理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

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藤田直子プロフィール写真
  • 藤田 直子 さん
  • 秋田県立大学 生物資源科学部 生物生産科学科 植物分子・生理グループ 植物生理分野 准教授

現在は,イネを使ったデンプン生合成に関する研究をしており,植物のデンプン合成メカニズムの完全解明と,新規デンプンの利用を目指しています。
秋田県立大学 生物資源科学部 生物生産科学科 別ウインドウで開きます

農学系分野を選択した時期・理由

昔から,少なくとも文学少女ではなく,率直に言うと,文系科目が苦手だったのです。小さい頃から数字や自然科学に興味があったため、何となく研究職に就きたいと思ってはいましたが,高校の時に大学の農学部に勤めていた叔父に研究現場を少しだけ見学させてもらった時から,農学系を志望するようになりました。研究職という具体的な目標があったわりには,受験勉強ははかどらず,入試直前4ヶ月の集中勉強でぎりぎり理系の学部に入学することができました。私の研究魂に本当に火がついたのは,卒業研究からでした。おそらく多くの大学では2年半から3年間は教養科目や,研究のための基礎知識を身につけるための準備期間に費やしますが,自分だけの研究を自分一人で(もちろん指導教官の指導のもとで,ですが)取り組むことができるようになるのは,大学4年間のうちの最後の1年~1年半です。実験の作業自体がおもしろいこともありましたが,周りにいた大学院生の先輩たちにも刺激され,彼らと少しでも対等に研究の話ができるようになろうと,大学受験のときよりも熱心に勉強しました。研究が続けたくて自然と大学院に進学することになり,現在は, 幸いにも大学に勤め、研究・教育に従事することができています。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

この仕事は,いくら進歩しても上限はない,というのが魅力です。サイエンスは疑問だらけで,テーマが尽きることはありません。自分が関わる分野は,ほんの小さな領域にすぎませんが,自分の考えていることを自分の手で証明し,それを世界の裏側の偶然にも同じ興味をもった研究者と供用できることはすばらしいことです。また,それが実際に産業分野に利用されれば,研究者冥利につきます。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

残念ながら,我が国において,常勤の研究職に就いている女性研究者は男性に比べたら非常に少ないといえるでしょう。私が所属の大学も,所属する学部では学生の数は男女ほぼ半々であるにも関わらず,女性教員の占める割合は1割以下です。それでも以前に比べたら,学会等で女性研究者をたくさん見かけるようになりましたし,優れた研究をしている女性研究者もたくさんいます。これから無限の可能性がある女子高生,女子学生のみなさんには,まず,こんな職業をしている女性がいることを知ってもらい,是非,目指して頂きたいと思います。エリートでもなんでもない私でも、とにかく研究が好きで, 強く望んだ結果,かなえることができました。まずは,強い気持ちで臨むことです。研究者になるには,ありとあらゆる能力,すなわち,忍耐力, 創造性,洞察力,実験のうまさ,プレゼン能力,作文能力,他人との協調性などが必要です。でも,もし少々苦手なことがあってもモチベーションが有れば, なんとか解決できますし, 得意なことをより伸ばすことで, それがその人の研究者としての個性になります。がんばれば, がんばっただけ, しかもいくつになっても向上することができるのが研究職です。

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