。その改善に向けた対応について。
 固定的性別役割分担意識を変えていくための取組。
 論点例の下の部分でございますが、生活困難を抱える人の増加に対応して、若年期からのキャリア形成の充実や自立支援の充実のための教育領域と職業領域の連携。
 女性や若者の生活困難な背景にある非正規雇用者の雇用や処遇をめぐる問題に対応するために、均衡処遇の確保、あるいは非正規雇用者のセーフティネットの機能の強化。
 3点目は、さまざまな支援制度のはざまで支援が十分に行われないケースに対応するために、個人を一貫してフォローするような支援の仕組み。
 12ページは、監視・影響調査機能そのものについての強化の具体的な方策。
 予算が男性と女性それぞれに及ぼす影響について検証するジェンター予算を日本に適用するための課題は何かといった論点を挙げているところでございます。
 このようにそれぞれのワーキング・グループについて、将来を見据えてどういうことを進めていったらよいかという論点例をいくつか挙げさせていただいていますが、御意見をいただければと思います。これも踏まえて、ワーキング・グループの編成につきましても、御意見をちょうだいできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
羽入会長
ありがとうございました。今、御説明いただきましたのはワーキング・グループの論点例についてですけれども、まずはこの全体的なワーキング・グループのつくりについて御意見がおありでしたら、それを御指摘いただき、そしてそれに続けて、各ワーキング・グループで論点例が書かれていますけれども、それを御議論いただきたいと思います。そのときに、ワーキング・グループの右上に重点事項と推進体制がございますが、先ほどの議論を踏まえて、この中で主に重点事項ということに着目していただくとよろしいかなと思います。
 まず、ワーキング・グループの全体的な構成について、御意見がおありでしたら、どうぞおっしゃってください。
 勝間委員、どうぞ。
勝間委員
質問ですけれども、男性・広報WGというのは、男性のみの広報をするのですか。それとも全体の広報をするのでしょうか。
塚崎推進課長
全体の広報になります。
 男性にとっての男女共同参画という課題と、広報全体について御議論いただくということで今、考えております。
勝間委員
わかりました。
羽入会長
今、最も広報すべき内容は、意識改革、意識啓発であり、そのときの中核になるのは男性だろうということで、こういうワーキング・グループにしてくださったようなのですけれども、勝間先生何かございますか。
勝間委員
その割には、重点項目だけで広報の部分が弱かったので、そのバランスがちょっと悪いなと思ったのです。これをあえて一緒にする必要があるのか。私は広報だけ別立てにしてもいいのではないかと思うのですけれども、そちらはいかがでしょうか。
羽入会長
皆様の御意見はいかがでしょうか。うなずいていらっしゃる方がいますね。
 河野委員、どうぞ。
河野委員
全体の中での広報は、まだまだ地方に行くと男女共同参画について知られていない点が多いのは否めない事実なので、広報は大事だと思います。そして、広報の中の一部として、今後、男性のテーマをポイントアウトするのはいいと思います。ただ、広報と男性と一緒にするというのは、取り扱うテーマとしての大きさなどから、何ともいえないのですが、ちょっと違和感があります。といっても、それぞれを独立させるのも、無理があるように思えるので、対応策が出せずに意見だけ申し上げて、申し訳ありません。
 また、ワーキング・グループの議論のペーパーの見方のところだと思うのですが、将来像のところでまずビジョンを出していただいて、ありがとうございました。この将来像ですが、すべて定性的なものなので、例えば定性的なもののみにするとしたら、その評価はどうするのかということと、無理なのはよく存じ上げての上ですが、何か定量的なものは夢として掲げられないのかなというのが、難しいかもしれないですが、ひとつ意見としては残しておきたいなと思っています。それでないと弱いような気がします。
 もう一つは、ワーキング・グループをいろいろ考えていった結果、クロスして出てくるものというのはどのように処理をするのか。例として中教審の中で算数とか国語とかいろんな教科に分かれておりますが、それ以外に特別として、共通する委員会が後からできました。私もそこに所属させていただいたのですけれども、何か今回いろいろ重なってくる部分についてどのようにするか、先に対策だけをしておいた方がいいかなと思いました。
 最後に質問なのですが、国際のところでGEMの数値のことが必ず出るんですが、これについての数値目標というものは、調査会として持つのですか。賛否があるのはよくわかっているのですけれども、何もなくて頑張ろうというよりは、何か目標があった方がいいように思って、あえて意見を出しました。専門家の皆さんに御意見を伺えればと思います。
羽入会長
ありがとうございます。いくつか御指摘がございましたけれども、1つ目は広報でした。広報を別のワーキング・グループとして1つ立てるのかどうかということと、先ほどの議論にございましたが、例えば推進体制の内容というのは、それぞれのワーキング・グループで考えるべきではないかという議論がございましたが、つまり推進体制のような形で、それぞれのワーキング・グループで広報について検討するということを共通事項にするということはいかがかなと思います。広報だけで1つのワーキングというのもあるのかもしれませんけれども、それに関してはいかがでしょうか。
 鹿嶋委員、どうぞ。
鹿嶋委員
私は、男性と広報は一緒にしていいと思っているんです。最大の理由は、もうセカンドステージに入るということで、いわゆるファーストステージから引きずってきている問題の中で大きな課題は、男性の意識の変革です。どういうふうに男性が共同参画を理解して、男女共同参画社会にすんなり溶け込んでいくかということなのです。
 そうなってくると、広報というのは、言葉から言えばいわゆる周知するものですから、第1ステージのものをかなり引きずるものなんですよ。これはメディアの話とは違いますからね。だから、そういう意味では、男性を変えてということになってくると、やはり広報が独立しているよりは、むしろ男性とセットにする。
 そのほか重なっているところはいろいろあるんです。例えば地域問題にしても、やはりどういうふうにこれを地域の中に下ろしていくかというのも一種の広報なのですね。ということで、いろんなところに重なっているんですけれども、広報は広報で独立させるのは、むしろ第1ステージ型であって、第2ステージ型は男性とセットにしておいた方がアピール力があるのではないかというのが私の意見です。
羽入会長
加藤委員、どうぞ。
加藤委員
私は広報というのは川下の話ではなくて、総合的にどこの分野についても広報は重なるわけですので、ワーキングとして切り出す必要があるかはわかりませんけれども、推進体制の中で広報は位置づける話なのだろうと思います。広報こそ戦略的にどう組み立てていくのかが重要ではないかなとも思います。
