理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

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先輩に質問!
早乙女梢仮イメージ
  • 早乙女 梢さん
  • 鳥取大学農学部附属
  • 菌類きのこ遺伝資源研究センター准教授
  •  「きのこ」の中でもサルノコシカケ類などを含む「多孔菌類」を対象とした系統分類学が専門です。
    「きのこ」を知らない人はいないと思いますが、日本を含め世界各地には未知の種がたくさんあります。このような菌の生態・形態的な特徴を解明するとともに、DNA塩基配列情報をもとに系統的・分類学的な位置を明らかにする研究に取り組んでいます。
    2012年日本菌学会奨励賞

工学系分野を選択した時期・理由

とにかく小さいころから生き物が大好きで、様々な生物を育て、観察して過ごしました。それゆえ、高校では「生物学」が本当に大好きでした。既に高校生の時には、研究者になりたいという思いを抱いていた気がします。私の高校では、理系の女子は医療関係の短大や専門学校への進学者がほとんどで、4年生大学への志望者はいなかったので、受験勉強は本当に大変でした。国立大学に入学し、勉強・研究に取り組みたいという思いがあったので、1年間の浪人を経て国立大学の理学部に入学しました。入学当初から博士課程までの進学を決めていましたが、「研究者として就職することは本当に難しい」という考えを学部1年生の時から持っており、努力不足という後悔はしたくなかったので、全力で研究に取り組んで来ました。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

私が学生の時は、自身で文献や論文を読み、実験を行い、得られた研究成果を論文という形で報告することに、研究者としての充実感や達成感を得てきました。しかし、大学の教員になってからは、研究だけでなく、授業を含む教育活動など、様々な活動をしています。現在は、研究も研究室の学生さんたちと一緒に取り組むので、得られる成果への喜びも何倍にも高まりました。大学の教員としての仕事は、研究者としての充実感だけでなく、人を育てる楽しさや喜びが有ります。私は生物資源としてのきのこ菌株の保存や評価業務にも努めております。現在、十分に活用されていない「未利用きのこ資源」が、将来、いつでも利用可能となるための基盤づくりに携わっています。やりがいは勿論ですが、日本の貴重な資源ですので、大きな責任を感じて仕事に取り組んでいます。己の未熟さゆえに、様々な困難にもぶつかっていますが、それを乗り越えることも仕事の遣り甲斐の一つだと考えています。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

皆さんの中には、出産・育児なんてイベントは程遠いものに感じている方もいるかもしれませんし、既にそれを考慮した進路を計画されている方もいるかもしれません。確かに、職業によっては、育児や介護などで仕事を続けにくいものもあるのかもしれません。しかし、ライフイベント(出産・育児・介護)による労働上の困難に対する改善がどんどん進んでいます。研究職などの理系業種においても、周囲の理解と共に女性として働きやすい環境が益々整えられていくのを実感しています。仕事上の責任を負って、働き続けるという点では、男女を問わず、理系/文系でも苦労は等しいと思います。理系進学を迷われている方は、「何がしたいのか?」という自分の素直な気持ちに従うのが一番だと思います。

学部生の頃より、様々な研究機関に出入りをしていたので、家庭と仕事を両立している女性研究者を数多く見てきました。当初は、好きなことを仕事にするための対価として「全身全霊をかけて研究のみに取り組もう!」と気負ってきましたが、彼女たちと接する中で、様々な考え方・生き方を勉強させて頂きました。私自身が今後も家庭と仕事を両立させながら人生を踏みしめていくことで、後続の方がもっと働きやすい環境づくりに貢献できれば、と思っています。皆さん、臆することなく自分の夢に向かって素敵なチャレンジをしていってください!

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