男女共同参画白書(概要版) 平成25年版

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第2節 女性の労働力率(M字カーブ)の形状の背景

1 世代及び配偶関係による特徴
(1)世代別特徴

女性の世代ごとの労働力率を見ると,若い世代ほど,M字カーブの2つの山が高くなると同時に谷が浅くなり,かつ,谷が右方向にずれている(第2図)。

第2図 女性の年齢階級別労働力率の世代による特徴

(2) 配偶関係別の特徴

年齢階級別配偶関係別の労働力率を世代別に見ると,有配偶の女性は,若い世代ほど労働力率が全般的に高いと言える。また,無配偶の女性の場合,25~29歳にかけて労働力率が上がり,その後横ばい又は微減となる傾向が全世代共通で見られ,やはり若い世代ほど労働力率が高くなっている (第3図)。

第3図 女性の年齢階級別労働力率の世代による特徴(配偶者有無別)

2 就業形態及び教育による特徴
(1)就業形態別の特徴

女性の就業形態を見ると,男性に比べて若年層でも非正規雇用が多いことに加え,多くの女性が結婚・出産期にさしかかる25歳以降で,正規雇用が減少して非正規雇用が増加する傾向が見られる(第4図)。

第4図 年齢階級別労働力率の就業形態別内訳(男女別、平成24年)

(2) 教育別の特徴

女性の雇用形態別内訳を教育別に見ると,小学・中学・高校卒の女性は,結婚・出産期に一旦離職した場合も,非正規雇用で再転職する傾向があるのに対して,短大・高専卒及び大学・大学院卒の女性は,結婚・出産期に一旦離職した後に再就職する割合は相対的に少ないと言える(第5図)。

第5図 女性の教育別の年齢階級別労働率の内訳:就業形態別(平成24年)

(3) 雇用形態の世代別特徴

雇用形態別内訳を世代別に見ると,正規雇用については,各年齢階級において世代間で大きな差は見られず,おおむね,結婚・出産に当たる年齢階級で離職した後,正規の職員・従業員としてはほとんど再就職しないという傾向がうかがわれる(第6図)。

一方,非正規雇用を見ると,M字カーブの谷及び右側の山を含む各年齢階級において, 1つ前の世代よりも労働力率が高くなっている。

第6図 女性の年齢階級別労働力率の世代による特徴(雇用形態別)

3 非労働力人口における就業希望者

非労働力人口の女性のうち303万人がなお就労を希望している。そのうちの半分以上に当たる161 万人は,25~44歳の年齢階級に属している。就業希望者の内訳を見ると,教育別では小学・中学・高校卒が47.3%,希望する就業形態では非正規雇用が71.9%を占めている(第7図)。

第7図 女性の就業希望者の内訳(平成24年)

年齢階級別に見ると,女性の就業希望者303万人のうち35~44歳の年齢階級が30.0%,25~34歳が23.1%を占めている。希望する就業形態を年齢階級別に見ると,特にこれらの年齢階級において,非正規雇用を希望する割合が高い。