 以上です。
羽入会長
ありがとうございます。
 佐藤先生、どうぞ。
佐藤委員
ちょっと遅れて来たので、ちょうど入ってきたときに重点事項と重点分野の話をされていて、また蒸し返すようですみませんが、今回重点事項ごとにワーキング・グループができています。それぞれの重点事項、例えば男性・広報WGということであれば、1つの考え方は、12分野を通じて、男性にとっての男女共同参画という点で検討するとういう整理であれば非常にわかりやすいですね。ところが、重点事項と重点分野は重なっている。多分議論されていて、生涯を通じた健康支援というのは、そのまま重点分野ですね。重点事項にあって重点分野にないのは、多分男性にとっての男女共同参画と地域における男女共同推進と生活困難。それ以外は全部重点分野にあるのですね。
 ですから、もう一つの方向は、重点分野ごとに重点事項を考える。例えば重点分野5の男女の職業生活と家庭、地域生活を両立支援という重点分野について、重点事項が幾つあるのか。例えば男性についての男女共同参画について考えるというのであれば、どちらかでやらないとすごくわかりにくいかなと聞いていて、多分事項ですから、それぞれの分野ごとのウェートは別にして、重点事項を考慮して考えろというのであればわかりやすいかなと思います。
 逆であれば、重点事項を先に出せば、それぞれの重点事項で12の分野を考える。つまり、男性にとっての男女共同参画は男性・広報WGであれば、12重点分野ごとに男性にとっての男女共同参画をどう進めるのかと検討するというなら、1つ整理の仕方なんですが、議論されたのだと思うのですけれども、その辺が今やっていますので、ワーク・ライフ・バランス専門調査会で頼まれるとすると、どういう議論をしていいかはわからないんです。
 例えば「仕事と生活の調和の実現」としたときに、その中で地域における男女共同参画とか、男性についての男女共同参画とか、あるいは方針決定の参加という議論も併せてするということだったらわかるんですね。ですから、ここは重点事項というか、重点分野として依頼されて、この後、仕事と生活の調和と言ったって、生活困難を抱える人がいるではないですかと。この人たちのワーク・ライフ・バランスは何という。つまり、これを重点事項と置き変えたときです。
 ですから、5のところの重点分野を担当しろと言われて、それをこの重点事項の視点から検討しろと言われれば、やりようもあるかなという気もするのですけれども、今日伺っていて、その辺は整理しないとやれないかなという気がしました。
羽入会長
ありがとうございます。
 佐藤先生がおっしゃったのと逆の方向で今、進めようと考えてきておりまして、おいでいただく前の議論はそのような方向になってしまったんですけれども、必ずしも矛盾しているわけではなくて、この会合での議論、調査会での議論は今回3回目ですが、重点事項というのが恐らくここで出た議論の整理なのだと思います。それに基づいて、今回ワーキング・グループが提案された。
 ですので、このワーキング・グループで議論する際に、佐藤先生がおっしゃったような12の重点分野について議論してくださいということだったらわかりやすいというお話なのでしょうか。
佐藤委員
そうすると、私は逆でもいいと思います。結構重点分野として重なっているので、逆にいくとすると、例えば重点事項の仕事と生活の調和実現という点で12分野を見るということでいいですか。それでやるということですか。
羽入会長
はい。
佐藤委員
わかりました。それが合意できていればいいと思います。
羽入会長
佐藤先生がこのワーク・ライフ・バランスのところでお持ちになって、議論なさると思うのですけれども、恐らくそれで議論がしやすいでしょうか。
 事務局としては、前提をごらんになっていると思うので、どちらが議論しやすいか。
佐藤委員
私は例えば逆の方がわかりやすいかなと思っていて、分野として仕事と生活の調和ですね。それを、生活困難の問題とか、地域での問題とか、あるいは国際化の問題と言われた方が、議論の仕方としては検討しやすいような気もするんです。
鹿嶋委員
私の理解は、多分重点分野が先なんですよ。重点分野というのがあって、その中から何が重点項目かというのをピックアップすることが、まず大事だと思います。だから、作業としては、具体的にはそちらから始まるのですけれども、それは物理的に無理だから、まず重点項目というのを過去の例から取り出していって、新しく加えるものは何かといったようなことは、重点項目の中の議論をして、後で重点分野に落とすという理解をしているのですが、どうですか。
佐藤委員
つまり、今の鹿嶋先生のお話だと、重点分野と重点事項は実は一緒で、重点分野からより大事なものを抜き出したと考えればよいというのであれば非常にわかるんです。それなら私はそれでいいと思います。
鹿嶋委員
それでいいんですよね。
羽入会長
それでよろしいでしょうか。その方が議論はしやすいのかどうかということですね。
塚崎推進課長
そのような理解で大丈夫です。
羽入会長
そういうことというのは、どういうことかをお話いただけますか。
鹿嶋委員
要するに、重点分野が本来はあるけれども、それは後に置いておいて、重要だと思われるものをまずピックアップして、そして重点事項として議論をしておく。そして場合によっては、新しいものは後で重点分野に落とすということでいいのですね。
塚崎推進課長
はい。
羽入会長
多分重点分野に落とすということに抵抗があると思うのです。つまり、我々はここで議論をしたものを具体的な施策の中に生かしていっていただかなければいけない。そのときに、具体化する際に、分野とどう関連させるかということになるのではないかということで、先ほど私は申し上げたのです。
 したがって、会長の特権というか、独断で進めさせていただいてよろしければ、今まで議論をしていただきましたように、重点事項を念頭に置いてワーキング・グループをつくる。そのワーキング・グループで主にその重点事項について考える。更に推進体制についても同時に検討しておく。そして、ワーキング・グループで考えられたものを具体的に具体化する際に、重点分野との関係を議論するというのではいかがでしょうか。
辻村委員
もしそうだとしますと、この重点事項の中に例えば国際的協調のことが何も入っていないというのでは、検討できないことになってしまいますから、重点事項にやはり国際社会における男女共同参画の実現に向けた取組とか、何か、国際WGのところに書いてあるような内容を重点事項に入れる必要はあるでしょう。
羽入会長
先ほどから議論がございましたように、これはもう別の様式に書くべきかなということでしたので、今、私たちが注目したいのは、ワーキング・グループの分け方です。そして、そこで重点事項の何を検討するかということだと思います。
鹿嶋委員
私はそうは思っていないです。違うのではないですかね。
 要するに、重点分野と重点事項がほぼ同じになってしまう危険性があるわけです。それらは違うんですよ。重点事項は重点分野の中でも、重点分野というのは施策ですから、その中で大事なものをピックアップして、キャッチフレーズ的に挙げてきているわけでしょう。そうすると、国際的というのはもちろん大事なんですけれども、それもその感じで挙げていくと、重点分野と重点事項というのはほとんど一緒になってくる可能性があるのではないですか。ある程度大胆に取捨選択していかないとね。
