理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

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宮本道子プロフィール写真
  • 宮本 道子 さん
  • 秋田県立大学システム科学技術学部
  • 経営システム工学科経営情報グループ 教授
  • 統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター 客員教授
  • 研究(職務)分野:大量の情報から必要な情報を取捨選択する際に,欠測データが多く含まれる項目を削除することなく,それを活かす方法を用いて情報収集を行うことで,より適切な行動をするための意思決定の質を向上させることを目標とする研究をしています。
  • 所属学会:日本経済学会会員、日本金融学会会員、日本統計学会会員、日本国際経済学会
  • 著書:「ヘドニックプライス・モデルと競争戦略」シリーズ<ビジネスの数理>第7巻第8章『マーケティング・経営戦略の数理』朝倉出版2009年3月行,124-135頁
    秋田県立大学 別ウインドウで開きます

工学系分野を選択した時期・理由

私は典型的な文系の人間です。子供のころの得意な科目は国語、日本史、英語、音楽などでした。

大学のときはグラフィックデザインを専攻していました。修士のときにファイナンスに転向し、卒業後、アメリカの大手投資銀行に勤めました。その後、経営学の博士課程に進学したときの指導教官が経営学の実証研究をされている先生でした。その先生が博士2年目に亡くなられたため、実証研究を指導してくださっていた応用統計の先生が指導教官になってくださることになり、そこからデータを集め、本質的な情報を取り出す統計数理の道に入って行きました。

博士号を取得後、金融工学の研究所で働かせていただいて、実際の銀行のデータを使った信用リスクの研究をしたり、統計数理研究所で、信用リスクにおける大規模データを使った研究を続けています。同時に、大学で多変量解析やデータ分析を教え始め、2008年から現在の理工系の大学で教えています。

ですから、私は、珍しい文系と理工系の融合体ですが、今では、データを扱う科学の文法である統計に携われることを楽しんでいます。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

データは私たちの周りにたくさん溢れています。あまりにたくさん溢れているデータの海で溺れてしまわないために、統計科学があります。統計を用いると、現在や過去の姿を客観的なデータで正確に測り、将来を予測したり、実行可能性のある目標を設定したりすることができるようになります。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

私が所属する経営システム工学科では、経営学に理工系の能力を生かすことを目的とし、数理、情報、経営の融合を考えた教育を行っています。学科の約4分の1が女子生徒です。どの学年でも、授業中、女子は教室の前に座り、まじめで優秀な人が多いです。システム・エンジニアを目指したり、土壌の化学物質を分析する研究を行っている女子生徒もいて、卒業後、その方面に進んでいます。

長い人生、何が起こるか分かりません。おとぎ話のお姫様は王子様と結ばれるところで終わりますが、人生はそのあともずっとずっと続きます。

その長い人生の中で、若いころに身に付けた教養、続けてきた仕事はきっとみなさんを精神的、経済的に支えてくれることでしょう。特に理工系分野はみなさんに特別な技術や将来を与えてくれると思います。

どの世界でもプロフェッショナルとして頑張っている女性は、まだまだ少ないです。女性は男性の2倍頑張って、ようやく一人前として認められると言われたことがあります。そんな中でも、必ず応援してくれる人たちに出会えますし、先輩たちも頑張っています。是非、みなさんも続いてきてください。

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