男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会

  • 日時: 平成21年8月11日(火) 15:00~17:00
  • 場所: 永田町合同庁舎第一共用会議室
  1. 出席者
    • 岩井 会長
      林  会長代理
      伊藤 委員
      大津 委員
      奥山 委員
      神津 委員
      後藤(啓) 委員
      後藤(弘) 委員
      小西 委員
      原  委員
      平川 委員
      諸澤 委員
  2. 議題
  3. 議事内容
    岩井会長
    それでは、時間になりましたので、ただいまから第47回「女性に対する暴力に関する専門調査会」を開催させていただきます。
     私は、平成16年からこの専門調査会の会長を引き受けさせていただいているのですけれども、このたび、男女参画会議議長である内閣官房長官から御指名を受けまして、引き続き本専門調査会の会長を務めさせていただくことになりました岩井宜子と申します。よろしくお願いいたします。
     今般、基本計画の改定に向けまして、本専門調査会で女性に対する暴力の根絶に向けて、次期計画に反映させるための諸課題につきまして議論をしていくことになりました。皆様と一緒に活発な議論が行えることを期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
     次に、7月に男女共同参画局長に就任された岡島局長からごあいさつをいただきたいと思います。
     お願いいたします。
    岡島局長
    御紹介いただきました、男女共同参画局長の岡島と申します。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
     皆様方には、平素から配偶者暴力防止対策を始めとしまして、女性に対する暴力の根絶に向けまして御尽力をいただいているところでございます。この場を借りまして、厚く御礼申し上げます。
     内閣府におきましても、女性に対する暴力を根絶するために積極的な広報・啓発を行うとともに、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護・自立支援につきましては、地方公共団体の職務関係者に対する研修や情報提供、調査研究などの施策の充実に努めているところでございます。
     ただいま、岩井会長からもお話がございましたが、第2次の基本計画の改定の検討に当たりまして、女性に対するあらゆる暴力の根絶というものは大きな課題だと思っておりますし、この件につきましては本専門調査会において御議論いただきたいと思います。
     女性に対する暴力につきましては、男女共同参画社会を形成していく上で解決していかなければならない重要な課題でありますし、昨今マスコミ等で話題に上ることも多く、新たに検討していかなければいけない課題もあると思います。
     本専門調査会では、幅広い観点から皆様の学識と御経験を十分に生かして御議論いただくようお願い申し上げますとともに、私ども事務局も全力でお手伝いさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    岩井会長
    どうもありがとうございました。
     本専門調査会では、本年2月に委員の改選がありました。本日は、その委員改選後の初会合でもありますので、委員の皆様からお一人一言ずつごあいさつをいただければと存じます。
     なお、資料2として本専門調査会の委員名簿を配付しておりますので、御参照ください。
     それでは、林先生からよろしくお願いします。
    林委員
    皆さん、こんにちは。私は弁護士の林陽子と申します。
     私は女子差別撤廃委員を務めておりまして、一昨日ニューヨークから帰ってまいりました。今年は6年ぶりの日本政府報告書審査がございましたので、たくさんの政府代表団、ngoの参加がありまして、非常に活発な審議がなされました。最終見解はまだ公表されておりませんが、恐らく8月末には国連のサイトに英文のものがアップロードされると思いますので、是非御覧になっていただきたいと思います。
     北京行動綱領の12の重大領域のうち、やはり女性に対する暴力の問題というものは、その中でもとりわけ重要な問題として、国際社会ではさまざまな取組がなされています。ヨーロッパ評議会では、1993年の国連の女性に対する暴力撤廃宣言に法的拘束力を持たせるためのヨーロッパ条約の起草作業が始まっておりまして、新しく委員会ができたという情報もあります。日本だけが足踏みをしてはいられませんので、この専門調査会に対する期待も非常に大きなものがあると思います。
     皆さんと御一緒にしっかり仕事をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    大津委員
    大津恵子です。
     ちょうど私がこの専門調査会に入りましたのは、女性の家helpという民間シェルターで、ちょうど私の任期中にDV防止法と人身売買に関する人身売買罪や行動計画ができたということで、本当に動き回ったときでありました。
     その後、helpを辞めてからも、helpの運営委員であったり、全国女性シェルターの理事などをしておりまして、今は民間シェルターから出てきたさまざまな女性たちの問題を、ここの場所でまた議論させていただけたらうれしいと思います。
     よろしくお願いいたします。
    奥山委員
    成城大学法学部の奥山と申します。
     私が専攻領域にしておりますのは労働法という分野でございまして、こちらとの関係では職場のセクシュアル・ハラスメント問題等との関連が非常に大きいんだろうと思っております。
     ただ、委員としてお手伝いしてから長いのですけれども、余りお役に立っていなくて、勉強だけさせていただいているようなところが現状です。これからも大いに勉強させていただきながら、また、私の関わっている分野で多少なりとも手伝いができることがあれば、微力を尽くしたいと存じております。
     どうかよろしくお願いいたします。
    神津委員
    神津カンナと申します。よろしくお願いいたします。
     先ほど、岡島局長が女性に対するあらゆる暴力とおっしゃいましたけれども、本当に昨今、それこそ暴力といっても、携帯とか、ネットとか、再婚後の子どもの虐待とか、薬物供与とか、ありとあらゆるところに暴力という範疇のものが発展していって、多岐にわたっていて、常に暴力の形が変貌しているというような時代の中なので、それをただ追っていくだけではなくて、何か先に手を打つというような形で、この委員会が機能することができればありがたいと思っています。
     私も勉強させていただくばかりなので、余り何もお役に立たないんですけれども、そういうことを日々思っているので、そういう気持ちでここに参加させていただきたいと思っております。
     よろしくお願いいたします。
    後藤(啓)委員
    弁護士の後藤と申します。今回から初めて参加させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
     私は4年前から弁護士をやっておりますが、それまでは警察庁に勤務しておりまして、この専門調査会が、正式名称は忘れてしまいましたが、平成10年から13年ぐらいまで、何度か警察庁の役人の立場で御報告をさせていただいたことがございます。当時はまさにストーカー法、DV法、あるいは児童虐待防止法等々が制定されるときでありまして、そのときの警察の取組みはいろいろ問題があったわけでございますが、その後、いろいろな警察の取組みを推進してまいったというような経験がございます。
     また、当時から、今もやっておりますが、児童ポルノ問題。特に児童ポルノの単純所持を禁止するべきであるということで、日本ユニセフ協会、あるいはストップ子ども買春の会などと一緒にアピール活動をしておりまして、御承知のとおり、児童買春・児童ポルノ法の一部改正法は前国会では残念ながら成立しなかったわけなんですけれども、女性といいますか、児童の著しい人権侵害でございますので、これを是非とも、何とかすべく、この会でも取り上げていって推進できればと思っております。
     どうぞよろしくお願いいたします。
    後藤(弘)委員
    千葉大学の後藤でございます。私の専門は刑事法で、法科大学院では少年法と、ジェンダー法を教えております。
     私、ここに伺うのはしばらくぶりなんですけれども、今の積み残していることがかなり多くございますので、そういう積み残しをこれからの1~2年の間に何とか解消できればと思います。
     今日は後で御紹介があると思いますけれども、資料9の総務省の政策評価に関しても関わらせていただきました。ただ、政策評価については行われた政策しか評価できないという限界がございまして、先ほど申し上げました、積み残しの課題については評価できないという限界がございます。
     そういう意味では、次回の政策評価のときには積み残した課題がクリアされて、全部評価の対象になるような、特に配偶者暴力の加害者プログラムについてはずっと積み残しされていて、それは政策評価の対象にならなかったという経緯もございますので、そこら辺についても検討できていけたらと思っております。
     どうぞよろしくお願いいたします。
    小西委員
    よろしくお願いします。武蔵野大学の小西でございます。専門は被害者の心理的支援、精神的支援ということでやっております。
     精神科医と臨床心理士と両方持っておりますので、両方の立場から実際の支援を研究していますけれども、ちょうど今日の午前中も某公的相談機関から電話がかかってきまして、ネグレクトがあって、DVがあって、子どもを返すと危ないケースなんだけれども、今のままだとお母さんが帰ってしまうんだけれども、どこかアウトリーチしてくれるところはないかと言われたんですが、やはりアウトリーチで実際にケースワークをするところとなると、非常に難しい。そういう点では、法律ができて非常に変わったと思っていますけれども、現場では日夜、やはり足りないところもたくさんあるということを痛感しています。
     私はもう一つ、犯罪被害者等基本法の方の推進会議の委員もさせていただいていますけれども、両方の重なるところもかなりあるんですが、両方を見ると、今、性暴力の被害者がやはり抜け落ちてしまっている印象を非常に持っておりまして、そういうところにもこれから議論していければと思います。
     以上です。
    原委員
    佐賀県DV総合対策センターの原と申します。今回初めて委員に加えていただきました。よろしくお願いします。