林委員
私も辻村委員と同意見です。1つの考え方の切り口として、地域から見ていく、国際的視野から見ていくというものと、イシューごとに例えば健康問題とか、教育問題というのは少し別な話だと思うのです。
 だから、もしも重点事項を中心にやっていくということであれば、「国際」はここに入らないと。雇用の問題についても、メディアの問題についても、日本から発信していく、あるいは国際社会から日本をどう見られていくという視点が、これからの計画には必ず必要だと思います。
羽入会長
それほど皆さん違ったことを言っていないような気がしておりまして、今、辻村先生もおっしゃってくださったように、今回のこの調査会は、国際と男性というのを特にこの中に入れるということがあり、あとは広報ですね。それを中心的に置くということがあったと思います。
 このワーキング・グループの立て方、ワーキング・グループをこういう形にして議論していいか。国際に関しましては、国際WGの説明のところにございますけれども、そこで国際的な日本の地位についても議論することになるだろう。そうすると、当然国際WGの中で、重点事項に掲げるべき事柄が議論されてくるだろうと考えます。
 つまり、ワーキング・グループではここの重点事項にあること以外考えてはいけないということではないと思います。そこで問題にするべきことをピックアップして考えていくということが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
板東局長
恐らく重点事項という名前の付け方が誤解を生んでいるのだと思います。
 それから、例えば推進体制と重点事項は何が違うのかというと、推進体制のところで書いてあることは枠組みに関しての重点事項なのだと思います。だから、これは分けたところから多少誤解があるのかなという感じもしますので、重要なポイントとしては、左の重点事項に書いてあるものと推進体制のところに書いてあるものが、それぞれ重視しなければいけない事柄として出ているのではないかと思います。だから、重点事項、推進体制、重点分野という分け方自体がかえって誤解を生むことになっているかと思いますので、基本的には後で整理させていただくとして、今、どういう固まりで議論をしていったら、この基本計画の中身を議論していくのにふさわしい分け方なのかというところで御議論をいただいて、その中で重要だと思われる事柄、あるいは重要だと思われる分野というのは、後でどう構成をしていくかというところで、最終的にはここの部分は整理をさせていただくのかなと思います。
 先ほど佐藤委員御指摘のように、どういう分け方、議論の仕方をしたら効果的に議論を進められるのかという観点から御議論をいただければいいのではないかと思います。
羽入会長
ありがとうございました。ワーキング・グループで何を検討するかということで、今、局長がおっしゃってくださったような形で進めたいと思いますが、先ほどから御指摘の広報をどういう位置づけにするかということがございましたが、もう一つは、将来像として数値目標を掲げるかどうかということがございましたけれども、これについては事務局のお考えはございますか。
塚崎推進課長
現行の計画をごらんいただきたいと思います。128ページのところにまとめてございます。
 数値目標をいろんな点について掲げているところでございまして、具体的に数値である程度目標をつくっていくということは大事なのではないかと考えているところでございます。
羽入会長
そうすると、この将来像というのも恐らくワーキング・グループで議論をしていくのだろうと思いますけれども、そのときに数値目標を入れるということが方向性としては考えられる。
 そうすると、もう一つ残りますのは、広報をどういうふうに位置づけるかということだと思います。
 鹿嶋先生、どうぞ。
鹿嶋委員
そのまま離してもいいのですけれども、資料3を見ますと、我々はワーキング・グループを1つか2つは担当するんですね。そうなってくると、あまりワーキング・グループを増やしてしまうと、たくさん担当しなくてはならなくて、物理的にだんだん不可能になってくるので、くくれるものはくくってやっておいた方が、合理的にできるのではないかなというのが私の意見です。
 もちろん、皆さんの意見で男性と広報は将来外してもいいのですけれども、それはまとめの段階ですから、議論の段階では一緒でもいいのかなという感じです。
清原委員
初めて出席させていただきます。兵庫県理事の清原でございます。よろしくお願いいたします。
 今の広報のお話ですけれども、この重点分野、重点事項の話なども、私などが地元に戻って進めないといけないのですが、なかなかわかりにくいなというのが正直な率直な気持ちです。いろんな概念を入れれば入れるほどわからなくなってしまいます。
 兵庫県は560万県民。都市部から郡部まで全部持っておりまして、全国の縮図と言われていますが、男女共同参画についての一般的なとらえられ方は、「男性も家事・育児をせよ。女性を登用せよ。セクハラしてはならない。」この3つになりがちで、男女共同参画というものがパターナライズしてとらえられているものですから、地域などにおきましても、介護や子育ての問題も深刻な状況があるのですが、志あるメンバーのネットワークを進めても、はね返ってくる部分がある。男女共同参画という言葉も、画数も多く、非常にわかりにくいのですが、なかなかいい日本語がありません。
 その意味で、将来像の中で人権とか活力ある経済社会と言っても、なかなか浸透しにくい感じがします。
 でも、今回将来像の中に「持続可能な社会」~少子高齢、人口減少社会下で、持続可能な安全安心な社会(安心安全よりは、私たちは安全安心と「安全」を先に取り組んでいます)~これが入ったのは非常にいいと思います。
 医師不足なども、まさしく男女共同参画の問題なので、昨年の医師の国家試験合格者に占める女性割合は34.5%です。しかも30代の女性医師が2割出産・育児で離職する。そのことも医師不足の問題につながっているわけで、この問題は、医師の分野で先行的に出ていますが、今後すべての分野で出てくるんですね。女性がきちんと社会の担い手になれないと、社会そのものが存続していかない。そのことが少子化にも拍車をかけていくということになります。
 そういう意味で、やはり今回非常にわかりやすいものにしていく必要があるのではないかと思うのが1点です。
 広報というワーキング・グループについても、非常に抽象的なところで、真空パックの中の議論になってしまうと、実効性がどれほどあるのかなという感じがむしろします。
 ですから、広報については、地域WGでも健康WGでも国際WGでも、すべてのWGで広報の問題を入れてくださいよということが必要なのではないかということを感じます。
