先輩からのメッセージ

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先輩に質問!
田邊優貴子イメージ

南極湖沼は最終氷期以降の氷河後退により、無生物環境からスタートし、徐々に生物が外部から侵入しながら、約1~2万年かけて湖ごとに固有の生態系に遷移してきました。湖一つ一つが小宇宙のような南極湖沼は地球環境・生命系進化の実験場と捉えることができます。生態系内の物質は様々な形で循環しますが、生物にとって特に重要な生元素(窒素・炭素・リン)は生物活動(食物連鎖や生物分解)によって循環しています。しかし、これまで生態系構造と物質循環系がどのような過程で遷移してきたかはほとんど分かっていません。野外調査・試料分析・実験によって、南極湖沼の物質循環と光合成生物を含む微生物の生理生態という観点から、生態系発達過程について明らかにすることを目指して研究を進めています。
専門分野:水圏生態学、生態系生態学、植物生理生態学
顕彰:平成26年度 文部科学大臣表彰 若手科学者賞受賞
平成21年3月 総合研究大学院大学研究賞受賞

理学系分野を選択した時期・理由

生まれ育った場所が自然豊かな田舎だったこともあり、自然と川や田んぼや山や海で遊びながら育ち、夜には屋根の上に寝そべって星空を眺めるのが好きな子供でした。小学校の頃に好きだったのは理科・図画工作・体育と、不思議と驚きに満ちた科学の話題でした。そのせいか、高校2年の文理選択の際には、何も迷うことなくすんなりと理系クラスに進み、そのまま大学も理工系を選びました。ただ、高校の教師のすすめで就職に強い工学部に進学したのですが、実利的な工学系の分野が私には合わず、野外調査を組み合わせて生物を研究するために理学系である現在の分野に大学院の途中で転向しました。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

地球で一番文明圏から離れ、隔絶された南極をフィールドにすることで、他の場所ではできないような“地球”目線での研究をすることができます。自然の神秘とそこに潜む不思議に出会うことができ、何よりも自分がまず世界で一番初めにその不思議を知ることができるのが最大のおもしろさかもしれません。自然や生物を対象にした研究をする限り、現場を目の当たりにしなければ真に理解することができないと私は思っています。研究面だけでなく、この仕事をすることで常に、自然・人間を含めた生物・時間とは何なのかという根源的な謎を深く考えさせられるのが大きな魅力でもあります。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

何よりもまず、心に湧いて出た“なぜだろう?”“なんだろう?”や、心を震わせるような感動の気持ちを大切にしてください。それが科学の芽だと私は思っています。そうすれば、自分が何を学ぶべきか、それを解き明かすためには何を調べるべきか、自ずとやりたいこと・取り組むべきことがシャープになっていくはずです。科学者は研究の中身や成果で評価されることが全てと言っても過言ではなく、これほど男女公平な仕事はないのではないかと常々感じています。男女の差なく、何にも臆することなく、ただ自分の大好きな面白い研究を仕事にしながら生きることができるというのはこの上なく幸せなことですよ。

田邊優貴子イメージ

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