理工チャレンジ 女子中高生・女子学生の理工系分野への選択

先輩からのメッセージ

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吉武由実プロフィール写真
  • 吉武 由実 さん
  • (株)東芝 セミコンダクター&ストレージ社
  • アナログ・イメージングIC事業部

コンピュータ、携帯電話、家電など、ほとんどの電気製品に半導体は入っています。
その半導体のなかでも、デジタルカメラに必要不可欠なイメージセンサの開発に携わっています。

工学系分野を選択した時期・理由

父が技術者だったこともあり、小さいころから機械を分解したり、仕組みを調べたりする機会が多かったため、自然と"自分は理系に行く"と思い込んでいました。高校の頃は数学が苦手で、むしろ政治経済の方が成績は良かったです。それでも理系に行くことを悩むことはなかったです。中学生のころ、コンピュータが我が家にやってきました。"何でもしてくれる魔法の箱"のように見えて"この分野は面白そうだな"と思い、情報科学分野に進むことを決意しました。

大学では、知りたいこと、わからないことがあったとき能動的に動いて解決することが大事だったと思います。それに応えてくれる先生方がたくさんいて、勉強することがとても楽しいことだと知ることができました。

情報分野を勉強していく中で特に興味を持ったことは"アルゴリズム"です。ある問題に対して、コンピュータにどのように計算させたら速く、良い結果が返ってくるかを考える分野です。小さいころは"何でもしてくれる魔法の箱"だと思っていたコンピュータが、実は人間がよい方法(アルゴリズム)を与えないと使えない"道具"なんだと知りました。アルゴリズムはどちらかというと数学に近い分野です。高校の頃は数学が苦手だったことを考えて、多少は躊躇しましたが、ゼミではアルゴリズムの研究室を選びました。

ゼミ配属は3年生の9月に行われました。大学を卒業する場合はその年の年末あたりから就職活動を開始します。そのあたりは、だんだん研究も楽しくなってきたところで、もっとこの分野について知りたい、このまま卒業しては後悔すると思い、大学院修士課程への進学を決意しました。先生や研究室のメンバーとディスカッションしたり、学会で発表をしたりした2年間は、自分の人生の中で、とても貴重なもので今に生かされていると思います。

現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ

修士課程の後、博士課程に進むことも考えましたが、今度はハードウェアに近い分野で働いてみたいと考えて、東芝の半導体部門に入社しました。

半導体を作るためには長い工程があり、各々のエキスパートが会社の中に男女問わずいて、毎日刺激になっています。仕事では、プロセッサのシミュレータ開発を行ったり、半導体の製造ラインに立ったりしたこともあり、幅広く経験を積んでいます。大学院と同様、ここでもチームでお互いの知恵を出し合い、議論して問題を解決していくことが勉強となり、とても面白いことだと感じています。

現在はイメージセンサの開発に関わっています。自分が関わった半導体から画像が出たときはうれしさと安堵感でいっぱいになりました。メーカーで働いていることの魅力の一つは、自分が関わった製品が形になって世に出ることです。店頭に並んだときは、思わず手を伸ばしてしまいます。

将来は、ハードウェアとソフトウェア両方の知識を備えた技術者になり、それぞれの橋渡しができるようになりたいです。そのための努力をこれからも続けていきます。

女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ

確かに理系に女性は少ないですが、それを理由に理系進学を諦めるにはあまりにも勿体ないほどの魅力が、理系分野にはあると思います。ちょっと気になる分野があるならば、少しだけでも、本を読むなりインターネットで検索してみてください。その時、面白いなと思えたら、その分野に進んで勉強する価値があると思います。

その分野はあくまで入口であり、深く勉強をしていくうちに、その中にさらに深くて広い分野があることが解ることがあります。その度に分野を選ぶことで自分の道を探っていくという生き方もあります。

一つの問題を追及し、見えない解を探す経験は、どのような分野の職業に就いたとしても貴重なものとなるはずです。気負いせず、自分に正直に進んでほしいと思います。

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