 2点目は、もう一つやはりすべてのワーキング・グループの中できっちりと議論をしなければならないのは、推進体制の問題ですね。第2ステージへと言っているわけですが、協働の具体的実践をともにする中で意識も変わっていくということを私どもも大変痛感しております。(地域WGでNPOだけが出ていて、地域団体というのが出ていませんが、テーマでつながるNPOと地縁でつながる地域団体というのを、両方言うべきかなと思いますので、「地域団体・NPO」と言わせていただきますが)地域団体・NPO、あるいは企業、労働組合、大学というさまざまなセクター、職域団体である医師会や看護協会、民生児童委員連合会など、さまざまな組織がありますので、こういったところと具体の実践をともにする中で意識も変わっていく。しかも、男女共同参画については、国に男女共同参画局があり、すべての自治体に担当課があり、拠点施設の男女共同参画センターが数百あるのです。これらの資源を有効に活用し、地域WGのところだけでコラボレーションをやるのではなくて、もちろん健康についても、国際についても、男性のことについても(今、全国の男女共同参画センターはこの問題に非常に取り組んでおります)、コラボレーションの具体的実践をすすめていく。第2ステージというのは、やはり国民の一人ひとりに見せていかないといけない、実感してもらわなければいけないと思いますので、その意味ですべてのワーキング・グループの中で推進体制の問題をきちんと議論していくことが必要なのではないかというのが2つ目です。
 今回の計画づくりにつきましても、それを策定していくプロセス、例えば全国縦断リレーフォーラムのような形で、各自治体はいろんな形でのフォーラムを持っておりますから、そういうものでどんどん議論していってもらうとか、あるいは医師会などのような職域団体と一緒に協働のフォーラムをやっていくとか、策定のプロセスを最大限広報にも、現実を変えていく力にも使っていかなければならないなと思います。
 最後に3点目ですが、やはり具体的に前に進めていこうと思いましたら、例えば待機児童なども兵庫県で905人が今年度当初出ております。ですが、一方で保育所の定員削減が485人出ています。都市部では待機児童が出るけれども、郡部ではどんどん保育所の定員削減が出ているというのが現実の姿です。
 それに対して認定こども園というのも出てきているんですが、2,000の目標に対して358しかまだいっておりません。そのために安心こども基金が2,500億積まれ、この中で認定こども園の整備などもできるのですが、財源負担は、基金が2分の1、市町村が4分の1、事業者が4分の1です。この市町村負担分が出せないところが多く、なかなか現実に前に行かない。これはDV対策でもそうです。法律が施行されても、計画や支援センターをつくるのに、そのためのインセンティブ、それができる財源が要ります。
 こういった意味でも、やはり現実が確実に動いていく施策と仕組みということを念頭に置いて、今回ワーキング・グループを進めていくことができたらと思います。
 以上、3点です。
羽入会長
ありがとうございます。
伊藤委員
今の清原さんの意見をサポートするつもりで手を挙げました。推進体制の頭に来ている風土の改革・気運の醸成、あらゆる年代層への意識啓発と実践的取組は、今、おっしゃったコラボレーションと広報にかかわることだろうと思うのです。
 この間の全国会議でも申し上げたのですけれども、企業、労働組合、NPO、NGOとか、やはりあらゆるもののコラボレーションの中で実践していくというのが次のステップの大きなテーマだろうと思います。その点、広報というのは大きいと思うのです。
 だから、最初のピンクの網かけの部分(推進体制)は、全部にかかることなのだろうと思います。地域WGでもこの問題はすごく絡んでくるわけですから。おっしゃるように、男性・広報だけに係るわけではないのではないかなと思います。今、申し上げたように、コラボレーションと広報というのは、ピンクの枠の中の中身なのだということは、確認しておく必要があるのではないかなと思います。同時に、男性・広報WGというのは、このままでいいかどうかわかりません。これは鹿嶋委員がおっしゃったことととても絡むのですが、男性のところは、多分ほかのところ以上に広報部分が大きい重さを占めるのではないかと思います。私自信は、多分ここに回ってくるだろうと覚悟しながら今、申し上げています。
 ただ、皆さんがおっしゃるように、ここにだけ取り立てて「広報」という言葉を入れる必要もないのかなという印象も他方では持っています。それは先ほど申し上げたように、最初のピンクの枠というのは、ほぼ全部に関わることだからだと考えているからです。
羽入会長
ありがとうございます。全体の方向性として、私はこのように理解いたしましたけれども、いかがでしょうか。
 広報について、男性・広報というのは、勝間先生が最初に目にされたように、みんなが注目するだろうと思います。そこをあえてこのままで行く。そして、広報については、それぞれがみんな考えるのは当然のことだとしようという意見はどうでしょうか。
 ピンクの部分については、やはり位置づけがとてもわかりにくいという気がしているのですけれども、一番上の今、伊藤先生がお話くださった風土の改革・気運の醸成とかというのは、やはり広報に関係するものだというお話でした。つまり、意識啓発というものをキーワードとして一番上のものから取り上げてみる。そうすると、意識啓発はどれについても言えることだと思うのです。
 それから、その次の国と地方の推進体制の整備充実というものがございますけれども、体制の整備というのは、どこのワーキング・グループでも議論しなければいけないことだと思います。
 この2つを共通して、それぞれのワーキング・グループで御検討いただく。そして、先ほどから議論になっております国際的協調というのが、重点事項としてないではないか。そうしたら何を議論するのかということの御発言がございましたので、この国際的協調、対外発信機能の強化というものを重点事項の方に移して、そして議論の対象にしていただく。
 そして、最後の監視体制、監視機能の強化というのは、このままで残しておいてよろしいかなという気がします。
 したがいまして、それぞれのワーキング・グループで広報、推進体制についてはお考えいだたく。そして、国際的協調については、重点事項からダイレクトに矢印として国際WGと持っていく。このようにしてワーキング・グループを構成するということではいかがでしょうか。
勝間委員
質問ですけれども、その場合には男性・広報WGは「男性WG」になるんですか。あえて「広報」は残すのでしょうか。
羽入会長
「広報」は残すというのが、私が今、申し上げたことです。
勝間委員
やはり、基本的には、もしワーキング・グループをいわゆるイシュー別に分類するのであれば、原理原則から言いまして、それは残すべきではないと思います。別に私たちは耳目を集める必要はなくて、きっちりと議論に対してきれいなフレームワークをつくるのが目的だと思いますので、あえて全部の項目に広報を移管するのであれば、逆に広報は残すべきではないと思います。
