男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成14年9月3日(火) 13:30~16:00
  • 場所: 内閣府5階特別会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
    会長代理
    八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
    委員
    伊藤 公雄 大阪大学教授
    住田 裕子 弁護士
    高橋 和之 東京大学教授
    竹信 三恵子 朝日新聞企画報道部記者
    松田 保彦 帝京大学教授
    山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事

(議事次第)

  1. 開会
  2. 女性のチャレンジ支援策について
  3. その他
  4. 閉会

(配布資料)

資料1
第13回男女共同参画会議基本問題専門調査会議事録(案)
岩男会長
それでは、ただいまから男女共同参画会議基本問題専門調査会の第15回会合を開催させていただきま す。
 中間まとめに向けて前回はチャレンジ支援策の方向性を中心に御議論いただきましたので、本日は現状及び阻害要因 とチャレンジ支援策の方向性全般にわたって議論をしていきたいと思います。
 なお、この中間まとめ(案)については本日と27日の2回にわたって議論をしていく予定になっております。
 それでは、全体について、まず事務局から御説明をいただいた後に、それぞれの部分の論点等について区切って御議 論いただくという形で進めていきたいと思っております。それではまず中間まとめ(案)について事務局から御説明をお願 いいたします。
村上課長
それでは、御説明をさせていただきます。
 まず、全体構成ですが、「はじめに」と、「なぜ今、女性のチャレンジが必要なのか」、「どのような支援を行っていくのか」 という順番でそれぞれの支援の方向について「現状と阻害要因」、「支援策の方向」という形でまとめてはどうか。最後に 「企業への呼びかけ」と「国民への呼びかけ」、「その他」という順番になるかと思います。
 まず、「はじめに」で経緯をまとめると、社会的背景、少子高齢化等による構造改革の必要性、女性が十分担わなくては 進まないというようなこと、それから次に問題意識が挙げられます。
 次に、中間まとめの位置づけですが、まず経済分野、農林水産分野において報告を中間的にまとめるという位置づけに なり、その後、最終報告を本年度中に提出することになります。
 「なぜ今、女性のチャレンジ支援が必要なのか」については、まず「構造改革と女性のチャレンジ支援」で男女、とりわけ 女性のチャレンジは改革実現の前提であり、同時に改革を通して実現できるものである。2番目に、国際的にも日本女性 の活躍度が低いということ。3番目に、ライフスタイルの選択に中立的な税制・社会保障制度や雇用システムの構築が必 要不可欠という認識の下に検討を進めることが必要ということが考えられます。
 次に、ヒアリングの際にも話題になりましたが、ダイバーシティの推進が重要。5番目で、どのようなチャレンジかというこ とで、上への垂直的チャレンジと、横への水平的チャレンジの双方向、それから再チャレンジをしやすくする環境整備を推 し進めることが必要であるということをきちんと言及しまして、6番目で「生涯を通じた女性のチャレンジ支援」ということに なるかと思います。
 次の内容ですが、「どのような支援を行っていくか」ということです。1番目に「意欲と能力がある女性が活躍できる職場 づくり」、まず上へのチャレンジです。「現状と阻害要因」で、まず「就業状況」について、最初にM字型カーブを描いている ということで、女性管理職の割合が低いということが非常に問題なわけでして、「女性管理職への登用・活用が進まない理 由」に言及します。年功的処遇を反映しまして、勤続年数が短いとなかなか管理職のところに届かないことから「就業継続 の障害」について考えると、仕事と育児、介護の両立がしづらい環境「男性中心の企業風土」が主たる阻害要因とのご意 見がありました。
 また、「男女の意識の差」やライフスタイルとして、「仕事一辺倒の男性、家庭責任をより重く負っている女性」という現実 がある。特に子育て期の30代男性が最も就業時間が長い。国際的に見ても育児時間がカナダやイギリスは1時間半弱、 日本では17分という結果があって、仕事と子育ての両立が容易でない環境にあるということ。それから「女性のキャリア形 成」、ここではロールモデルとかメンタリングの不足というような議論がありました。
 次に、「支援策の方向」です。ポジティブ・アクションを積極的に推進する必要があるということで、厚生労働省ではこの 女性の活躍推進協議会の提言を地域レベルでも普及したいということ、それからベンチマーク話として活用できるような 業種や現場ごとの女性活躍状況等の情報提供が必要であります。特に重要なことは、これをどうやってより大きく進める かです。諸外国においては、企業におけるポジティブ・アクションを促すために企業における計画の作成を促進するため のルールを設けている例があります。我が国においても国内の取組状況を踏まえながら、諸外国の制度を参考にしつつ、 ポジティブ・アクションを積極的かつ効果的なものとするための法制面を含めた手法の検討を行うということが考えられま す。
 ドイツは、報告の提出を義務付け、計画の作成を義務づける。アメリカでも一定の事業主に計画の作成を義務付ける。 これは、大統領命令の話を要約するとこのようになります。カナダでも報告の提出の義務づけなどがあり、このような諸 外国の制度を参考にしつつ、法制面を含めた手法の検討を行うということであります。
 次は、介護や子育て支援のサービスの充実、これは仕事と育児、介護の両立をしづらい環境が阻害要因になっている ということから、ここにもっと力を入れていく必要があります。
 それから、女性管理職が少ない理由を踏まえ、自社の中での人材養成に努力することは当然ですが、当面広く社外に も目を向けて人材を確保することが考慮されるべきということで、アメリカのNPO法人カタリストの例のように、女性役員 確保のための人材データベースの構築等の取組がなされることが期待されます。
 それから、女性の活躍の度合いと企業業績の関係について調査研究を行うべきであるというような御意見もございまし た。
 次に、新たな方策の検討ということで、入札参加登録や補助金交付の際に、当該事業者の男女共同参画推進状況につ いて報告を求めたり、評価の判断の一要素とするなどの新たな方策が考えられます。
 公契約についてはこれまでもお話が出ましたが、会計法上、契約制度の原則である公正性、経済性を踏まえ解釈する と、男女共同参画の推進状況を入札参加登録要件としての審査項目とすることについては慎重な対応が必要とされてお りますが、国におきましては、この会計法の趣旨を踏まえつつ、男女共同参画推進の立場から地方公共団体の好事例や 諸外国の類似の制度の紹介を行うことを検討することが考えられます。
 次に、地方公共団体における取組を進めるためにはどうするかですが、客観的かつ透明性の高い評価手法が必要で す。例えば入札参加登録要件として、すでに導入例のある障害者雇用比率の状況と同様、ポジティブ・アクション計画の 策定の有無、均等推進企業表彰の実績、男女雇用機会均等法違反に係る企業名公表の有無等について、事業者によ る申請、報告の虚偽等の防止や契約制度の原則は公平性、経済性であることにも留意しつつ、新しい要件として加えるこ とについて検討することが考えられます。これは一種のアイデアを提供しておるわけでして、わかりやすく公平で、その評 価が入札担当当局にとっても容易であるようなことを例としてお示ししまして、こういうことも考えられるのではないかという ことを提案することが考えられます。
 一部の自治体においては、建設工事の入札参加登録要件の主観的事項としてISOシリーズの認証取得状況や障害者 雇用比率を加点し、格付けを行っていると例があります。これは宮城県の例ですけれども、それを参考にもう少し敷衍す ると、先ほどご説明したようなことが考えられるのではないかということです。
 中間まとめでは、ヒアリングを行いました福間町と広島市の例をお付けしたいと考えております。
 次のテーマとしては、「新しい分野へのチャレンジ-「横」へのチャレンジ-」です。「多様化する働き方」というテーマ で、現状として「雇用情勢」のことを書いて、男性の長時間労働とパートが増えるということが一緒に進み、非正社員がか なり増えてきているということが言えます。それから、裁量労働制についてもです。本調査会でも議論がありましたが、総 合規制改革会議の「中間取りまとめ-経済活性化のために重点的に推進すべき規制改革-」で、労働者派遣法の見直 しについての検討や、裁量労働制の拡大に関する指摘がなされております。
 次に、パートの基幹化が進んでいるにもかかわらず処遇などが見合っていない現状があります。フルタイム労働者と パートタイム労働者の賃金格差が拡大している傾向や、働き方の選択肢が少ない雇用システムについてです。我が国の 従来の雇用システムの下では長期雇用、年功賃金型のフルタイムを選択するか、短時間を選択するかの二者択一に限 られて選択肢が少なかった。働く者がフレクシブルに働き方を選択できないという社会では女性が新たなチャレンジを試 みようとすることもなかなか難しいということを書いております。
 次に、「社会保障制度・税制等」、「起業する女性」、「NPO法人で活躍する女性」、「女子学生・女子生徒の就職の状 況」について、それぞれ現状と問題点が挙げられます。「大学等の専攻学部、学科の選択と現在の仕事」については、従 来、女性の進出が少なかった職業にも徐々に女性の活躍が見られるようになっておりますが、この流れを更に促進する には女子学生、女子生徒、自らがそれぞれの能力を高めながら主体的に職業選択をしていくことが必要で、それに資す る職業指導、進路指導が学校教育の全課程を通じて充実していくことが必要ではないかと考えております。
 それから、「女性のチャレンジを支援する環境」については、地域において働こうとする女性を支援する機関が多く、内 容も充実させてきている一方で、必ずしも一様に言えないですが、女性がチャレンジしたいときにまずどこの支援機関に 行くのか、さらにこれからの資源を有効に活用されることが期待されています。一人ひとりの女性を見た場合に、その女性 の生活圏で多様な支援関係施設があるにもかかわらず、本当に効率的に必要な情報や支援が享受されてはいないので はないか。女性支援の関係施設における事業間の連携が十分とは言えないのではないかというご意見がございました。
 さらに、「支援策の方向」としましては、「多様な働き方の支援」で、子育て後の魅力ある再就職の道を広くすることが少 子化抑制にも重要であり、就業継続を可能にする仕組みとしてパートから入職した場合でも意欲、能力に応じて短時間正 社員、フルタイム正社員に移ることのできる再チャレンジの仕組みの構築が重要であるということです。最近、報告がなさ れましたパートタイム労働研究会最終報告におきまして、パートタイマーとフルタイマーの均等処遇のルールに関して、 パートについてのガイドラインの策定等を行うとともに、法整備について国民的合意形成を推進しながら検討を進めていく 必要があること、また、労使をはじめ国民全体として議論を深める必要があるという指摘がなされました。また、厚生労働 省は、労働者が主体的に多様な働き方を選択できる可能性の拡大を通じて女性のチャレンジ支援にも資するよう、有期 雇用契約、裁量労働制の見直しの検討等を引き続き行う必要があるという指摘もございました。
 次に、「女性の起業に対する支援」として、起業家支援策はさまざまに進められていますが、行政としてもさらなる支援策 の充実が必要であるとのご意見がございました。具体的な取組として、能力開発支援、低利貸付制度の実施など、関係 省庁、地方公共団体における起業支援に対する取組を一層推進すること、総合的な情報提供が行われるようにするとい うようなことが考えられます。
 次に、「NPO法人で活躍する女性への支援」です。NPO法人における個人のニーズに応じた新しい就業の在り方を推 奨、支援すること、女性のチャレンジとしての好事例の情報収集や分析を行い、情報提供を行うことが考えられます。そ れから、保健・医療、福祉等分野を始めNPO法人は将来就業機会の拡大も期待されます。NPO法人の活動促進のため にNPO法人の税制の認定要件の見直しを検討するべきとのご意見がございました。