     私の普段の仕事は、佐賀県におけるDV施策をつくり、それを実際に現場で進めていくという立場です。このDV総合対策センターは、平成16年に古川佐賀県知事の意向でつくられた機関で県が設置しました。都道府県の中では、専門対策機関としては佐賀県だけということになっております。佐賀県の中では被害者支援というところでやっておりますが、他には、これまで熊本県と一緒に、若年層の暴力予防啓発ということでずっと取り組んでまいりました。今は高校生と中学生の暴力予防教育を現場の方で展開しております。
     DV総合対策センターに来る前は、一時期、精神科でDV被害者の面談の仕事をしたりしていました。もともとはDV加害者の更生を手助けするグループを8年ほど続けておりますけれども、そういう形で、DVの被害者、加害者、また、若年層の啓発ということで仕事をやってきました。私もこちらの会に参加させていただいて、勉強させていただくことの方が多いと思いますけれども、何かお役に立てればとも思っております。
     どうぞよろしくお願いいたします。
    平川委員
    東京フェミニストセラピィセンターの所長をしております平川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
     1997年から民間シェルターを立ち上げまして、DVの被害者の子どもさんの保護と自立支援を行ってまいりました。その中に、暴力の被害を子どもさんのときに受けている方、それから、青年期になってレイプ被害を受けている方、重複的な被害を受けている方たちが増えてきておりまして、その方たちは非常に重い精神症状も出ておりますし、就業については非常に難しいところがありまして、この方たちの自立支援をどうするかということで日々本当に奔走していて、それでもなかなか解決の糸口が見つからないというようなところにおります。今回、あらゆる暴力に対する対策を審議できるということは非常に期待をしております。
     私は全国女性シェルターネットの理事でもありまして、2年前からシンポジウムの中で性暴力被害者への対応という分科会を行ってきました。今年も3年目で、同じ分科会をやりますが、民間シェルターとしても、あらゆる暴力に対応する力をつけたいと思っておりますので、この会議に大きな期待をしております。
     どうぞよろしくお願いいたします。
    諸澤委員
    常磐大学の諸澤でございます。
     2枚ほど配っていただきまして、再来週、茨城県の水戸で国際被害者学会を開催することになっております。内閣府、法務省、警察庁からも御後援をいただいておりまして、実はこれをお配りした理由が、パラレルセッションと言っておりますが、分科会が全部で35ございます。そのうちの7つが女性に対する暴力とか児童虐待、ヒューマン・トラフィッキング、人身売買等に関する、すなわち、この専門調査会に関するテーマを担っているということがございまして、もし御関心がありましたらと思って配っていただきました。
     私はちょうど25年ぐらい前から、国連犯罪防止会議関係のうちの被害者に関するいろいろな会議に関わってまいりました。来年、ブラジルで5年ぶりに国連犯罪防止会議が開かれますが、そこで国連の被害者人権条約を締結できないか。あるいは、その草案を決議できないかということで、国連会議でも国際学会でもそういう方向に向けて取り組んでいるところでございます。このシンポジウムでも国際条約、国連条約についての分科会が2~3ございます。そういうことに関わってまいりました。
     どうぞよろしくお願いいたします。
    岩井会長
    どうもありがとうございました。
     それでは、続きまして、事務局の皆様からごあいさつをお願いいたします。
    武川審議官
    審議官になりました武川と申します。よろしくお願いいたします。
    小野田総務課長
    総務課長の小野田と申します。よろしくお願いいたします。
    藤澤推進課長
    推進課長の藤澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    仲程調整官
    推進課調整官の仲程でございます。よろしくお願いいたします。
    岩井会長
    ありがとうございました。
     次に、資料1として本専門調査会の運営規則を配付してございますが、運営規則の第7条におきまして、会長は会長代理をあらかじめ指名するということになっております。そこで、会長代理としまして林陽子委員にお願いしたいと思っております。
     どうぞよろしくお願いいたします。
    林委員
    皆さんに御異議がなければ、お引き受けさせていただきます。あまり力はございませんが、会長を補佐してしっかりやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
    岩井会長
    よろしくお願いいたします。
     それでは、平成17年12月に作成され、現在の男女共同参画基本計画(第2次)につきましては、改定に向けて計画の方向性や全体的な答申について議論することが決定されておりますが、基本計画の中で重要な位置づけがなされている女性に対する暴力対策分野の検討につきましては、この専門調査会で行うことになっております。
     そこで、議題3といたしまして、計画の改定に向けて本専門調査会における議論の進め方について、事務局から御説明いただきたいと思います。
     どうぞよろしくお願いいたします。
    藤澤推進課長
    それでは、資料3から資料5までに基づきまして御説明をさせていただきます。
     まず、資料3を御覧いただけますでしょうか。
     ただいま、ごあいさつにもございましたように、今の第2次の男女共同参画基本計画につきましては、来年度の平成22年度に計画全体の見直しをすることになっております。本年の3月26日の男女共同参画会議におきまして、既に内閣総理大臣から、政府が基本計画を改定する際の基本的な方向について諮問がなされたところでありまして、その諮問文の写しを資料3の2枚目の方にお付けしておりますので、御参考までに御覧ください。
     資料3は男女共同参画会議の関係の資料でございますが、今、申し上げましたとおり「2.今後のスケジュール(案)」のところにございますが、21年3月に諮問をさせていただいております。
     それから、もう少し細かいスケジュールは別の資料で御説明をさせていただきます。その資料が資料4でございます。
     「1 計画改定の検討体制」と「2 今後のスケジュール」についてお示ししたものですが、1枚目が検討体制ですので、まずそれを御説明させていただきます。
     男女共同参画会議の下に、基本問題・計画専門調査会というものがございます。そこで計画の基本的な方向性とか全体の枠組みについての議論を行っていただくとともに、今の計画のフォローアップも併せて行っていただくことにしております。
     本専門調査会で皆様に御議論いただきます、女性に対する暴力の問題以外の個別のいろいろな課題、重点事項につきましては、更に基本問題・計画専門調査会の下に、緑で色づけしておりますようなワーキンググループを設置しまして、それぞれに、その課題ごとに調査、あるいは審議をしていただくことを予定しております。
     女性に対する暴力に関する課題につきましては、こちらの専門調査会で、これから皆様方に今の計画のフォローアップも行っていただいた上で、次の改定に向けました課題について整理していただき、調査・審議していただき、その結果をまた基本問題・計画専門調査会に御報告いただくという形になるかと思います。
     次に、スケジュールは2枚目の方になりますので、そちらを御覧ください。真ん中のオレンジで色づけしてあるものが、基本問題・計画専門調査会の関係でございます。
     基本問題・計画専門調査会では、上から2番目のオレンジの箱に【フォローアップ】というところがございますけれども、7月から12月にかけまして、今の計画では12の重点分野というものを定めておりますが、その分野ごとに関係の省庁から施策の状況とか、あるいは課題等についてヒアリングを行い、今の計画のフォローアップを行うことにしております。既に初回を先月から始めているところでございます。それと並行しまして、先ほど、課題ごとにワーキンググループをつくりますと申し上げましたけれども、そのワーキンググループで重点事項の調査・審議を行っていただく。それが右側のピンクの色の部分でございます。
     このように、フォローアップと重点事項の議論を並行して進めていただき、来年の1月から4月を目途に、基本問題・計画専門調査会としての中間整理(案)を作成いただく予定でございます。それが、オレンジで言うと上から3つ目の箱になります。
     基本問題・計画専門調査会で作成いただきました中間整理(案)は、5月ごろには1回パブ・コメを行いまして、いろいろな関係者の方々、国民の方々の御意見を伺ったり、別途、地方公共団体の御意見を聞いたりと、広くいろいろなところからの御意見をいただきたいと思っております。それらの意見を踏まえて、更に報告書といいますか、中間整理(案)を精査しまして、最終的な報告をとりまとめて決定するというスケジュールを描いております。
     そうしますと、諮問に対する男女共同参画会議からの答申というものが、大体、来年の夏という予定になるかと思います。そういうスケジュールで進めさせていただければと思います。以上のようなスケジュールに基づきまして、こちらの女性に対する暴力に関する専門調査会でも、基本問題・計画専門調査会と連携を図りながら、女性に対する暴力の問題について議論を進めていただければと思います。
     ピンクのところをもう少し説明させていただきますと、今日は初回でございますが、来月9月から年内にかけては大体2~3回を目途に、各省庁におけます施策の進捗状況についてフォローアップを行いたいと思っております。その中で新しい課題、あるいは先ほど積み残しの課題というふうな御指摘もありましたが、そういうものについても御議論いただきまして、来年1月から2月にかけて論点整理をし、こちらの専門調査会としての基本的な考え方をとりまとめていただければと思います。
     それを、また基本問題・計画専門調査会の方に報告するという仕組みになります。それが、中が白で、周りが赤の矢印で示したものでございます。
     その後、先ほど申し上げましたように、パブ・コメを踏まえまして、全体としての最終報告案がつくられることになります。
     こちらの岩井会長におかれましては、基本問題・計画専門調査会にも御参加いただいておりますので、基本問題・計画専門調査会の方には随時、こちらの女性に対する暴力に関する専門調査会の検討状況とか検討の結果というものを報告していただく形を取りたいと思っております。