 あるいはもし広報や推進体制をすべて何かとりまとめるワーキング・グループで、広報推進体制WGのようなものがあってもいいと思いますが、それぞれのワーキング・グループの中での議論を受けながら、まとめていくようなワーキング・グループです。いわゆるファンクショナルなワーキング・グループと議論のエリア別のワーキング・グループを縦串と横串の両方あってもいいのではないでしょうか。
羽入会長
なるほど。そうしましたら、先ほどの私の御提案は修正させていただき「男性WG」としましょう。そして、広報については、それぞれのところでは当然考える。
 広報WGを新たにつくるというのは、ワーキング・グループが増えますので、つくらない。
 伊藤委員、どうぞ。
伊藤委員
基本的に賛成です。推進体制でのワーキング・グループは考える必要があると思います。それは今、申し上げたように、コラボレーションだったり、広報だったり、今まで十分にやり切れなかったものの部分を推進体制の中で考えるということは、議論する場が必要だと思うからです。その辺はいかがでしょうか。
羽入会長
それはいかがでしょうか。皆様の御意見を是非伺いたいと思います。推進体制としてのワーキング・グループを1つ新たに設置する。こういうふうに分けるのではなくて、個々に関しても、そもそもの国や地方の推進体制についても、それを集中的に議論するワーキング・グループをつくるということについては、御議論はいかがですか。
 桜井委員、どうぞ。
桜井委員
そういうファンクショナルな部分についてのワーキング・グループが必要かなと思っているのですが、そうだとすると、地域WGがまさにそこをやる部分ではないかと思うのです。地域の中でどのように男女共同参画をあらゆる分野のイシューの男女共同参画を進めていくかというところなので、そこで一緒にやっていくとかということは考えられるかなと思います。
羽入会長
加藤委員、どうぞ。
加藤委員
今、桜井さんから地域というお話がありましたけれども、私はこう思います。
 男女共同参画に関わらず、政策をつくっていくときに、できた政策を知らしめていく、啓発をする、周知をしていくという発想で広報をとらえてしまうので、でき上がった政策を地域のところで話してみると、理解いただくのが難しい。各ワーキングで必ず政策をつくっていくときに、地域の人、あらゆる国民にきちんと伝わるだろうか。伝えるためにはどうしたらいいだろうかということを含めて、広報を必ず念頭に置きながら、政策づくりをそれぞれのワーキングのところでしていくべきだろうと思いますし、どこか特別なワーキングのところに広報をぽんと引っ付けるべきではないと思います。推進体制のところにきちんと広報というものを位置づけることが大切だと考えます。個別のワーキングのところに付けるということについて、私は賛成しかねます。
羽入会長
全体に共通に広報について検討するということでよろしいですね。
加藤委員
検討しながら、しかしワーキングは、清原委員がおっしゃったように、それぞれのワーキングもきちんと広報を念頭に置きながら、政策づくりをしていく。
羽入会長
別に独立して広報のワーキングをつくるということですか。
加藤委員
推進体制のところにつくった方がよいのではないかなと思います。
羽入会長
現在、推進体制はそれぞれ微妙にワーキング・グループの中に組み込まれておりますけれども、広報と推進体制という非常に大くくりなワーキング・グループを1つ立ち上げて、そこに何人かの方が右の黄色い部分のワーキングと一緒に関与していただくということは可能でしょうか。
伊藤委員
私も今、それを提案しようと思っていました。ファンクショナルな部分としてワーキングを串刺しにするような形でつくる形もありかなと思います。多分機能が違いますので、ここで書かれているワーキングと推進体制について考えるというときの委員会なり、ワーキング・グループというのは多分質が違ってくるとは思いますが。
 皆さんもおっしゃっているように、コラボレーションというのが次のキーワードだと思っています。コラボレーションと広報について常に考えるということは、共有しておいた上で、どこかでコラボレーションと広報というのを、次の重点事項になるのかわかりませんが、次の推進のときの重点項目として出せるような形のものを原案としてまとめるような組織というのは、1個あってもいいのではないかなと思います。
羽入会長
ありがとうございます。ほかに御意見はございますか。
 佐藤委員、どうぞ。
佐藤委員
伊藤さんと一緒で、加藤先生が言われることもごもっともで、それぞれのワーキングで当然推進は考えるけれども、多分第2ステージと一緒でこれは大事なんですね。そして、それぞれのワーキングで考えるということはもちろんやるけれども、全体として特出しして議論してもらわないと、実はなかなか進まないのではないかと思います。
 だから、それぞれのワーキングで考えなくていいという意味ではないですよ。ただ、やはりこれは次のステージとして、我々がそれを重視しなければいけないということが合意できるとすれば、多分それを専門に検討していただくところがあった方がいいのではないか。
 どこに入れるのかはもちろんいろいろ議論があると思うんですけれども、確かに清原さんが言っているように、地域というのはひとつ大事なところだと思いますので、1つは地域のところというか、推進WGとかね。それはほかでやらなくていいという意味ではなくて、ただ全体を見ながら、それぞれの地域レベル、地域というのは広くとっていいと思いますが、日本社会全体、あるいはそれぞれの都道府県単位、市町村で、それぞれのここで挙げた重点事項なり、重点分野の施策をどのように推進するかということを考えていただくというのは、あった方がいいのではないかと思います。
羽入会長
清原委員、どうぞ。
清原委員
私もコラボレーションと広報というのが、次の計画の大きな鍵と感じているのですが、推進体制を地域WGだけに付けますと、佐藤先生がおやりになるワーク・ライフ・バランスの推進体制などを考えたら、企業とか労働組合とか、この辺はどうするのだと。ものすごく大きな推進体制になりますから、そういう意味で、横串を指すようなものが1つあるというのは、今日出ているようなワーキング・グループからちょっと数が増えますけれども、ありかなと思います。
伊藤委員
まさにそうなのですけれども、ただ、最初から推進体制関連のワーキング・グループを立ち上げる必要はないと思っています。各ワーキング・グループが動いた最後のところで推進体制に関するまとめのワーキングのようなものができるといいと思う。つまり各ワーキング・グループの総括として推進のところに持っていけるような仕組みができないかという提案です。
羽入会長
ありがとうございます。現実問題として、伊藤先生がおっしゃったようなことが可能でしょうか。よろしいですか。
板東局長
この場全体でやっていただくか、あるいはもうちょっと各ワーキング・グループの代表か何かに出ていただいて、連絡会的にもうちょっと小さなグループでやっていただくか、どちらでもいいかと思いますけれども、今の御議論のように、それぞれ御議論していただいたところを少し横串で通すということで、余り回数は要らないと思いますが、最終的な段階でそれをワーキング・グループとしてつくってもいいかと思いますし、この全体会議で御議論いただいても、それはいかようにもできるかと思います。