 それから「女子学生、女子生徒のチャレンジ支援」でありますが、将来の進路希望に基づいた適切な指導を行うなど、 女子学生、女子生徒の職業指導、進路指導の一層の充実に努めるとともに、若年者の無業者等に対しては、適職選択 支援として就職までの一貫した支援体制の整備や、若年トライアル雇用等の支援を推進するということが考えられます。
 それから、先ほど申し上げました現状を踏まえ、チャレンジ支援関係機関による「チャレンジ支援のためのネットワーク 等環境整備」です。効率的な情報の提供が重要です。地域の実情に応じて、チャレンジ支援拠点の機能を果たす関係機 関の中心となる拠点を形成し、関係機関が提供している支援策の情報をチャレンジ支援策の関連情報として提供できる よう、情報のワンストップ化、ネットワーク化を図ります。具体的には女性センターですとか、自治体の男女共同参画担当 部局など、それぞれ地域によって拠点が様々であるかとは思いますが、ハローワーク、女性センター、条例で規定された 苦情処理機関、支援NPO等が連携、協力して支援策の情報を効率的に提供していくことが重要となってまいります。行政 においては次の取組を進めるようご意見がありました。
 それぞれの機関の特色、特性を生かして研修等の事業で、緊密な連携協力を行う。次に、国による女性のチャレンジ支 援、関係施策の情報を総合的に提供するために、関係府省において連携協力して情報提供システムを構築する。関係 府省、産業界、大学、研究機関、NPO法人などの有識者等によって構成されるチャレンジ支援実行委員会(仮称)で、各 府省が提供している女性チャレンジ支援策の情報の体系化を図る。地域においてはこれらの情報を基に、地域の実情に 応じた女性支援のための拠点を形成し、ネットワークを構築し、チャレンジ支援に必要となる情報を効率的に提供していく ことが期待される。さらに、チャレンジを支援する関係団体としてはNPO法人、民間企業が数多くありますが、このネット ワークを形成する際、行政だけではなくNPO法人との連携協力が図られることが期待されます。それから、このチャレン ジ支援の在り方を具体的でわかりやすくするために女性の活躍度を示すデータや、さまざまな分野で活躍する「チャレン ジする女性たち」を紹介する。
 次に、「再チャレンジ支援」ですが、現状として継続就業が困難な状況があります。また、なかなか正社員として再参入 がしにくいということがございます。「パートタイム労働者としての再チャレンジ」の状況、それから「子育て・介護等のため に非正社員を選択」している状況、「就業パターンに対する考え方」など、意義が変わってきているということもございま す。
 「再教育・再訓練へ高いニーズ」がある。「仕事につけない理由」については前にも述べていますが、35歳から44歳の層 でライフスタイルに応じた働き方の選択肢が少ない雇用システムが阻害要因になっています。それから「支援策の方向」 としては「再チャレンジのよいモデルを示す」ということ、それから「再教育・再訓練の充実」について、また、「年齢にかか わりなく働ける社会の実現」が考えられます。
 4番目は「農林水産分野における女性のチャレンジ支援」です。「チャレンジ支援策の方向」としては、経営への参画、さ らなる活動の多面的展開についてご意見がございました。最後に、「よびかけ」、「企業へのよびかけ」と「国民へのよび かけ」をするというご意見がございました。どの程度の詳しさで書くべきかとか、いろいろ御意見があるかと思います。
 以上、簡単に御説明させていただきました。
岩男会長
ありがとうございました。まず、説明のような構成で、この中間まとめをまとめてよろしいかどうかということ と、それから課長が説明されました分量について、ここまで詳述する必要があるのかどうか。資料編の参考資料はきちん とたくさん出していただければ、これはこれで大変いろいろ利用が可能で結構だと思っておりますが、そういったことを含め てまず御議論をいただければと思います。それから、最終的に中間まとめを出すときにもこの概要版というんでしょうか、 ポイントだけを書いたものは別途つくることは必要だろうと思っております。
 それから、今日御欠席ですが、伊藤委員からファックスで商工分野、例えば空き店舗を活用したチャレンジ支援というよ うなことがあったらいいのではないかというような御指摘があったと伺っております。それは現在の構成の中で考えれば、 起業する女性という辺りにうまく入れ込むことができるのかと思っております。
 構成について中間まとめはこれでよろしいでしょうか。何も今日必ずこれで固めなければいけないということではないの で、とりあえずこれでよろしいということであれば内容に入っていきたいと思います。
樋口委員
私はおおむね結構だと思うんですが、「はじめに」の中で、これは中間であって今、国は経済、農林水産分 野を取り上げたけれども、それ以外の他の分野を総合的に検討していきますので、他の分野というのは何が含まれます かということを具体的に入れていたほうがよいのではないでしょうか。科学技術など。
岩男会長
地域社会、それから公務員ですね。今のようなご質問が出るだろうと思いますので、もう少し具体的に書い た方がいいでしょうか。
樋口委員
そういうご質問が出る可能性があると思いますので、お答えの用意があればいいと思います。
岩男会長
そうですね。それでは、既に「はじめに」のところで御指摘がございましたけれども、「はじめに」と、それから 1の「なぜ今、女性のチャレンジが必要なのか」というところを大体15分程度御議論をいただければと思います。こういうも のが落ちているのではないかというような御指摘があれば、是非いただきたいと思います。
住田委員
「なぜ今、女性のチャレンジが必要なのか」というところで、「国際的にも低い日本女性の活躍度」を挙げて おります。これはこれでよろしいかと思うんですけれども、ジェンダーエンパワーメント指数(GEM)が低いけれども、実際 には人間開発指数(HDI)とか、ほかの指数は非常に高いんです。そういう意味では、潜在的能力は高いのにGEMが低 いというのはおかしいということをひとつどこかで入れていただければと思います。
古橋委員
チャレンジ支援の必要性に潜在的労働力率は入っているんですか。
坂東局長
労働力率よりも、管理職とか、そういったようなところで低いのがこのGEMの低さに影響していると思いま す。今、御指摘があったようにHDIとか、そういうものに比べてGEMが低いということです。
住田委員
そうですね。例えばスポーツ・芸術分野でも目覚ましい活躍があるのをここで入れてはどうかなと思ったりも したんです。そういう力があるのに、こういうふうな企業社会では女性の活躍度が低いとかですね。
樋口委員
スポーツ・芸術などという分野がどうなりますか。
岩男会長
なかなか難しいですね。ちょっと普通の人のチャレンジとカテゴリーが違うようにも思いますけれども。
住田委員
スポーツ・芸術で言いたかったのは、才能という意味では非常にすばらしいものを日本の女性は持っていて 開花させているにもかかわらずGEMが低いということにつながるかなと思ったんですが。
岩男会長
そのコンテキストでは是非入れたらよろしいと思ったんですけれども、樋口委員の御指摘の方はちょっと別 ですよね。
樋口委員
チャレンジと言ったら、スポーツなどは本当にチャレンジだなと思ったんですけれども、ここに入れなくていい でしょうか。
坂東局長
確かにスポーツ団体はやはり男性社会でなかなか女性は役員にはなれないらしいです。
松田委員
大変基本的なことなんですが、チャレンジ支援がなぜ必要なのかというところの見出しで「女性の元気は、 男性のゆとり、社会の活気へ」と書いてあるんですが、この場合、日本は男性がゆとりを失い活気を失っているということ を前提に置いているんですね。なぜそれが必要であるかの見出しが男性のゆとりにつながり、社会の活気につながって いるとすれば今、日本の社会において男性がゆとりを失い、社会の活気を失っているというようなことを少し記述しておい た方が、本質に切実に迫られているという感じが出てくるというのが1つです。
 それからもう一つは、男女共同参画ということですから、女性がチャレンジするということは共同参画の一つの道というこ とで、レッツといいますか、みんなで一緒にやろうという意識、女性ばかりやれやれと言っているのではなくてみんなでやろ うという気持ちがどこかに出ていないと国民に響かないと思います。あなた方も立ち上がってくださいと言っているだけで はやはりだめで、みんな一緒にやりましょうという意味をどこかに前提に置きたいという気がします。
岩男会長
全く同感でございます。きちんとそれは書かないといけないと思います。全く御指摘のとおりです。
岩男会長
「よびかけ」のところは実は私も全く同じことを考えておりまして、男女共同参画社会基本法を場合によって は引いてくるというような形で書き直すというようなこともさっき事務局の方とお話をしていたところでございますので、また その箇所にいきましてから重ねて御議論をいただきたいと思います。
古橋委員
最終的な文章の段階になってきましたので、比較的細かいことから申し上げますと、まず「男性のゆとり、社 会の活気へ」と書いてあるけれども、「社会の活気」と語感としてはそれで切った方がいいんじゃないでしょうか。
 それからもう一つは「経済界」という言葉がここに書いてあるんですけれども、経済界ということになってきますと、一般 の語感としては大企業における上層部、財界とか官界という印象を受けます。そうなると極めて限られた人になってくる。 こういうときにはやはり企業と言った方が私はいいのではないかという気がいたします。
松田委員
経済界と言うと今、退職した東電の方とか同友会とか、そういう人のことを考えてしまいますね。
古橋委員
やはり中小企業なども含めて民間企業に対して我々はこういうチャレンジ支援ということもお願いしているん ですよということを言わなくてはという気がいたします。
山口委員
この前も私は申し上げたと思うんですが、この大きなタイトルの下のサブタイトルの「女性の元気は、男性の ゆとり、社会の活気へ」の「元気」という言葉ですが、これは小泉総理がおっしゃったからこのような言葉を使われている のでしょうか。
 といいますのは、元気というのはある種の修飾語というか、状態ですよね。例えば、女性の社会的進出は男性のゆとり、 社会の活気と言ってもいいわけですね。ただ、あえてそう言ったのかどうか。女性の進出は男性のゆとり、社会の活気と 言った方が言葉としては良いかという感じがしたんです。
 それから、ちょっと前に初めのところで申し上げたいんですが、読んでいて、これは他の分野はどうなんだろうと思われ るから、やはり書き初めのところに、経済、農林水産分野における女性のチャレンジをまず中間的にまとめたものであると いうことをずばりと書いてしまった方がいいと思います。
山口委員
それから「どのようなチャレンジか」という問い掛けになっていますね。ここは垂直型から水平型ということを ねらうわけですね。ですから、ほかのタイトルと少し見出しの付け方を工夫した方がいいんじゃないかということをここでは 感じました。
北村委員
「なぜ今、女性のチャレンジ支援が必要なのか」という問い掛けに対して、その答えの側のタイトルがちょっ とばらばらな気がします。例えば、日本女性の活躍度が低いからというのは理由として十分説明的だと思いますが、ライ フスタイルの選択に中立的な税制・社会保障制度・雇用システムの構築などというと、なぜ必要かという問い掛けに対し ての答えとしてはちょっと文脈的に合わないような気がするんです。そういったQ&Aのようなものは整合性を持たせるよ うにした方がわかりやすいのではないかと思いました。
岩男会長
では、今の御指摘のような形で工夫をしていただくということで。
 それから、できるだけ片仮名語を使わない方がよろしいんですけれども、ダイバーシティという言葉はいかがでしょうか。 致し方ないでしょうか。
 それでは、またまだこれからも元に戻って御指摘をいろいろいただきたいと思いますけれども、次に、「どのような支援を 行っていくのか」で、具体的に「1.意欲と能力がある女性が活躍できる職場づくり-上へのチャレンジ 」について御意見 をいただきたいと思います。
住田委員
「女性の職域が固定され、組織の中で重要な企画・立案に携わる機会が少なく」というご指摘があります。こ れはどちらかというと「女性管理職への登用・活用が進まない理由」としていただいた方がふさわしいのではないかと思っ ています。この勤続年数の短さとともに、幹部候補生として幅広い経験を積まない、そういう女性の職域が限定されている ことというのは私は大きな問題だと思っているわけです。継続の障害というよりもむしろ、特に上の方に進むときの障害で はないかと思います。
八代会長代理
それであれば、話を逆にしたらどうですか。もともとそれを受けてというロジックですね。
岩男会長
管理職への登用が進まないということですね。
高橋委員
