男女共同参画白書(概要版) 平成25年版

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第1節 経済再生における女性の役割

1 我が国経済を取り巻く状況

我が国の経済は,バブル経済崩壊後の低成長とデフレの持続と並行して,産業のサービス化の進展等,その構造が大きく変化している。

また,事業のグローバル化に伴うダイバーシティ経営への要請,我が国特有の雇用慣行の変化等,企業・雇用を取り巻く環境も変化している。

さらに,世帯構成の面では,単独世帯や共働き世帯の増加が続いており,家計の面でも,二人以上の世帯のうち勤労世帯における男性世帯主の1か月当たりの収入が減少している。

2 経済分野における女性への期待

我が国経済を取り巻くこのような大きな環境変化の中で,経済成長の担い手としての女性の可能性が注目されている。

より多くの女性が新製品・新サービスの開発に参画することにより,多様な経験や価値観が反映され,新しい市場が開拓されることが期待される。また,今後に見込まれる生産年齢人口の減少による影響を女性の就業拡大によって緩和することができる。

3 経済分野における女性の活躍の現状
(1) 女性の就業の現状
(全般的な状況)

平成24年における全就業者に占める女性の割合は42.3%であり,海外の主要国と比べて大きな差は見られない。管理的職業における女性の割合は近年漸増傾向にあるが,欧米諸国のほか,シンガポール,フィリピンといったアジア諸国と比べても低い水準にとどまっている(第1図)。

(産業別・職業別の状況)

産業別に見ると,平成24年においては男性では,製造業(20.1%),卸売業・小売業(14.3%),建設業(11.9%)で割合が高くなっている一方,女性では,医療・福祉(20.0%)及び卸売業・小売業(19.7%)が最も多く,製造業(11.5%)がこれに続いている。

また,職種別に見ると,男性では,生産工程従事者の割合(17.8%)が最も多く,専門的・技術 的職業(15.0%)と販売従事者(14.0%)がこれに続いている。女性では,事務従事者(27.0%)の割合が最も高く,近年就業者が増加しているサービス職業(19.1%)と専門的・技術的職業(17.6%)がこれに続いている。

第1図 就業者及び管理的職業従事者における女性割合

(2) 雇用における女性

女性は男性に比べて小規模な企業に雇用されている割合が多いものの,近年は,従業員100人以上の企業に雇用される女性の数が徐々に増加している。また,非正規雇用は,女性の半数以上を占める一方,男性では約2割となっている。

(3) 自営業・農林漁業

自営業主の多い産業を見ると,男性では,農林漁業,建設業,卸売業・小売業の順になっている。一方,女性では,生活関連サービス業・娯楽業,卸売業・小売業,教育・学習支援業となっている。

平成18年以降,農業従事者に占める女性の割合は約50%で横ばいが続いている。また,漁業従事者における女性割合は15%程度の水準で漸減傾向にある。

(4) 海外における就業

自らの就業・就学等のために海外に在留する長期滞在者は,平成23年10月1日現在で49.8万人となっており,36.2%を女性が占めている。