鹿嶋委員
佐藤先生と似ているんですけれども、広報を各ワーキング・グループでやるというのはもちろんわかるんですけれども、やはりどこかで特出しする必要はあると思うんです。そこで集中的に議論しないとね。
 そうなってくると、コラボレーションは非常に大事ですね。私の男性イメージというのは、やはり企業社会のイメージも含めまして、男性企業といったイメージで、その中でどう共同参画を落とし込むかということは、やはり議論する必要はあると思います。地域もそうですね。
 ですから、場合によっては、地域と男性という言葉にして、皆さんからまた反発を食らうかもしれませんが、地域、男性、広報といったような中で特出しして、議論するところがあって、そして皆さんの周りの方で、他のグループの広報で議論したものは、そこに情報として上げてもらうという形にしていかないと、コラボレーションのような今度の基本計画の先ほどから出ているような1つの大きなポイントなるこの問題が、拡散してしまうのではないかと思います。ですから、やはりこれは単に広報としないで、男性、地域、広報でもいいですから、そのぐらいにしてやった方がいいのではないかな。
伊藤委員
男性・広報WGより、多分、男性WGの方が社会的にインパクトは強いですよ。
 ただ、中身としては、男性のところのワーキング・グループは、かなりの部分が広報になるだろうと思います。だって、実際にほとんど動いていないですからね。
鹿嶋委員
くっついてもいいかなと思います。
佐藤委員
先ほどから議論している地域WGをよく見ていただくと、自治体、企業、大学、NPOとか、組合とか、基本的には地域とは何を議論するかというと、推進体制を議論するんですね。だから、事実上地域というのは推進体制を議論するので、私はそういう意味では、これから外してしまうと、地域で何を議論するのかということにもなりかねないと思います。
桜井委員
だから、地域の中で推進体制を議論するということだと思いますけれどもね。
羽入会長
ワーキング・グループの分け方として、機能的なものを1つのワーキング・グループにだけ付け加えておくということよりも、やはりファンクショナルなものを別に立ち上げて、そして実効性を目指しているのだということを示すことが重要ではないかと思いますので、これもまた独断的かもしれませんが、少しワーキングが動いた段階で、伊藤先生がおっしゃったような形で、推進体制としての広報、あるいはコラボなのかもしれませんけれども、推進体制として別のワーキングをつくっていく、あるいはそこで集中的に議論をするということにしたらいかがかと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 本来の予定では、ワーキング・グループのそれぞれの論点について考えていこうということがございましたけれども、あとは個々にワーキングの中で議論していくということにしていただいて、特にそれぞれの論点例について、もし何か御意見がございましたら、少しどうぞ。
 帯野委員、どうぞ。
帯野委員
質問ですけれども、この論点の中で重複している部分はどう考えるのか。例えば女性活躍推進法の中で論点の上から3つ目の黒ポツ、女性が地域における産業に参画することにより、これは地域経済の活性化ですね。
 これと地域の方の論点の最後に全く同じことがあるんですが、これは全く同じイシューを2つのワーキング・グループでやるのか、あるいは、私の解釈では、例えば女性活躍推進法WGは、具体的に取組の中に女性活躍推進法による経済・産業の活性化になっておりますので、ここにおける論点というのは、地域経済というよりは、日本全体の経済のことを言っているのか。つまり、経済というには、日本経済というのは、ほとんど首都圏のことを指しますので、都市部の経済のことを言っているのか。後の方の地域WGの具体的な取組では、地域の産業、経済の活性化となっておりますので、首都圏、都市部と非都市部と別の議論でやっていくのか。そこのところの御質問です。
羽入会長
ありがとうございます。事務局よろしいですか。
塚崎推進課長
先ほどの横串の話とも関わりがあると思うのですけれども、いろいろ共通する論点はどうしてもいろいろなところで出てくるかと思います。余りそこまで考えて文言を選んでいるわけではないのですが、ただ、ワーキング・グループで視点も異なってくるかもしれませんが、同じ論点について、いろんなワーキング・グループで、そのワーキング・グループの視点から話し合っていくということになるかと思います。
 ほかにも広報的な部分とか、いろいろな点でかなり重なっているところもございまして、各ワーキング・グループの中で同じ論点についても、やはり議論をして、最後にまとめていくということになるかと思います。
帯野委員
ただ、これは分けていただいたのは、かえってよかったなと思います。やはり産業ということを論じますときに、第3次産業の発展している都市部と構造転換が遅れている地方とは、かなりおのずから違った土俵にありますので、むしろこれは分けていただいてよかったのかなという、確認の意味で御質問をさせていただきました。
羽入会長
ありがとうございます。恐らくほかにも御質問はございますでしょうけれども、時間のこともございますので、ひとまず第1の議題の最後になります。資料3について、少し御説明をいただいてよろしいですか。
塚崎推進課長
それでは、資料3につきまして、御説明させていただきます。今後の進め方についてのペーパーでございます。
 先日御説明させていただきましたとおり、今後、1つは、現行施策のフォローアップでございます。もう一つは、ワーキング・グループでの御議論という2つの事項を並行して進めていただくということになっております。
 調査会におきましては、まず「1 調査会の進め方」とございますけれども、現行計画のそれぞれの施策を実施しています省庁からヒアリングをしながら、来月7月から年内いっぱいにかけまして、フォローアップをしていただく予定でございます。
 今後、予定を変更する可能性もございますけれども、一応第1~第6回目まで、7月31日から、それ以外の日程はまだ決まっておりませんが、毎月1回ぐらいずつ専門調査会を開いて、フォローアップをする予定でございます。
 ※に書いてございますとおり、第7分野の女性に対する暴力の根絶につきましては、女性に対する暴力に関する専門調査会において対応するとしているところでございます。
 また、多様な選択を可能にする能力開発、生涯学習支援施策について及び、高齢者の自立した生活に対する支援につきましては、監視・影響調査専門調査会において監視等をしたテーマですので、監視・影響調査専門調査会と連携しながらフォローアップをするということで考えております。
 次の2番目のところでございますが「ワーキング・グループの進め方」でございます。
 本日、御議論いただきましたとおり、ワーキング・グループを編成させていただきまして、こちらの方は7月~来年の2月ぐらいにかけて御議論をお願いしたいと考えているところでございます。