今のことにも関連するんですが、全体がどういう考えで進行しているのかがちょっとつかめないまとめに なっていると思うんです。もう少し論理を組み立てて構成をし直した方がいいんじゃないかという印象を持っているんです が、いかがですか。
樋口委員
「仕事一辺倒の男性、家庭責任をより重く負っている女性」と言われますが、最近の国民選考度調査の データだったと思いますが、30代の男性が、家庭生活に最も充実感を持つ、というデータがあります。子育ての時期を乗 り越え、男性が仕事一辺倒になりがちだとしても、子育て中は実は男性自身がもっと家庭生活を大切にしたいと思ってい ることがよくわかります。それが充足できないという、男性がゆとりを失っている一つの立証データでもありますから、その データも入れていただきたいと思います。入れるとすれば「仕事一辺倒の~」ところか、あるいはもっと前に入れていいの かと思います。
寺尾委員
今樋口委員のおっしゃったことについての質問です。30代の男性はもっと家庭に時間を欲しいと思っている ということを示すデータがあるとのことですが、樋口先生はたとえば、30年前に同じアンケートがあったらどうだったと思わ れますか。世代によって変わっているのでしょうか。
樋口委員
変わってきていると思います。
寺尾委員
だとすれば、それは単に30代がこうだというだけではなくて、日本人全体の方向性が変わってきているという 変化として、大きく取り上げてはいかがでしょうか。これまでは国民も性別役割分業を納得していたかもしれないが、若い 人の意識は男性の意識も含めて大きく変わってきているということを、積極的前面に出していった方が、社会制度を改革 する方向への説得力よりが増すのではないでしょうか。
岩男会長
樋口委員が最初におっしゃったのは、30代は恐らくまさに子育て期ということなんですね。ですから、男性も もっと家庭にいたいというか、家庭のために時間を使いたい。ところが、子育て期を卒業してしまうと今日でもまた仕事一辺 倒になっていくというお話で、恐らく全世代を通じての変化というのもあると思うのですが、それよりもむしろ顕著なのは30 代の人たちは決して仕事一辺倒でいたいわけではないんですよと。実際には家庭にいたいと望んでいながらそれが許さ れていないという現状があるんですよという、そちらの方がより鮮明だということではないでしょうか。
寺尾委員
私も、30年前に同じ質問を30代にしても、きっと数字はもっと低かっただろうと思います。それで、もしこうした 変化がおこっていることが言えるのであれば、この点はやはり重要な変化だと思います。現在30代がそう思っていても実 際にはできないわけですね。できないでいれば、40代になって仕事一辺倒になるのはある意味で当たり前でもあると思い ます。人間の幸せを考えたときに、前に樋口委員がどこかでおっしゃっておられたと思うのですが、日本の高度成長期と いうのはずっと戦時態勢でやってきたわけで、それは人間的に望ましい豊かな生活、人生ではありえないわけです。追い つけ型の経済の必要悪ということで、最低限のラインに到達するために仕方がないということでやってきた。とすれば、今 こそ、本来の人間らしい人生が送れるにほんへ、あるいは成熟した市民社会へ向けて舵を切るべきであり、国民もそれを 望んでいるのだと。
 現在変化を求める要求があり、なおかつその変化は正しい方向へ向けての変化でもあり、社会としてはそれにこたえて いく必要があると思います。それは単に女性の活用だけでの話ではない、それを超えたところでも必要なのだということを きちんとおさえるべきではないでしょうか。ここでは性別役割分業が女性の社会進出を阻害しているんだということをいろ いろな角度から述べる中で、これは女性のためだけではないのだということをおさえることによって、より説得的になると 思います。男性も育児参加を望んでいるのだと。
岩男会長
1つはデータがあるかどうかというところでちょっと私は疑問に思うんです。データがあってきちんと出せれ ばそれでいいと思うんですけれども。
樋口委員
私たちが30代のときなどは、子育てを一生懸命しているお母さんたちでも、夫が早く帰ると女の方も嫌な顔 をしたんですよね。ですから、意識は寺尾委員がおっしゃるように変わってきているとは思うんですけれども、この場合は 子育て期にある30代男性が最も就業時間が長いという現実があるわけですね。にもかかわらず、だからこそと言うか、確 かに世代の差はあって昔の我々の夫たちが30代のころであれば、それが男性としてあたりまえだと言って何も思わな かったかもしれないですが、今の30代の男性はやはり家庭中心に生きたいと願っている。そこのギャップがまさに男のゆ とりということを説明する大変鮮明な材料になるんじゃないかと思って申し上げたんです。
住田委員
管理職の割合の点については、GEMが低い一因、一つの要素になっているということを少し書き加えてお いていただくといいと思います。あとは、所得が低いということもどこかで書ければいいと思っています。
山口委員
「男性中心の企業風土」、女性の活躍を阻害する風土が挙げられるということですが、総理府の時代から 最初は男女平等に関する意識調査があって、今は共同参画に関する世論調査で、ずっと時系列を見ていると変わらない 部分があります。それは、日本の社会で男性と女性とどちらが優遇されている社会かという問い掛けに対して、男性が優 遇されている社会だと考える女性が8割で、私の記憶ではたしか男性も7割が男性が優遇されている社会だと、ほぼ同じ ぐらいの意識が出ていますね。
 そこで、では優遇されているとしたらどの分野で優遇されているかというと、第1に意識慣習が挙がっていて、2番目に政 治、3番目に職場という順ですね。次はたしか家庭だったと思います。それで、私はそれを是非使いたいと思うんです。な ぜならば、今、企業における男性中心の企業風土、意識慣習からも影響を与えていると思います。それから先ほど言った 政治も、家庭も、いろいろな分野で影響を与えている。これから企業だけではなく地域社会とか政治だとかいろいろな分野 をここで議論をしていくときには、さまざまなところから意識慣習とか固定的役割分担というものが非常に根強いということ を言わなければならないと思うんです。
 そこで、私は企業風土が挙げられると。
 一番言いたいことは、やはり意識慣習というものをさまざまなところで挙げていって、それが影響しているということを私 ははっきりさせておいた方がいいと思うんです。
岩男会長
ここの整理については先ほど高橋委員からも御指摘がございまして、順番もばらばらですし、これはもう一 度考えて整理をしていただくというふうにお願いをしておきたいと思います。
古橋委員
ポジティブ・アクションの積極的推進については「諸外国の制度を参考にしつつ、ポジティブ・アクションを積 極的かつ効果的なものとするための法制面を含めた手法の検討を行う」という説明でしたが、男女共同参画社会基本法 においては積極的改善措置というものは国・地方公共団体の責務ということが明記されているので、法制面の検討を行う ということは男女共同参画社会基本法にはこう書いてあるけれども、更にそれを個別的に実施するために何を検討する のかをもっと具体的に書かないと、法制面の検討を行うというのは何を考えているのか分からないのではないでしょうか。 基本法にも積極的改善措置は書いてあるわけです。だから、個別法で書くならば、具体的内容はある程度方向性を指摘 しないと個別法として書く意味がないというのが1点です。
 あとは細かいことで恐縮ですけれども、新たな方策の検討として考えられる「補助金の際に」というのは、補助金の交付 の際にと説明すべきです。
岩男会長
ポジティブ・アクションの積極的推進につきましては、実は私も全く同意見でございまして、既に事務局にお 伝えもしたんですけれども、ほかにも竹信委員からも同じような御指摘もたしかいただいていると思っておりますので、是 非これは委員からの声ということで具体的に書いていただきたいと思います。
高橋委員
ポジティブ・アクションの支援策の方向の最初で推進協議会が出てきますね。そこで提言をまとめたと。この 提言と本専門調査会の立場がよくわからないような気がするんですが、提言ではこうなっているというこについて、この提 言に賛成でこうすべきだと考えている専門調査会としての立場をはっきり出した方がいいんじゃないかと思います。
岩男会長
この記述については、恐らくほとんどの方が疑問をお持ちになったと思いますので、これは事務局の方で整 理していただきたいと思います。
樋口委員
私はこの「女性の活躍推進協議会」のメンバーですが、この間、男女共同参画会議でも厚生労働省の方か ら御報告があって、いい報告だったと思っています。やはり「支援策の方向」というのは、こちらの専門調査会としてはポジ ティブ・アクションの積極的推進の中では他省庁の取り組みとの連携等として最後にまとめて出せばいいのではないで しょうか。
岩男会長
全く同感でございまして、恐らく皆さんそういう御意見だと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それから、「新たな方策の検討」というところで、「検討することが考えられる」というご説明がありました。文章の終わり が考えられるというのは随分消極的なので、こういうことを検討することが「望ましい」とか、「必要である」とか、もうちょっ と積極的に専門調査会としての態度を是非出していただきたいと思います。
八代会長代理
「検討することが考えられる」というのは、二重否定というとおかしいんですけれども、普通は「検討す る」で「実行する」より弱いんですが、それを更に弱めているわけですね。これは「検討する」にせめて「する必要がある」 としてはいかがでしょうか。
村上課長
ただ、これは地方公共団体の話ですので、地方自治体の自主性、自立性が必要と存じます。
住田委員
最初のときに少し申し上げたことですが、GEMの低い理由の一つとして意思決定の参画度が低いということ と、それから女性の男性に比べての所得が低いということがここにはどこにも入ってこないんでしょうか。今も賃金の格差 の問題は女性パートと一般労働者の賃金格差がありますが、男性との比較というのが一切出ていないということで、その 視点がここに全く欠けてしまっていることに対しては非常に大きなものが抜け落ちているような気がします。
坂東局長
管理職のところと並んで、所得格差の部分についてもう少し少し書き込むようにします。
住田委員
これは高齢社会の年金の低さにもつながることで、十分認識しておくべきことではないかと思っています。
古橋委員
賃金格差が低い理由は、雇用期間が短いことと昇進の遅れが考えられるでしょう。昇進の遅れということが チャレンジに関係するので、昇進の遅れがあるよということもそこに書いておいた方がいいですよ。
住田委員
すべてにつながっていくことだと思います。
山口委員
我が国のポジティブ・アクションはあくまでも企業が主体的に取り組むものであるという、これの根拠は何か ということです。諸外国においてはポジティブ・アクションの報告義務、または努力義務、さまざまなものが設けられている ということですが、ノルウェーでは公務員の女性の管理職進出というのは非常に高いけれども、企業の管理職が少ないと いうことが課題だったんですね。そして多分今年、一方の性が40%を下回らないような管理職登用という法律ができると いうふうに聞いているんです。そうなりますと、ここだけでは例示が少し弱いかと思いました。この2点はどうなんでしょう か。企業が主体的に取り組むものであるというふうに限定してしまうのは何か根拠があるのか。私はこの辺がよくわから ないのですが。
村上課長
ポジティブ・アクションは男女雇用機会均等法の中にも位置付けられていまして、そこではポジティブ・アク ションに取り組むことを行政が支援するといいましょうか、ノウハウを提供したりしており、そういう意味では現在は自主的 な取り組みをお勧めするという枠組みです。だから、それをもうちょっと強化することが考えられるんじゃないでしょうかと いうのが法制面を含めた検討の意味で、具体的には均等法の見直しもあり得るという趣旨です。
岩男会長
それでは、次に「新しい分野へのチャレンジ-「横」へのチャレンジ-」について検討を進めてまいりたいと思 います。
寺尾委員
今ごろ申し上げるのは遅いのかもしれないんですけれども、新たな方策の検討のところの公契約について の書き方、書きぶりなんですが、ひとつ論理が飛んでしまっているような気がするんです。どういうふうに論理が飛んでし まっているかといいますと、一方では地方自治法施行令の規定があり、他方国については予算決算及び会計令で決まっ ているということでございましたが、我が国の会計制度の原則との関係でそもそもこういうことができるかできないかという ことが男女共同参画推進に限らず一般的な問題としてまずあるわけです。つまり、入札で契約をする際に、例えばこうい う法律を遵守しますよということを契約書の中に書いていいかどうかという問題は一般問題としてあって、これは男女共同 参画に限ったことではなく別の問題なんですね。