     次が資料5でございます。あらかじめ基本問題・計画専門調査会におきまして、重点事項ごとに議論していただくべき課題例、あるいは論点例をこちらからお示しして少し議論をしていただきました。この資料5というものは、先般6月の基本問題・計画専門調査会にこちらからお示しして御議論いただいたもののうち、暴力関係のペーパーでございます。ここでは、この専門調査会における議論の進め方の構成とか、あるいは御議論いただく点についての具体的な例を挙げてお示ししておりますので、こちらも御参考にしていただきながら、これからの議論を進めていただければと思います。大きく申し上げまして、こちらの調査会での重点事項というものは右上の紫の部分で書いております「・女性に対する暴力の根絶と人権の尊重」ということになりますが、具体的な論点例としましては、例えば真ん中の黒い四角で8個ほど並べたようなことが考えられるかと思います。
     1番目から簡単に申し上げますと、配偶者、DVの被害者の安全の確保と保護というものも当然重要ですが、加害者から逃れた後の被害者の自立をどういうふうに支援していくか。自立支援策というものも、今、非常に重要になっております。例えばそういうことです。
     2番目に挙げましたものは、平成19年にDV法を改正いたしまして、一般に身近である市町村の役割というものが強化されたところでありますが、市町村レベルの取組というものをいかに実効性ある取組になるように進めていくかという点です。
     3番目は、現在、私どもも若年層を対象とした男女間の暴力の予防啓発の教材を作成しておりますが、自分自身が加害者とか、あるいは逆に被害者とならないように、どういうふうに若者に予防啓発を進めていくかという課題です。
     4番目は、一時期ニュースでもかなり取り上げられましたけれども、日本製の性暴力ゲームソフトの問題が国際的にも問題視されました。そうしたバーチャルな分野における性暴力の表現について、どのようなアプローチが可能かという課題を挙げております。
     5番目は、子どもに対する性暴力への対応をどのように進めていくべきかなどです。
     6番目は、配偶者暴力防止、あるいは被害者支援について、今後、市町村と都道府県の役割、あるいは現在、被害者の一時保護を行っていただいています婦人相談所の役割についての問題など、配偶者暴力に関します取組を総合的・効果的に進めていくために、ある程度、中長期的な視点から今の体制というものをもう少し考える必要はないかという点です。
     7番目に書きましたのは、女性に対する暴力の根絶に向けて、効果的な広報・意識啓発の在り方とはどうあるべきかという課題です。
     最後に挙げました論点例は、例えば裁判員制度におきまして性犯罪被害者との関係でいろいろ指摘がなされているところでもありますが、性犯罪被害者のプライバシー保護とか、あるいは2次被害の防止をどのように図っていくかという点などを挙げております。
     そういった論点例も踏まえて、これらに対してどうするべきかということを御議論をお願いしたいと思いますが、最後に想定される将来像とはどういうものかというものを矢印の先の下の四角に書いてございます。
     申し上げるまでもありませんけれども「人権の尊重」「個人の能力発揮、経済社会の活性化」「多様性の確保」「持続可能な安心安全な社会」、これらの4点について書いておりますが、また御覧いただければと思います。
     このように、将来を見据えた上でどのような課題があり、どのような具体的な取組や検討が必要で、具体的にどのように進めていったらいいかという論点につきまして、次回以降まず行いたいと思っておりますフォローアップの結果も踏まえながら、皆様に忌憚のない御意見をいただき、議論をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
     以上です。
    岩井会長
    どうもありがとうございました。
     それでは、今、御説明いただいた進め方に従って議論を進めていきたいと思います。
     議論を進めていくに当たって、現行の基本計画の概要と女性に対する暴力の現状について、事務局から説明いただきます。
    仲程調整官
    それでは、まず初めに、基本計画に策定されております、女性に対するあらゆる暴力の根絶について簡単に説明させていただきたいと思います。
     資料6をお願いいたします。男女共同参画基本計画(第2次)の抜粋でございます。女性に対するあらゆる暴力の根絶は、この基本計画の第7分野として位置づけられておりまして、構成といたしましては、まず分野の目標がありまして、その目標を達成していくための施策の基本的方向と具体的な施策を記述するという構成になっております。
     「目標」で、資料の65ページでございますが、女性に対する暴力は、犯罪となる行為を含む人権侵害であり、男女共同参画社会の形成を図る上で、その根絶は重要な課題であるということでございまして、その目標を、女性に対する暴力を根絶するため、社会的認識の徹底等女性に対する暴力を根絶するための基盤整備を行うとともに、暴力の形態に応じた幅広い取組みを総合的に推進することとしております。
     その目標を達成するために、施策の基本方向とその対策を次のページから記述してございます。
     施策の基本方向につきましては、次の66ページの「(1)女性に対する暴力の予防と根絶のための基盤づくり」から始まりまして、以下、配偶者からの暴力、性犯罪、売買春、人身取引等、暴力の形態に応じた対策の推進が記述されているところであります。それぞれの形態に応じた幅広い取組を総合的に推進する形の計画になってございます。
     以下に、各施策の基本的方向とその具体的な施策について簡単に説明させていただきたいと思います。資料では「施策の基本的方向」が左の偶数ページに、「具体的施策」につきましては右の奇数ページに記述するという形になっております。
     まず、66ページの「(1)女性に対する暴力の予防と根絶のための基盤づくり」でございますが、基本的方向といたしましては、暴力を予防し、容認しない社会の実現を目指し、広報啓発活動等を一層推進することとしております。
     その具体的施策につきましては67ページにございますが「ア 女性に対する暴力への社会的認識の徹底」ということで「国民の意識啓発」「予防啓発プログラムの作成」を意図しまして、そのための「イ 体制整備」といたしまして「相談・カウンセリング対策等の充実」「研修・人材確保」「厳正かつ適切な対処の推進」。次は69ページになりますが「関係機関の連携の促進」、あとは「法的対応」を掲げております。
     「ウ 女性に対する暴力の発生を防ぐ環境づくり」といたしまして「安全・安心まちづくりの推進」「防犯対策の強化」「女性に対する暴力を容認しない社会環境の醸成等」を掲げております。
     次は71ページに飛びますが「エ 女性に対する暴力に関する調査研究等」といたしまして「被害の実態把握」「加害者に関する研究等」を掲げているところでございます。
     このように、(1)の基盤づくりに続きまして、次が(2)以下で、暴力の形態ごとに施策の基本的方向と、その具体的施策を記述する形になっております。以下では項目だけを簡単に紹介させていただきたいと思います。
     まず70ページで「(2)配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等の推進」につきましては、配偶者暴力防止法を踏まえ、保護命令制度の適切な運用の実現や、被害者の自立支援等の施策を進めることといたしまして、基本的な施策といたしましては隣の71ページの「ア 関係機関の取組及び連携に関する基本的事項」「イ 相談体制の充実」。次はページが変わりますが、73ページの「ウ 被害者の保護及び自立支援」。次はまたページが飛びますが、75ページの「エ 関連する問題への対応」を掲げているところでございます。
     次は74ページで「(3)性犯罪への対策の推進」につきましては、加害者の責任を厳正に追及するとともに、被害者が安心して被害を届け出ることができる環境づくり等の性犯罪の潜在化防止に向けた政策を推進する。また、被害者が心理的外傷等心身に深い傷を負っていること等に十分配慮し、その被害を回復するための施策の充実に努めることとしておりまして、具体的な施策といたしましては、75ページの「ア 性犯罪への厳正な対処等」。次は77ページに飛びますが「イ 被害者への配慮等」「ウ 加害者に関する対策の推進等」を掲げているところであります。
     続きまして、78ページの「(4)売買春への対策の推進」につきましては、国際的動向にも配意しつつ、関係法令の厳正な運用を行い、取締りを強化するとともに売買春被害からの女性の保護や、社会復帰支援のための取組を進めることとしておりまして、その具体的な施策といたしましては、79ページにございますが「ア 売買春の根絶に向けた対策の推進、売買春からの女性の保護、社会復帰支援」「イ 児童に関する対策の推進」を掲げているところでございます。
     次は80ページで「(5)人身取引への対策の推進」といたしまして、人身取引の防止及び撲滅と被害者の保護のため、刑罰法令の厳正な運用とともに、被害者の保護の観点を重視しつつ、総合的・包括的な対策を推進することといたしまして、具体的施策といたしましては、隣の81ページの「ア 人身取引対策行動計画の積極的な推進」「イ 関係法令の適切な運用」「ウ 被害者の立場に立った適切な対処の推進」。次は83ページになりますが「エ 調査研究等の推進」を掲げているところでございます。
     次は「(6)セクシュアル・ハラスメント防止対策の推進」でございますが、男女雇用機会均等法等に基づきまして、企業に対する周知啓発、指導を強化し、心理的なケアを必要とする者からの相談体制の充実を図る。また、大学を始め、教育機関等においても徹底した防止策を取ることといたしまして、具体的な施策といたしましては、83ページでございますが「ア 雇用の場におけるセクシュアル・ハラスメント防止対策等の推進」とか「イ 教育の場におけるセクシュアル・ハラスメント防止対策等の推進」。85ページになりますが、ウで、スポーツ、文化芸術等の分野、医療・社会福祉施設等といった、その他の場におけるセクシュアル・ハラスメント防止対策等の推進をそれぞれ掲げているところでございます。
     84ページで「(7)ストーカー行為等への対策の推進」となってございまして、関係機関が連携して、被害者の立場に立った迅速かつ適切な対応・支援に努めるとともに、ストーカー規制法の仕組み等について広く広報活動を推進することとしております。その具体的な施策といたしましては、85ページにありますが「ア ストーカー行為等への厳正な対処」「イ 被害者等の支援及び防犯対策」「ウ 広報啓発の推進」をそれぞれ掲げているところでございます。
     以上のように、計画における女性に対するあらゆる暴力の根絶につきましては「(1)女性に対する暴力の予防と根絶のための基盤づくり」をまず記述いたしまして、(2)以下で暴力の形態に応じました具体的な施策を、担当省庁を明記した上で詳細に記述しているところでございます。
     その具体的な実施状況につきましては、先ほども課長からございましたが、次回以降の専門調査会で、内閣府を含めまして各府省から、この専門調査会に報告していただいて議論させていただく予定にしているところでございます。