 委員の先生方、大変お忙しいところ恐縮でございますけれども、御希望を伺わせていただいた上で、各委員に1~2つのワーキング・グループを担当していただきたいと考えております。もちろんそこにも書いてございますとおり、各委員の御都合、あるいは別の専門調査会に所属されておられる委員の先生もおられますので、担当していただくワーキング・グループにつきましては、柔軟に調整させていただきたいと考えております。
 ワーキング・グループの御希望につきましては、後日メールにてお伺いさせていただきたいと考えております。専門調査会本体のフォローアップとも連携しながら、有識者ヒアリングも必要に応じて行っていただきながら、ワーキング・グループでは議論をお願いしたいと考えております。来年の2月ごろまでにその議論をとりまとめていただいて、専門調査会が作成する中間整理案にとりまとめの結果を反映していただくということで予定しているところでございます。
 以上です。
羽入会長
フォローアップをしながら、ワーキング・グループの議論をしていくということになりますので、非常にスケジュールがタイトなのと、先生方に大変なお手数をおかけすることになるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 この数は事務局で調整してくださるのですね。
塚崎推進課長
はい。
羽入会長
質問がないようでしたら、次の御説明に移らせていただきたいと思います。NWECのフォーラムについて、事務局からお願いいたします。
塚崎推進課長
次に、資料4の説明をさせていただきたいと思います。「NWECフォーラムにおけるワークショップの出展について(案)」というペーパーでございます。
 今回の基本計画の改定に当たりましては、中間整理案についてパブリック・コメントを実施する予定でございますけれども、先ほども御意見がありましたとおり、まさにつくっていく中で広報を啓発の一環として、いろんな方の御意見を聞いていくということを重視してまいりたいと考えているところでございます。その一環として、ここに書いてございますワークショップを実施したいという提案でございます。具体的には2.にございますとおり、8月にNWEC(国立女性教育会館)において、全国から1,200人ぐらいの方が集まるフォーラムが開催されまして、いろんなイベントが行われる予定になっていますけれども、その際に基本計画策定のワークショップをこの調査会の主催で出展していただくという案でございます。
 内容としましては、ここでも第2ステージということで、参画型のワークショップにしたいと考えておりまして、具体的には、真ん中の方にテーマ(案)とございますが、マル1ワーク・ライフ・バランス、マル2地域における男女共同参画の推進、マル3女性の活躍の促進、マル4生活困難問題への対応というテーマを挙げておりますけれども、そうしたテーマについて、それぞれの方が興味あるテーマを選んでいただいて、同じテーマでの参加者でグループをつくっていただきまして、そのグループの中で今後の取組の方向性を議論してもらって、最後に発表をしていただくという案を考えているところでございます。
 コーディネーターには、会長代理の鹿嶋先生にお願いするということで考えているところでございます。
 以上でございます。
羽入会長
ありがとうございます。鹿嶋先生、何かございますか。
鹿嶋委員
特にありません。
羽入会長
このようなことで出展をするということにいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。鹿嶋先生、どうぞよろしくお願いいたします。
 その次、更に議事録の確認ですね。資料5として、前回の基本問題・計画専門調査会の議事録がございますが、これについては既に皆様方の御意見をいただいていることかと思います。もし差し支えがないようでしたら、このまま内閣府のホームページで公開することにいたしたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。

(「はい」と声あり)

羽入会長
ありがとうございます。それでは、これを公開することにいたしたいと思います。
 少し時間を急ぎましたけれども、ワーキング・グループのことについて、皆様にはたくさん御議論をいただきまして、ありがとうございました。
 それから、最初の資料1にございました答申の構成についてということでございますけれども、先ほど議論が多くございましたので、これにつきましては、事務局で再度新たに御検討いただき、そして御提案いただくことにいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
塚崎推進課長
はい。
羽入会長
お願いいたします。
 それでは、そのほか先生方の方から何か御意見や言い忘れたこととか、言い足りなかったこととかがきっとたくさんおありかと思いますが、何かこの場で御発言はございますか。
 河野委員、どうぞ。
河野委員
1つだけ確認とお願いですが、ワーキング・グループは大分整理ができてきて、私も嬉しく思いまして、途中から改めて共通課題について議論ができる体制をというのは大賛成ですが、この後ワーキング・グループに分かれると、検討課題が個々別々になると思うのです。そこで、できれば、すべてのワーキング・グループに共通する検討課題を、広報、コラボレーションと同じように、他にもないか先に検討して出しておき、それについてワーキング・グループごとに話し合いで出てきた意見を、ペーパーに盛り込むと、まとめやすくなるように思います。
羽入会長
広報についてというのは、先ほどのお話でしたけれども、もう一つ何度か申し上げておりましたのは、国や地方の推進体制ということを申し上げておりました。それでよろしいのかどうか確認していなくて失礼いたしました。
 それから、最後の監視・影響調査機能の強化という、監視体制のことがございますけれども、これについてはどうでしょうか。共通にすべきものなのかどうか、もし御意見がございましたらお願いいたします。
 これは集中的に当面監視・影響調査専門調査会の方で考えていただいて、そしてディスカッションを共通にするときに、あえて更にワーキング・グループの方で検討する必要があれば言っていただく。
 鹿嶋委員、どうぞ。
鹿嶋委員
もしできれば、監視・影響調査の方でやらせていただいて、そして中間報告的なものをする必要があれば、各ワーキング・グループに落とすという形の方が、私としてはやりやすいです。
羽入会長
そういたしますと、共通しているのは2つの事柄ということでよろしいですか。
辻村委員
先ほど数値目標の問題が出ておりましたね。ですから、具体的な数字でなくても、一応各ワーキング・グループから直近あるいは短期・中期・長期の数値目標として具体的なものを出していただいた方が、最後に積み上げるのによろしいかと思います。
羽入会長
ありがとうございます。
 佐藤先生、どうぞ。
佐藤委員
