理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

「先輩からのメッセージ」のトップページに戻る

先輩に質問!
リコちゃんイメージ
  • 鵜家 綾香 さん
  • 東京農業大学
  • 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 特任研究員
  • 植物に発生するウイルス病の研究をしています。国際協力の一環として行う研究が多いため、対象地域が途上国であることが多く、学生時代は東アフリカのウガンダにてイネに発生するウイルス調査などを行いました。現在は東南アジアのキャッサバに発生するウイルスについての研究、現地関係機関にて研究室立ち上げや実験指導を行っています。

農学系分野を選択した時期・理由

中学生の頃から途上国の農業問題に興味があったことから、この頃には農学部に進学することを決めた気がします。当時はそこまで人気のある分野ではなく、同級生に農学部に行くと言っても「農業やりたいの?」とあまり信じてもらえませんでした。

高校生になってもその考えに変わりがなかったことから、途上国農業について勉強できる大学を探し、東京農業大学国際農業開発学科に入学しました。国際関係の大学は文系が多いですが、調べ物をするより研究がしたいと思っていたこともあり、この大学を選びました。

高校生当時、特に理系科目が得意であったわけではありませんでしたが、やりたい分野が理系だったので、とりあえず受験に必要分は勉強しました。大学入学後に全てが役に立った訳ではありませんが、思わぬところで当時勉強した事が役に立つ場面があることもあり、無駄ではなかったなと思っています。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

色々な国へ行って仕事が出来ることです。アフリカで研究をしていた時は、水も電気も無く、研究だけではなく生活するのすら苦労の連続でした。その一方で生活するのすら苦労したことによって、農業は生活において重要な収入源であり、病害によって引き起こされる収量の減少が生活水準に直結するということを、身をもって感じました。また、この経験によって現地研究者を始めスタッフともかなり距離が近づいた気がしました。そのような状況下で現地の協力者と成果を出したときの達成感は、全ての環境が整う日本では体感できないものであり、感動したことを覚えています。

またその国ならではの文化に触れながら仕事ができるのも魅力の一つだと思います。もちろん文化の異なる人達との仕事になることから、根本的な認識の違いによる苦労もありますが、それも文化の違いと考えれば魅力の一つだと思います。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

理系に進むことを躊躇する人は多いかもしれませんが、興味のある分野が理系の場合は諦めずに挑戦してもらえたらと思います。現状では女性研究者が爆発的に増えたということはなく、大学や大学院修了後の将来像が見えづらいのも事実です。しかし、最近では企業も博士課程修了の人向けに採用を始めたり、大学内に職員が利用できる保育園ができたりと働く環境を整えようという動きが出ていると思います。また、国外に目を向けてみると、女性研究者の進路やライフスタイルも様々で、身近にある理系出身だったらこうすべき、といった概念を取り払ってくれます。色々な情報を集め、そこから自分の漠然と描く将来を具体化させ、輝かしい未来を開いて頂ければと思います。