     続きまして、女性に対する暴力の現状について簡単に説明させていただきたいと思います。資料7をお願いいたします。
     女性に対する暴力について、形態別に簡単に見ていきたいと思います。1ページの上の図で、配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数の推移でございますが、支援センターにおける相談は年々増加してきておりまして、平成20年度は6万8,000件以上になっているところでございます。
     また、下の図は警察における暴力相談等の対応件数でございますが、これにつきましても年々増加してきておりまして、平成20年は2万5,000件を超える状況になっているところでございます。2ページの上の図で、委託保護を含めまして、婦人相談所におけるDV被害者の一時保護された女性の推移でございますが、平成19年度で4,549名となっておりまして、これは婦人相談所で保護された女性の約70%になっているところでございます。
     下の図は、配偶者暴力防止法に基づく保護命令の処理状況についてでございますが、最近の申立件数につきましては大体2,700件台で、そのうち、認容され発令がなされる件数につきましては2,100件から2,200件でこれまで推移してきたところでございますが、平成20年につきましては配偶者暴力防止法の改正によりまして、身体に対する暴力に加えまして、生命・身体に対する脅迫も保護命令の対象になったこと、電話等を禁止する保護命令や、被害者の親族等への接近禁止命令が新たに加えられたことによりまして増加しているところでございます。また、申立ての約8割について命令がなされている状況にございます。
     次は3ページで、上の図は平成20年中に警察において検挙した配偶者間における殺人、傷害、暴行の総数でございますが、総数につきましては2,584件でございまして、そのうち2,369件、率にいたしまして91.7%が女性が被害者になっているという状況になってございます。
     女性が被害者となった割合につきましては、殺人につきましては200件中126件、63.0%とやや低くなっているところでございますが、傷害につきましては94.7%、暴行は93.3%と、それぞれ高い割合になっております。配偶者間における暴力の被害者の多くが女性であることがうかがえるところでございます。
     また、下の図でございますが、配偶者間における暴力のうち、女性が被害者である場合の検挙件数の推移を罪種別に見ている図でございます。暴行は赤い棒グラフで、暴行、傷害はそれぞれ平成12年以降増加傾向になっているというところでございます。
     次は4ページで、上の図は強姦、強制わいせつの認知件数の推移になってございます。強姦の認知件数につきましては平成12年以降、6年連続で2,000件を超えてございましたが、平成16年から減少に転じ、平成20年は1,582件になってございまして、前年度に比べ184件減少している状況にございます。
     強制わいせつの認知件数につきましては、平成11年以降、毎年増加してまいりましたが、平成16年から減少し、平成20年では7,111件と、前年に比べまして約500件減少しているところでございます。
     次の下の図は売春関係事犯送致件数等の推移で、平成20年の売春関係事犯送致件数は2,396件でございまして、前年に比べて減少しているところであります。
     また、要保護女子総数につきましても1,794件と、前年に比べ減少しているという状況ではございますが、そのうち未成年者が占める割合につきましては24%と、前年に比べて約6ポイント増加しているところでございます。
     次は5ページの上の図で、人身取引事犯の検挙状況等の推移でございますが、平成20年における人身取引事犯の検挙件数は36件でございます。検挙人員につきましては33名でございまして、そのうちブローカーが7人となっているところでございます。
     また、警察において確認した被害者の総数は36名と、前年に比べまして7人減少しているところでございます。
     同じページの下の図で、雇用の場におけるセクシュアル・ハラスメントの相談件数の推移でございます。平成19年度に都道府県労働局雇用均等室に寄せられました相談件数につきましては1万5,799件で、前年度に比べまして件数で697件の増加です。率でいきますと、42.3%の大幅な増加となっているところでございます。
     次は6ページで、この図はストーカー事案に関する認知件数の推移でございますが、平成20年中に警察庁に報告のあったストーカー事犯の認知件数につきましては1万4,657件と、前年と比べて1,195件増加している状況にございます。
     以上、簡単でございますが、女性に対する暴力の現状について説明をさせていただきました。
     続きまして、資料8を見ていただきますが、資料8に基づきまして、内閣府がこの3月に発表いたしました「男女間における暴力に関する調査」の説明をさせていただきたいと思います。
     この調査は、配偶者からの暴力と男女間における暴力の現状について把握するために、昨年10月から11月にかけまして全国の20歳以上の男女5,000名を対象に、無作為抽出によりましてアンケート調査を実施したものでございまして、女性1,675名、男性は1,454名、計3,129名から回答があったところでございます。回答率につきましては62.6%になっているところでございます。
     まず、配偶者からの暴力被害についてでございますが、資料の3ページを見ていただきたいと思います。図2で、配偶者から身体的暴力、精神的攻撃、性的強要のいずれかを受けたことが何度もあると回答した人は、女性で10.8%、男性で2.9%になってございます。女性の10人に1人が配偶者から何度も暴力を受けているという実態になっております。
     続きまして、8ページを見ていただきたいと思います。図9で、更に何らかの暴力を受けたことがある人に対しまして、その行為によって命の危険を感じたことがあるかと聞いたところ、女性の13.3%が命の危険を感じたと回答しているところでございます。
     下の図10で、その図は被害を受けたことのない人も含めまして全体ベースで見てみますと、配偶者からの暴力により命の危険を感じたことのある女性は4.4%になってございまして、約20名に1人が配偶者からの暴力によって命の危険を感じた経験があると回答しているところでございます。
     また、隣の9ページの図11で、その行為によってけがをしたり、精神的に不調を来したことがあると回答した女性が34.8%になっているところでございます。
     次に10ページの「iii 交際相手からの被害経験」についてで、この調査では10歳代から20歳代のころ、交際相手からの被害経験についても調査を行っております。図14になりますが、女性の13.6%、男性の4.3%が当時の交際相手から被害の経験があったと回答しております。
     次に13ページの図18になりますが、その行為によって命の危険を感じた経験があると回答した女性は21.9%になっております。
     更に14ページの図20になりますが、女性の48.4%はそれらの行為によりまして、けがや精神的不調を来したことがあると回答しているところでございます。
     また、隣の15ページの図22になりますが、交際相手からの暴力の被害によりまして、女性は仕事を辞めたりとか変えたりとか、転居や引っ越しをしたという方が1割ほどおりまして、暴力により女性が生活上の変化を受けることが多いという結果が出ているところでございます。
     次に18ページになりますが、次の調査は女性のみを対象に、異性から無理やりに性交された経験についての調査でございます。
     図25になりますが、被害経験があると回答した方は7.3%になっております。
     加害者との面識につきましては20ページの図28になりますが、75.6%の方が加害者と面識があったと回答しているところでございます。
     加害者との関係につきましては下の図29になりますが、配偶者が35.5%と最も多く、次いで職場・アルバイトの関係者などとなっているところでございます。
     次に、被害に遭った時期につきましては21ページの図30になりますが、20歳代が約4割と最も多くなっておりますが、小学校入学前、小学生のとき、中学生のときなど、低学年で被害を受けたという人が2割ほどになっておりました。
     そういう被害の相談先につきましては下の図31になりますが、友人・知人に相談した方が22.0%、家族や親戚が8.1%になっておりますが、だれにも相談しなかったという人が6割を上回っているところでございます。
     この調査につきましては、毎年同じ項目で調査を実施しておりますが、前回の平成17年度の調査と比較いたしましても、調査を行った男女間の暴力のいずれにつきましても被害状況について大きな変化は見られなかったところでございまして、依然として男女間における暴力の被害が深刻な状況にあるということが、この調査でも確認されたところでございます。最後になりますが、資料9を見ていただきたいと思います。本体の方は大分厚い資料になってございますが、簡単な1枚紙で、平成21年5月に総務省が公表いたしました「配偶者からの暴力の防止等に関する政策評価」について簡単に御説明させていただきたいと思います。
     この政策評価では、配偶者暴力防止法及び同法に基づく基本方針に基づき、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の施策が総合的に推進されることとされております配偶者からの暴力の防止と被害者の保護に関する政策について、関係行政機関の各種施策が総体としてどの程度の効果を上げているかなどの総合的な観点から全体として評価を行い、関係行政の今後の在り方の検討に資するために実施されたものでございます。
     この政策評価における評価の結果と勧告についてでございますが、法の制定以降、被害者からの相談件数や保護件数が増加していることや、都道府県における工夫した取組が行われるなど、一定の効果が発現したとの評価はしていただいているものの、(2)の「①通報及び相談の効果的な実施の推進」や「②被害者の保護及び自立支援の充実」「③関係機関の連携の推進」の3点について課題があるとされたところでございます。
     「(2)勧告」でございますが「①通報及び相談の効果的な実施の推進」につきましては、都道府県に加えまして市町村等が受け付けた相談件数についても把握するよう努めることなどの指摘が内閣府になされております。
     「②被害者の保護及び自立支援の充実」で「ア 就業の促進」に関しましては、被害者の就業促進施策の効果を測定する指標の設定、実績の定期的な把握等につきまして、厚生労働省に指摘がなされております。
     「イ 住宅の確保」につきましては、被害者の公営住宅の入居率の向上等に資する工夫事例を把握し、都道府県等に情報提供を行うことなどが国土交通省に対しまして指摘がなされております。
