先輩からのメッセージ

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伊藤香織仮イメージ
  • 伊藤 香織 さん
  • 東京大学農学生命科学研究科博士課程

北海道大学で学部と修士課程をすごし、東京大学農学生命科学研究科博士課程に入学。
専門は、根の形態とストレスへの環境適応。
作物の根の凍結切片を作成したり、蛍光顕微鏡を用いて根を透明化して細胞の形状を観察したり、ミクロレベルで根の形態を観察する研究を行っています。
また、砂漠化の影響を受けている地域での作物栽培を目指して、土壌深層に達するような根の伸長メカニズムの解明を目指しています。

農学系分野を選択した時期・理由

もともと、国語や社会などの文系教科よりは、ロジックで考える数学や自然現象を扱った理科が好きでした。また、野口英世、キューリ夫人、宮沢賢治などの伝記や本を好んで読んでいました。昔は医学系に進みたかったのですが、成績が足りなくて断念。大学受験の際に、工学部のような機械系は苦手だし、かといって基礎研究的な理学部もダメだし、じゃあ、一番実用的で面白そうな農学部に行こうという曖昧な動機ではありましたが、農学部に入学しました。そこで、世界には3度の食事さえ満足に出来ない国が多くある現実、人口増加に伴う食糧不足の問題、地球温暖化など様々な環境ストレスの増加などを知りました。このような世の中で、「自分は一体何が出来るのか?」「食糧問題解決に少しでも貢献できないのか?」などと悩んだことが、研究職を目指すきっかけになりました。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

現在世界の人口は約63億人といわれており、1970年の40億人と比較すると約30年で1.5倍に増加しています。この人口増加にあわせて、食糧生産もますます増加させていかなくてはなりません。しかし、耕作可能な土地は既に限られており、今後更に耕作地を増加させることも難しいのが現状です。さらに最近の地球温暖化及び砂漠化の拡大により、耕作地は今以上に漸減していくと考えられます。耕作地が限られる中で食糧増産をしていくには、単位土地面積当りの生産量すなわち収量を増加させることが必須であるといえます。この収量の制限要因の研究課題として、私は"水"をキーワードにずっと研究を行ってきました。いうまでもなく、水は生物及び植物体にとって、欠かすことが出来ない大事な資源であり、現在でも世界の穀物栽培地域の約30%が水不足によってなんらかの被害を受けています。したがって、これらの乾燥地域で作物収量を増加させるための研究、すなわち作物の耐乾性を高めるための研究が、世界の作物生産増加のために非常に重要であると考えられます。このような大きな問題を研究テーマとしているので、目に見えるような直接的なアウトプットは少ないですが、とてもやりがいがあり、必要な研究分野だと思って取り組んでいます。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

理系に女性が進む割合は、どんどん増加しており、農学部においても女性の割合は増えています。昔は、「男の子は理系で、女の子は文系」といったことを言われていましたが、今は男女の能力差や適性はあまり関係ないと思います。むしろ、本人のやる気とどのような状況でもあきらめないでこつこつやる気持ちの方が大切なのではないかと思うのです。私の周りや年齢が少し上の先輩達をみても、男性達の中でもひときわ輝いて、研究と家事を両立している方達は沢山います。「案ずるより産むがやすし」と言いますように、まずは自分が一生のうちでやりたいことを見つけ、その後はその目標に向かって一生懸命努力していくことが大切なのではないでしょうか。これからの世の中は、どんどん女性が働きやすい環境になると思いますし、女性でも年齢や性差にとらわれずに自分のやりたいことを生き生きと出来る社会になるだろうと期待しています。
Girls be ambitious!
一緒に頑張っていきましょう。

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