先輩からのメッセージ

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先輩に質問!
夏秋 啓子プロフィール写真

東京農業大学国際農業開発学科で、途上国を中心とした熱帯・亜熱帯の作物に発生する病気について研究しています。“緑のお医者さん”というところでしょうか。アジアではベトナム、カンボジア、ミャンマー、インドネシア、フィリピンなど、アフリカではタンザニアやウガンダに、学生さんや院生とともに農作物の病気の調査に行き、診断や病原微生物(菌類やウイルス)の検出法の開発などを行うのが、私の研究です。各国の研究者との交流も盛んで、海外からの研修生の受け入れなども積極的に行っています。大学の教員としては、わかりやすい講義の工夫、教科書の執筆、さらに、学生さんの卒業論文執筆や就職活動の応援など、忙しいですが、やりがいのある毎日です。実は夫も、同じ分野の研究者、話が通じます!
日本植物病理学会、東南アジア国際農学会などに所属しています。また、日本学術会議の連携会員として、日本の農学研究や教育の方向について考えています。

農学系分野を選択した時期・理由

まず、生物が好きというのが高校時代、また、私たちの食べ物にかかわる農学が大切だと思うようになったのが学部生のころ。その結果、農作物を菌類やウイルスなどの病原微生物・病原体から守る研究を行う植物病理学の道を選びました。
博士論文は日本のマメ科植物のウイルスについて研究しましたが、大学に就職してからは、熱帯の農作物の病気を研究することになり、一気に、研究のフィールドが世界に広がりました。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

アフリカで稲作が盛んになってきているというのをご存知でしょうか?換金作物としても重要なイネには、しかし、RYMVというウイルスが発生します。この早期診断法をアフリカと日本の院生とともに、開発し、病気に強いイネ品種を作るためにも貢献しています。

また、日本で一番消費されている果物バナナの安定供給のために、その障害となるウイルス病、あるいは、日本に輸入されてからの腐敗を防ぐ方法など、現場が困っている問題の解決に取り組めるのが、この研究の魅力です。

今年からは、東南アジアではじめて発生したキャッサバのウイルス病診断に取り組んでいます。キャッサバって、あまり馴染みがないかもしれませんが、タピオカとしてデザートで食べた方も多いでしょう。

また、でんぷんやバイオエタノールの原料として、日本にとっては重要な戦略的作物なんです。分子生物学的な実験は慎重さが求められ緊張もしますが、キャッサバの病害発生調査のために、カンボジアの村々を訪ねるなど、楽しい経験もいっぱいです。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

農学は、生産から消費まで、また、微生物から地球規模での環境問題まで、さらに、日本でも海外でも、私たちの生活に深くかかわる様々な課題の解決に貢献できる学問です。学んだことは、研究者としてだけでなく、企業で、また、公務員などとして活躍しようとするときにも役立ちます。これからは、リケジョ、ノケジョの皆さんに、長~く勤めてもらうことに、期待しています。