 それがクリアできて初めて、今度はその先どうするか。つまり、例えばアメリカの場合は遵守しますとまず契約に書くわ けです。国の法律、差別を禁じている法律を守る、私たちは法律違反をいたしませんということをわざわざ契約書に書か せて、それをなおかつモニターをしていくという制度ですが、我が国においては、まずそれを契約の中に書くかどうかという 問題があるわけで、この部会で出てきた議論も、ますそこの問題があるからできないんだという話があったのに、この原 案ですとそれを飛ばして、評価するときの手法が難しいという話にいきなり入ってしまっているので、それは私はおかしいと 思うんです。今もお話がありましたように基本法でポジティブ・アクションを推進すると、それが国の義務になっていると書 いてあるわけですから、それと我が国の会計制度との問題がどうかということを議論しないで、先ほどの話になるのでは おかしいと思うんです。
 地方自治法施行令との関係でも、それは地方自治体との関係ですから検討することは考えられるという表現になると説 明がありましたけれども、地方自治法施行令の条文を忘れてしまいましたが、予算決算及び会計令と同じような条文に なっている面があって、それが根拠にされてできないよという解釈が出てきているわけです。
 これがあるために、事実上の行為としてお伺いするとか、どうなっていますかと聞いているだけですということにとどまっ ているわけですが、それでも会計法の原則を見直せば済む問題であって、果たしてそれは国の法律としてできるかできな いかという議論をやっていただきたい。例えば、総務省・財務省に検討してくださいということをこちらが聞くのは構わないと 思うんですが、そこを飛び越えてしまって、企業側の取り組みをポジティブアクションとしてモニターすることが実際には難 しいからできませんと言ってしまう必要はない。もっといえば、私は、アメリカの例でもご紹介しましたように、充分可能だ し、強力な推進力を発揮できる手法だと思っています。
 少なくとも、今述べましたような理由で、いきなり客観的透明性の高い評価手法は困難というところにいってしまうのは論 理としてもおかしいんだと思います。評価手法うんぬんの話しは、法的な議論を乗り越えて初めて話になると思いますの で、その辺をもう一度御検討いただけたらと思います。
岩男会長
この部分は、ある意味では今回の目玉だと思うんです。ですから、もう少し丁寧に今、寺尾委員のご発言を 踏まえ、検討をお願いします。
寺尾委員
土俵際までいって押し戻されるならばしようがないですけれども、正直なところあれだけやったのにという気 がいたします。
岩男会長
そのような形で書き込むということですね。
八代会長代理
それに関して、障害者雇用比率との関係ですね。今、寺尾さんがおっしゃった点は、障害者雇用比率で あれば今の制度でも入れることは構わないという前提になるわけですか。
寺尾委員
そこのところは基本解釈の方はどうなっているんですか。そこを調べていただいて、もしそれができるのであ ればできないわけはないのではないかというふうにこちらが言っていかないといけないところに我々はいるんだと思いま す。
八代会長代理
これを読むと、どちらかよくわからないですね。
岩男会長
そうですね。
住田委員
ポジティブ・アクションに関して、公務のものは今回全然入らないんですけれども、せっかく国家公務員の方 であれだけのものが決まって、今、各省庁で取り組みを進めているのであれば、どこかで比較の意味でも一言入れてい ただいた方がいいのではないかと思います。
坂東局長
次の後半のところで取り上げるということも考えられますが、ここで主に議論するのではないけれども少し言 及しておくということですね。
寺尾委員
くどいようですが、もう一言付け加えさせていただきます。もっとこの点は議論していくべきだと思うのです。 たとえば、男女雇用機会均等法は、もう努力義務ではなくてきちんと守らなければならないわけで、守りますということを 入札時に契約書に入れるといったときに、守るのは国の法律であるんだから当たり前ではないかという議論も充分可能だ と思うのです。
 契約書の中に男女雇用機会均等法は守りますと誓約させるということなんですが、アメリカの場合はその誓約に違反し ている場合には公契約を解除できます。以後の取引停止という制裁も可能です。しかしこうした制裁うんぬんの事はまず はさておいて、一応その問題は切り離して考えて、誓約書としてまず書いてもらう。それに違反した場合にどうするかは次 の問題として考えるということがあり得ると思うんですが。障害者雇用比率との関係でどのような法的な処理がなされて いるのかも本当は調べていただく必要があるように思います。つまり、どのような論理でどのような法的な枠組みを使っ てこれをお願いするようにしているのか。
松田委員
予決令もあれも同じなんですが、経営の状況というのを入札要件として求められるのですが、経営の状況と いう中に他の政策的なものを入れるのは公正性、経済性という会計法上の公契約の原則としてふさわしくないといってい るにもかかわらず、障害者雇用については地方公共団体ですすめているのは、改定障害者雇用促進法において企業に 何%雇用するという数字が入っているんです。それで、雇用率未達成企業に対する指導を行うという政策になっていて、 それははっきり具体的に数値まで決まっています。
寺尾委員
それは個別法の中にそのことが書き込まれているということで、個別法でそこだけ風穴を空けているわけで すね。
松田委員
そこには風穴が空いているわけです。だから、男女雇用機会均等法はさっきから何度も出ているように、ポ ジティブ・アクションをいわば支援するという自主的な取組として、やってくれるところには応援しますよということですか ら、直接持ってこられないという実質的な状況があると思うんです。
寺尾委員
ただ、そのときに、一般論としての議論は少なくとも詰める必要があったはずです。一般原則について個別 法で穴が空いているわけですね。この点につき、個別法で穴が空けられるのなら、基本法を持ち出して、穴をあけてもらう ことはできないのか。あるいは、穴があいているのであれば、一般原則も修正されているはずですから、その修正部分に 男女共同参画の政策の推進を入れることができないのか。できないとすればそれはなぜか。個別法で穴を空けてあると いうことはおよそできないのではなくて、しかるべき場合には例外があるということだと思います。そのときに、その例外は 法律で定めなければいけないかどうか。例外を定める法律が男女共同参画社会基本法ではいけないかどうかという議論 をしないといけないということですね。
松田委員
そのとおりです。ですから、この前、私が報告したように一般の議論では、経営の状況の中に障害者雇用比 率に限らず一般的な政策、例えば環境保護の観点など入れることは政策として確立してある以上、それが具体的な数値 になっていようがいまいが、もちろんその度合いは法律のスタンスに合わせなければいけませんけれども、組み入れるこ とは何ら問題にならない。公正性、経済性という要件に何ら抵触するものではない。著しくそれによって、こちらはこんなに 高くてこちらはこんなに安いけれども、こちらはある公共政策に合致しているから落札するというようなことでなければ、 同等のものであれば当然そちらの方を優遇するのは経済性の原則に全然反しないということです。私は今おっしゃったと おりだと思います。
 特に専門調査会では今ある法律の体制を前提として、それが絶対動かせないものとして議論しているのではなくて、や はり男女共同参画推進の方策としてどこまで現行法を変えていくかというところまで踏み込むような立場にあるわけです から、ここは余り遠慮しない方がいいと思うんです。
村上課長
前回にお話ししましたけれども、公共工事の競争入札参加の資格審査にあたって、国が建設業法に基づい て経営事項審査の項目をいろいろ決めております。その中に労働福祉の状況などもあって、賃金不払いの件などは入り ますが、例えば、ISOシリーズの認証状況ですとか、それから障害者雇用比率は現在は入っておりません。
 それで、地方公共団体が取り入れている障害者雇用比率の話は今、松田先生からお話がありましたように、障害者雇 用比率は法令で一定の比率が定められており、明確な基準があるわけです。そういうものについて幾つかの県が主観的 事項として、客観的なものとして定めております。国としては障害者雇用比率をきちんと認めるとまではいっていないという ことはありますが、地方自治体の工夫として男女共同参画の観点まで広げていく余地はないかという追及の中から出てき たアプローチが先ほどご説明した方策ということです。
寺尾委員
その点について質問がありますが、おっしゃったことは要するに国レベルでは認めていないけれども、地方 自治体レベルで進めている状態だということですか。
村上課長
難しいところですが、自治体の取組として進めることについて否定はされておりません。
寺尾委員
そのときに、別のところで地方自治法に抵触するからこれは正面からできないのだという議論を聞かされた 記憶があります。地方自治法がネックになっていると。この点はいかがでしょうか。
村上課長
もちろん地方自治体の基本的な原則は法律で決まっていますが、自治体も条例等、一定の基準制度がで きるわけですし、地方自治体としての自主性、自立性もありますから、その中で障害者雇用比率の話はなされているとい うことだと思います。
寺尾委員
そうすると、そこを拡大して自治体が自治体独自のポリシーメーキングといいますか、公契約の分野でポジ ティブ・アクションとして取り入れることは地方自治法に必ず抵触するとまでは言えないということなんでしょうか。
村上課長
そういうことだと思います。
寺尾委員
もしそうであるのなら、専門部会としては、地方自治体に対するメッセージとして、そして自治体に働きかけ る関係にある有権者である自治体住民に向けても、そのことは是非はっきりと書くべきなんではないでしょうか。この間の 福間町のヒアリングをしたときも、その辺はわからないのでうちはお願いベースでやっていますとおっしゃっていました。も し法的につめてみて、お願いベースでなくてもできるということであれば、ここは是非そのことを自治体に対して発信をすべ きだと思います
 体に対して発信をすべきだと思います。
岩男会長
そうですね。ここの提案として是非こういうことをやってほしいということを書けばいいんだろうと思います。
寺尾委員
それで、その根拠になっている法解釈はこうですということを示せば、地方公共団体も安心してもっとできる のではないかと思います。それは結局は法律の解釈の問題になるわけです。公契約というのは別にいわゆる公共事業だ けにかぎりません。自治体はその他にもいろいろな物やサービスを買っているのですから。これは建設業法だけの問題 ではなくて公契約一般の問題として議論していくことはできると思います。
古橋委員
何度もここでお話を聞きましたけれども、地方自治法施行令の改正があって、総合的な参酌事項ということ が総合評価方式として契約の場合に入ったんです。その総合的解釈事項というのは価格だけではなくて、契約をするとき に提供すべきサービス、物の質の問題を考えないと安かろう悪かろうになってしまうから、ということを防止するためで、そ の施行令の改正をしたんですけれども、総合的参酌事項というものを広くすれば、この障害者雇用比率や環境問題は入 るだろうという気持ちで議論しているんです。地方公共団体は入札の参加登録要件として取り入れており、それについて 自治省はまだ判断を付けられない状態なんですね。だから、それと同じように男女共同参画の観点も参加登録の審査項 目として中に入れたらいいじゃないか。入札参加登録要件の方ですね。
古橋委員
ここで従来と違ってきたことは、男女共同参画社会基本法によって積極的改善措置というものは国、地方公 共団体の責務となったということを基本法の解釈でできるものであるならば、できるだけ男女共同参画の観点からの解釈 をすべきではないかということを提言することは私は問題はないと考えます。あとはその解釈論に任せるということではな いかと思います。できないと言ったらできないし、それで裁判で争うということではないかと思います。
