第5分野 女性に対するあらゆる暴力の根絶

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第4節 配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等の推進

1 保護命令制度の拡充・保護命令違反の厳罰化、基本方針・都道府県基本計画の記載事項の拡充及び協議会の法定化等の措置を講ずることを内容とする、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律(令和5年法律第30号。以下「配偶者暴力防止法改正法」という。)が第211回国会(令和5(2023)年)において成立した。令和6(2024)年4月の配偶者暴力防止法改正法の円滑な施行を図るため、所要の措置を講ずる。【内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省】

2 配偶者暴力相談支援センター長、地方公共団体の支援センター主管課等の行政職員及び地方公共団体の支援センター、児童相談所並びに民間シェルター等において相談支援業務に携わる官民の相談員等の関係者を対象として、相談対応の質の向上及び被害者や被害親子に対する支援における官官・官民連携強化のために必要な知識の習得機会を提供するため、オンライン研修教材を作成し提供する。【内閣府】

3 DVと児童虐待が密接に関連するものであることを踏まえ、DV対応と児童虐待対応との連携強化に向けた取組を推進する。【内閣府、警察庁、こども家庭庁、法務省、厚生労働省、関係府省】

4 DV被害者等セーフティネット強化支援事業による交付金の交付により、官民連携の下で民間シェルター等による先進的な取組を推進する都道府県等への支援を行う。(再掲)【内閣府、法務省、厚生労働省、関係府省】

5 被害者等のための民間シェルター等が行う先進的な取組の推進や調査研究の実施など、被害者支援の充実を図るとともに、一時保護解除後の被害者等に対する民間シェルター等を通じた自立支援、定着支援等の取組を行う。【内閣府、厚生労働省】

6 被害者の保護に当たっては、被害者は、配偶者からの暴力で心身共に傷ついていることに留意し、不適切な対応により被害者に更なる被害(二次被害)が生じることのないよう配慮することを徹底する。【内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省】

7 被害者等の保護、捜査、裁判等に職務上関係のある者は、被害者等の安全の確保及び秘密の保持に十分な配慮をする。また、加害者が個人情報に係る閲覧や証明書の制度を不当に利用し被害者等の住所を探索することを防止するなど、被害者情報の保護の徹底を図る。【内閣府、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省】

8 DV相談プラスを実施して、配偶者等からの暴力の被害者の多様なニーズに対応できるよう、毎日24時間の電話相談、SNS・メール相談、10の外国語での相談の対応を行うとともに、各地域の民間支援団体とも連携し、相談員が必要と判断した場合には、関係機関等への同行支援なども行う。(再掲)【内閣府、厚生労働省】

9 二次被害を防止し、適切な被害者支援を行うため、現場のニーズに即した研修の実施や相談員の適切な処遇など、支援に従事する関係者の質の向上・維持に向けた継続的取組を促進する。【内閣府、厚生労働省】

10 被害者の安全確保及び加害者への厳正な対処を徹底するとともに、被害者の支援と被害の防止に関する広報啓発を推進する。内閣府では、内閣府ホームページ、メールマガジン、SNS等を通じて、配偶者からの暴力の被害者支援に役立つ情報の提供を行う。【内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省】

11 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)に基づき、保護命令制度の適切な運用の実現のための施策の実施に努める。また、保護命令制度の拡充・保護命令違反の厳罰化、基本方針・都道府県基本計画の記載事項の拡充及び協議会の法定化等の措置を講ずることを内容とする配偶者暴力防止法改正法が第211回国会(令和5(2023)年)において成立した。令和6(2024)年4月の配偶者暴力防止法改正法の円滑な施行を図るため、所要の措置を講ずる。(再掲)【内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省】

12 婦人相談所において、被害者の安全の確保や心身の健康回復を十分に行うとともに、民間シェルター等の積極的活用等による適切かつ効果的な一時保護を実施する。また、婦人相談所一時保護所や婦人保護施設において、被害者に対する心理的ケアや自立に向けた支援、同伴児童への学習支援を推進する。【厚生労働省】

13 被害者は身体的に傷害を受けたり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)等の疾患を抱えることが多いことから、事案に応じて、医師、相談・保護に関わる職員が連携して、医学的又は心理的な援助を行う。また、職務関係者に対する研修の充実等により、被害者に対する適切な支援を行うための人材育成を促進する。【内閣府、厚生労働省、関係府省】

14 被害者は複合的な困難を抱えたり生活困窮に陥ることがあるため、配偶者暴力相談支援センター等において、関係機関や民間シェルター等とも連携しつつ、被害者への中長期的な支援として、就業の促進、住宅の確保、医療保険・国民年金の手続、同居する子供の就学、住民基本台帳の閲覧等の制限等に関する制度の利用等の情報提供及び助言を行う。また、事案に応じて当該関係機関や民間シェルター等と連携して対応に当たるなど、被害者の自立を支援するための施策等について一層促進する。その際、先進的な取組について共有を図る。【内閣府、厚生労働省、関係府省】

15 被害者の住居の安定の確保のため、地域の実情を踏まえた事業主体の判断による公営住宅への優先入居や目的外使用の実施を促進する。【国土交通省】

16 配偶者からの暴力の被害者を含め、包括的・総合的に支援を行う自立相談支援機関において、中長期的な自立支援を行う。【内閣府、厚生労働省】

17 被害者支援の一環として、加害者の暴力を抑止するための地域社会内でのプログラムについて、令和2(2020)年度から令和4(2022)年度に実施した試行実施の成果等を踏まえ、「配偶者暴力加害者プログラム本格実施のための留意事項」(仮称)を策定するとともに、これに基づいた取組の全国的な展開に向けて、被害者支援を行う地方公共団体や民間団体の関係者等に対し、その内容の普及を図る。【内閣府、関係府省】

18 配偶者等からの暴力がその子供にも悪影響を及ぼすことに鑑み、子供に対する精神的ケア、学習支援等の支援を充実させるとともに、配偶者暴力相談支援センター等の配偶者からの暴力への対応機関と児童相談所等の児童虐待への対応機関との連携協力を推進する。【内閣府、こども家庭庁、厚生労働省、関係府省】

19 交際相手からの暴力の実態の把握に努め、各種窓口において相談が受けられる体制の拡充・周知徹底を行うとともに、被害者の適切な保護に努める。内閣府では、配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数等について調査を実施し、交際相手からの相談状況の把握を行う。【内閣府、警察庁、文部科学省、厚生労働省、関係府省】

20 非同棲交際相手からの暴力(いわゆるデートDV)について、教育・学習、若年層に対する予防啓発の充実を図る。【内閣府、文部科学省】