     「ウ 子どもの就学」につきましては、教育委員会及び学校に対しまして、被害者の子どもの転校先や居住地等の情報を厳重に管理するよう周知・徹底を行うことなどが文部科学省に指摘がなされております。
     「エ 住民基本台帳の閲覧等の制限」につきましては、閲覧等の制限の申出者に対する支援措置の必要性の確認につきまして、意見聴取する関係機関を警察等に限定しないこと等を市町村に徹底することなどが総務省に指摘がなされているところでございます。
     「③関係機関の連携の推進」につきましては、各都道府県が連絡協議会をつくってございますが、その連絡協議会の構成につきまして、都道府県の関係機関だけではなく、国、市町村、民間団体の関係機関が参加したものとなるよう都道府県に対して助言することが内閣府に対しまして、また、連絡協議会への参加が少ない国の機関につきましては、地域の実情を踏まえ、参加を検討するよう指示するよう指摘がなされているところでございます。
     以上、少し長くなりましたが、4点ほど説明をさせていただきました。どうもありがとうございました。
    岩井会長
    どうもありがとうございました。
     それでは、伊藤先生、皆さん自己紹介といいますか、一言御あいさつをなさったのですが、少し遅れていらしたので、よろしくお願いします。
    伊藤委員
    済みません、新幹線が2時間も遅れていました。
     京都大学の伊藤です。よろしくお願いします。
    岩井会長
    それでは、ただいまから、今の説明への質疑も含め、今後の検討の進め方や女性に対する暴力に関する新たな課題、あるいは皆様方の問題意識に関する御意見などを御自由に御発言いただければと思います。
     最初に、議論の進め方を資料3~5で説明していただきましたけれども、何かそれに関して御意見はございませんでしょうか。
     どうぞ。
    奥山委員
    すみません、意見ということではないんですけれども、先ほど御説明いただきました資料3、資料4、スケジュール、それから、資料5の関連ですけれども、少しわかりにくかったのが、既に基本問題・計画専門調査会の方で、今度の改定に向けて粗々のスケルトンといいましょうか、そういうスケッチをしていただいていて、それが資料5になって出てきていると思うんです。
     基本的な枠組みとして、こういう基本問題・計画専門調査会の方で、これに限定されたり、とらわれることではないんだろうと思うんですけれども、そういう資料5に見られるようなスケルトン的なもの、検討課題を出していただいて、それを私ども、女性に対する暴力に関する専門調査会が要するに肉づけをつけるような形の議論をしていくという流れなのか。あるいはそれとは別個に、この専門調査会の方で、勿論、いろんな検討課題をして、それを上というんでしょうか、基本問題・計画専門調査会の方に投げていくのか。どういうような形でこれを進めていくのか。
     そのとき、このワーキンググループというものは、例えば私どもですと、女性に対する暴力に関する専門調査会ですが、この基本問題・計画専門調査会の下にワーキンググループがあって、そのワーキンググループの中で、更に女性に対する暴力に関する問題について、私どもが投げたり、向こうから投げられたようなものを、このワーキンググループで具体的に議論するのか。先ほどの報告で、基本問題・計画専門調査会と、我々、女性に対する暴力に関する専門調査会、そして、ワーキンググループの関係がわかりにくかったのですが。そこをもう一度確認したいので、教えていただければと思います。
    藤澤推進課長
    説明不足で申し訳ありません。
     基本問題・計画専門調査会と、こちらの女性に対する暴力に関する専門調査会は、言い方は悪いですけれども、いずれも男女共同参画会議の下にぶらさがっている会議ではあるんですが、来年度の計画改定に向けて、これは資料4の2枚目でしょうか、計画の改定内容全般をとりまとめるのは基本問題・計画専門調査会という形になります。
     ワーキンググループと、こちらの女性に対する暴力に関する専門調査会との関係についてですが、今の計画にもいろんな重点分野というものが書かれていて、そのうちの一つが暴力なんですが、暴力に関してはこちらの専門調査会がありますので、こちらで基本的に全部議論していただく。それ以外の重点分野については、個々に、こちらの暴力と同じように別途の専門調査会が必ずしもあるわけではないので、基本問題・計画専門調査会の下にワーキンググループという形で議論の場を設けます。したがって、暴力に関してワーキンググループはなく、こちらの専門調査会がそれに当たります。
     それで、資料5には基本問題・計画専門調査会に出した資料をお付けしましたけれども、これは皆様方に御相談して書いてお出ししているものではないので、こちらも是非、御参考にしていただきつつ、更に次回以降のフォローアップの内容について御議論いただきながら、この専門調査会でまとめていただいて、その成果を基本問題・計画専門調査会にバックしていただく。そういう仕組みを考えております。
    奥山委員
    わかりました。それでは、特にワーキンググループは、私どものような、女性に対する暴力に関する専門調査会のような、言わば特別のタスクフォースがあるわけではないので、そちらの方面についてはワーキンググループが、ある程度、具体的な課題とか、あるいはそれに対する肉づけをするということで、こちらの専門調査会の関係では、特にワーキンググループというものはあまり関わってはこないということですね。
    藤澤推進課長
    はい。
    奥山委員
    それでは、こちらで議論されたものを基本問題・計画専門調査会の方に投げて、そちらである程度、基本的な報告書をつくってくださるということですね。
    藤澤推進課長
    はい。
    奥山委員
    わかりました。
    岩井会長
    私は基本問題・計画専門調査会の方に今年から参加させていただいていますので、もう2回ぐらい会議が行われたんですが、そこで結局、たたき台として、この論点例というものがすべての項目について出ておりまして、暴力に関することも、この論点例が出されていたわけです。それについて、暴力以外の部分についてかなり議論がされておりましたので、暴力の部分はこちらに全部委ねられているということだと思います。ですから、この論点例につきましても、これから皆さんでどういうことをもっと話していくべきだということを議論していただければと思っております。
    奥山委員
    ありがとうございました。
    岩井会長
    どうぞ。
    諸澤委員
    関連してよろしいですか。これは私だけがわからないのかもしれませんが、基本問題・計画専門調査会の委員と私たち委員の選ぶ基準といいますか、どういう方が主に専門調査会のメンバーになっているかという違いはあるんですか。
    岩井会長
    兼ねていらっしゃる方も何人かいらっしゃいますね。
    伊藤委員
    私、岩井会長、林委員の3人です。
    諸澤委員
    例えば専門性とか、何かそういう点で違いはございますか。
    岩井会長
    きっとそうなんだと思いますけれども、どうですか。
    岡島局長
    基本問題・計画専門調査会の方は、基本計画全体を見直すということですので、いろんな分野の御専門の有識者に入っていただいています。こちらの女性に対する暴力に関する専門調査会は、暴力というテーマについての御専門である有識者の方にお入りいただいているということでございます。
    諸澤委員
    わかりました。
    岩井会長
    どうぞ。
    後藤(弘)委員
    今回は岩井会長が基本問題・計画専門調査会の方に入られたということで、そういうことはないと思うんですけれども、前回の基本計画策定に当たっては、基本問題・計画専門調査会で何が行われているのかという情報がほとんど共有されないまま、こちらは一つのワーキンググループという形で何か動いていたようなイメージがあります。今回は3人も入っていらっしゃるので、そういうことはないと思うんですけれども、今、全体の中でどういうふうに動いているのかが見えるような形で検討を進めていければと思います。
     本専門調査会は、位置づけとしては暴力に対するワーキンググループということなんですけれども、私も公聴会とかに伺って思ったのは、全体で何が行われているのかがよく把握できないまま、暴力についてだけは私に答えなさいというような形で振られてもなかなかうまくいきませんでした。勿論、理解はしようと思っていろいろ、何をやっているかについて情報は収集しましたけれども、かなり限界がありました。前回はかなりジェンダーの問題について議論されたという時代的な背景もあって、今回は余りそういうことはないのかもしれませんけれども、とにかくワーキンググループという位置づけであったとしても、専門調査会として並列的な存在であるということをかんがみれば、情報共有を適切に行っていただきたいというのが1点です。
     もう一つ、情報共有についてなんですが、先ほど林委員から御指摘があったような国連の動きというものも適宜御紹介いただきたいと思います。近々だされる国連の政府報告書に関する最終勧告が適切に反映されるような形で基本計画を改定していくという形を取っていかないと、まるっきり別に存在するような形であってはやはり望ましくないと思います。そこら辺についての配慮も進行に当たってはお願いしたいと思います。
     すみません、ついでなのでもう一点なんですが、今後、いろいろ実態について御報告いただくということなんですけれども、数値の取り方、どうやって実態をより適切に把握していくかということについて、そろそろ少し違った工夫が必要なのではないかと思うことがかなりあります。
     例えば今日の御説明にあった、少し先に行って申し訳ないんですけれども、婦人相談所における一時保護件数。婦人相談所以外にも一時保護されている件数があるんです。千葉でもそういう検討会に入っていますが、そこでも私的なシェルター等の報告というものはなかなか上がってこない。そういうような今までルーチンで集めていたデータ以外にも、もう少しより実態が把握できるような形のデータの収集をそろそろ行うべきだと思います。初期のころはあるデータを使うということでよかったのかもしれないですけれども、より適切な実態を把握する努力も必要で、それがやはり最終的には基本計画に反映されるということが必要ではないかと思います。
    岩井会長
    どうぞ。
    伊藤委員
    少し誤解があるのではないかと思うんですけれども、私も基本問題専門調査会というものができたときからずっと、私以外はみんな退任されてしまったので、私1人が最後まで残っています。実は前回の第2次基本計画は基本問題専門調査会は一切タッチしていません。基本計画のプロジェクトチームがやっていました。今回は基本問題と計画の専門調査会になって、計画が入ったことで基本問題のグループが割と中心になってやる形になっています。
