先輩からのメッセージ

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松尾由賀利プロフィール写真
  • 松尾 由賀利 さん
  • 独立行政法人理化学研究所・先任研究員
  • ミシガン州立大学、マックスプランク量子光学研究所の博士研究員を経て、1990年4月理化学研究所に入所。
  • その応答を観測することにより対象物の詳細な情報を得るものです。最近は低温凝縮相中の原子分子のレーザー分光から原子核の構造を調べる研究、超短パルスレーザーで固相の生体分子をたたき出してその性質を調べる研究などを行っています。
  • 所属学会:日本物理学会、応用物理学会、原子衝突研究協会

理学系分野を選択した時期・理由

明確な時期・きっかけは、実はあまりはっきりしていません。小中学生の頃から、国語や英語といったいわゆる文系科目より理数系、特に数学が好きで、得意ではありました。またキュリー夫人の伝記を読み、子ども心に憧れを感じてもいましたが、それがきっかけというわけでもないようです。むしろ高校時代は授業で学ぶ物理がどうも現象論的に思えて、あまり好きになれませんでした。しかしながら、大学進学にあたり理工系を選択した最大の理由は、将来仕事を持つことに繋がる分野に進みたかったからです。当時はコンピュータ技術が発展し始めた時期で、理工系に進めば何か関連分野の仕事があるだろうとの思いがありました。こうして入学した大学の講義では、基幹となる原理から物理現象が説明されることを知り、この頃から物理が面白いと思うようになりました。そして、量子力学に基づく最先端の物理学を勉強してみたいと思ったのです。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

大学進学時にはコンピュータ関連の仕事につきたいと思っていましたが、いつの間にか物理学の基礎研究の方向に進んでいました。学部を卒業し大学院に進む頃、「きれいなもの(視覚的に)が見えると嬉しい」というやや少女趣味的な動機で、レーザーを使った研究を行っている指導教官の研究室への配属を希望しました。そしていつしか、視覚的な美しさだけでなく物理的な美しさを見たいと思うようになっていました。私が現在行っている研究は、レーザーの特徴を生かして原子や分子のスペクトル線を精密に測定する高分解能分光という分野で、スペクトル線が量子力学によりきれいに説明されます。原子・分子の分光学は量子力学が始まった頃から行われていた学問で確立された分野のように思われがちですが、新しい技術や実験環境が出てくると、むしろわからないことがどんどん増えてきます。これらを解明するのは研究という仕事の面白さであると言えましょう。そして、「このことについては自分が世界中の誰よりも一番知っているんだ」というスペシャリティ、アイデンティティを持つことができるのも、この仕事の魅力だと思います。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

夢を持つこと、夢をあきらめないことが大事だと思います。そして好きなことを仕事にすることができたら、それは充実した人生を送ることにつながるのではないでしょうか。女性だからという枠組みにとらわれることなく、好きなことがあれば是非それに向かってチャレンジしていってください。その一方で、職業や専門分野を選択する20代前半の段階では、必ずしも自分の本当の適性が見極められているとは限りません。先に述べた「好きなこと」とは少し逆説的になるかも知れませんが、若いうちは「自分にはこれしかない」とあまり決めてしまわないことも必要かと思います。三日坊主はもちろん良くありませんが、環境が合わなかったり、何か違うと気づいた場合には、多少異なる分野であっても思い切って転換する柔軟性も持ち合わせてもらえればと思います。中でも自分を育ててくれる先生や上司との出会いは大切です。みなさんが、女性が理工系に進むことを励ましてくれる指導者、自分を成長させられることのできる環境に巡り会えることを願っています。

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