第5節 多様な生き方,多様な能力の発揮を可能にするための支援

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第5節 多様な生き方,多様な能力の発揮を可能にするための支援

1 再就職に向けた支援

厚生労働省では,子育て女性等に対して再就職支援を行うマザーズハローワーク及びマザーズコーナー(全国177か所(平成25年度末現在))において,担当者制によるきめ細かな職業相談・職業紹介,仕事と子育てが両立しやすい求人の確保,地方公共団体等との連携による保育所情報等の提供,託児付きセミナー等を実施している。

経済産業省では,育児等で退職し,再就職を希望する主婦等に対し,職場経験のブランクを埋める機会を提供するために,中小企業・小規模事業者が実施する職場実習を支援する「中小企業新戦力発掘プロジェクト」を実施している。

2 仕事と生活の調和を可能にする多様な働き方の推進

短時間正社員は,所定労働時間が短いながら正社員として適正な評価と公正な待遇が図られた働き方であり,育児・介護や地域活動等個々人のライフスタイルやライフステージに応じた働き方を実現させるものとして期待されている。短時間正社員制度の導入・定着を促進するため,制度導入支援マニュアルを配布したほか,制度を導入した事業主に対する助成金等の活用,「短時間正社員制度導入支援ナビ」の運営等により,短時間正社員制度の概要や取組事例等についての情報提供を実施した。

平成25年6月に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」においては,「就業継続が困難となる子育て期の女性や育児に参加する男性,介護を行っている労働者などを対象に,週一回以上,終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワークにおける,労働者にやさしいテレワーク推奨モデルを産業界と連携して支援し,2016年までにその本格的な構築・普及を図り,女性の社会進出や少子高齢化社会における労働力の確保,男性の育児参加,仕事と介護の両立などを促進する」こととされるなど,これまで以上にテレワークの普及促進に取り組むこととしている。

関係省庁では,テレワークが様々な働き方を希望する者の就業機会の創出及び地域の活性化等に資するものとして,テレワークの一層の普及拡大に向けた環境整備,普及啓発等を連携して推進している。

総務省,厚生労働省,経済産業省,国土交通省のテレワーク関係4省は,平成17年度に設立した産学官から成る「テレワーク推進フォーラム」において,テレワークの円滑な導入や効果的な運用に資する調査研究及び普及活動を展開している。

総務省では,テレワークの本格的普及を図るため,全国の企業等に対してテレワークの導入・運営に向けた専門家派遣,これら取組を通じたテレワーク導入事例の策定を行った。さらに,全国でセミナーを開催し,その普及を図った。

厚生労働省では,適正な労働条件下でのテレワークの普及促進のため,平成20年7月に改定された「在宅勤務ガイドライン(情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン)」について,事業主への周知・啓発を行うとともに,テレワーク相談センターによる相談対応や,事業主・労働者等を対象としたセミナーを開催した。

さらに,在宅ワークについて,契約条件の文書明示や適正化等を示した「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」の周知・啓発を行うとともに,「ホームワーカーズウェブ」の運営により,在宅ワーカー及び在宅ワークの発注者に対する情報提供等の支援事業を実施した。

国土交通省では,テレワークによる働き方の実態やテレワーク人口の定量的な把握等を行った。

3 女性起業家に対する支援

経済産業省では,株式会社日本政策金融公庫を通じ,女性等を対象に優遇金利を適用する融資制度(女性,若者/シニア起業家支援資金)や,無担保,無保証人で融資を受けられる新創業融資制度等により,起業・創業の支援を行っており,女性,若者/シニア起業家支援資金については,平成25年度補正予算により対象となる貸付企業の創業年限を拡充し,運転資金の貸付利率を引き下げた。また,新たな需要を創造する新商品・サービスを提供する創業(第二創業含む)に対して,店舗借入費や設備費等の創業に要する費用の一部を支援した(採択実績:7,060件(平成26年4月時点))。

4 雇用・起業以外の就業環境の整備等

厚生労働省では,家内労働者の労働条件の向上と生活の安定を図るため,委託者及び家内労働者に対し,家内労働手帳の普及,工賃支払の確保,最低工賃の決定・周知,安全衛生の確保等の対策を推進した。