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9 国連人口開発特別総会開かれる

1994年にカイロで行われた国際人口開発会議から5年を経て、同会議で採択された「行動計画」が各国でどのように実施されてきたかを点検・評価し、今後の重点施策を打ち出すため、国連人口特別総会が1999年6月30日~7月2日までニューヨークで開催されました。本会議は、国連の特別総会で「行動計画」の進捗状況を点検・評価するといった点が女性2000年会議と動きを同じくするものであり、また、リプロダクティブ・ヘルス/ライツという女性に関係が深いテーマを取り扱っていることから、会議の概要を以下にご紹介したいと思います。

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カイロ会議で、世界の人口会議史上「パラダイム転換」を遂げたと言われる女性へのエンパワメント、なかんずく性と生殖に関する女性の選択権を大幅に認めるリプロダクティブ・ヘルス/ライツなどの基本方針については、再協議しない、との前提で会議が始まった。しかしながら「行動計画の更なる履行のための行動提案」をめぐる協議では、カイロ会議で最大の焦点となった人工妊娠中絶をはじめ、避妊方法や若者への性教育に対する親の関与などをめぐり、米国、EU等を中心とする先進国代表団と、G77グループに名を連ねた途上国のうちローマ法王庁と提携した一部カトリック教国やイスラム教国との間で延々たる論争が再燃した。Anwall Chowdhury議長(バングラデシュ国連大使)の粘り強い調停工作もしばしば暗礁に乗り上げ、総会直前の準備会議でも決着がつかず、6月30日からの総会日程にもつれ込み、結局表現上の妥協が成立して「行動提案」が事実上の合意(一部の国は留保)に達したのは総会閉幕の前日深夜であった。

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同「行動提案」での内容をめぐっては、様々な議論が行われたが、総会は行動計画の目標年次である2015年を目指して人口に関わる新たな数値目標を打ち出した。テーマとしては、(1)初等教育の普及、教育に関する男女格差の解消、(2)非識字率の低下、(3)家族計画の普及、(4)妊産婦死亡率、罹患率に関する新たな指標の設定、(5)若者へのHIV感染に関する情報・教育・サービスの普及並びに感染率の低下が挙げられる。

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日本からは町村信孝・外務政務次官を団長とし、NGO代表も加えた政府代表団が出席した。町村政府代表の演説の中で、「行動計画の更なる履行のための行動提案」への支持を表明し、引き続き国際機関やNGOとの連携のもとに人口・エイズ問題に積極的に取り組んでいく決意を披露した。(JICA WID懇談会資料より引用)

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