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10 ESCAPハイレベル政府間会議について

ジャカルタ宣言とその行動計画の実施状況、北京行動綱領の域内における実施状況を検討するため、1999年10月26日(火)から29日(金)にかけて、バンコクで「ESCAP地域ハイレベル政府間会議」が開催される予定です。このハイレベル政府間会議では、域内の各国が直面する障害や困難を乗り越えるための力をつけ、将来に向けて共通のビジョンを作り、更には女性2000年会議に向けての地域としての情報を提供することが期待されています。

ESCAPではハイレベル政府間会議の議題や進め方等の枠組みの検討、準備作業の確認等をするため、去る4月1日から2日にかけて、バンコクで専門家グループ会合を開催しました。同会合には、中国、フィジー、インド、インドネシア、日本(目黒依子上智大学教授<国連婦人の地位委員会日本代表>他が出席)、韓国、フィリピン、スリランカ、ウズベキスタン、タイ、ベトナムの11カ国から14名の専門家のほか、ユニセフ、ユニフェム、ILO、FAO、WHO、世界銀行、アジア開発銀行等の国連・国際機関の代表が参加し、以下のような勧告が行われました。

ESCAPハイレベル会議の議題

(a)
地域における北京行動綱領の重大問題領域の達成状況について討議する。その際には、12の重大問題領域別に、最良の例、達成された事項、直面した制約要因、将来の行動指針に注目する。また、現在、女性の地位向上の障害となっている共通要因にも焦点を当てる。
(b)
12の問題領域を、以下の4つの観点から掘り下げた討議を行なう。
  • (i)女性の経済的エンパワメント
  • (ii)女性の政治的エンパワメント
  • (iii) 人権の視点からの女性のエンパワメント
  • (iv)女性のエンパワメントへの戦略
(c)
4テーマの審議方針
  • * 「女性の経済的エンパワメント」では、グローバリゼーションが女性に与える影響、アジア経済危機とそれが女性に与えた影響、貧困、女性の経済参加、農村女性のおかれた状況などの問題を分析する。
  • * 「女性の政治的エンパワメント」では、女性の政治、政策、意思決定過程への参加に関する問題を取り上げる。また女性の政治的エンパワメントを阻む社会文化的および制度的障害にも焦点を当てる。
  • * 「人権の視点からの女性のエンパワメント」では、人権という観点から、女性の権利にかかわる数々の問題を網羅する必要がある。これらの中には、女性に対する暴力、女性や子供の人身売買、女子差別撤廃条約の普及を含む法識字が含まれる。
  • * 「女性のエンパワメントへの戦略」では、(a)北京行動綱領実施の監視(モニタリング)と評価、責任(アカウンタビリティ)と管理(ガバナンス)との関連、(b)パートナーシップの構築、能力養成、ジェンダーの主流化、などを実現するための環境の整備が重視されるべきである。
(d)
会議に参加ができるNGOについては、第43回CSWの決定に準拠して、社会経済理事会(ECOSOC)の諮問的地位を有する団体および第4回世界女性会議への参加の認証を受けた団体とする。

ミニ知識

ESCAPとは

1947年3月、国連経済社会理事会の下部機構の5つの地域委員会の一つとしてECAFE(国連アジア極東経済委員会)として設立。太平洋地域加盟国の増加と社会開発の必要性を反映させ、1974年に現在の名称に改め、経済・社会開発のための協力機関として、広範囲な分野で地域協力プログラムを遂行している。西はロシア連邦から東は南太平洋諸国にいたる地域を対象としており、現在、加盟国は51カ国(域内は日本など47カ国、域外はアメリカ、イギリス、フランス、オランダの4カ国)、準加盟国は香港など9カ国。主要な機能は以下の通り。

  • * 地域協力の推進
  • * 研究調査の実施・支援
  • * 情報の収集・照合・普及
  • * 技術援助の供与

※ 次回ニューズレターのお知らせ

次回ニューズレターでは、ESCAPハイレベル会議報告、APEC(WLN・タスクフォース)会合報告等について掲載し、11月下旬頃発行する予定です。

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