     おっしゃるように、確かに情報の流通がすごく悪かった。私ども基本問題専門調査会でも、第2次基本計画がどうなっているか、全然知らないままに別の議論をしていました。だから、今回はこういう新しい形で組み直して、かなり情報の流通がよくなる形で進むのではないかと思います。
    岩井会長
    どうぞ。
    神津委員
    済みません、進め方のことというよりは今回のことに関してなんですけれども、私は男女共同参画会議のメンバーからここに配属されているわけで、暴力の専門家でもないんですけれども、何かお恥ずかしい次第ですが、ここの話の中で私が一番思っているのは、まず被害者も加害者も、つまり当事者がそれを暴力と認識できるかという視点と、被害者の方がそれを相談できるかという視点と、それから、相談を受けた側がそれを解決できるかという視点と、この3つに分けて考えなければいけないと思っているんです。
     最初の、被害者の方も加害者の方も、これが暴力だと認識できるかという部分は多分、啓発というところにつながると思うんですけれども、それはいろんな意味で、ポスターをやったり、学校でやったりということもあるんですが、ここから先は少し絵そらごとの話なので議事録に残ると少し恥ずかしいようなところもあるんですけれども、御覧になっている方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカのnbcが12年も前からやっている『law & order』というドラマがありまして『法と秩序』というタイトルですけれども、それは幾つかのパターンのドラマに分かれているんですが、その中で『law & order:性犯罪特捜班』、svuという、ケーブルテレビを見たらそういうものを見ると思うんですけれども、私は結構、これが好きでといいますか、ここに配属されてからそれをよく見るようになったんです。別に私は日本でドラマは、親の商売はそちらなんですけれども、ほとんど見ることはないんですが、でも、それは割と気をつけて見るようにしています。
     それは何でかというと、そこでは本当に児童虐待、児童ポルノ、DV、薬物、ありとあらゆる犯罪の事例が出てきて、それを最後は起訴するところまで、判決がどうなるかというところまでを1時間でやるというドラマなんです。それでタブーなしに、日本では多少難しいというところもあるかもしれませんけれども、物すごくあらゆる事例が出てくるわけです。別にそのドラマがどうのというわけではないんですけれども、こんなものは日本にない、日本だと温泉に探偵が行くとか何かそういう話で終わってしまうので、どうしてこういう硬派なドラマが出ないかな。アメリカのドラマは、くだらないものもたくさんあるんですけれども、いわゆる医学捜査班とか科学捜査班とかいろんな形のもので問題提起をしているものがたくさんありまして、そういう意味では、最初に絵そらごとと言ったのは、いつか、こういうところが、事例提供ではないですけれども、それはプライバシーという意味ではなくて、こういうものも犯罪にはなり得るというようなものをテレビ制作者に提供できるぐらいの、きちっとしたデータベースではないですけれども、そういう意識を持つということも私は啓発活動に必要なのではないかと思います。
     ドラマなどくだらないとは思うのですが、でも、それを見ることによって、「こんなこともそうなのか。それがこんなことにまで発展してしまうのか。」ということを、そういう情報提供ができるぐらいの姿勢を、この専門調査会がというのは少し飛躍ですけれども、そのぐらいの気概を持つことが、今、もし、こういう犯罪を防止するということであれば、その辺まで見越していくことも私は必要ではないかというのが一点。
     それから、相談できるかどうかということはいろんな窓口ができているので何とかなると思うんですけれども、解決できるという部分に関しては、資料5でもセクハラとか、ストーカーとか、DVとか、あるいはそこには出ていませんでしたけれども、集団レイプ事件とか、いろんなものが増加しているわけです。相談しないというものも多いわけですけれども、相談した場合でもいささか格差はないかという気がするわけです。
     それは、例えば幼児虐待の児童相談所などでもそうですけれども、相談した場所によって、それを受けた人によっての格差というものが出てくると、それは物すごい悲劇なわけです。ですから、それを配偶者暴力相談支援センターとか、婦人相談所とか、それから、ホットラインとか、警察とか、いろいろ窓口はたくさんできて、相談できるところはたくさんあるけれども、それらを相談したものが、その個人、あるいはそこの場所によって格差が出てきたら、とてももったいないという気がして、そこがどのぐらい格差なく、今、相談を受けているんだろうか。あるいはそういうところで受けた相談がある一つのところのチームに集約されて、そこで瞬時に選別していくような機能はつくれないものかというのが私のちょっとした懸念です。
     というのは、ここがほったらかしていたとか、あそこがほったらかしていたという話がよく出てくるために、せっかく窓口を広げても、そこが解決してくれなければ相談に行く人は行かなくなってしまうので、そこも何とか仕組みをつくれないものかなというふうに思っております。
    岩井会長
    どうぞ。
    伊藤委員
    今の話と関連して、前から私がお願いしてきたデータがあります。1つは資料7の3ページ目なんですけれども、配偶者間の殺人のケースで、男性が被害者になるケースが4割近くあるわけです。この中でいわゆるDV関連で男性が被害者になったケースというのはどれくらいあるのかというのは、やはり目配りしておいた方がいいのではないかと前から思っているんです。
     そういうデータがあると、先ほどの神津委員のお話のように、DVと、例えば夫が配偶者間で殺されるというケースの関わりみたいなものが見えてくる。それはそれで社会的に問題提起をすることになるのではないか。調べていないのでわからないんですけれども、想像ですが、かなりの件数があるのではないかと思います。
    岩井会長
    事務局にお願いしたいんですけれども、先ほどの基本問題・計画専門調査会の情報のことなんですが、やはりあちらで議論している問題でも、地域の問題などは地方の市町村レベルでどういうふうに連携体制を取っていくかという問題などは含まれているので、こちらの問題とも重なる部分もかなりあるんだろうと思うんです。ですから、この前に出てきました重点事項について、どのようなワーキンググループがつくられて議論されているかという資料は参考例として添えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
    藤澤推進課長
    はい。
    岩井会長
    続けて、御議論をどうぞ。
    諸澤委員
    質問等に入ってよろしいですか。もう進め方ではない話でいいですか。
    岩井会長
    はい。
    諸澤委員
    幾つかあるんですが、一つだけ、今、ちょうど資料7が出ましたので、5ページの人身取引関係について、少し正確な御説明をいただきたいと思ったんです。
     平成17年から減少傾向というのは読み取れますが、この年はいわゆる刑法を改正して、人身売買罪を新設した年であるわけです。それで、国連におけるヒューマン・トラフィッキング関係の会議に出ますと、やはりこうやって国連で取り組んでいるにもかかわらず、一向に減らないばかりか、国によっては増えているという話が多いんです。
     でも、日本ではこれを見ると減ってきているというふうに読み取れるわけなんですが、そこで少しお聞きしたいのは、つまり人身取引の定義といいますか、この中に入っているのがどういうものなのか。刑法の226条の2で言っているところの買い受けた、売り渡したというだけなのか、あるいは国外に移送したとか、かくまっていたとか、その他の関連するものもこれは含まれているのか。そのデータの取り方がどうなっているんでしょうか。同じ基準で取っていて、こういうような推移になっているんでしょうか。その辺りを御説明いただければと思うんです。
    警察庁
    警察庁でございます。
     本日、人身取引の関係で担当者が来ておりませんので、次回の専門調査会までにどういうふうな取り方をしているか、詳細な資料を、出せるものを準備したいと思いますので、申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
    諸澤委員
    併せて、これを見ますと、この3年ぐらいが、検挙件数、検挙人員、それから、被害者数がほぼ同じになるんです。それ以前は1件当たりの被害者数が1.何倍というふうに少し違うんですが、この3年ぐらい、検挙件数、検挙人員、被害者数がほぼ同じ数字になるというのはどういうことなのか。何か傾向が変わってきたのかということも併せて、次回にお願いしたいと思います。
    岩井会長
    どうぞ。
    伊藤委員
    今の人身取引の関連で一言。2004年にアメリカ合衆国が人身取引のレポートを出されて以後、日本政府としてはかなり本気になってこれに取り組まれました。その成果が、この減っているということにつながっているのだと理解しています。ただ、残念ながら、今年の合衆国のレポートでも、日本の社会はまだ要監視国段階から抜け出せていないわけです。それはなぜなのか。政府としてどのように考えておられるのか。これは警察庁ではなくて内閣府あるいは法務省になるかもしれませんけれども、やはりどこかで考えていただきたいと思います。その辺の議論をしていただければと思います。
    諸澤委員
    私も全く同じ問題意識なんです。政府の取組みに少し問題があるのではないかという背景の下で御質問しているところなんです。
    伊藤委員
    法改正や、入管の問題も含めて、かなり努力はされているように私は理解しています。にもかかわらず、なぜ解除されないのかというのはかなり大きな疑問なんです。
    岩井会長
    どうぞ。
    大津委員
    私は人身売買禁止ネットワークに属しております。その中で、人身売買禁止ネットワークと内閣官房、それから、各省庁が意見交換会を何回か持っているんです。その中で、本当に私自身も、この人身売買の問題が見えにくくなってきたと思います。
     それはなぜなのかということをいつもいろんな方と議論するんですが、いわゆる人身取引対策行動計画以後、被害者の人たちが全国にある婦人相談所に入ることができるということになったわけです。その結果、民間には来なくなりました。それはなぜかというと、民間に来ようとすれば、被害者を送ろうとすれば、委託費を払わなければならない。その被害者の人たちが2か月、3か月、最近、警察庁が主催されたコンタクトポイント連絡会議でも言われたんですが、本当に長期化しているんです。
     そういう中で、民間にDV被害者の委託費と同じだけの費用を、ある意味では国が半分と、それから、都道府県が半分ということでは、とても都道府県の方たちはそれだけの費用を民間に委託することができない。それで全部、自分たちの方でやってしまおうと思われるのではないか。それが一点です。