 これはずっといろいろ議論してきたけれども、契約そのものについて価格が安いのに他の政策目的を優先するというわ けにはいかないと思います。やはり契約の本質で税金を使うわけですから、ずっと前にも会長が言われたように価格面で 同じ条件のときには男女共同参画を推進している方を取るかもしれない。しかし、まず入札参加登録の要件での審査項 目として取り入れるのはいいし、補助金を交付するときにはよほど悪いことでもない限りそういう要素を入れるということは 私はあっていいと思います。ここのところで基本法の積極的改善措置が国の責務、地方公共団体の責務に入ったというこ とは極めて画期的なことなんです。そこのところをもう少し強く言って、そういう趣旨でやるから解釈もだんだん広めていく べきではないかということを提起をするということは私は決して悪いことではないと思います。
松田委員
例えばアメリカの場合の労働安全性衛生法などは連邦基準というのをつくって、これよりも厳しいものだった ら幾らでもやってよろしい、これは最低なんだと。男女共同参画基本法というのはそういう性格を持っていると思います。 これは基本なんだから、これよりいいものだったらどんどんやりなさいという地方自治体の呼び掛けもあっていいと思うん です。そういう解釈は十分可能だし、それが基本法というものの意味だと思うので、下げるのならばいいけれども、上げて はいかぬというのはおかしいですね。
樋口委員
今おっしゃったようにポジティブ・アクションというものが基本法の中に定められていると、やはり私たちは基 本法にのっとりながら議論すべきところだと思います。それでだめならばまた考え直すこともあり得ますけれども、ここで 余り今の法規がこうなっているからこれもだめだろう、あれもだめだろうと頭から言うのは私たちの専門調査会のよって立 つところではないだろうと思っております。
 ここに基本法があり、一方で地方分権一括法で国の法令に反しない限りは条例を定め、国と地方との紛争処理に関して も提訴できるようになっているわけですから、裁判所の前の段階で国と地方とで紛争を解決できるとか、新しい法や制度 がつくられています。DV法だってできる1年くらい前までは専門家の解釈は、日本の法体系は英米法と大きく異なるので 無理だろうと言われていたのが、やはり時期が熟すると、ストーカー法ができ、DV法ができるというように進んできまし た。そういうきっかけになっていくのがここの調査会の役割だと思いまして、ここは私は目玉だと思いますから、余り飛び跳 ねてはいけませんが、現行法規に照らして積極的に書いていっていただきたいと思っております。
岩男会長
そうですね。それは基本法を始めとしてこういう後押しをするものがあるということをきちんと書き込んで、そ して是非進めたいと。
竹信委員
同じ話ですけれども、ポジティブ・アクションを支援するということがあるのにほとんど支援がこれまでない。 どう支援していいか、これは最もすごい支援策なのでそれをどう皆で考えたらいいか、どうやって進めたらいいかの道を 整備しましょうということですから、そこを書いた方がいいんじゃないかと思います。
寺尾委員
これを機会に大いに議論をしてもらって、できないならばなぜできないのかいうことをちゃんと法的に整理し ていただきたいですね。いろいろな所管省庁に関係があることを、調べたり調整したりして頂いて、横断的にまとめていた だき、そこで対話を促進し、できることを詰めていくということをここではしなければいけないのではないでしょうか。まさにそ ういうところに、男女共同参画会議や男女共同参画局の存在意義があるのですから。
岩男会長
全くそうだと思います。男女共同参画会議なんですから、そういう形で是非書き込んでいただきたいと思いま す。
 それでは、次の「-「横」へのチャレンジ-」のところについては何か御意見はございますでしょうか。
樋口委員
私にはよく納得できなかったのは、横へのチャレンジというイメージが横に広がらないんです。縦というのは 管理職になったり、平等にもっとしていくとか、横というのは私は最初のこの席での議論の段階ではいろいろな分野へ進出 していくというふうに受け止めておりました。パートを始めとする非正規雇用の現状分析はいいと思うんですけれども、 ちょっと現状分析に割き過ぎていて、聞いているとわけがわからなくなってしまいます。
 これは頭の中で整理しながらいかないとわからないんですが、ウが「NPO法人で活躍する女性」、エが女子学生云々、オ が「女性のチャレンジを支援する環境」ときて、一体ここで何を言いたいのか。要するに、非正規雇用の人の地位を上げ ると同時に、ライフプランに応じて多様な労働、ワークシェアリングを含めて、多様な形態を渡り歩けるように、それが差別 につながらないようにせよと言っているんだったら、それは一つの柱でいいと思うんですけれども。大学の専攻と就労分 野というところがちょっと出てはいるんですが、女性のいっていないところへどうすれば横に広げられるか。私のイメージし ていた横が全然入っていないのですね。
岩男会長
まず最初に、「現状と阻害要因」というところで、ここまで詳述する必要があるかどうかということについて、 私も全く同じ疑問を持ちました。
古橋委員
阻害要因をもっとはっきり書けばいいんです。そうしなければ対応策に結び付かないです。そのために現状 というものをちょっと書くという程度で、あとの現状や何かは参考資料でもいいが、何が阻害要因かということは非常に重 要な価値判断ですから、阻害要因ということだけを大きくクローズアップすると大分違ってくるんじゃないですか。
高橋委員
「横」のチャレンジの構成を見ていますと、(1)で「現状と阻害要因」、(2)で「支援策の方向」、これは恐ら く、前の「-「上」へのチャレンジ-」と同じ構成にするという意図だったんだろうと思うんですが、「現状と阻害要因」と「支 援策の方向」でそれぞれの順が全部対応しているわけですね。それで、読んでいると阻害要因を書いてもらって支援策 ですと読んだ方がわかりやすいんじゃないかと思ったんです。ですから、ちょっと構成を変えて何かそこを連続するような 形に書いてもらった方がいいのではないかと思いました。
八代会長代理
古橋委員のおっしゃることは全くそのとおりなんですけれども、問題は阻害要因が書けないから現状分 析で書くわけで、はっきり言って阻害要因というのは書き出すとここで合意は得られません。私は過度の雇用保障がまさ に阻害要因になっているという見方ですけれども、それに対して当然反対論もありますから、そこが実はポイントなので、 両論併記ということだと思います。
古橋委員
阻害要因としてこういう考え方があるということを書いたらどうですか。例えば、この5業種について派遣業 から除外されているということがありますね。私はこれについてはここのところでなぜそれが例外になっているのかという 理由を書くべきだということを提言したいんです。それこそまさに透明性の原則だと思うんです。
 それから、高橋委員がおっしゃったように、ここは全体として阻害要因と対応策ということの連結が分かりにくいので私も 阻害要因と対応というのを、この部分だけは個別にくっ付けた方が読みやすいと思います。
住田委員
また樋口委員の最初の御質問と同じことを申し上げて恐縮ですけれども、新しい分野へのチャレンジという ときはやはり職種の拡大を通常イメージしているのではないかと思います。今まで女性が技術系、理系的なものに進出が 少なかったとか、それからいわゆるブルーカラー的な工場だとか。そういうところに行かなかったのが、今は機械化等に よってそれほどの力を必要としなくなったから女性がいろいろな分野に進出しているということが一行もないというのはとて も寂しいことではないかと思います。そしてまた、これまで目を向けられていなかった分野、福祉の分野でも環境の分野で も細かいところに女性の視点でいろいろ進出しているところもあります。NPOの法人での活躍とか、そういうものもどこか で書いていただければと思うんですけれども、それも抜けています。
 それからもう一つ、国際的な分野で男性がチャレンジしないのに日本女性が活躍なさっているということも入っていな い。新しい分野へのチャレンジというのはそういうイメージを私は持つので、今からこれを書くのは大変かもしれませんけ れども。私の娘の世代にはそういうところにいってもらいたいなと思うところが一切ない。やはり夢が持てるようなことを是 非入れていただきたいと思います。
岩男会長
具体的に夢がもてるようなことですね。
住田委員
そうですね。それで、ここに書いてあるのは多様な働き方、雇用形態の多様化の問題だけで、どちらかとい うと再チャレンジ、もしくは就業継続、就業中断したときの救済施策ないしは就業を継続するための働き方であって、もの すごく大事なことでありますけれども、新しい分野「横」へのチャレンジでこれほどのウェートを占める事項ではないという ふうに思いました。
松田委員
先ほど八代委員がおっしゃったように、男女差を設けられないような高度に技術的な職種というのがあって も、そういう分野へは女性は余り進出できないというジレンマはあると思います。
 しかし、明らかに男女に差を設けることが一見して不合理であるというような、例えば高度に技術的な仕事というのがあ りますね。これは全く同じ高度な技術的なことをやっていても、男性には100あげて女性は60とか70ということはもうできな い相談です。要するに高賃金職種というようなものが、今は技術検定や何かが自由化されていますから女性でもチャレ ンジできるにもかかわらず思ったほど進出していないというのは、そこで同じ高い賃金を払うのならば男性の方がいいとい うネックがどうしてもあると私は思うんですけれども、これは議論もあるし、実態をどう分析するかだと思います。
岩男会長
いろいろあるんじゃないかと思うんです。例えば外資系のインベストメントバンクみたいなところでは管理職 等にかなり女性が入っているわけですから、そういうところではむしろ性差が問題になっていないですね。ですから、さま ざまなケースがあり得るんだろうと思います。
竹信委員
さっきの阻害要因の件で意見が合わないからというふうにおっしゃったんですけれども、私はそうでもないと 思っています。
 ただ、拡大するのか、もしくは拡大するだけではなく、雇用保障もきちんとするのかという論点にするのであれば、最終 的にきちんと有期でも公平、均等、平等ということをやりたいということだと思うので、私はここでそんなに皆で角突き合わ せて対立していないんと実は思っているんです。だから、阻害要因もそれであれば、書けるのではないかと思うのです が、それをどのように進めるかはいろいろあると思います。
松田委員
私がお聞きしたかったのは、これは私のここに参加した目的の一つなんですが、同一価値労働同一賃金と いう、原文にあった働きに応じた賃金を払うべきだというのはこの案で落ちてしまっていますが、表現が漠然とし過ぎてい ると思うんですが、それをここで打ち出すとかえって女性の多様な技術的な新しい職種への進出を妨げることになるとい う認識があって書いていないのかなという気がしているんです。余りそこを強調してしまうと、その辺は考え過ぎなのかもし れません。
八代会長代理
阻害要因についてそういうコンセンサスが得られる可能性があれば、これはタイムリミットがどれだけ かわかりませんけれども、事務局がもしよろしければ私の方で案をつくらせていただいてよろしいでしょうか。それであとは 検討していただいて、事前にできれば調整していただきたいと思います。
岩男会長
是非そうしていただきたいと思います。今回と次回がございまして、時間はまだ余裕がございます。
八代会長代理
それから、先ほど座長がおっしゃった外資系企業では女性をどんどん活用しているというのはむしろ日 本で活用していないことの裏返しであって、能力の高い女性を雇えるから外資系企業はそういった女性を雇用している。 それは盾の両面なわけですね。ですから、私のインプリケーションは外資系企業のよう、企業をもっと競争政策で増やし ていけば、結果的に低い女性の賃金が上がっていくという競争を通じた男女格差の是正なんですが、それに対して自由に するとかえって格差が広がるから法律で縛らなければいけない。この考え方が2つ対立しているわけです。
竹信委員
どちらが先かの話だと思います。いきなり有期雇用の拡大で全部解決するということでなければ十分合意 の地点は私はあると思います。
坂東局長
それから、ここで本当に十分でないと思うのは職種拡大の部分で、専門職、公認会計士とか法曹の分野で すとか、女性たちがどんどん進出しているというふうな現状を書いて、さらにそういった分野に進出すべきだということを書 くだろうと思うんですけれども、その場合の阻害要因というのは特に専門職の場合はないんですか。
八代会長代理
あります。特に女性だけを阻害する要因はありませんが、カルテルで新規参入を抑制していますから、 結果的に新規参入者は外人も女性も不利になっているという、まさに間接差別みたいな問題です。だからこそ今、弁護士 も増やす必要がありますし、会計士も似たような形でかなり競争制約があります。それもまた規制緩和で競争を活発にす ることが女性にとってプラスになる。今、女性は損をしているからというロジックになりますので、それも合わせてと思いま す。
