コラム11 「離職した女性の再就職を伴走型で支援する」

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コラム11

「離職した女性の再就職を伴走型で支援する」


(株式会社Waris)

「Warisワークアゲイン事業」の打ち合わせの写真

株式会社Warisは,女性がライフステージの変化に応じて仕事を続けていくことが難しいという課題意識を共有する女性3名により,平成25(2013)年に設立された。女性が,常に自分の能力を活かして働くことが出来るようにすることを目標としている。

同社の主要事業のひとつに,女性のためのキャリア復帰支援プログラム「Warisワークアゲイン事業」がある。出産・子育てや配偶者の転勤などで仕事を離れた女性の再就職を支援するものである。

当該事業の特徴は,離職中のスキル不足を補う学びや,キャリアデザインに関する学びなどの「学び直し」の機会の提供から,就業前や就業中など段階に応じたキャリアカウンセリングによる心理面のサポート,インターンシップという「実践の場」の提供まで,ワンストップで再就職を支援するという点だ。

「Warisワークアゲイン事業」のように仕事復帰を目指す離職人材の背中を押し,再就職に至るまで伴走する存在は重要である。なぜならば,ライフステージの変化を機に仕事を離れた女性は,就業意欲がありながらも,「どのように就職活動を行えばいいのかわからない」,「離職期間が長く,社会人としてのスキルにも自信が持てない」などの理由から,再就職への最初の一歩が踏み出せないケースが多いからである。

就労体験のインターンシップの様子の写真

最初の一歩を踏み出すときに,学ぶことから始めることは有効である。同社が提供するキャリアデザイン講座は,今までの人生を棚卸しし,離職前の就業経験を上手く活用するにはどうすればいいか,再就職に向け自分に必要な学びは何か等を考えることができる。また,仕事と家事を両立するためには家族の協力が必要不可欠であることに気づき,家事の分担を見直すきっかけともなる。本人のみならず,ときには家族も一緒に,再就職へのマインドセットを行う。

就労体験のインターンシップは,本採用に向けてのトレーニング期間と位置づけられており,そのタイミングで仕事感覚を取り戻せるとともに,不安の解消や自信の獲得へもつながる。受け入れ企業からは,「ブランクはあっても仕事のベースはあるので,仕事の勘を取り戻すのが早い」との声が聞かれる。加えて,「30代後半~40代半ばの女性が多いことから,数年の育成期間を経て企業の管理職候補に育つ可能性も見込める」と考える企業もある。インターンシップ参加者の約9割以上で事後に正社員等としての採用が成立している。