     もう一点は、私たちはグレーゾーンと呼ばれている方がいるのではないか。きちっと昔のように、強制的に日本に連れてこられて、パスポートを取られ、借金を課せられそこに缶詰になってという人身売買のそういう方たちより、もっといろんな形の人たちが来ているのではないか。その中で、どこがその人たちを被害者と認定するのかということを民間の方では言っているんですが、その中に認定するとき、民間の者を入れてくださいというふうに言っているんですけれども、いまだに何も入っていない。その辺でグレーゾーンと言われている方たちも、この人ははっきりしないという方たちも、もしかしたら被害者でないというふうに帰国させている。
     それから、すべての被害者は全部、国へ帰りたいと言っている。日本にはとどまりたくないと言っている。それはなぜなのかというのは、やはり支援の問題だと思います。やはり心のケアができていない。それと、通訳者がいないところに被害者が行っておられる。そして、リハビリテーションというようなものもない。人身取引被害者の方のケアをやっているようなところが、一体、日本でどこにあるのか。それはいわゆる女性相談所や民間シェルターのような、やはり長期のところではないんです。短期で緊急避難のところなんです。そこに被害者の人たちが行っている。
     そこの問題点があるのではないかということを、この間、内閣官房や各省庁の方と話をしています。私たち民間が言っているのは、これは外国籍の人も日本籍の人も同じですが、24時間のホットラインをつくってほしい。それから、民間のシェルターにお金を出してほしい。そして、その中で被害者の女性たちに本当にケアができるような施設。それは中長期的な施設が必要なのではないかということを提案しているんです。ですから、そういうことが今のところ、本当に人身取引に関しては、私はまだまだこれからの問題がいっぱい残されている。だから、私たちでも見えにくくなってきたと思います。
     それから、長くなって済みません。もう一点ですけれとも、民間で被害者を受け入れているときには、ニュースレターや何かでこういう女性たちがこういう形で日本に連れてこられて、こういうふうに被害状況があってと書いているんですが、それがいわゆる公的なところに書かれたことによって私たちの耳には入ってこなくなってきています。
     それが先日、コンタクトポイント連絡会議に参加したときに、警察庁の方がどれだけ苦労しておられるのか。受け入れた公的シェルター、婦人相談所がどんな努力をしているのか。どんなに大変だったのかということを聞いたんです。それは本当に大変だなと思いました。そういうものが一般のところにも人身取引というものが、この国際的なところでいかに大切かというのに、やはり見えなくされている問題だと私は思っています。
     済みません、長くなりました。
    岩井会長
    いいえ、どうもありがとうございました。
     どうぞ。
    小西委員
    今の問題にも絡めてですが、被害者の全体像というものがこういう統計では非常に見えにくいし、隠れているということをこれからの議論で常に頭に置いていただきたいというのが、私が思っていることなんです。
     例えば強制わいせつの数は、認知件数は減っていますけれども、それでは、何が減っているのか。これはとても大きな問題です。別にたくさん警察でやってほしいということだけではなくて、例えばこちらの資料8の調査の、まずはDVの方で少し考えてみると、4ページに配偶者からの被害の相談先、さっき非常に割合が少ないということが出ていたと思います。例えば、ここで警察に連絡・相談した人や、医療関係、民間の専門家、こういうものを全部合わせても、たしか2%程度しかなかったと思います。
     要するに、最初の成人の女性に聞いたところでは数%ぐらいの人が何度も被害に遭っていると答えているわけですから、日本全体で言うと何百万人かの被害者がいるんです。それで何百万人かの被害者の中のたった数%の人が相談して、それが公的な相談機関に行った5万ケースとか6万ケースになって、それが増えたと私たちは言っているわけです。
     さっき神津さんが言われた認識、相談、解決は非常にクリアーに分かれていていいと思ったんですが、そういう意味では相談の段階でもう数%以下に落ちている。それで、解決の段階ではそれが更に数%落ちているというのがDVの現状なんだと思うんです。その増えているところで、あたかも大多数をつかまえられているような形で議論をすると非常に間違うという気がします。
     それから、性暴力の方も同じようなデータが21ページにあるんです。こちらもさまざまなデータで、あなたは被害に遭ったことがあるかと聞くと、ここに数%ぐらいの方があったと言って、子どものときの被害も多くて、それから、例えば家族、親や兄弟や学校の先生やそういう知り合いからの被害が多いということがわかっていますね。これも多分、何百万人かいるわけです。その中で相談した人の数は、本当にこれもほんの少しの割合にすぎません。それで、警察に連絡・相談した人は、ただの相談だけを含めても4%しかいないわけです。
     実際に私が臨床で見ていると、このデータには入ってこないような重い人たちが非常にたくさんいます。そういう人たちをどういうふうにやっていくかというのは、今の見えない被害者という問題とも同じなんですが、必ずしも、今、出ている既存の統計を挙げるような形でokだと言っていると、けたが違う問題が存在するのに見えてこないということが、この中からもはっきり言えると思います。そういう全体像に関して議論していただきたいというのが、私が願っていることです。
    岩井会長
    どうぞ。
    後藤(啓)委員
    今の小西先生の意見に全く賛成でございまして、資料8の調査報告書のいまおっしゃった21ぺージの部分ですけれども、被害にあわれた方が被害の相談をほとんどしていないということに特に留意する必要があります。
     また、警察の犯罪の認知件数が少し減ったというようなデータを基に議論することは危険だということもあります。かなり古い調査でも女性の性犯罪被害の申告率は1割程度、あるいはそれより低いというデータもありますし、これはさらにもっと低いデータになっているわけですね。
     それと、その上の被害に遭った時期でも、これは小学生のときとか、中学生のときとか、小学校入学前という方が2割程度いるというようなことでありまして、まさに女性に対する暴力の中でも、子どもに対する暴力、性犯罪というものがかなり大きな問題を占めている。それがはっきり言って、ほとんどが無視されているわけですね。特に親とか兄弟とか、そういう家庭内での性犯罪の場合はほとんど顕在化してこないという実態があります。
     それと、直接のそういう無理やりの性交とは違うかもしれませんが、ダブることがあるんですけれども、先ほども出しました児童ポルノというような問題。これの多くがインターネット上でだれでも見られるような形で蔓延している。それは子ども自体が無理やり撮られたものがずっとインターネット上に流通していることで、永遠に大変な精神的な被害、すさまじい暴力にさらされているという問題もあるわけでありまして、そうしたことも性暴力といいますか、女性に対する暴力の一つとして、これは物すごい数に上ると思うんですけれども、検討をするべき課題ではないかと思っております。
     以上です。
    岩井会長
    どうぞ。
    平川委員
    小西さんがおっしゃったことと同じ問題なんですが、資料7の婦人相談所における一時保護件数が出ていますが、これなども同じ問題として民間シェルターが抱えている問題なんです。
     公的なシェルターに入るためには健康でなくてはいけないというルールが、建前ではないはずなんですけれども、実際にはそういうことがあって、たとえばアディクションの問題を抱えているDVの被害者とか、精神症状を抱えているDVの被害者がいますが、その方たちは小さいときに性被害に遭っているとか、それから、居所なしになってホームレスになっているとかの場合が多いのですが、そういう方たちはこの統計には出てこないということになります。
     それから、民間シェルターでもその方たちをケアし切れないし、保護し切れないという問題があって、また病院に入院していたりとか、それから、その反対があったりしますので、このDVの被害者の方たちの保護件数があまり伸びていないという形の統計が出ることは、あまりにも保護を必要としている被害者を小さく見積もり過ぎているのではないかという気がします。もっともっと大変な問題を抱えているDVの被害者、それから、性暴力の被害者という重複している問題を抱えている方たちが多いところを何とか見える形にしていっていただきたいと思っております。
    岩井会長
    どうぞ。
    林委員
    今は、これからどういうふうに、この専門調査会でお話を進めていくかということについてブレーンストーミングみたいな話し合いだという前提で、今までと全然違うことを言わせていただきます。私は、この第2次基本計画を改定するに当たって、第2次基本計画以降に生じている新しい現象とか、深刻になっている問題など発展を取り入れる姿勢がないといけないのではないかと思います。逆に入っているものでも、ある程度、対策が立っている、沈静化してきているという問題が仮にあるのだとすると、その比重は少し軽くして、めり張りをつけていくことが必要なのではないかと思います。
     それを考えるに当たっては、冒頭にも申し上げましたとおり、せっかく女子差別撤廃委員会からの勧告が間もなく出ますので、次回、是非、それを回付していただいて、そこで暴力についてどういう問題が取り上げられているかという問題を共有したいと思います。
     それと別にですが、国連の「女性の地位向上部」、dawというところがありますが、そこが最近、かなり詳細な、女性に対する暴力についての法制度についてのハンドブックを公表しました。70ページぐらいのかなり分厚い資料です。
     それから「女性に対する暴力」特別報告者というものが人権理事会の中にいて、ここから今年出た文書で、女性に対する暴力を測る、測定するためのインディケーターとベンチマークというものを提示しています。これは今、人権法の分野で、ある社会でどのくらい、例えば住居に対する権利とか表現の自由等が守られているかということについて、数値化していこうという一種の運動があって、学問的にはいろんな批判がありますけれども、私は面白い考え方だと思います。
     ハンドブックを全員が手にして読むということは無理だと思いますので、資料は事務局に提供いたしますので、その中身について簡単な報告を、次回、お時間をいただければ私が5分くらい御説明を差し上げたいと思います。
     私はこの第2次基本計画はとてもよく練られて、この当時としてはよいものをつくったと思うのですけれども、新しい問題として複合差別という問題がありまして、社会の中でより弱い立場にある人たちをどうやって支援していくかという視点がありますね。例えば女性に対する暴力の問題でも、難民女性とか、外国人女性とか、障害を持った女性とかといった、そういう弱い人たちに対して特有の問題というものをどういうふうに立てていくかという視点です。
