理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

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先輩に質問!
山岸裕美プロフィール写真
  • 会社生活のほとんどを、ビール酵母の研究に携わってきました。スーパードライの製造に使用しているビール酵母とは社内で一番長い付き合いです。所属学会は日本農芸化学会、酵母細胞研究会、酵母遺伝学フォーラム。ビール酵母の研究で博士号取得。現在は、化学や微生物学の知識を使って、製品品質を保証する業務の統括を行っています。

理工系分野を選択した時期・理由

中学・高校では、数学と化学が好きでした。ゲーム感覚で楽しみながら問題を解いていた記憶があります。大学の学部は、好きな科目を勉強でき資格を取得できる薬学部を選択しました。大学に入学後、生物の研究と細かい実験作業の面白さに目覚めました。また、もの作りに携われる企業の研究所に就職したいと考え、アサヒビールに入社しました。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

入社後、そのほとんどを酒類技術研究所に所属し、ビール酵母の研究を行ってきました。ビール醸造のメインイベントである発酵では、酵母は麦汁からアルコールと炭酸ガスを生成しますが、その他にビールの味や香りとなる成分を生成します。人間に個性があるのと同様に、ビール酵母にも個性があり、発酵力の強い酵母、華やかな香りを生成する酵母など、ビール酵母によってビールの味や香りは大きく変わります。そのようなビール酵母を育種したり、目的のビールを造るための酵母使用技術を開発する研究は、ビール作りの研究の要と思っています。また、研究所では工場で使用するビール酵母の保存・管理を行っています。地道ですが、生産のおおもとを担っている業務であり、責任感とやりがいを感じながら行ってきました。

現在は、製品保証センターに所属し、化学分析、機器分析、微生物分析を用いて製品品質を保証する部署の統括を行っています。それまでの酵母研究のような専門分野を深く探る研究とは違い、守備範囲の広い業務です。品質保証はサッカーでいうディフェンス、ゴールキーパーのような役割で、発信するデータが会社を守る、という緊張感と責任感をもって仕事に当たっています。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

社会人になって、学生時代には想像していなかったいろいろな理系の仕事に出会いました。特に、あらゆる製品を製造するもの作りの研究開発は、社会への貢献を強く感じることができる仕事です。自分の研究開発したことが製品につながって世の中に出て行くことを実感できるのは理系の醍醐味だと思います。「好きなこと」「興味があること」を大事にしてください。その先に、いろいろな理系の世界が広がっています。

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