古橋委員
「大学等の専攻学部、学科の選択と現在の仕事」について説明があったのですが、最近大学における女性 の専攻分野が随分広がってきたんじゃないか。従来の多かった家政学部や文学部などから、法科、経済であるとか理工 系にも随分最近は入ってきているという統計を取って、そういう傾向があるので、更にそういう人たちが実際の社会に出た ときにそれが活かされるようにすべきだというような論理で私はここのところは書くべきだと思います。
 それから、すべてに関係するのですが、やはり能力評価についての客観性ということが女性チャレンジ、再チャレンジ、 すべてにとって極めて基準になる。このことを最も日本全体として考えていく必要がある。そうすれば、松田先生がご指摘 された同一価値労働同一賃金ということが実現していき、いろいろな意味における差別というものはなくなっていく。合理的 に説明できることなので、そのための努力というものが非常に重要であるということをどこかに私は書いてほしい。
岩男会長
これは全体にかかりますから、支援策の方向か何かにきちんと入れる必要があるように思います。
高橋委員
「学校教育の段階から基礎的な能力や仕事の実践に役立つ能力を身に付けることがますます重要となると 考えられる」との説明がありましたが、教育に従事している者として、この仕事の実践に役立つ能力というのは非常に気に なります。学校教育というと小学校からありますけれども、高校とか大学で考えると、その次の段落との関連で言えば、要 は将来自分が就く職業についてのある程度明確な意識を持っていくというか、そういう意識を確立していくことが重要だと 思います。ですから、仕事の実践に役立つ能力というふうに書くとどういう教育をやるんだという話になりますからちょっと 誤解を生むかと思うので今、言ったような趣旨に、例えば基礎的な能力を身に付けるとともに将来の職業について明確な 意識を確立することが大事だとか、そんなふうに書き直していただければありがたいと思ったのですが。
古橋委員
それに関連して申し上げますけれども、高度情報化社会になるとどういうふうになってくるか。技術革新がど んどん進んでいくわけですね。だから、学校で専門的なことを教えても役に立たなくなる。したがって、雇う側が一番要求 することは基礎的なことです。それが技術革新の変化に応じてそれに合わせて変わっていく必要があります。その技術革 新の変化に応じて対応するのには自己責任において研修を進めていくというのが高度情報化社会における在り方だとい うふうに我々は考えますので、大学において実践に役立つなどということをやってもすぐ役に立たなくなってくる。それより も大学においては、基礎的な考え方に基づいていつでもそれが応用できるような考え方を教えるというのが大学における 教育だというふうに、これからの高度情報化社会では私どもは思いますし、かつまた学生に対してもこれを含めて高度情 報化社会における能力主義ということをもう少し女性チャレンジの場合もいろいろなところで書くべきじゃないか。能力とい うことが非常に重要になってくるんですよ、そのために各々の場合において基礎的なことをよく勉強していかないとだめで すよということを書いてほしいんです。
岩男会長
そうですね。能力を伸ばすことが大事なんだということですね。実は私も学校教育に携わる人間として学校 教育関係のことが少し多過ぎるんじゃないかというような感じを持ったんです。つまり、そういうことは既に随分言われてき ていることで、ある意味で常識になっていることを余り繰り返す必要はないんじゃないかという気がしております。
山口委員
女性は短大が4大よりも低くなりましたけれども、やはり一般的教養、つまり学歴も結婚の一つみたいな形 にしてきたことが長年あるわけですね。これは全体から言ったらやはり自立するというか、仕事を持って、税金も払うという 方向を示唆していると思うんです。ですから、私はやはり学校教育もそういう方向で進んでいくということがここに出てくる ことがいいと思うんです。今までの教育の在り方をかえりみて、書き方としてはこのくらいではないかと思います。
北村委員
今、教育から話が戻ってしまうんですけれども、起業についての言及がありました。それで、ここでなぜ女性 の開業希望が多いかということですね。自分の時間に合わせたとか、働き続けたいというような理由が挙がっているわけ で、これは言ってみれば女性の側の自己都合でこうなんだよというような言い方だと思うんですが、実は私は女性の起業 というのは今までアンペイドだったものをペイドに変えていく、あるいは新しい産業というか、ニッチを探していくという意味 ですごく大きな推進力としてのプラスの面もあると思うんです。
 それで、先ほどからちょっと出ていました女性の労働力をどう評価するか。男性に比べて同一価値労働をどう見るかみ たいなこととも微妙に関連すると思うんですけれども、もう少しここのところに積極的な女性があれができない、これができ ない、だから起業だというふうにネガティブな理由じゃなくて、これから先のサービス社会での新しいニッチを顕在化させて いくものとしての価値があるというようなことを言及することで、もう少し夢のある展望にしていただけないかという希望が ありました。
住田委員
先ほど坂東局長の御質問に対して、新しい職種の拡大のところに書いていただきたいのは、ジェンダーバイ アスを少しずつ乗り越えつつあるのではないか。男の仕事とか、女らしくない仕事とか、そういうものに対してこだわりなく 進んできているということがひとつ言えるのではないか。
 ただし、やはりまだまだ壁がありまして、これは阻害要因だと思うんですけれども、問題点を指摘するなど、大企業を相 手にするときに、女性であるから一人前のことを言わせてもらえないとか、そういう形でやはり女性を一段下に見るような 仕事のしにくい状況というのはまだまだある。この間、税理士の方の意識調査がありましたけれども、あれは公認会計士 も弁護士も同じでして、事務所単位ですと顧問になれるんですけれども、女性個人の顧問というのはなかなかなりにくい。 これはそういうところに原因があるんだろうと思っております。ですから、ジェンダーバイアスがまだまだ根強い社会におい てはそういう分野に進出することの困難な状況があるということです。
古橋委員
専門職についてのそういう阻害要因というのは具体的に書けませんか。そういうものをやっていくことが横へ のチャレンジになるんだよということを具体的に書かないと迫力がないですね。
樋口委員
今、皆さんがおっしゃっていることにほとんど賛成なんですけれども、要するにこの横のところが一番夢の持 てる部分だと思います。チャレンジ支援というのは夢がなければいけないと思うし、今の起業に関してもデモシカ起業に女性が追い込まれているんじゃなくて、やはり女性の視点から見てそこから起こしていく起業が社会を潤すというか、社会を よりよい方向に変えていくという女性の進出が社会の活気となるように、ということだと思います。女性の夢が社会の活気 につながるという面を是非記してほしいと思います。この秋から始まりますけれども、NHKのテレビ連続小説がまさに女性のチャレンジなんです。屋久島の女の子が宇宙へ行きたいという「途方もない」夢を持つんですよ。NHKでそのような お茶の間向きテレビドラマをつくる時代に、我々がもうちょっと夢のあるようなことを言わなければ申し訳ないんじゃないか と思っております。
岩男会長
NHKの朝の連続ドラマは、例えば杜氏であるとか、いろいろ新しい分野に女性が進出していることを扱って いますね。
樋口委員
たまたまチャレンジ支援策が時期的に重なるのは、時代の流れだと思います。
寺尾委員
私は、そういう女性がチャレンジできる社会というのは男性もチャレンジできる社会だと思います。この点を ぜひもうひと押しする必要があるのではないでしょうか。これまでの社会を前提にして、男の人たちも自分の人生こんなも のだとみんな思っていて、あるいは卒業した大学なりによってもう人生のレールが敷かれているつもりでいるわけで、みん なが夢を持たなくなってしまっている、もてなくなってしまっているというところがあるわけですね。それが、今の日本の閉 塞状況の裏側の姿ではないでしょうか。いろいろなことが可能なんだということを女性が切り拓いて実現していくことによっ て男性も可能性が広がっていく。
 女性だったら、ある意味で途方もないことを考えられるんですが、男性の方は途方もないことはできない。それで本来あ るチャンスを見えなくしている、可能性を見えなくしているという状況があるわけです。「女性の元気は男性のゆとり」という だけではなくて、男性の可能性も広がるということを売りにしたいと思います。能力評価をちゃんとしていきましょうというの はそういうことなんです。常にチャンスはありますよということなわけですから。
岩男会長
それでは、まだいろいろとあるかと思いますけれども、大分方向がはっきりしてきたと思いますので、次の 「再チャレンジ支援」の部分について何か御意見がございましたらいただきたいと思います。
住田委員
私がこの再チャレンジ支援を入れることお願いした一つの大きな理由ですが、戦後の高度経済成長期にベ ビーブーマーの世代が一番たくさん主婦になり、今50代後半において、これから高齢化社会の入り口に立っている。そう いう方々が再チャレンジしていくことによって女性全体を引っ張っていく牽引者となっていくということを私は期待したいと 思っているんです。
 そうすると、そういう時代性というのがここには全く入っていなくて、単に最近はボトムが上がってきましたというような指 摘になっています。これは結果的に上がったというのではなくて必然的に上がったものであろうというふうに思いますの で、そういうようなことがどこかに入らないのかなと。今50代で、高齢化社会の入口に立っている方々の再チャレンジ支援 を行うというのは、これから高齢化社会のためには非常に必要なんだというような視点を入れていただければと思いま す。
古橋委員
さっき調べた国際条約で日本が批准できない中に、再チャレンジについて一回辞めた人が元の給与で就職 させる義務があるというような条約を私は過去にどこかで見たような気がするんです。
岩男会長
ILOでしょうかね。
古橋委員
母性保護条約かどこかで見たんですが、私はどこかで見たんです。それを調べてほしいということが1つと、 そういう条約があってそれは批准しておりませんよということです。
 それから、福岡県の条例では事業主の責務として雇用継続とか、あるいはもう一回雇う義務があると、努力義務が既に 規定された条例がありますから、そういうようなものもありますよというようなことを少しずつ入れて、好事例をこの再チャ レンジの最初のところで出していただきたいと思います。
八代会長代理
今、古橋委員がおっしゃった点は、外国でできても日本でできないというのは、例えば年功賃金です ね。つまり、一たん辞めた人が数年間子育てをしてまた復帰する。そのときに、職種別賃金だったら企業にとって別にその 人に能力があれば何の問題もないんですけれども、年功賃金ならば高コストになりますからそれはできないわけです。そ うすると、ではその人だけ安い賃金で雇うと、これまた差別になってしまう。ですから、そこがまさに安定と保障の世界では 再チャレンジというのはすごく難しいということのジレンマなんです。再チャレンジを支援するということは安定過ぎる社会 を不安定にするということで、それが最大の阻害要因で、そんなことをしてもらったら困るという反対論があるわけであっ て、そこが大事じゃないかということです。
竹信委員
それはちょっと違うと思うのは、不安定にすることが目的ではないわけですね。
 それと、年功で自動的に上がるというのではなく、経歴、経験を評価の中に入れていくとかということをしていけばいいと 思います。年功序列・終身雇用に賛成するわけではないんですよ。対立軸は3つあるわけです。何でも自由競争で一切 規制はなしの方法と、従来型の終身雇用・年功序列型と、第3の道として、会社への出入りは自由だが、評価が公正で安 定性の高いものと3つがあるわけですから。規制をなくすにしても、公正な評価方法を確立することはやはりとても重要な ところだと思います。それまでにやっていたこともどうやって評価するかというシステムも研究しなくちゃいけないでしょう。
岩男会長
もう一つは再チャレンジあるいは、戻りやすくするためにIBMの方がお話になっていましたけれども、休んで いる間にいろいろとスキルが陳腐化しないように、家にいながらできるような仕組みをちゃんと企業の方でつくっておられ るわけですから、そういうものは支援策として是非こういうものをもっとやってほしいという形で入れていいのではないかと 思います。
竹信委員