     あるいは複合差別とまた別の問題ですけれども、先ほど後藤(啓)委員からも御指摘がありましたcyber victimizationと呼ばれているような、いろんなポルノグラフィーとか、インターネット上での人権侵害といったことにどう対処するかということは、必ずしも第2次基本計画では入っていなかったのではないかと思います。
     あとは、安全保障理事会でも1325決議と1820決議という、女性と平和構築についての決議が上がっており、今年は1820決議について集中討議がありました。紛争後の社会における女性の自立支援とか人権侵害からの救済について、どういうふうに協力をしていくか。もう少し視点を広げるべきではないかという印象を持っております。
     以上です。
    岩井会長
    どうぞ。
    伊藤委員
    今の林委員の問題と関連です。この専門調査会でたしか基本方針について議論したと思うんです。第2次が出された後の議論ですので、この調査会で共有しておいた方がいいのではないかと思いますので、新しく参加された方も含めてですけれども、それは次回あるいは次々回ぐらいに出していただけたらと思います。
    岩井会長
    どうぞ。
    諸澤委員
    林委員に便乗するわけではないんですが、資料5で第1次から更に第2次でどういうふうに、その後の新しい状況を反映していくかということに関連して、この資料5で、ある程度、整理していただいているわけですが、その中の特に、例えば具体的な取組みの4番目のバーチャルの問題、それから、論点例の5番目で、これは恐らく全員が共有している問題意識だと思うんですが、私はもっと踏み込むべきではないかという気がしております。
     実は昨年、フィンランド、オランダ、ドイツというような北欧の国の小中高校の視察へ行ったんですが、日本のコミックが非常によく売れている。それで、行く先々で決まったように、「日本のポルノはどうして性表現が自由奔放というのか、何でもありというので困る。学校の現場では、これを読ませないようにしているんだけれども、日本の社会はそういう問題について、つまりそういうポルノコミックが社会に存在していることについて、日本の人たちはどういう認識なのか。」ということを行く先々で聞かれるわけです。気がついてみれば、日本というのは、この点ですごく、表現の自由ということが戦後、最大限尊重されてきて、結果としてこういう問題が常に遠慮していたと思うんです。
     ポルノグラフィーの問題も、ポルノと言われているものの中でも日本のポルノの特徴が、いわゆる暴力による強姦を扱ったポルノグラフィーというものが非常に日本のポルノの特色になっている。これは多くの国で原則禁止なんです。ポルノグラフィーはいいけれども、暴力による強姦は表現の自由などという問題ではないというコンセンサスが特に先進国の多くで存在していると思うんです。
     やはり今まで、聖域というのか、どうもメディアや言論界に遠慮していて、そういう問題について何か突っ込んだ議論をどうもしないような気がしてならないんですが、私たちとしてはやはり、女性に対する暴力という問題に関して、特に青少年に悪い影響を与える性表現、特に暴力による性行為というものに対して、もっとはっきりした意思表示をすべきではないかという気がいたします。
    岩井会長
    どうぞ。
    神津委員
    済みません、さっきの林先生の御発言に補足して、複合というのは本当にいろいろ根が深いと思うのは、やはり複合的に起こったものというのはなかなか断ち切れないんです。だから、1つが解決しても、こちら側が解決していない限り、また同じようなことが繰り返されるというようなものが続くために、ここがなかなか繰り返されて断ち切れない。
     それから、サイバーの方も同じで、例えば何かそういうものが摘発されて、そこのサイトが閉鎖になろうが、その画像がそこから一旦見えなくなっても保存している人間というのはたくさんいて、またそれがどこかでぶり返して、あぶり出されて、またもう一回出てくるというようなことがあって、この複合的な要因とサイバー的な要因という、この2つは非常に重要で、なぜ重要かといったらば、繰り返すということと終わらないというところなんです。
     だから、さっき解決という話をしたんですけれども、ある部分でこういう暴力の問題について、徹底的にやれば解決できるものもあるんですが、この複合とサイバーというものが入ってしまった問題については、本当に解決まで持っていくまで相当な労力が必要で、なおかつ無理かもしれないというところまであるような気がするので、ここの辺りはかなり肝を据えて取り組んでみていかないといけないような問題ではないのかなと考えております。
    岩井会長
    どうぞ。
    原委員
    資料5の論点例のところで話をしたいのですが、実際に被害者支援の現場にいる者として、2番目の市町村レベルの取組というところで、先ほど神津委員から支援の格差があることが問題だということですが、市町村の支援の能力の差というものがものすごく大きくて、実際に専門の相談員がいて、きちんと福祉支援ができて、いろんな調査なり庁舎内連携ができているところと、全くそうではないところが例えば市で隣り合わせになっているという現実があったときに、支援がうまくいっていない市町村に住んでいる人にとっては非常に悲劇だと思いますので、できれば今後の議論の中に、全国的に市や町の被害者支援のレベルを均一化していくようなものが必要ではないかと考えています。
     それと、先ほどの複合のところで、少し違う視点かもしれないのですが、市町村で支援をやっていても、最近、困難事例がものすごくたくさん発生していて、例えば、DV家庭だけではなく、虐待もある、精神疾患もある、経済的な困難もあるとか、1つの家庭の中でいろんな問題が起きているのです。そのために、その解決に向けては、やはり機関の柔軟な連携といいますか、例えば、DV法と児童虐待防止法など法律によって支援が変わるとか、行政機関の何課が担当とかのような縦割的な発想というものはもうできなくなっているのではないかと思っています。ですから、そういうところの視点も必要であるということ。
     もう一点ですけれども、例えば被害者支援がうまくいって、自立に向けた取組ができて、やっとそこで、そういう環境の中にいた子どもが救われるというふうに見えるのですけれども、いかんせん、そのDV家庭にいた子どもが今度はお母さんに暴力を振るい始めるとか、それが時間を追って連鎖していくという問題があって、DV家庭の子どもに対する中長期的な支援というものも視野としてやはり入れていかなくてはいけないのではないか。最近、現場にいてそのように感じております。
    岩井会長
    何か、ほかに御意見はございませんか。
     どうぞ。
    伊藤委員
    今の点に関連していいですか。私ばかり話して申し訳ないんですけれども、ある中核自治体なんです。相談センターを持っていないわけです。でも、基本計画でつくろうという動きがあったんですけれども、男女共同参画担当と福祉担当がうまくいかない。福祉の方がちょっと勘弁してくれと。つまり、現状では責任を持ってやり切れないから、乗り切れないというような声が出てきて、今、頓挫状態にある。今、原委員がおっしゃったとおり、地方自治体の現状の力量の中でどこまでやれて、どこまでがある種、政府からの支援、都道府県からの支援というようなものができるのか。あるいはネットワークがどういう形でつくれるかというのがかなり大きな課題になるのではないかと思っています。その辺のところもこの中で議論できたらと思います。
    岩井会長
    どうぞ。
    小西委員
    一点だけ、市町村レベルでケースが重症化しているというのは本当に原委員がおっしゃるとおりで、本来、そういうものは地域で酌み取っていかないとなかなか相談もつながらないものですから、機能し出せば当然、そういうことが起こっていると思うんです。ただ、ここにそれが本当に出てきていないということは非常に問題があると思います。後藤(啓)委員もおっしゃったように、是非、そこのところは私も議論した方がいいと思っております。
    岩井会長
    どうぞ。
    後藤(弘)委員
    さっきの複合差別の問題は、貧困の問題などに伴って、この5年の間でクローズアップされた問題です。そういう意味で、先ほど神津委員が言われたような、ある程度の相談の窓口とか、顕在化して相談して何かつながるという道筋はできてきているわけですけれども、やはり統計に上がってきていないような人たちに対して、まずどうやって状況を把握して、それについて問題解決の支援を行うのかということが解決されない限り、毎年5年ごとに基本計画を見直していても切り捨てる部分が多くなるだけで、1%とか2%の暴力しか解決できないような施策になってしまう。
     そういう意味では、先ほど林委員も言われたように、今後の目標として、私たちは切り捨てられる人たちをどうやって少なくしていくのかといったような視点をきちんと盛り込んで、それに対応するようなデータの収集というものを工夫していく。そういう視点というものをきちんと共有して、そのために必要なデータが集められるような形で、この検討会が進められていたらいいと思います。
    岩井会長
    どうも、本当に活発な御議論、ありがとうございました。
     これからフォローアップの会議が持たれますので、今までどれだけ推進されてきたのかということのフォローアップの中でまた、何を取り組まなければならないかという重点事項の議論を進めていただきたいと思っております。
     よろしいでしょうか。まだ一言、何か言いたいとかというのはありますでしょうか。よろしいですか。
     (「はい」と声あり)
    岩井会長
    それでは、最後に資料11をごらんください。間が大分空きましたけれども、第46回の会合の議事録がまとめられておりますので、これにつきましては、このとおり決定しまして、内閣府のホームページ等で公表することとしてよろしいでしょうか。
     (「はい」と声あり)
    岩井会長
    それでは、第46回会合の議事録につきましては速やかに公開することといたします。
     次回は、今回の議論を踏まえて、まずは現行計画の進捗状況について関係省庁からのヒアリングを行いまして、重点事項や論点などを中心に議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
     事務局から何かございますか。
    仲程調整官
    次回の会合でございますが、9月28日の月曜日の14時からになりますが、場所は変わりまして、内閣府本府の5階の特別会議室で開催することとしておりますので、よろしくお願いいたします。
    岩井会長
    それでは、これで第47回の「女性に対する暴力に関する専門調査会」の会合を終わります。
     本日はどうもありがとうございました。