私、前回欠席してしまったのですが、第2ステージとは何かという議論はしたんですか。つまり、単に10年経ったというだけではあれで、つまり何かやれということは次ということですね。次は何を目指すかというのは、多分それが共通してワーキング・グループで議論することだと思います。
 例えばワーク・ライフ・バランスを企業内で言えば、制度はできた。ただ、働き方の方は変わっていない。働き方を変えるとか、ワーク・ライフ・バランスを意識した管理とか。例えばそれが第2ステージで、第2ステージとは何なのかということがすごく大事なのではないかと思います。単に10年経ったということではないと思うんです。やはり次は違う何を目指すのかということを少し共有で議論しておいた方がいいかなという気はしました。
鹿嶋委員
基本問題専門調査会が前回出した報告書の中で、新たなステージに入るということで、この言葉は使っているわけです。その用語については、住田委員だったかな、改めて第2ステージとは何かということを議論する必要があるという意見もあったのですが、一応それを受けて、この中でも使っているということで、今から第2ステージまで議論するのがいいことかどうかについては、私は余りいいとは思っていません。要するに、これだけ見ても相当課題があるので、第2ステージの議論などが始まったら、もう収拾がつかなくなるような気がするので、少なくとも基本問題専門調査会の報告書に書かれている文言程度に理解をとどめておいた方がいいのかなというのが私の意見です。
羽入会長
ありがとうございます。
 どうぞ。
板東局長
それぞれのPRでちょっと違うかもしれませんけれども、地域における男女共同参画というので出していただいたのは、理念とか啓発とかという段階、あるいは基本的な枠組みづくりみたいな段階から、具体的に変えていく。実践につなげていくという段階が第2ステージだろうと思います。
 そういう意味では、今、佐藤先生がおっしゃったように、ワーク・ライフ・バランスの制度とか枠組みの問題、あるいは広報・啓発的なところから、具体的に環境なり、実践なりというところの変化につなげていくというのが第2ステージです。
 それぞれの分野できっとそのようなことがあるのではないかと思っておりますので、やはり具体的に変わっていく、世の中は変わっていくよというところに男女共同参画が入り込んでいくというのが重要なのかなと思います。それを第2ステージと言っているのかなという感じで、今、漠然と立てておりますが、ただ最終的には、この計画でやはり考え方を明確に打ち出していくという中では、整理をしていく必要があるのかなと思います。
羽入会長
ありがとうございます。恐らく、今回共通に論議していただこうとしている広報と推進体制というものを別に取り上げたということが、第2ステージの1つの具体的な現れではないかという気がします。
 そこでもう一つ御発言がありましたように、それぞれのワーキング・グループで数値目標について出せるのかどうかということも含めてお考えいただくということも、共通の話題にいたしましょうか。それもやはり第2ステージの特徴になることかと思います。
 それでは、このような形で御議論いただきましたことを事務局でまとめて、次のステップにさせていただきたいと思います。
 勝間委員、どうぞ。
勝間委員
ほとんど終わりかけで恐縮ですが、いろんな重点項目の中で1点気になりましたのは、第2ステージの話を聞きますと、だんだんそれが当然という風潮になってきた中で、男性の意識改革ははっきりワーキング・グループがあるのですけれども、女性の意識改革みたいなものはどこのワーキング・グループが議論するでしょうか。
羽入会長
私が考えておりましたのは、最初の女性活躍推進法というところではないかと思っておりますので、そこでその件についても御議論をいただければと思います。よろしいですか。
勝間委員
最近、草食系男子という話をいろいろ聞いていまして、かなり男女共同参画が骨の髄から染みている。ただ、女性の方が逆に、男女共同参画はしたいけれども、おごられたい、庇護されたいみたいなものがあって、いいとこ取りをしたいという風潮があるらしいんですよ。それでどうも婚活がうまくいっていないという話がありますので、女性の方も男女共同参画に関しては責任が生じるんだということについての議論というのをどこのワーキング・グループが担うのかというのが質問だったのです。
 そうしたら最初の一番上のワーキング・グループがその点についても担うという理解でよろしいでしょうか。
羽入会長
はい、それがよろしいかと思います。
勝間委員
ありがとうございます。
羽入会長
岩井委員、どうぞ。
岩井委員
終わりのころに申し訳ないんですけれども、女性に対する暴力の問題も、別の専門調査会が設けられているとしても、1つの重点項目になっているのですが、それは結局、男女平等が推進されても、やはり保護されなければならない存在としての女性の問題なわけですね。
 ですから、そこのところのどうしても克服できないような性差の問題というものも、そしてこの問題を解決するためには、やはり地域における問題とか、広報の問題とか、すべての問題に関わってきますので、そこのところをほかのワーキング・グループでもいろいろと考慮いただきたいと思っております。
羽入会長
ありがとうございます。
 恐らく先ほどから議論が出ておりますように重複してといいますか、同じテーマがあちこちのグループで出てくると思いますし、特に重要なことだと思いますけれども、今後、途中でまた議論を共有するということもしながら、進めていくのがよろしいのではないかという気がいたします。
 ほかによろしゅうございますか。
 それでは、本当に長い時間、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 次回について、事務局からよろしくお願いいたします。
塚崎推進課長
どうもありがとうございました。
 次回でございますけれども、7月31日10時から、今回と同じ会場、内閣府本府の3階特別会議室での開催となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次回の議題でございますけれども、各府省施策のフォローアップの第1回目としまして、男女共同参画基本計画(第2次)における第1分野の政策・方針決定過程への女性の参画の拡大、12分野の新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進のうち、科学技術分野、昨年4月に決定しました女性の参画加速プログラムをフォローアップの対象として予定しているところでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
辻村委員
ヒアリングは具体的には考えていないのですか。
塚崎推進課長
このときにヒアリングをする予定でございます。
辻村委員
その対象者ももう決まっているのですか。
塚崎推進課長
フォローアップをする中で各府省よりヒアリングをします。
羽入会長
ありがとうございます。
 それでは、長時間になりましたけれども、これで「基本問題・計画専門調査会」を終わりにいたします。どうもありがとうございました。

(以上)