もう一つ、再チャレンジというのはいったん企業が決まった人はいいんですけれども、それこそ不安定な社 会で、自分で選ぶときにどこに聞きにいけばいいかわからない、どうやって戻っていいかわからないような仕組みの問題 が一部方向性が書いてありますよね。これをもう少し鮮明な形にできないだろうか。
岩男会長
アメリカですと、履歴書の書き方から相談に乗っているんですよね。
竹信委員
そういうことがきちんとできないか。それが目玉だと思うので。
古橋委員
そういう手段の指導ですね。
岩男会長
情報を取るというような形だけではなくて、具体的に。
竹信委員
しかも情報もばらばらにあるので、どこから入っていっていいか本当に皆さん困っているのは事実です。
八代会長代理
そういうのが再就職支援ビジネスであって、それがまた人材ビジネスで規制されているわけですね。
竹信委員
それはいろいろな方法があるので、それがなければできないわけではないと思います。
坂東局長
もう一つ、私は再チャレンジを一番妨げているのは年齢制限の壁だと思うんです。例えば一般事務職だと 大体32、33歳で、それ以上は応募できないんです。だから、ベビーブーマーは男性も含めて50代になったらほとんどどこ へも応募できないという実情です。女性に特に厳しいと思うんですけれども。
岩男会長
そうですね。それは、特にこれからは高齢者を活用していくということが非常に重要になってきますから、年 齢制限のことはひとつきちんと入れるということですね。○住田委員 私が再チャレンジを申し上げたのは最初に言ったよ うな、現在再チャレンジする必要性のある女性が非常に多い。ボリュームゾーンとしてあるということを念頭に置いていた わけでして、これだけが一人歩きしますと女性は子育てで一たん家庭に入って、そしてまた戻ってくるというようなことが大 事なんだとなりがちです。もちろんそれを否定する趣旨ではないんですけれども、そういうふうに受け止められがちなの でそれは非常に気にしています。就労の中断は、労働力の質が落ちる、陳腐化するという危険性が多いので、できれば これからの社会は、就労継続型の方に軸足を移していただきたいと思っています。そこら辺に力を是非入れていただきた い。
 もう一つ、私は再チャレンジでお願いしたいのは、高齢化社会となると一つ失敗してもまた違うチャンス、チャレンジをし ようということが可能となり、また、重要である。高齢化社会だからこそ人生を何回か、二毛作、三毛作に分けてやってい こう。そういう意味で新しい職業の中にまた飛び込む、新しいNPOの世界に飛び込む、そういう意味での再チャレンジとい うこともイメージしていたものです。どちらかというと私はそちらの2つを重視しており、子育てのための再チャレンジという のは実は重きを置いていなかったということを申し上げたいと思います。
岩男会長
生涯を通じてというような表現で書いてありましたけれども、そこがもう少し明確にわかるような形に書くとい うことですね。
八代会長代理
それは選択できればいいので、別にこうでなければいけないということではないですね。
住田委員
そうなんですけれども、それでもそういう可能性のある社会になるということを希望したいということです。
坂東局長
経済財政諮問会議などでは再チャレンジ支援というと、一回倒産してももう一度またできるような対策を考 えています。
岩男会長
まず倒産するなどという女性は非常に少なくて、そのチャンスさえというか、財産がないのです。
住田委員
でも、アメリカなどはうらやましく思うのは、日本の女性があちらに行って全く今までと関係ない専門職の大 学院に行って、そこで資格を持って栄養士だとか、そういう専門職になって日本に戻ってきている。ああいう再参入、再 チャレンジができる制度というのは非常にうらやましく思っています。
岩男会長
そうですね。その関連では、教育のことを書くとすればどちらかというとコミュニティスクールみたいなもので 今おっしゃったような新しいものを身に付けることができる機会を、年齢に関わりなく提供する。むしろその提案の方では ないかと思います。
高橋委員
出生率との関連でデータを使って議論をされているところがあるんです。就業率が高い国と出生率が高い 国と平行していて、そのギャップとして就業率が低い国において出生率が低いというのは育児と就業の両立が難しい等の 状況があるというふうに言えるのでしょうか。
岩男会長
これはデータがございまして、例えばイタリーであるとかスペインとか、就業率が低い国で出生率が非常に 低いということです。
高橋委員
就業率が低いということは働いていなくて子どもを生んでいいわけですね。
岩男会長
しかし、生んでいないんです。
高橋委員
そこのところの論理がよくわからないんですけれども、就業はしていないから専業主婦だと仮にすると出生 率は高くなってもいいはずで、全然論理的に関連していないのではないでしょうか。全く関連していないかどうか、そこはわ からないですけれども、統計を使った出生率でそんなに簡単に関連づけができるかですね。出生率はうまく関連づけがで きると、今、出生率が低いのが問題になっているからいいのですが、これは簡単に批判されるような気がします。
住田委員
この件に関してはスウェーデンの方のお話が一度出ていたことがあるんですけれども、スウェーデンの場 合は子どもが生まれてから育児保障とか手当てが制度としても整備されています。女性は自分の仕事をして、自分の収 入を得て、豊かであればあるほど子どもを持つという方向に回る。要するに、生活上のゆとりが子どもを持つゆとりにもつ ながっている。そういうふうな形でも十分関連づけられた報告が挙がっているわけです。
 それで、日本の場合は女性が仕事をしていないがゆえに狭い家にいるしかなくて、教育費もかかるから子どもの数を減 らす。消費財としての子どもとしての位置付けしかない。自分の時間を制約するものとしてしかみられないものだから少子 化に向かっている。少子化は、こればかりじゃないですけれども、これも一因だと思います。それはちょうどスウェーデンと 逆の状況として言われていますので、そこはある程度説得可能ではないかと思います。
岩男会長
そういういろいろな国の分布を見たときに、説得力のある説明がつくと思います。それから一国だけとらえ て、例えばフランスのような国の場合、ひところ女性を家庭に引き戻す。そうすれば子どもを生むんじゃないかというよう な政策をとったわけですね。しかし、出生率は上がらなかった。それで、むしろ両立支援の方向にその政策を変えた結果、 出生率が少し高くなっているというようなことも実際に起こっておりますので、私は余り説得力がないというふうには思いま せんでした。
住田委員
私もいろいろなデータを出せば十分言えると思いますが、もう一つ言えるのは、母性神話とか3歳児神話の 強い、女性を家庭に縛り付けているドイツとか日本、保育所が余りない国ほど出生率が低い。一方、保育園を整備したス ウェーデンや、それからフランスも今3歳児だと100%幼稚園に入っていますから、そういうところに行っている方が出生 率が増えている。やはり社会において育児をするという支援策が拡充している国、それは翻って女性が仕事をするという 体制整備をされている国の出生率が増えているということの一つの表れではないかと思っています。
古橋委員
「国際的に見ると」と書いてありますが、「国際的に先進国では」と入れておかないと高橋先生の疑問が出て くるし、先進国においてはというのをちゃんと入れる必要があります。
山口委員
中国などはどうでしょう。みんな働いていますけれども。
古橋委員
あれは人口制限しています。
山口委員
制限はしていても出生率は高いです。
古橋委員
1人だから出生率は低いです。出生する数は人口が大きいから高いだけであって、出生率としては低いん です。
高橋委員
私がなぜこんなことを言い出したかというと、テレビだったか雑誌だったかで、女性はなぜ生まないかという ので幾つか証言を求めていたのですが、例えば1人を生んでとにかくノイローゼになってしまって、これ以上とても産めな いと思ったと言うんです。それは別に職業と両立できないからではなくて、例えば男性からの援助がないとか、あるいは家 族からの援助がなくて一人でノイローゼになっているわけですね。そういうことの方が、より重要な要素なのかと思ったの です。確かに就業とも関連しているかもしれません。どこかで関連しているんだろうと思いますけれども、直接的にそれを 書けるかどうかと思うのですが。
住田委員
でも、こういう数字でやはりずっと言われています。
高橋委員
だから、それに疑問を呈しているんですけれども。
岩男会長
今のお話は、実はいろいろな解釈がありますけれども、1つは働きたいのに子どもと四六時中じっと家にいな ければならない。それが原因で、しかも今おっしゃったようにだれからもヘルプがないというような状況でノイローゼになっ ていく。また、虐待を扱っているところなどではかなりそういったケースなども見ているようです。ですから、子どもとべった りいるような状況が決して健全ではないのではないかという考え方だと思うんです。
高橋委員
それはそのとおりだと思いますが、私が疑問に思っているのは育児と就業の両立が難しいことと関連してと いうふうに言われると、もうちょっと複雑な要因があって、そんなに簡単には言えないだろうと思います。
岩男会長
非常に複雑ないろいろな要因が絡んでいるのはおっしゃるとおりです。
山口委員
高橋委員がおっしゃられたことですが、専業主婦はかなりいるわけです。その人たちは、1つの理由として教 育費がかかると。だから、少なく子どもを生んで教育投資をしたいという財政的な問題があると思います。それからもう一 つは、やはり子どものために犠牲にならずに自分の人生を考えるというか、そういう専業主婦スタイルもあることは事実で す。これは幾ら条件をよくしても考え方を変えない限りだめです。しかし、大方はやはり働くということに対していろいろな問 題があると思います。
北村委員
今の部分で高橋先生の疑問ももっともだと思います。ここにおられる先生方はみんなこの辺のことをよく御 存じの方が多いのでそうなってしまうんですが、確かにここでロジカルにいくと育児と就業は必ずしもトレードオフとは言え ないという言い方だったらわかりますが、これだけ断片的に言ってしまうと事情がわからない人が読むと今みたいに出てく るから、これはやはり親切ガイドがワンセンテンス入ったらいいなということではないかと思うんですが。
岩男会長
そうですね。書き方を少しここは工夫する必要があると思います。
古橋委員
国際的な先進国では、と書いて、このことからというところにおいて、このことは先進国においては家庭にお ける男女の協力、社会的支援というような育児と就業の両立が行われているところにおいては出生率が高いという肯定 的な書き方にした方がいいんです。ここのところを今まで私が説明するときにこういう説明はしてこない。低い国において は出生率が低いというふうには言わないんです。高いところではやっているけれども、逆は真じゃないところがあるから。
樋口委員
この前、社会保障・人口問題研究所の阿藤誠所長のペーパーに、2つの例が出ていて、興味深かったんで すが、今の横軸に就労率を取るのと、縦軸にはいつも合計特殊出生率なんですけれども、30代前半の労働力率で見ると 日本は最も近い象限に入ってしまう。あとはスウェーデン、デンマークなどが高いところへくるわけです。
 別途、男性の育児時間を横軸に取りまして、縦軸に出生率を取りますと、日本はまたどちらも低いところへ入ってしまう んです。今、高橋委員がおっしゃった夫の育児時間が少ないと出生率は低いということの関連は丁寧に立証する必要が ありますが、これらは非常にはっきりした証明になると思います。1つだけで決め付けてしまうといけないので、データをそ ろえて状態を述べればいいんだと思います。
岩男会長
なぜ出生率を持ってこなければいけないのかですか。
松田委員
これは女性の就業率が高くなると、今、日本の少子化はもっと進行すると当然予想されることに対してで す。
寺尾委員
でも、そうであればそれはそれできちんと項を立てて書くべきであって、就業が困難な状況の中に入れるべ きではないと思います。
岩男会長
時間が余りございませんで、今日はとても最後まではいきそうもないのですが、せめて「農林水産分野にお ける女性のチャレンジ支援」辺りまで、ここは比較的短いところで余り問題ないかと思います。
古橋委員
農水省は指針を出しているけれども、あれは生きているんでしょう。それをリファーした方がいいんじゃない ですか。局長通達を大分前に出したのですが、これは参考資料の中にも入っていなかったんじゃないですか。農業協同 組合においては、女性の役員は今0.4%ぐらいのものを相当上まで持っていくという人数の目標を立てました。役所にとっ てああいうことをやるということは非常に画期的なことなので、好事例として紹介した方がいい。
坂東局長
厚生労働省は、本当に役所が先頭に立って一生懸命努力していらっしゃるという感じですから、それを検証 すればいいですね。
岩男会長
そうですね。ここでもいいお話をしてくださいましたし。
山口委員
農林水産分野における女性のチャレンジですが、農村地域に行くと、夢が持てるというのはこちらじゃない かなと思うんです。ただ、やはり国の農業政策に振り回されてきたなという感じが非常にするんです。しかし、本当にそこ がちゃんとすれば、むしろ特に農村地域はこれから女性たちが中心になった新しい農業ができるんじゃないか。まして食 料を確保するという、社会的使命もあるし、条件を相当環境整備をすればむしろ夢のある分野かもしれないんです。だか ら、もうちょっと夢を足せないかなと思うんですが。
古橋委員
農村においては起業が随分起きているんですよね。女性における起業というのは農村が非常に大きいと私 は思います。だから、そういう起業であるとか、それからその起業が起きてきたのは農村におけるネットワークなんです。 いいリーダーが都会から入っていって、それを回りの人たちが育て上げる。そういうところにおいて、農村においては非常 に活気が出ているので、そういうふうなところをもう少し農林省のいろいろな状況をよく書き加えれば、それが一番農村に 活気をもたらすということだと思います。
 それから、家族経営協定のことも書いてありますけれども、家族経営協定でどういうふうにしてそれがチャレンジに結び 付いているかというようなことも農業士に女性がどんどん入っていく。農業士の資格を取る。そうすると、今までだんなさ んはお風呂の水を入れたり洗ったりしていなかったんだけれども、うちのお母さんは農業士になっていろいろな人が聞き にくるとお風呂に水を入れたり洗うようになりました。もう少し事例等も示して書いてもらった方がいいのかなという気がし ます。要するに、ネットワークづくりで、ネットワークを男性がつぶさないように役所がコーディネーター的に相当努力すれ ばできるというようなことであるとか、そういうようなことをよく書いた方がいいんじゃないか。
住田委員
そういう意味では、地方に行ってよく思いますのは、村おこしとか、一つの村の一品運動とかいろいろありま すね。ああいうものは地域の地方自治体と連携して女性の起業とつながっていくという実例がかなり見られると思います。 具体的な言葉として事例を幾つか挙げていただくといいのではないかと思います。
竹信委員
マイナス面で見ると、家の光協会で3年間ぐらいかけて国際比較調査をやっていまして、ごらんになったか もしれませんが、その中に先進的な人はものすごくよくやっているんだけれども、全般の調査で見ると農村の女の人はや はり自信がないと、せっかくいろいろなものがあるのに自信喪失しているという結果が出ているんです。だから、もっとそれ をちゃんとシェアアップしてあげればかなりできるんだというような感じの結末になっていると思いますので、それをごらん になってみたらいいかもしれないと思います。○山口委員 これは農村は書いてあるけれども、林業とか水産がちょっと弱 いですね。
岩男会長
これはたしか古橋委員から林業もというお話があったように思いますが。
古橋委員
だんなさんが亡くなった後相談して、夫人がやっているとか、林業経営者は結構いるんです。しかし、林業従 事者というのはまだまだ少ないんですね。しかし、山村における環境とか、あるいはまた最近いろいろと機械も自動化して きましたので製材業であるとか、あらゆるところに女性が入って、外国においては結構そういうところに女性が入っていま す。
 漁業はまだなかなか海までは出ませんので大変でしょうけれども、しかし漁業は加工業においてやはり可能性はあるの ではないでしょうか。
岩男会長
あとは「よびかけ」その他というところが残っておりますが、「よびかけ」はいろいろ御感想があるんじゃない かと思っております。それで、今日ほとんど時間がございませんので、どういう書き方をするか、できるだけお説教調では ない明るい夢につながるような、そしてまた冒頭にも申し上げましたけれども、例えば論理的に基本法に立ち返って、こう いうチャレンジ支援をしますという方向を明確に書くということだと思います。すでに、ここでは大分直ってきておりますけれ ども、私の個人的な感想は、余りお国に意欲を持ちなさいなどとお説教してほしくない。ここはもう一度、皆様それぞれお 考えいただいてアイデアをお出しいただくというようなことでお願いできたらと思います。
古橋委員
なぜこれは企業と国民だけなんですか。行政とか、チャレンジについては地方公共団体とか。
坂東局長
一応は経済分野なので行政は別にとりあげます。
古橋委員
「よびかけ」としては地方公共団体が非常に大きいと思います。女性のチャレンジでそこが非常に大切なん です。男女共同参画センターは皆、地方につくっているし、そこがチャレンジ支援の拠点になったり、ネットワークづくりの 拠点になっている。しかし、それが予算が切られるというようなことがあると、地方公共団体に対する呼びかけとか、国に 対する呼びかけというのもあるかもしれないけれども、「よびかけ」といったときにまず企業が先に出てくるというのは余り 私は、どちらが順序かというと国民なのか、そこら辺のところもよく考えていただきたい。
坂東局長
経済分野だったら、まず主体者は国民であり企業が中心なのかというふうに考えて、まず自分から行動して いただきたいということで対象にしたんですけれども。
山口委員
国民への呼びかけだけれども、女性ばかりで大丈夫ですか。どうやって男性を書くか。
松田委員
半分は男性ですからね。
坂東局長
どなたかボランティアでここの部分をお願いできませんか。
樋口委員
その前にいいですか。「よびかけ」にくる前にずっと書いていって、さっき少子化のことが高橋委員からいろい ろお話が出てきましたけれども、チャレンジ支援がもっと夢のあるコンパクトなものにまとまれば目玉も幾つかあっていい んですけれども、やはり、日本の今の最大課題の一つである少子化との関係はどうなるんですかということと、それから もう一つはやはりどんなにチャレンジしようと女性が子どもを生む側であることは確かなので、妊娠、出産あるいは子育て ということに対しての配慮がなかったらどれもチャレンジなんかできませんよね。
 だから、それをどこかで、役所風に言えば女性のチャレンジ支援に当たって留意すべき事項とか、もうちょっといいタイト ルを付けて、ここから先はもっと格調高くしていただきたいとは思いますが、たとえば女性のチャレンジ支援で社会はこう 変わる。一.少子化は克服できる、男性はもっと元気になるとか、しかしそこで留意すべき事項としてやはり子育て支援に 関するような女性が母性であることへの配慮は世の中全体が支えなければいけないし、それを嫌がるような男こそ沽券 にかかわるとか、そこまで書かなくてもいいんですけれども、そういうことはやはり書いておかないと、ただ外へ出て頑張 れ頑張れではという気がします。
古橋委員
そういうことから考えれば、本当は留意事項の中にセクハラも書かなくちゃいけないでしょう。セクハラという のは女性の能力の発揮の最大の阻害要因なんです。ただ個人の人格が阻害されるということだけではなくて、それは能 力の発揮に対して非常なる阻害要因になるということを男性が意識しなくちゃいけないということとか、今、樋口さんが言わ れたような健康支援、女性における出産とか、ライフスタイルにおけるいろいろな変化というものに対して、適切な裁量を 加えなければ女性はチャレンジできませんよという基礎的な条件をどこかにひとつ入れておかないといけないのかなと。
樋口委員
私もやはりどこかに入れておかなければいけないような気がしました。
古橋委員
留意事項として、それはそうだと思います。
北村委員
このアウトプットは、一応報告書として中間まとめとして出して、それから何らかの形で一般の人にこのよう なものが出ましたということはまた流布するわけですね。そのときにクルードなままで出るのか、そこでとてもわかりやすく 目に触れるように工夫されるのかというのは私は大事なところだと思うんです。それで、山口委員がおっしゃったように無 用な反感を買わず、しかもこういった問題について特に専門家でない方も、そういうことなのねというふうにわかっていただ くための工夫というのは、私はいつも政府のこういったものが出てくるときに、もう一つ砕けばいいのにと思うことが多々あ るので、そこのところの工夫を是非お願いしたいと思います。
岩男会長
恐らくA42枚ぐらいの概要ができると思いますし、この会にはジャーナリストが3人もそろっていらっしゃるの で、是非お願いします。
北村委員
そういうことと同時に、例えばこれはどういうことを言っているのかということで、事例集にするというのはま た別な問題が出てくるのですが、そんなようなイメージとしてわくものを何か材料として用意することは、それは記者クラブ の方に対してもすごく必要なことだと思います。
樋口委員
事例をコラムみたいにしてとかですね。
岩男会長
少し入れてはおられるようですけれども、もう少しチャレンジとしてイメージがわくものを入れる。
北村委員
こういうことがあったとか、こうすればこういうことが期待できるとかというような具体的なイメージの手引き が欲しいと思います。
岩男会長
それでは、もう時間がきておりますので、いろいろ本日言い尽くせなかった御意見があると思います。特に最 後の部分につきましては是非多くの方に、樋口委員はもちろんのこと、事務局の方にファックスで9月10日までにとなって おります。
竹信委員
これは「よびかけ」だけではなくて全体についてということですか。
岩男会長
全般について、それからまた最後の「よびかけ」の部分は特に大事でもあり、またほとんど議論いたしませ んでしたので、むしろ私案をお出しいただければと思います。○古橋委員 資料や何かをそろえてくださいね。大学の課別 の卒業生数とか、理科系がどんどん増えているということですし。
寺尾委員
これを出したときに、どういう効果を持つんでしょうか。法的効果はあるのでしょうか。
坂東局長
法的にはないです。
寺尾委員
これによってどこかの省庁に何か義務が発生するんでしょうか。
岩男会長
男女共同参画会議でこれは出しますから。
寺尾委員
それぞれが了解したということにはなるということなんですか。関係省庁がそれぞれ関係することが書かれ ているとすれば、それに了解していただいたということになると。しかし、こういうものが出ましたよといって何かのときに引く 以上のものにはなかなかならないわけですね。
古橋委員
中間まとめの段階だけだとそうなるんですかね。この全体の報告書がまとまれば閣議決定か男女共同参 画推進本部決定をしますから、そうすれば各省を縛りますけれども、この中間まとめの段階で閣議決定をするかどうかの 問題なんです。
坂東局長
中間報告の段階ではまずそれは無理です。
古橋委員
そうすると、最終的にはいつまでにまとめるんですか。
坂東局長
一応本年度末ということです。
古橋委員
年度末にこれも含めて閣議決定するということになりますか。
坂東局長
閣議決定までいけるか、会議決定でおしまいになるか。男女共同参画会議決定か。
古橋委員
どういうものが閣議決定になるんですか。樋口さんのものは閣議決定になったんだけれども、なぜこれは閣 議決定にならないんですか。反対が多いとならないんですか。私はやはり閣議決定したらいいと思います。
寺尾委員
最近、これ以上女の人が元気になられると男はもうというのがすごく強いので、男も夢を持てる社会にする ためにこれなんですということをよろしくお願いいたします。
樋口委員
元気ということばは確かに私は言いましたが、あれは確かに小泉総理のせっかくのことばを生かしたかった という思いが含まれています。小泉総理の「女が元気になれば男も元気になる、社会も元気になる」という単純明快で正 確な論理は生かしたい気がします。男女ともに利するのですから。
古橋委員
では、ゆとりのところを元気にしますか。女の元気は男の元気。
寺尾委員
ところが、女の元気が男の元気にならないと思っている人が多いわけですよね。
樋口委員
女が元気になれば男は不機嫌という人が結構いる現状なんです。そこを少し前文で解明していってほしいと 思います。それで、一番最後に女性のチャレンジで社会はどう変わるというところで、やはり少子化の問題から何から今、 問題になっていることの解消につながることを述べていただきたい。
古橋委員
女の元気は男の元気、社会の元気と、その方がいいかもしれないですね。ゆとりと言うとね。
岩男会長
中間まとめは27日にまとめるということにしたいと思っておりますので、是非いろいろ御意見をお寄せいただ ければと思います。欠席の先生方にも早くお送りして御意見をいただくということにしたいと思います。
 どうも今日は大変活発な御議論をありがとうございました。

(以上)